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九州工業大学 新技術説明会

日時:2014年12月19日(金)

会場:JST東京本部別館ホール(東京・市ヶ谷)

参加費:無料

発表内容詳細

  • 製造技術

1)定量的なラジカル処理プロセスを実現した画期的なRVR技術とその応用

九州工業大学 大学院生命体工学研究科 生体機能応用工学専攻 教授 春山 哲也

新技術の概要

雰囲気中に定量的かつ高濃度に酸素ラジカル・活性酸素を生成させ、様々な化学プロセス・バイオプロセスに適用できるプロセス装置「Radical Vapor Reactor (RVR)」です。ラジカルは、強力な酸化力(電子引き抜き力)を有しており、様々な化学反応・材料処理・バイオ反応に利用できます。反応性は強力ですが、酸素と水のみから生成させることができ、それらによる処理後(反応後)は、また全て酸素と水に戻るので、安全かつ取扱い容易です。

従来技術・競合技術との比較

酸素ラジカル・活性酸素を雰囲気中で生成でき、また生成量を定量的かつ低濃度から高濃度までの広い範囲で制御できるところに本発明のアドバンテージがあります。

新技術の特徴

・無溶媒・無触媒の化学プロセス確立への可能性
・定量制御=選択的な処理

想定される用途

・有機物の分解・酸化
・金属材料の表面処理
・殺菌・滅菌

関連情報

・装置デモンストレーション可能(本装置の製造メーカーによる)

  • 製造技術

2)射出成形金型の成形性向上を目的とした成形時ガス排出方法

九州工業大学 大学院情報工学研究院 機械情報工学研究系 助教 是澤 宏之

新技術の概要

射出成型金型において、溶融金属や溶融樹脂等からなる成形用材料が注入される金型内空間からガスを排出する金型内ガス排出方法及びその方法を適用した成形用金型についての新技術。

従来技術・競合技術との比較

成形機周辺設備ではなく金型内部への取り付け部品として提供し、成形に関与するキャビティ領域を本部品で一時的に遮断すると同時に遮断付近より金型外部へガスを排出する点が、従来技術と異なる。

新技術の特徴

・ダイカスト金型への応用

想定される用途

・金型内部のガス排出
・成形性の向上(流動性の向上および低圧成形の実現など)
・成形コスト低減(流動性向上にともなう、使用成形機小型化および金型剛性低減など)

  • 製造技術

3)固体基板を用いない積層自立ナノ薄膜の作製法

九州工業大学 大学院工学研究院 物質工学研究系 助教 下岡 弘和

新技術の概要

本技術は、無機化合物または有機高分子-無機化合物の積層自立ナノ薄膜を作製できる方法を提供する。数センチ角の大面積でナノメートルオーダーの膜厚を有するフレキシブルな積層自立ナノ薄膜の作製が可能である。

従来技術・競合技術との比較

本技術では、液体上に滴下した原料溶液が自然に拡張して液膜を形成し固化する現象を利用するため、成膜に遠心力などの外力は必要なく、原料の無駄もない。固化膜と液体の界面に新たな原料溶液を拡張すれば、液体上で積層化できる。

新技術の特徴

・無機化合物、有機化合物など様々な物質に対応できる
・自立膜が基板からの剥離工程なしで得られる
・粒径、密度などナノメートルオーダーでの微構造制御が可能

想定される用途

・積層セラミックコンデンサなどの様々な積層デバイスの作製
・分離膜の作製
・触媒やセンサーの作製

  • 製造技術

4)センサ技術の自動化機器への応用

九州工業大学 大学院工学研究院 先端機能システム工学研究系 准教授 脇迫 仁

新技術の概要

センサ技術は機器の自動化のためには不可欠である。本発表では、これまで我々が取り組んできた事例の中で画像センサ向け簡易物体検出、ペットボトルキャップ色選別装置、空港用アシストカート等について紹介する。

従来技術・競合技術との比較

簡易物体検出は、処理がシンプルなため様々な機器に実装可能である。色選別装置はキャップの色判別とシール検出を高速に実行して色ごとに選別できる。アシストカートは直観的な操作でカートを動かすことができる。

新技術の特徴

・簡易物体検出は、画像中の対象物の回転や重なりに対応
・色選別装置は、対象物の高速色選別と画像による外観検査
・アシストカートは、センサ内蔵のハンドルと位置検出機能

想定される用途

・簡易物体検出は、ロボットビジョンやFA用ビジョンなど
・色選別装置は、製品の大きさによる選別装置
・アシストカートは、病院内の食事搬送など重量物搬送用カート

  • 通信

5)携帯電話で利用可能な音波通信技術

九州工業大学 産学連携推進センター 教授 佐藤 寧

新技術の概要

携帯電話と音波でデータ通信する技術で、特に4KHz帯の音波を利用することで、送信側は安価なピエゾスピーカを使って簡単に通信できる技術です。

従来技術・競合技術との比較

従来技術では、20KHz付近の音波を拡散通信するなどの方法で実現しています。しかし、この通信では送信側のハードのコストが大きくなり、安価に通信できるユニットを実現できません。しかし、本技術では4KHz程度の通信を行うので安価なピエゾ圧電素子を使うことができ安価なユニットを実現できます。

新技術の特徴

・携帯電話同士の通信(音波通信)
・安価にセンサ情報を携帯電話に伝達できます(ピエゾ圧電素子で実現可能)
・環境雑音に強い

想定される用途

・安価なセンサと携帯電話の通信
・UVセンサなど美容・健康センサの通信
・携帯電話同士の通信

  • 情報

6)顔向きに基づいたリアルタイムでの顧客嗜好予測方法について

九州工業大学 大学院生命体工学研究科 人間知能システム専攻 研究職員 船谷 浩之

新技術の概要

本技術は、人間の顔の「動き」からリアルタイムでその人の嗜好を推定する。推定に必要な時間は数秒であり、予め用意された個人情報を使うこと無く推定が可能で、サイネージに使えば顧客の内部状態にコミットすることでリーチ、購買率を高めることが可能となる。

