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CREST・さきがけ・ERATO 新技術説明会

日時:2015年02月06日(金)

会場:JST東京本部別館ホール(東京・市ヶ谷)

参加費:無料

発表内容詳細

  • 分析

1)システムミラーモデル同化計測法で実現する超小型水質モニタ

東京大学 大学院工学系研究科 国際工学教育推進機構 教授 三宅 亮

新技術の概要

本技術は流体制御デバイスなどの周辺機器も含めたシステムミラーモデルと実機を計測時に同化させることで、極めて簡素なシステム構成を可能とするものである。

従来技術・競合技術との比較

試薬を用いた化学計測では高安定な送液制御が必要なため、従来は計測モニタの小型化・簡素化が困難であった。一方、本技術はシステムミラーモデルと同化させることで送液変動下での計測を許容するため、極めて小型・簡素なモニタが可能となる。

新技術の特徴

・試薬によるマイクロ化学分析システムのミラーモデル構築技術
・システムミラーモデルとの同化計測手法
・マイクロ化学分析システムを端末とする監視網の構築技術

想定される用途

・環境物質のオンサイト多点モニタリング
・指先サイズの超小型医用分析装置
・システムミラーモデルによるマイクロリアクタプラントの高効率運転制御

関連情報

・展示品あり

  • 分析

2)ガラスの低温接合法によるマイクロ化学チップの開発

東京大学 大学院工学系研究科 応用化学専攻 准教授 馬渡 和真

新技術の概要

ガラス基板に作製したマイクロ・拡張ナノ空間に化学機能を組み込むための基板低温接合法を新たに開発しました。その結果、分析やエネルギーデバイスにおいて革新的な性能を実現しました。

従来技術・競合技術との比較

従来ガラスの接合にはガラスの軟化点近傍まで加熱する熱融着法が用いられてきましたが、高温(600度-1060度)であるため、化学機能付与のために修飾した物質は基板接合後にすべて焼失するという問題がありました。そこで、今回低温(室温-100℃)で接合できる手法を開発し、マイクロ・拡張ナノ空間への化学機能の付与を可能にしました。

新技術の特徴

・低温でガラスの接合が可能
・マイクロ・拡張ナノ空間を用いた機能デバイスの構築が可能
・化学修飾の工学設計が可能

想定される用途

・超高感度DNA分析や蛋白分析などのバイオ分析一般
・超微量試料での超高感度医療診断
・マイクロ・拡張ナノ空間を利用した化学合成

関連情報

・展示品あり(低温で接合したマイクロ化学チップ)
・外国出願特許あり

  • アグリ・バイオ

3)神経難病の創薬に役立つ 世界初の薬効テストハイスループットスクリーニング装置

名古屋大学 工学部 革新ナノバイオデバイス研究センター 特任教授 宇理須 恒雄

新技術の概要

神経変性疾患などの脳神経難病の多くは100年以上の研究にもかかわらず、いまだ原因も確たる治療法も不明である。その理由は、患者の存命中にその人の患部(脳神経)を採取できないこと、および、創薬に必要なハイスループットスクリーニング装置が未開発であることによる。これらの疾患が神経細胞の機能にかかわるたんぱく質の変異に起因していることから、スクリーニング装置については、イオンチャンネル受容体や代謝型受容体などの分子レベルの情報を採取できる性能が要求される。我々は、神経難病のこれらの技術課題を解決する世界初の技術を開発中である。

従来技術・競合技術との比較

アミロイドベータの検出、細胞内カルシウム濃度の検出、細胞膜電位の検出などを基本機能とするハイスループットスクリーニング装置が実用化されているが、脳神経難病の原因解明や創薬に要求される、イオンチャンネル受容体や代謝型受容体などの分子レベルの情報を取れる十分な機能を備えていないという問題を抱えている。我々が開発を進めている装置はこれらの分子レベルの情報を採取できる。

新技術の特徴

・面内均一性の良い神経細胞ネットワークを形成できそのイメージング解析が出来る。
・イオンチャンネル受容体や代謝型受容体の分子レベルの機能情報を採取できる。
・上記の機能についてのハイスループットスクリーニングが出来る。

