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北東北3大学連携 新技術説明会

日時:2015年03月10日(火)

会場:JST東京本部別館ホール(東京・市ヶ谷

参加費:無料

発表内容詳細

  • 材料

1)高密度電流の流れる金属配線の許容電流予測と信頼性向上

国立大学法人弘前大学 大学院理工学研究科 知能機械工学コース 教授 笹川 和彦

新技術の概要

高密度電子流による原子拡散(エレクトロマイグレーション)を考慮した数値シミュレーションにより、電子デバイスの配線が許容できる電流密度の評価法を開発した。またこれを基に、損傷の生じ難い配線構造について明らかにした。

従来技術・競合技術との比較

配線の許容電流に対する従来の評価法は単純な形状の配線への適用に限られていた。本法により、リザーバーや分岐構造はもとより、折れ曲がった配線構造など適用範囲が広がり、信頼性の高い普遍的な構造の提案が可能になった。

新技術の特徴

・カーエレクトロニクスの信頼性向上
・電子制御システムの信頼性向上
・微小電子機械の信頼性向上

想定される用途

・電子デバイス設計時の品質保証
・電子回路設計ツールへの組み込み
・電子デバイスの品質保証試験装置への組み込み

  • 材料

2)多機能ナノポーラスTiO2-TiN複合アノード酸化皮膜の創製およびその特性評価

国立大学法人岩手大学 大学院工学研究科 応用化学・生命工学科専攻 准教授 呉 松竹

新技術の概要

環境にやさしい、F-を含まない水溶液系電解液を用いた陽極酸化法により、Ti 板上に様々なナノポーラス構造を持つTiO2-TiN 複合皮膜を創製し、バインダーフリーのLi電池電極材料として評価した。

従来技術・競合技術との比較

従来の課題では、製造過程において環境に悪影響を与える点や高温焼結過程が必要であり製造コストが高い、更に半導体であるTiO2皮膜の導電性が低いという課題があったが、本技術では、低環境負荷、低コスト、かつ高い導電性を有する。

新技術の特徴

・従来のフッ化物イオンを含む有機系電解液が不要であるため低環境負荷での製造が可能
・結晶性陽極酸化皮膜作製において加熱処理が不要であるため低コストでの製造が可能
・導電性向上により、Liイオン二次電池の負極として高い放電容量と良いサイクル特性を示す

想定される用途

・Liイオン二次電池の電極材料(液体電解質型および固体電解質型)
・可視光応答型光触媒材料
・色素増感太陽電池の電極材料

関連情報

・サンプルの提供可能
・展示品有り(陽極酸化試験片)

  • 計測

3)交流磁場印加による磁気力顕微鏡探針の磁気特性評価技術

国立大学法人秋田大学 大学院工学資源学研究科 附属理工学研究センター 教授 齊藤 準

新技術の概要

磁区観察に広く利用されている磁気力顕微鏡では、像解釈上、磁性探針のソフト磁気特性やハード磁気特性の評価が重要である。本技術は探針の可逆・不可逆磁化の交流磁場依存性から探針性能を定量的に評価する方法を提供する。

従来技術・競合技術との比較

磁気力顕微鏡探針の磁気特性は、従来の競合技術では磁気力勾配信号の直流磁場依存性より得られる擬似的な磁化曲線から評価されているが、像解釈に重要となる試料からの磁場に対する探針の可逆・不可逆磁化応答を評価できるのは本技術のみである。

新技術の特徴

・磁性体の極小粒子の交流磁場応答性の高感度計測
・磁性体の極小粒子の磁化曲線の高感度計測
・磁性体の極小粒子の可逆・不可逆磁化応答の高感度計測

想定される用途

・高性能(高感度、高分解能、高機能)磁気力顕微鏡探針の研究開発
・磁気力顕微鏡探針の製品仕様の策定
・磁気力顕微鏡探針の製品検査

  • 医療・福祉

4)高密度がん細胞集塊3次元スフェロイドの高効率・安定生成法

国立大学法人弘前大学 大学院医学研究科 統合機能生理学講座 准教授 山田 勝也

新技術の概要

がん細胞が高密度に多数集積して形成される立体的なスフェロイドを、特殊容器や成長因子、細胞外マトリックス成分等を使用せず、簡便・安定に大量生成させる方法を考案した。

