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九州大学 新技術説明会

日時:2014年10月07日(火)

会場:JST東京別館ホール(東京・市ヶ谷)

参加費:無料

発表内容詳細

  • アグリ・バイオ

1)緑茶カテキンの効果を食品成分で増強させる技術

九州大学 大学院農学研究院 生命機能科学部門 食料化学工学 主幹教授 立花 宏文

新技術の概要

脂質代謝改善、肥満防止、抗アレルギー作用さらには認知症予防、脳梗塞予防、がん抑制、免疫増強などの保健作用が期待されている緑茶に特有な成分であるカテキンEGCGの効果を果実由来の成分で増強する手法である。

従来技術・競合技術との比較

緑茶カテキンは吸収性が悪く、通常の緑茶摂取ではその保健作用が期待できない。そのため1)高濃度カテキン飲料、2)高活性のカテキンを含むあるいはその比率を高めた飲料、が機能性緑茶飲料として上市されている。

新技術の特徴

・緑茶カテキンを単独で摂取するよりも強い効果を示す
・緑茶カテキンの苦みを抑えられる
・天然物由来成分(緑茶由来成分、果実由来成分)のため安全である

想定される用途

・緑茶ベースの機能性食品
・健康増進サプリメント
・ペット用機能性食品

  • アグリ・バイオ

2)パン類の製造に適した改良米

九州大学 大学院農学研究院 遺伝子資源開発研究センター 准教授 熊丸 敏博

新技術の概要

原品種と比較して胚乳内にグルテリン前駆体をより多く含む改良米から作製された米粉を単独または小麦粉と混合させて得たパン類の製造に適した米粉組成物、並びに米粉組成物を主原料とするパン類およびその製造方法である。

従来技術・競合技術との比較

従来の粒食用米品種の米粉を用いてパン類を製造する場合、パン生地が器具などに粘着し易く、作業性が非常に悪いという問題があるが、本改良米は製造過程での作業性がよい。さらに、本改良米の米粉は小麦粉と同等以上の品質をもつパン類を提供することが可能である。

新技術の特徴

・新規需要米
・グルテリン前駆体を多量に集積

想定される用途

・米粉を使用した食品

関連情報

・改良米を用いた米粉パンの試食

  • アグリ・バイオ

3)匂いの質と空間の可視化技術

九州大学 大学院システム情報科学研究院 情報エレクトロニクス部門 電子デバイス工学 教授 林 健司

新技術の概要

匂いの質と空間的な分布を可視化する匂いイメージセンサは空間化学情報をサイバー化することができる。本技術は匂いイメージセンサを実現する色素、分子認識層、金属ナノ粒子などを用いた光学的な匂い可視化プローブに関するものである。

従来技術・競合技術との比較

ガスセンサアレイによる匂いの計測やガス分布測定に比較して、本成果は脳内の匂いクラスタマップに基づいた効率よい化学物質情報のコーディングと、従来は不可能であった高い空間分解能を持つ匂いイメージングを可能とする。

新技術の特徴

・匂い分子認識
・蛍光増強・消光
・局在プラズモン共鳴

想定される用途

・化学物質が関連する広範な分野
・防災
・農業応用

  • 材料

4)フレキシブル基板上における低温SiGe擬似単結晶成長技術

九州大学 大学院システム情報科学研究院 情報エレクトロニクス部門 電子デバイス工学 准教授 佐道 泰造

新技術の概要

新しい金属触媒(Au)を用いて、フレキシブルなプラスチック上に、結晶方位が(100)または(111)に揃い、かつ大粒径(≧50μm)のSiGe結晶(Ge濃度:0%〜100%)を低温形成(≦250℃)する技術である。高性能なフレキシブル・エレクトロニクスの基盤技術として期待される。

従来技術・競合技術との比較

従来技術では、金属(Al等)を用いた触媒反応等により、ガラス等の絶縁物上にSiGe結晶を形成していた。しかし、成長温度は450℃以上と高く、軟化温度の低いプラスチック上への適用は困難であった。更に、不定型なプラスチック上における結晶方位制御の指針が存在しなかった。

