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情報通信技術 新技術説明会

日時:2015年02月02日(月)

会場:JST東京本部別館ホール(東京・市ヶ谷)

参加費:無料

発表内容詳細

  • 通信

1)M2Mにおける新しいセンサ情報収集法と同期確立技術

信州大学 工学部 電気電子工学科 准教授 田久 修

新技術の概要

M2Mにおける情報収集を支える無線通信はアクセスするマシン数の増加に伴う衝突やリアルタイムな収集ができない課題がある。この問題を解決する新しいセンサ情報収集法が登場し、多数のマシンとの同期を確立する必要性が高まっている。多数のマシンと情報収集局が時間及び周波数同期を確立する方法を提供する。方法では、誤差の概算をあらかじめ認識し、動的な同期用信号を設計することで、マシン数を任意の数増加でき、高い拡張性を有している。

従来技術・競合技術との比較

同期誤差の推定には、各マシンに固有な系列を割り当て、マシン間の干渉を避ける。しかし、系列の枯渇や系列の重複が生じマシン数が固定的になる。そこで、搬送波信号という狭帯域な信号を利用し、動的な周波数割り当てを実施することで拡張性が得られた。

想定される用途

・M2M
・センサネットワーク
・移動無線通信

  • 情報

2)流れの微視構造を粗視化とシミュレーションの信頼性を備えた汎用マルチスケール流体解析ソルバー

富山大学 総合情報基盤センター 計算科学 講師 奥村 弘

新技術の概要

乱流、熱流体、音響、波動などに代表される流れのシミュレーションにおいて有限要素法の計算メッシュで解像することのできない流体の微視構造を数理的整合性をもって解析場全体に粗視化するマルチスケール流体解析ソルバーを開発した。これにより、シミュレーションで得られる解の信頼性を備えた汎用流体解析を実現することができる。

従来技術・競合技術との比較

従来のマルチスケール流体解析では T.J.R. Hughes らによってまとめられた計算力学手法が代表的であるが、当該技術では安定化有限要素法(SUPG/PSPG法)、気泡関数要素、サブグリッド法を新たらしくマルチスケール変分法に整合的に融合させた計算力学手法である。

想定される用途

・乱流、熱流体、音響、波動、海洋などに代表される流れのシミュレーション全般
・工業材料および土木材料全般における連続体・弾性体・弾塑性体解析、そして構造解析
・CADやCAEにおける連成解析

  • 計測

3)プライバシーを侵害しない見守りセンサ

山口大学 大学院理工学研究科 情報・デザイン工学系学域 電子システム工学分野 講師 中島 翔太

新技術の概要

本技術はプライバシーを侵害せずに人物状態を検知するセンサシステムである。取得する情報は、自然光から得られる一次元の輝度分布のみであるため、原理的にプライバシーを侵害する恐れはない。そのため、重大事故が起こりやすいトイレや浴室等にも気兼ねなく設置できる。また、通常の監視カメラの代替として利用できる廉価なセンサであるため、近年増加している個室付の老人ホームへの導入も期待される。

従来技術・競合技術との比較

カメラで取得した画像に、モザイク処理を施すことでプライバシー保護を行う手法等が提案されているが、撮影されることそのものに抵抗があることが多い。本技術は、原理的に一次元輝度分布だけしか取得しないため、利用者の心理的負担を大きく低減できる。

想定される用途

・独居中高齢者の見守り
・病院や老人ホームでのベッドの起き上がり、転倒防止、異常行動の検知
・人物の行動追跡

関連情報

・サンプルの提供可能
・開催当日の展示品(成果物・サンプル等)の持ち込みあり

  • 通信

4)一括励起マルチコア光増幅用中心コア励起光ファイバ

大阪府立大学 工学研究科 電気・情報系専攻 准教授 久保田 寛和

新技術の概要

7コア光ファイバの中心コアを励起光を供給するコアとし、中心コアを取り囲む6つのコアを信号増幅用コアとした6+1コアマルチコアファイバ。励起光を一コアにのみ供給すればよいため、マルチコア光増幅器の構成を簡略化することができる。励起光供給用コアから光増幅用コアへの光パワーの供給方法としてモード結合を利用することで励起光を効率よく増幅用コアに供給できる。

従来技術・競合技術との比較

励起光と信号光をマルチコアファイバの外で合波してから導入する個別励起法は性能はよいが、部品点数が多く、マルチコア化の利点を損ねる。複数のコアに一括して励起光パワーを供給するクラッド励起法は、励起光供給効率を高めるのが難しい。本提案構造は光ファイバ高い技術を必要とするが、これらの課題を解決できる。

想定される用途

・集積光増幅器
・マルチコア光伝送
・高出力光増幅器

  • 通信

5)周波数領域信号処理による局部発振器位相雑音補償技術

東京工業大学 理工学研究科 電気電子工学専攻 助教 タン ザカン

新技術の概要

局部発振器位相雑音は直交周波数分割多重(OFDM)サブキャリアの位相回転とサブキャリア間干渉を引き起こし,通信品質を低下させてしまう.そのため,局部発振器位相雑音補償技術が必要である.また,高速通信伝送の実現性の観点から,低演算量の位相雑音補償技術が望ましい.本発表では,周波数領域信号処理を活用することによって,時間領域信号処理を用いた従来手法と比べて1/30程度の演算量で位相雑音補償を可能とする技術を発明したので紹介する.