従来技術・競合技術との比較

生体内環境を模したスフェロイドは、がん細胞研究等に有用だが、細胞が高密度に集積したスフェロイドを安定に得ることは難しい。本法は、特殊容器や特殊成長因子等なしで、悪性化したがん細胞の性質をよく再現するスフェロイドを高効率・安定に生成する。

新技術の特徴

・細胞移植や臓器移植の研究
・人工臓器研究 各種薬剤スクリーニング
・細胞分化や細胞間コミュニケーションの発達に関するin vitro研究

想定される用途

・がん診断薬や抗がん剤のin vitro性能評価
・がん細胞の生体内での機能のin vitro解析
・幹細胞研究、各種細胞マーカー開発

  • 製造技術

5)摩擦攪拌(Friction Stir Welding)を用いた鋳鉄・金属接合技術

国立大学法人岩手大学 工学部 マテリアル工学科 准教授 晴山 巧

新技術の概要

本技術は、鋳鉄に薄い脱炭層を形成する前処理を行い、脱炭層にできた多数の気孔を攪拌により消滅させることで、今までは接合が難しかった鋳鉄とステンレスなどの異種金属を容易かつ良好に接合する技術です。

従来技術・競合技術との比較

鋳鉄の接合手法としては本質的に有利な摩擦攪拌接合を用いることに加え、継手の機械的特性を低下させる要因である鋳鉄中の黒鉛を除去する試みは他に例がなく、健全な継手を得る手法として革新的である。

新技術の特徴

・鋳鉄とステンレスなどの異種材料や、鋳鉄同士も容易かつ良好に接合ができる技術である。
・従来の鋳鉄の接合と比べ、黒鉛の変形による強度低下を防止できる技術である。
・例えば、自動車において鋳鉄は、全重量の10%にもなり、本技術を用いた部品は、自動車の軽量化に貢献できる。

想定される用途

・自動車
・鋳鉄管
・一般機械部品等

  • 環境

6)溶融塩化物を用いた電解法によるネオジム磁石からのDyの高効率選択回収

国立大学法人秋田大学 大学院工学資源学研究科 材料工学専攻 講師 福本 倫久

新技術の概要

近年、急速に需要が拡大しているハイブリット自動車用ネオジム磁石の材料入手は、ほぼ海外に依存している状況であり、そのリサイクル技術が渇望されている。本技術は、溶融した塩化物の中で電解によりネオジム磁石からDyおよびNdだけを選択的にスピーディかつ低コストで回収する。既知の乾式法、湿式法に変わる簡単・迅速・低コストなレアメタル回収技術である

従来技術・競合技術との比較

これまで溶融塩からのDyおよびNdの電析方法について数多くの報告がなされているが、金属Dyおよび金属Ndを添加した塩化物浴からの電析挙動については報告されていない。また、溶融塩を媒体とした希土類元素の電析(回収)は、その装置構造からコンパクトな系を作れることから、これまでの湿式法のような高コストの装置を作らなくても、希土類元素の回収が行えるため、これまでは採算の合わなかった、種々の希土類元素への応用も可能であると考えられ、新規性および優位性があると考える。

新技術の特徴

・水溶液に溶解しない酸化物の溶解
・水溶液から電析不可能な金属の電析
・複雑形状などの部品に希土類元素の電析が可能

想定される用途

・希土類元素のリサイクル
・希土類元素の表面処理
・希少元素の酸化焙焼

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URL:http://www.iwate-u.ac.jp/kenkyu/

国立大学法人秋田大学 産学連携推進機構 知的財産部門

TEL:018-889-3020FAX:018-837-5356
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URL:http://www.crc.akita-u.ac.jp/
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Mail:scettアットマークjst.go.jp

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