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北海道地域3大学2公設試 新技術説明会(1)

日時:2014年09月08日(月)

会場:JST東京別館ホール(東京・市ヶ谷)

参加費:無料

発表内容詳細

  • アグリ・バイオ

1)窒素の同位体を用いて二種類のフリーラジカル分子を見分けるイメージング法

北海道大学 大学院情報科学研究科 生命人間情報科学専攻 教授 平田 拓

新技術の概要

二種類のフリーラジカル分子を、窒素の同位体14Nと15Nを用いて区別して検出、画像化する技術についてご説明する。窒素の同位体のスピン量子数が異なることから、電子常磁性共鳴法を用いて、二種類の分子を選択的かつ同時に画像化することが可能となる。

従来技術・競合技術との比較

二種類のフリーラジカル分子を選択的かつ同時に可視化する画像化法として、オーバーハウザー効果を用いた磁気共鳴イメージング法が知られている。本発明は比較的低解像度であるが、電子スピンの励起に高い電力の電磁波を照射する必要がない。

新技術の特徴

・二種類の薬物を可視化する用途
・二つの化学的なパラメータを同時に測定する用途(酸素とpHなど)

想定される用途

・二種類の溶液を区別して可視化する用途(水と油の分離を非破壊的に観測できる)
・二種類の分子をラベル化して可視化する実験への適用
・鏡像異性体の関係にある分子のペアを同時に可視化する動物実験

関連情報

・外国出願特許あり

  • 材料

2)液中プラズマを用いた金属酸化物およびその触媒の物性強化

北海道大学 大学院工学研究院 材料科学部門 教授 米澤 徹

新技術の概要

本研究では、触媒として機能しうるさまざまな電子状態の酸化タングステンやそのほかの金属酸化物を得る手法としてのマイクロ波液中プラズマ法について紹介する。マイクロ波条件、液温、雰囲気制御によって、さまざまな金属酸化物を得ることが可能となる。

従来技術・競合技術との比較

本発明による金属酸化物およびその触媒の物性強化手法は、新規な金属酸化物材料の生成法や、これまでのプラズマ法では困難であった、ナノ粒子状の金属酸化物の改質法を提供することが可能である。短時間・低コストで高機能な酸化物ナノ材料を製造可能とできる。

新技術の特徴

・短時間で金属酸化物ナノ粒子の改質、新規ナノ粒子の合成が可能
・大量処理が可能
・物性制御幅がある

想定される用途

・可視光光触媒
・特定波長吸収材料
・透明導電性酸化物

  • 計測

3)半導体多孔質構造の形成と高感度化学センサへの応用

北海道大学 量子集積エレクトロニクス研究センター 准教授 佐藤 威友

新技術の概要

イオン感応性電界効果トランジスタの高感度化を可能とするセンサ構造およびその製造方法に関する技術で、電気化学的手法により形成した多孔質構造を検出部にもち、大きな検出面積とナノ構造の高感度応答特性を利用する。

従来技術・競合技術との比較

従来法と比べて簡便な方法で多孔質構造を形成し、各孔部の深さのばらつきを抑制することができる。また、pn接合基板上に形成した素子構造のため、pn接合へのバイアス印加により検出感度を向上させることができる。

新技術の特徴

・光センサー
・磁気センサー

想定される用途

・ガスセンサー
・イオンセンサー
・バイオセンサー

  • デバイス・装置

4)次世代低電圧駆動トランジスタの作製技術

北海道大学 大学院情報科学研究科および量子集積エレクトロニクス研究センター JSTさきがけ専任研究者 冨岡 克広

新技術の概要

従来のMOSFETの原理で超えることができない理論限界の壁を、新しい動作原理のスイッチ素子で乗り越え、低電圧トランジスタの実現を可能にします。具体的には、シリコンとIII-V族化合物半導体をナノスケールの結晶成長技術で接合し、欠陥のない理想的な接合界面(超ヘテロ界面)を作製し、その界面で生じるバンド不連続性を利用し、低電力で駆動するスイッチ素子の作製技術です。

従来技術・競合技術との比較

集積回路の低消費電力化の妨げになっているのは、トランジスタのリーク電流とサブスレッショルド係数(SS係数)に理論的な限界(60mV/桁)があるためである。そこで、トランジスタ構造を縦型にし、ラップ状にゲート電極を作ることで、電流のリークを抑え、結晶成長技術によって、シリコンとIII-V族の界面を形成し、電子のトンネル効果を用いたスイッチ素子を使うことで、理論限界を大幅に超える21mv/桁を世界で初めて達成した。

新技術の特徴

・スイッチ素子
・太陽電池
・バイオセンサー

想定される用途

・低電圧トランジスタ
・低消費電力集積回路
・生体、バイオセンサー

関連情報

・外国出願特許あり

  • 材料

5)混合気体から炭酸ガスを高選択的に分離可能な高分子膜

室蘭工業大学 大学院工学研究科 環境調和材料工学研究センター 助教 馬渡 康輝

新技術の概要

炭酸ガスとの親和性が非常に高いらせん高分子を合成し、種々の混合気体から炭酸ガスを高選択的に分離可能な気体分離膜を開発した。特に炭酸ガスとメタンあるいは窒素との分離に高い能力を発揮し、それぞれの混合気体の成分比に依存せず、混合ガスから炭酸ガスのみを完全に分離することが可能である。

従来技術・競合技術との比較

従来型のポリマーと全く異なる特徴的な分子構造および分子集合体を有することで、飛躍的に気体分離能が向上した。さらに、圧倒的に安価かつ非常に簡便な方法でモノマー及びポリマーの合成が可能であり、かつ経時劣化した膜は再生可能である。