従来技術・競合技術との比較

従来の顧客データは、顧客の動線や、商品の取得等、明らかに観測出来る情報を元に顧客の注意を推定し、広告を表示するものであった。また、目線には嗜好が顕れにくい。本手法によって、顧客が動く前に顧客の嗜好を推定することが可能になり、広告による介入効果が高まる。

新技術の特徴

・顔の動きという動的な情報に基づいて嗜好推定を行う。推定精度は実験室実験によって検証済み。
・タブレット等のスマートデバイスのみでシステムの構築を行うことが可能である。
・顔情報のみでなく、体全体の動様から嗜好を推定することが可能であると考えられる。

想定される用途

・実店鋪において、個人情報無しで顧客のその場の状態にコミットできる、現在のデジタルサイネージの代替として。
・商品開発、デザイン等で、アンケートに替わる商品評価、販売予測方法として。

関連情報

・サンプルの提供について(実店鋪に設置可能なタブレット型のサイネージを提供可能)
・展示品あり

  • デバイス・装置

7)カメラが一つで何でもタッチパネル!

九州工業大学 大学院工学研究院 電気電子工学研究系 准教授 張 力峰

新技術の概要

カメラを一つのみ使用し、一定の反射率を有する表面と一定の角度を持つように設置する。指が表面となるタッチパネルに接近した場合、指とその反射像を同時に撮影し、画像処理により両者の位置を検出する。検出両者の位置によって、タッチイベント発生の有無、トラックアクションの有無を検出する。

従来技術・競合技術との比較

一つのカメラのみを利用する事で、ほとんどの平滑な表面をタッチパネルに変える事が可能。従来のマルチカメラシステムより導入コストとランニングコストの削減ができ、更に故障率も減る。タッチパネルとして使用する場合、従来の表面センサー式より環境耐性が高く、室外等にでも設置可能。また、セキュリティ性や耐破壊性等も優れる。

新技術の特徴

・タッチパネルとなる表面に一切センサーは要らない
・強化ガラスを使えば、防犯性の高いタッチパネルが出来る
・タッチパネルの大きさは自由に設定出来る

想定される用途

・室外案内板(湿度、温度、擦り等に対する環境耐性が強い)
・自動販売機(機械式ボタンを無くす事で、イタズラ防止)
・介護施設等に利用する簡単にカスタマイズ可能な手書きタッチパネル(文字や図形が書かれた箇所をライトの点灯や家電のリモートボタンに出来る)

  • 情報

8)電子署名技術を活用した証拠能力を有する画像記録方式

九州工業大学 情報科学センター 助教 林 豊洋

新技術の概要

本技術は電子証明書、電子署名基盤、時刻認証基盤に加え、デジタル放送で活用される暗号化技術(限定受信システム)を組み合わせ、既存のデジタル画像に欠如している改竄検知、撮影者および時刻等の証拠能力を付与する。

従来技術・競合技術との比較

独自規格によるデジタル画像の暗号化方式と異なり、本技術は電子商取引で用いられる各種標準化技術の組み合わせで実現され、容易な実装方式で証拠能力の付与が可能であることが特徴である。

新技術の特徴

・十分な証拠能力が付与される(改竄検知、撮影者、時刻証明)
・閲覧範囲が限定可能である(権限がなければ、撮影者であっても記録画像の再構成は不可能)
・各種標準化技術の組み合わせで実現される

想定される用途

・デジタル画像の保護(保存時、情報ネットワーク上での流通を含む)
・デジタルデータの証拠化
・閲覧範囲を限定したデジタルデータ配布

関連情報

・展示品あり(デモンストレーションシステム(PC上のソフトウェア))

  • 分析

9)表面筋電による運動中筋活動の質・量のリアルタイム評価

九州工業大学 大学院情報工学研究院 知能情報工学研究系 助教 永井 秀利

新技術の概要

単一チャネルの表面筋電信号から運動中の対象筋の筋組織系と神経系との各活動の量と質とを表す因子を獲得し、筋疲労や負荷の程度や、疲労影響を加味した実効出力などの評価をリアルタイムに行うことを可能とする。

従来技術・競合技術との比較

従来にない詳細で総合的な筋活動評価が可能となる。筋疲労や負荷の程度などのリアルタイム評価は運動管理に有効であり、筋疲労による信号特性変化に対して安定した実効出力評価値は精緻な筋電制御機器の実現に役立つ。

新技術の特徴

・筋の活動効率となる質の評価を含めた総合的な筋活動の様子をリアルタイムに細かく追うことが可能
・ノイズと差がないほどの微弱な信号から神経系活動の特徴を抽出できることで、その部位の緊張の程度を判別可能
・筋力発揮における速筋への依存の程度を示す指標が得られることで、運動時の筋の使い方の詳細を捉えることが可能

想定される用途

・人間工学や基礎医学分野での筋活動分析、またはそのための計測を行う機器への組込み
・筋電義肢や筋力増強装置等、表面筋電信号に基づいた制御を行う機器への組込み
・リハビリテーション、スポーツ、フィットネス等の支援やモニタリングを行う機器への組込み

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

九州工業大学 産学連携推進センター 知的財産部門

TEL:093-884-3499FAX:093-884-3531
Mail:chizaiアットマークjimu.kyutech.ac.jp
URL:http://www.ccr.kyutech.ac.jp/link/
新技術説明会について

〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町

TEL:03-5214-7519

Mail:scettアットマークjst.go.jp

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