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再生医療実現拠点ネットワークプログラム 新技術説明会

日時:2015年01月27日(火)

会場:JST東京本部別館ホール(東京・市ヶ谷)

参加費:無料

発表内容詳細

  • 創薬

1)iPS細胞技術と遺伝子改変霊長類を用いた中枢神経系の再生と疾患研

慶應義塾大学 医学部 生理学教室 教授 岡野 栄之

新技術の概要

私たちは、アルツハイマー病患者由来のiPS細胞を樹立し、病態解析を行い、超早期における治療薬の探索を行った。試験管内では、患者皮膚線維芽細胞から樹立したiPS細胞由来の神経細胞は、数週間以内という比較的早期に既に生化学的な異常所見を示しており、早期診断に有効である可能性を示唆している。また、我々は遺伝子改変技術を用いてアルツハイマー病原因遺伝子を強制発現するモデルマーモセットの開発に成功しており、in vivoでのアプローチを計画しており、これらを活用したアルツハイマー病の先制医療の開発に着手している。本講演では、これまでの成果と今後の展望について話したい。

従来技術・競合技術との比較

iPS細胞を用いたin vitroの研究と、ヒトに近い霊長類の遺伝子改変技術によるin vivoの研究を両立させ、より確度と精度の高い病態研究と創薬を可能にする。

新技術の特徴

・iPS細胞技術を用いて中枢神経系の再生医療を可能にする技術
・iPS細胞技術を用いて精神・神経疾患の病態と創薬を可能にする技術
・遺伝子改変霊長類を用いて精神・神経疾患の病態と創薬を可能にする技術

想定される用途

・アルツハイマー病の病態解析と革新的な創薬研究
・統合失調症の病態解析と革新的な創薬研究
・難聴の病態解析と革新的な創薬研究

関連情報

・外国出願特許あり

  • 医療・福祉

2)超低毒性量子ドット創製と移植幹細胞in vivoイメージング

名古屋大学 革新ナノバイオデバイス研究センター 特任講師 湯川 博

新技術の概要

我々は本技術の臨床応用に向け、幹細胞や生体に極めて低毒性であり、生体内において高感度検出が可能である超低毒性量子ドットを新たに開発し、移植幹細胞in vivoイメージングを実現したので紹介する。

従来技術・競合技術との比較

従来の有機蛍光分子や蛍光タンパク質と比較して、高輝度、長寿命の蛍光特性を有する。また、生体透過性が高い近赤外領域の蛍光も容易に実現可能なことから、in vivoイメージングに適した特性を有する。

新技術の特徴

・微量分析化学(ELISA測定)
・がん(幹)細胞認識・検知
・1分子解析(DNAメチル化等の分析)

想定される用途

・幹細胞の高感度ラベリング(in vitro)
・アポトーシス誘導によるがん(幹)細胞死滅(in vitro)
・移植幹細胞のin vivoイメージング(in vivo)

関連情報

・サンプルの提供可能
・外国出願特許あり

  • 医療・福祉

3)培養ヒト角膜内皮細胞を用いた次世代型低侵襲角膜再生医療

京都府立医科大学 大学院医学研究科 視覚機能再生外科学 教授 木下 茂

新技術の概要

本技術は、従前の角膜移植に比べて低侵襲的で簡便な医療であり、病的角膜内皮組織を数分で掻把した後に、培養角膜内皮細胞を前房内に注射するものである。前房内細胞注入により内皮細胞を再生させるという概念は、国際的にも革新的・独創的であると共に、患者への実利性を有する成果として高い評価を受けている。

従来技術・競合技術との比較

本技術は①困難であったヒト角膜内皮細胞の増幅培養に世界で初めて成功したこと、②細胞を前房内に注入するという世界で初めての試みであること、③ROCK阻害剤を適用して掻把後の角膜内皮面への接着に世界で初めて成功したこと、④霊長類モデルでの有用性、安全性検討という視覚領域で初めての画期的技術の開発に世界で初めて成功したこと、の4つの大きな革新的技術的開発によるもので、国際的にも革新的・独創的であると共に、患者への実利性を有する成果として高い評価を受けている。