想定される用途

・脳神経難病の原因解明や創薬
・神経科学分野での神経細胞ネットワークの機能解析、ドラッグデリバリーなどの基礎、応用研究

関連情報

・サンプルの提供可能(装置の構造機能についての資料の提供可能
・展示品あり(装置の構造機能についての資料)
・外国出願特許あり

  • アグリ・バイオ

4)微細藻類生理状態モニタリングシステム

東京大学 大学院新領域創成科学研究科 先端生命科学専攻 教授 大矢 禎一

新技術の概要

微細藻類の細胞の顕微鏡画像を取得後、特殊なアルゴリズムを用いて画像解析した後に統計学的な処理を行ない、細胞内の色素の蓄積量や細胞形態情報を得ることにより、微細藻類の生理状態を把握することが可能になった。

従来技術・競合技術との比較

従来技術では色素の抽出や抽出物の吸光度測定などを必要とし、測定には多数の細胞が必要で、時間も要していた。本技術では、細胞を一層に配置して、その明視野画像を解析・統計処理することにより、生理状態のリアルタイムなモニタリングや有用成分生産量のモニタリング、さらには他種生物の感染状況の確認なども容易に行うことが可能となる。

新技術の特徴

・非侵襲で迅速な生理状態のセンシングが可能
・藻類や色素を持つ微生物に適したデバイス
・明視野顕微鏡による画像だけで計測可能

想定される用途

・微細藻類の培養モニタリング
・有用物質の高生産と機能性食品の開発
・バイオマスエネルギー生産

関連情報

・外国出願特許あり

  • アグリ・バイオ

5)①細菌を用いたルミクロムの生産法 ②R-立体選択的アミン酸化酵素

富山県立大学 ERATO浅野酵素活性分子プロジェクト 研究総括補佐 礒部 公安

新技術の概要

①Microbacterium属細菌を用いてルミクロムを高い変換効率で生産する技術を開発した。②R体アミンに特異的な酸化酵素を作成し、本酵素を用いてデラセミ化法によるS-α-メチルベンジルアミンの生産とα-メチルベンジルアミンにニトリル基を付加する反応を開発した。

従来技術・競合技術との比較

①消毒殺菌装置や半導体素子として有用なルミクロムの製造法は、低濃度・低収率・煩雑な精製などの課題があった。本技術では、細菌を用いる簡便な方法で、ルミクロムを高収率・高純度に製造することを可能とした。②R体アミンに特異的な酸化酵素を開発し、デラセミ化反応を用いて、ラセミ体メチルベンジルアミンからSメチルベンジルアミンを高収率で得ることを可能にした。本酵素はアミン化合物にニトリル基を付加してアミノニトリル化合物を合成する反応も触媒する。

新技術の特徴

・①高濃度のリボフラビンとMicrobacterium属細菌を反応させることで、ルミクロムを結晶状態で得ることができる。高純度のルミクロムを簡便な方法で生産できる。
・②酵素の改良により医薬品など多様な化合物のデラセミ化反応に利用可能である。
・②他の酵素とカップリングさせてニトリル基をアミド基やカルボキシル基などに変換し、多様な有用化合物を合成可能である。

想定される用途

・①工業価値の高いルミクロムの簡便な製造
・②S-α-メチルベンジルアミンの生産
・②アミノニトリル化合物およびその誘導体の合成

関連情報

・サンプルの提供可能(上記技術により生産したルミクロム)
・展示品あり(上記技術により生産したルミクロム)
・外国出願特許あり

  • アグリ・バイオ

6)ラマン分光スクリーニングによる生体分子解析

大阪大学大学院 ERATO袖岡生細胞分子化学プロジェクト グループリーダー 藤田 克昌

新技術の概要

液体クロマトグラフィーやキャピラリー電気泳動装置を用いて分画した複雑な生体分子試料に対して、ラマン分光法を用いて網羅的に分析を行う事で、効率的に生体分子を解析する技術を開発した。

従来技術・競合技術との比較

従来、紫外線吸収や蛍光発光をもとにして分画試料の解析を行っていたが、分子識別能の低さや蛍光団の導入による分析対象の特性変化の問題があった。ラマン分光法を用いる事で、分子識別能高く、試料をありのままに分析できる。