新技術の特徴

・フレキシブルな基板上に結晶方位の制御された半導体結晶が低温(≦250℃)で形成可能
・金属触媒を用いるが、残留不純物は極めて少なく、電気特性への影響はほとんどない
・高性能フレキシブルデバイスの活性層や、機能材料の成長テンプレートとしての応用

想定される用途

・フレキシブルな情報端末やウェアラブルデバイス
・三次元集積回路
・高効率薄膜太陽電池

関連情報

・サンプルの提供について(相談に応じます)

  • 材料

5)太陽光・空気中で機能する高効率フォトン・アップコンバージョン技術

九州大学 大学院工学研究院 応用化学部門 助教 楊井 伸浩

新技術の概要

これまで用いることのできなかった長波長光(低エネルギー光)を短波長光(高エネルギー光)へと変換することで、太陽電池や光触媒の高効率化を可能にする技術。分子の集合構造を巧みに制御することで、太陽光程度の弱い励起光を用い、空気中での高効率アップコンバージョンを達成した。

従来技術・競合技術との比較

従来は分子の拡散によるエネルギー移動を利用しており、空気中で高効率なアップコンバージョンを達成することは困難であった。本技術は、分子集合体中で分子ではなくエネルギーを拡散させることで、空気中における高効率アップコンバージョンを達成した。

新技術の特徴

・固体、ゲル、液晶、液体など、多様な集合構造をとりうる
・ポリマーに混ぜ込むことで、固体フィルム化できる可能性
・バックグラウンド・フリーな高感度バイオイメージングへの応用可能性

想定される用途

・近赤外光を可視光に変換することにより、太陽電池の高効率化
・可視光を紫外光に変換することにより、光触媒・光水素製造の高効率化

  • 材料

6)温度差を必要としない新たな熱-電力変換材料

九州大学 大学院工学研究院 材料工学部門 材料機能工学 准教授 宗藤 伸治

新技術の概要

熱を電力に直接変換するには、ゼーベック効果を用いて行われている。しかし、これには温度差を付与する必要が有り、同時に発生する熱流により変換効率の低下を招いてしまう。本発明の材料は、温度差を必要とせずに熱起電力を得ることができるため、変換効率の向上が見込める。

従来技術・競合技術との比較

本技術は、タービンなどの可動部を用いないため、故障の心配が少なく、メンテナンスフリーである。また、温度差を与えることにより電力を直接得るゼーベック効果と異なり、本技術では温度差を必要としないため、変換効率の大幅な向上が期待できる。

新技術の特徴

・冷却機構を考慮せずに電気エネルギーへの変換が可能
・排熱を利用した発電が可能

想定される用途

・自動車エンジンの排熱を利用した電源
・人間が立ち入ることの出来ない高温場所でのバッテリーを必要としないセンシング

関連情報

・サンプルの提供可能

  • デバイス・装置

7)高分子半導体によるpn接合デバイス作製技術

九州大学 先導物質化学研究所 先端素子材料部門 先端光機能材料分野 准教授 藤田 克彦

新技術の概要

pドープ高分子半導体とnドープ高分子半導体を積層してpn接合デバイスを作製する溶液塗布デバイス作製技術である。

従来技術・競合技術との比較

高分子半導体へのp型ドープは40年前から行われているが、効果的なn型ドープはこれまで困難であった。本技術の開発により、n型ドープを効果的に施し、さらにp型ドープと接合を形成させてpn接合を作製する初めての技術である。

新技術の特徴

・超希薄溶液を用いた濃縮スプレイ塗布技術
・初めての高分子半導体へのn型ドープ
・下層にダメージを与えずに積層する多層膜

想定される用途

・プリンテッドエレクトロニクス
・ポリマー太陽電池
・有機EL照明

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

九州大学 産学官連携本部 企画グループ

TEL:092-832-2127FAX:092-832-2147
Mail:coordinateアットマークimaq.kyushu-u.ac.jp
URL:http://imaq.kyushu-u.ac.jp/
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〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町

TEL:03-5214-7519

Mail:scettアットマークjst.go.jp

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