新技術の特徴

・低侵襲な眼内細胞注入療法
・人工材料を用いない足場フリーの細胞移植治療
・若年者由来の老化の少ない高機能性の内皮細胞をマスターセル化

想定される用途

・水疱性角膜症
・細胞移植治療

関連情報

・外国出願特許あり

  • 医療・福祉

4)培養ヒト骨髄細胞を用いた低侵襲肝臓再生療法

山口大学 大学院医学系研究科 消化器病態内科学 講師 高見 太郎
山口大学 大学院医学系研究科 再生医療研究教育センター 助教 藤澤 浩一

新技術の概要

局所麻酔で採取した少量骨髄液から線維化を改善させる骨髄間葉系幹細胞をCPFで通常培養して点滴投与する肝臓再生療法を開発し、臨床研究実施計画の承認を得た。今後は、これを実施しつつ、さらに安全かつ効率的な培養法や培養設備(装置)の開発も行う。

従来技術・競合技術との比較

我々は肝硬変症に対する再生療法として全身麻酔で自己骨髄細胞(非培養・骨髄単核球)を採取しこれを点滴投与する「自己骨髄細胞投与療法」を世界に先駆けて開発し、先進医療Bに認可されている。さらに今回の技術であれば、局所麻酔で採取した少量骨髄液での実施が可能となる等、適応が拡大される。

新技術の特徴

・肝臓再生療法
・臓器線維症に対する治療法
・ウイルス検体でも培養可能な培養法

想定される用途

・ウイルス検体を含む細胞の培養装置
・効率的培養液
・再生医療

  • 医療・福祉

5)iPS細胞技術を活用した抗腫瘍活性を持つヒトT細胞の増幅

理化学研究所 統合生命医科学研究センター 免疫器官形成研究グループ グループディレクター 古関 明彦
理化学研究所 統合生命医科学研究センター 免疫器官形成研究グループ 研究員 山田 大輔

新技術の概要

腫瘍細胞の拒絶において重要な役割を果たすことが知られているヒトNKT細胞をリプログラムしてiPS細胞として樹立し、それらを試験管内でNKT様細胞へと再分化させる技術を開発した。これらのiPS由来NKT様細胞は、NKT細胞同様のγインタフェロンの産生と抗腫瘍活性を示すだけでなく、マウスに移植するとアジュバント活性を発揮することも示された。

従来技術・競合技術との比較

抗原特異的なT細胞のリプログラミングが可能になった。

新技術の特徴

・抗原特異的T細胞のリプログラミングが可能になった。
・HLA拘束性がないT細胞であるためアロでも使用可能であると考えられ汎用性が高い。

想定される用途

・免疫細胞療法

  • 医療・福祉

6)iPS細胞を応用した軟骨過形成疾患の病態解明から創薬

京都大学 再生医科学研究所 組織再生応用分野 教授 戸口田 淳也

新技術の概要

成長軟骨の異常増殖が主徴の一つである慢性乳児神経皮膚関節症候群の患者由来iPS細胞を用いた解析の結果、軟骨過形成に寄与しているシグナル伝達機構を見出し、創薬に向けてのスクリーニング法を開発した。

従来技術・競合技術との比較

原因遺伝子であるNLRP3はインフラマゾーム構成因子の一つであり、これまでは催炎症作用のみが解析されてきた。本技術はその変異NLRP3の新しい作用を見出し、それを応用して創薬を図る点で新規性を有する。

新技術の特徴

・成長軟骨の新しい増殖機構の解明
・炎症と増殖の接点の解析

想定される用途

・対象疾患に対する創薬
・正常軟骨の再生医療への応用

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科学技術振興機構 再生医療研究推進部 事業推進グループ

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