新技術の特徴

・既存の分画装置の解析効率を向上できる
・広く様々な生体分子試料に適用できる
・試料を非侵襲でありのままに分析できる

想定される用途

・小分子と生体分子の相互作用の効率的な解析
・タンパク質やペプチド、核酸、脂質などの生体分子の解析
・効率的な生体分子の質量分析

関連情報

・外国出願特許あり

  • アグリ・バイオ

7)電界誘起高速発射気泡による液中同時加工・インジェクション技術

芝浦工業大学 工学部 機械工学科 准教授 山西 陽子

新技術の概要

本技術は電界誘起により高速発射されるサイズの揃った微細気泡列を利用した新しい加工技術であり、気液界面の付着力を利用した試薬等の液中輸送技術という機能も有している。液中加工・インジェクション技術や気液界面の収縮性による界面試薬の凝集技術など幅広い産業応用が期待できる技術である。

従来技術・競合技術との比較

本技術は幅広い生体試料を対象に必要最低限の試薬消費量で局所的にインジェクションできる点において従来の導入技術と比較して優位性がある。また気液界面の付着力を利用した液中輸送技術や、気液界面の付着力と凝集力を利用した新材料生成技術など、従来技術にはない新規性がある。

新技術の特徴

・加工とインジェクションを同時に行う機能
・界面凝集による新材料創成
・界面付着力による液中輸送技術

想定される用途

・遺伝子導入
・針なし注射器
・結晶生成

関連情報

・サンプルの提供可能(インジェクション試行実験について可能)
・展示品あり
・外国出願特許あり

  • 材料

8)ナノ構造化有機ー無機ハイブリッド微粒子の製造方法および多様な材料に接着するポリマー接着剤

東北大学 多元物質科学研究所 高分子・ハイブリッドセンター 准教授 藪 浩

新技術の概要

ポリマー微粒子中に無機ナノ粒子を担持させる簡便な方法新技術の特徴やポリマー微粒子の内部構造の制御方法、異形粒子の製造法を提供する。また、多様な材料表面に接着可能なポリマー性接着剤による剥離の無い熱ナノインプリント法や還元剤の要らない無機ナノ粒子の合成方法を提供する。

従来技術・競合技術との比較

従来ポリマー微粒子の合成方法として用いられてきたエマルジョン重合等と比べ、簡便に内部構造が制御されたポリマー微粒子や有機ー無機コンポジット微粒子を製造できる手法を提供できる。また、多様な材料に強固に結合するポリマー性接着剤を開発し、熱ナノインプリントにおけるポリマーレジンの剥離防止や還元剤を用いずに無機イオンから無機ナノ粒子を簡便に合成出来る手法を提供できる。

新技術の特徴

・簡便にナノ構造を持つ有機ー無機コンポジット微粒子が提供できる
・多様な材料表面に強固に接着する接着剤
・還元剤を用いずにナノ粒子を合成し、ポリマー被覆できる

想定される用途

・有機ー無機ハイブリッド材料用のフィラー
・ナノインプリントプロセスでの接着剤
・外場応答により駆動できる微粒子材料

関連情報

・サンプルの提供可能
・展示品あり
・外国出願特許あり

  • 材料

9)分子・ナノ・マイクロレベルの構造制御に関する新技術

東京工業大学 ERATO彌田超集積材料プロジェクト 研究総括 彌田 智一

新技術の概要

①パイ共役系高分子の分子量や分散度の制御および合成の際の遷移金属触媒の使用低減が可能な新規合成法、②界面活性剤が水溶性蛋白質と水とを内包して複合体をなした新規蛋白質凝縮物を簡便な作製手法、および③バイオテンプレート技術を用いた微小金属の合成について、それぞれ紹介する。

従来技術・競合技術との比較

①従来困難であったパイ共役系高分子の分子量制御と遷移金属触媒の使用低減、②立体構造を保持したタンパク質複合体の簡便合成、および③精緻な構造を有する微小金属を歩留まりよく製造する手法を、それぞれ開発した。

新技術の特徴

・分子エレクトロニクス
・複合タンパク質
・精密加工

想定される用途

・分子回路
・電波吸収体
・機能性膜

関連情報

・外国出願特許あり

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

科学技術振興機構 戦略研究推進部 グリーンイノベーショングループ

TEL:03-3521-3531FAX:03-3222-2066
Mail:crestアットマークjst.go.jp
新技術説明会について

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Mail:scettアットマークjst.go.jp

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