従来技術・競合技術との比較

周波数領域信号処理に基づく提案法は帰還回路を必要とする時間領域信号処理に基づく従来法に比べ,遥かに低演算量で局部発信器位相雑音の補償を可能にし, 安価に端末などへの実装が期待できる.

想定される用途

・次世代携帯電話端末
・M2M/D2Dデバイス
・高周波を利用する近距離・近接通信端末

  • 通信

6)高効率・波長制御性最適化が可能な量子ドット光半導体

情報通信研究機構 光ネットワーク研究所 光通信基盤研究室 研究マネージャ 山本 直克

新技術の概要

ナノ構造体同士の干渉を防ぐサブナノ構造体を界面挿入することで、量子ドット光半導体の発光効率を飛躍的に向上させることが出来る、ナノ構造体および製造方法。簡便な工程手法により格子整合、超格子を実現し、ドットサイズ設計による波長制御性を最適化させることが出来、また波長広帯域化可能な量子ドット光半導体および製造方法。

従来技術・競合技術との比較

従来の量子井戸等の光半導体デバイスは、特性温度依存性が甚大で省電力化の阻害要因であった。量子ドット光半導体は一般に特性温度依存性が非常に小さく、発光効率も良好とされている。本技術の導入により、量子ドット光半導体の更なる発光効率の飛躍的改善と波長制御性を最適化し、より広帯域な波長特性を有する。

想定される用途

・光通信用光源(幹線系~アクセス系、インタコネクト、車載光ネットワーク等)
・光通信用半導体光増幅器(幹線系~アクセス系等)
・光センシング光源(医療・生体測定解析、工業分野等)

関連情報

・サンプルの提供可能

  • 情報

7)短時間で高品質な声のクローンを可能にする新しい音声合成技術

国立情報学研究所 コンテンツ科学研究系 准教授 山岸 順一

新技術の概要

目標とする話者の声をごく少量の収録量でクローニングする音声合成技術。隠れマルコフモデル(HMM)を用いた統計的音声合成に話者適応学習を用いることで、効率よく高品質の音声合成を行う。韻律情報を担う音響パラメータが統計的にモデル化されているため、発話様式や感情表現を伴う音声のモデル化および発話様式・感情表現の多様化にも適している。会話補助装置や音声対話システムへの応用、騒音下で聞き取りやすい音声調整などの利用方法が期待できる。

従来技術・競合技術との比較

従来の音声合成方式(波形接続方式)で所望の話者の音声を合成しようとする場合、話者もしくは発話様式の数時間から数十時間にもおよぶ大規模な音声コーパスをあらかじめ用意しておき、合成したいテキストを音素などの単位列に分割、つなぎ合わせる必要があり、時間とコストがかかり音声対話システム等への応用は現実的ではなかった。本技術では標準的な音韻・韻律情報を持った「平均声モデル」を複数話者の大量の音声データから学習・作成しておき、その平均声モデルを特定の変換関数を用いて所望の話者や発話様式のモデルへと変換するため効率的な話者適応音声合成が可能である。

想定される用途

・家庭用ロボットや音声アシスタントなどの音声対話システム
・ゲームなどのキャラクター音声
・会話補助装置

関連情報

・iOSアプリ

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

【発表①】信州大学 研究推進部 産学官地域連携課

TEL:0263-37-2088
Mail:ken-suiアットマークshinshu-u.ac.jp
URL:http://www.shinshu-u.ac.jp/cooperation/

【発表②】富山大学 産学連携部門

TEL:076-445-6391
Mail:chizaiアットマークadm.u-toyama.ac.jp
URL:http://www3.u-toyama.ac.jp/totlo/

【発表③】山口大学 大学研究推進機構 産学公連携センター

TEL:0836-85-9961
Mail:yuicアットマークyamaguchi-u.ac.jp
URL:http://kenkyu.yamaguchi-u.ac.jp/sangaku/

【発表④】大阪府立大学 地域連携研究機構 産学官研究連携推進センター リエゾンオフィス

TEL:072-254-7943
Mail:ctu26236アットマークosakafu-u.ac.jp
URL:http://www.osakafu-u.ac.jp/contribution/research/collaboration/index.html

【発表⑤】東京工業大学 理工学研究科 電気電子工学専攻

TEL:03-5734-3910
Mail:khanhtgアットマークmobile.ee.titech.ac.jp
URL:http://www.mobile.ee.titech.ac.jp/renewal/

【発表⑥】情報通信研究機構 社会還元促進部門 知的財産推進室

TEL:042-327-6950
Mail:ippoアットマークml.nict.go.jp
URL:http://www.nict.go.jp/

【発表⑦】国立情報学研究所 総務部企画課 社会連携推進室

TEL:03-4212-2118
Mail:ymmtアットマークnii.ac.jp
新技術説明会について

〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町

TEL:03-5214-7519

Mail:scettアットマークjst.go.jp

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