新技術の特徴

・CO2との親和性が非常に高く、特にCO2/CH4およびCO2/N2の混合ガスからCO2を完全に分離可能
・各種有機溶媒への溶解性に優れ、成形が非常に容易
・モノマー及びポリマーがそれぞれ非常に単純な1段階の化学反応で得られ、従来の気体分離膜と比較し大幅な低コスト化を実現

想定される用途

・天然ガス、メタン発酵ガス、火力発電の排ガス、バイオマス熱分解ガス、油田のオフガス中の炭酸ガスを分離及び回収
・CO2吸着材

  • デバイス・装置

6)プラズモンを用いた最先端ナノ光リソグラフィー

北海道大学 電子科学研究所 グリーンナノテクノロジー研究センター 准教授 上野 貢生

新技術の概要

プラズモン共鳴による光電場の局在を用いれば、微小な領域に光電場を自在に局在化できる。本技術では、プラズモンの高次の共鳴モードの散乱光を利用して数nmの分解能の光リソグラフィー技術を明らかにした。

従来技術・競合技術との比較

従来の光リソグラフィーの分解能は波長で決まるが、本技術はフォトマスクの金属ナノ構造の加工分解能によって決定される光リソグラフィー技術である。フォトマスクである金属ナノ構造に赤外光を照射することによりシングルナノメートルの分解能でパターンを転写できる技術となる。

新技術の特徴

・赤外レーザー光を照射するだけでマスクパターンの形状をそのまま転写可能
・近接場光ではなく散乱光(伝播光)を使用しているため高アスペクト比の加工が期待される
・ライン&スペースだけではなく、三角形、ナノギャップ、チェインなどあらゆる構造の作製が可能

想定される用途

・レーザーナノ加工
・光記録・読み出し
・高分解能光学顕微鏡技術

関連情報

・外国出願特許あり

  • 材料

7)表界面ナノレイヤーを活用した高安定性銀薄膜

北見工業大学 工学部 マテリアル工学科 教授 川村 みどり

新技術の概要

酸化物基板上での銀薄膜は、耐熱性が低いという問題があった。本技術は、金属や有機表界面ナノレイヤーを活用することにより、銀薄膜の基板との密着性、結晶配向性等を向上させ、高安定性銀薄膜を実現した。

従来技術・競合技術との比較

従来技術の異種金属添加法では、銀薄膜の電気抵抗率の増大を招く等、本来の特性を損なう問題もあったが、本技術の適用により、バルクの銀と同等の性質を維持しつつ安定性の向上が達成できた。

新技術の特徴

・熱的・化学的な高安定性
・優れた表面平坦性
・簡便な方法での製造

想定される用途

・透明導電膜
・エコガラスのLow-Eコーティング
・反射コーティング

  • 創薬

8)樹状細胞への高効率、低毒性のsiRNA導入を可能にするデリバリーシステム

北海道大学 大学院薬学研究院 医療薬学専攻 助教  中村 孝司

新技術の概要

In vitroで抗原提示細胞である樹状細胞への高効率・低毒性のsiRNA導入を実現するデリバリーシステム。脂質ベースのナノ粒子であり、構成脂質には独自に合成したオリジナルな脂質を含んでいる。

従来技術・競合技術との比較

siRNA医薬開発で世界をリードしているAlnylam社のデリバリーシステムを用いた場合でも樹状細胞へのsiRNA導入には、125-250nM必要である(Cancer Immunol Immunother 2013)。またinvitrogenのLipofectAMINE RNAiMaxを用いた場合のED50は25nMであった。一方で、本デリバリーシステムを用いた場合のED50は1.5nMとはるかに低doseでのノックダウンを可能にする。

新技術の特徴

・siRNA導入が難しい樹状細胞において、低dose、低毒性で標的遺伝子を90%以上ノックダウン可能
・オリジナルな合成脂質を使用

想定される用途

・樹状細胞療法用の医薬品
・局所投与用siRNA医薬品
・siRNA導入試薬

関連情報

・サンプルの提供可能

  • 情報

9)現代の様々な知的活動を支援する~自然言語処理とその応用

北見工業大学 工学部 情報システム工学科 准教授 桝井 文人

新技術の概要

(1)日報情報を自動解析して知識ベース化し、ことばによる柔軟な検索インタフェイスでアクセスすることにより、過去のノウハウや知見を容易に共有できる手段を提供する。工場のトラブル対応支援および宿泊施設の宿泊者向けアンケート分析支援への応用実績がある。(2)学校非公式サイトやブログ、SNSにおける誹謗中傷など有害な書き込みを自動的に検出する技術を提供する。

従来技術・競合技術との比較

(1)従来は高度RDBを用いた日報の共有が主流であり、データベース化と知識の参照に熟練や専門知識が必要であった。これに対し、本技術はこれらの点が自動化および直感操作で対応できる。(2)有害書込みの検出は人手判断によるものが主であり検出にかかるコストが非常に高い。これに対し、本技術では高精度で自動検出が可能となるため、最終確認以外は自動化が可能となる。・両技術とも言語依存性がほとんどないため多言語への対応も容易である。

新技術の特徴

・手書きデータの解析と類似データの発見
・複数データベースの統合と共有
・positive/negative、new/oldといった極性を持つデータの判別

想定される用途

・工場やオフィスにおける日報解析とノウハウ共有
・宿泊施設における顧客アンケート解析と意見情報共有
・インターネット掲示板やブログ、SNSにおける有害書込み検出、書込み時の警告

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

国立大学法人北海道大学 産学連携本部

TEL:011-706-9561FAX:011-706-9550
Mail:jigyoアットマークmcip.hokudai.ac.jp
URL:http://www.mcip.hokudai.ac.jp/
新技術説明会について

〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町

TEL:03-5214-7519

Mail:scettアットマークjst.go.jp

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