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大阪大学 新技術説明会

日時:2014年07月18日(金)

会場:JST東京別館ホール(東京・市ヶ谷)

参加費:無料

発表内容詳細

  • 医療・福祉

1)優れた抗菌性を示す銀ナノ粒子固定化技術の開発

大阪大学 大学院工学研究科  准教授 清野 智史

新技術の概要

繊維などの表面に銀ナノ粒子を強固に固定化する技術を開発した。幅広い菌に対して高い抗菌性を示すだけでなく、数百回の洗濯処理後もその性能を維持する耐久性を示す。食品衛生分野や医療分野等への用途が期待される。

従来技術・競合技術との比較

従来の抗菌処理法では、バインダー法あるいは合成繊維への練り込み法が主流であった。前者では耐久性はバインダーの性能に依存し、後者では性能発現に多量の抗菌材が必要という問題があった。本技術によれば銀ナノ粒子を繊維表面に直接固定化することが可能であり、これらの課題を解決できる。

新技術の特徴

・繊維表面に銀ナノ粒子が直接固定化
・天然繊維・合成繊維を問わず適用可能
・幅広い菌種に効果を発現

想定される用途

・食品衛生現場の食中毒対策
・医療現場における感染症対策
・一般衣類の抗菌防臭

関連情報

・ご希望の担体への銀ナノ粒子担持加工の試作
・銀ナノ粒子担持マイクロファイバー
・外国出願特許あり

  • 医療・福祉

2)グルコースやタンパク質の光ピックアップ型高感度検出技術

大阪大学 大学院工学研究科 助教 吉川 裕之

新技術の概要

レーザー集光点での光反応を利用して、溶液中のグルコースや特定のタンパク質を高感度に検出する手法を開発した。従来型の光吸収や蛍光測定による検出法とは異なり、集光レーザーの反射光測定に基づいて酵素反応を定量出来るため、CDやDVDの記録再生に用いられている光ピックアップのような小型デバイス化が期待できる。

従来技術・競合技術との比較

1)従来型吸光度検出や蛍光検出と比較して、装置が小型かつ安価になる。 2)従来型吸光度検出に比べ、少量の試料(原理的にはnLオーダー以下)が測定できる。 3)蛍光検出法に比べ、試薬が安価である。4)電気化学的検出法に比べ、検査チップが安価に作製できる。

新技術の特徴

・パソコンの光学ドライブでグルコースやバイオマーカーを検出する技術へ展開できる
・極微量試料を測定するためのマイクロ流路デバイスや微小マイクロウェルチップの検出系に利用できる
・その他さまざまな比色定量分析の高感度化が期待できる

想定される用途

・癌、心筋梗塞、インフルエンザなどの病気のバイオマーカーを検出するポイントオブケア用小型診断装置
・細菌由来のタンパク質を検出するウェアラブル食品衛生検査装置
・水質・大気中の環境ホルモンや界面活性剤等の環境汚染物質検査

  • 医療・福祉

3)位相幾何学的手法を用いた組織(病理組織・金属組織など)判別技術

大阪大学 大学院医学系研究科 招へい准教授  中根 和昭

新技術の概要

現在、組織の分類は熟練技術者の判断により行われている。しかし、その処理数も多く、判断が技術者の技量によって変わる場合もあり、数理的な手法による計算機支援技術の開発は、緊急の課題である。今回、ホモロジーの手法を用いた組織分類技術を開発した。

従来技術・競合技術との比較

これまでは、パターン認識技術に基づきアルゴリズムが開発されたてきたが、組織は形態が非常に多様なため、ライブラリーが巨大となり、それに見合ったハードウエアを用意する必要があった。本技術は組織形成の原理に基づき判断が行われるため、偽陰性が少ないうえ、非常に安価・高速に結果が導出される。

新技術の特徴

・ライブラリーを用いないため、高速かつ安価にシステムが構成できる
・組織形成の本質を捉えるため、見逃しがほとんどない

想定される用途

・病理診断、レントゲン・CT画像などを用いたスクリーニング
・金属の焼き入れ・焼きなましなどの加工による、組織の微細な違いの定量評価
・加工材料の結果の評価の標準化

関連情報

・サンプルの提供可能。
・ソフトウエアのためノート型パソコン
・外国出願特許あり

  • デバイス・装置

4)超小型プレーナ型コア光ファイバレーザー

大阪大学 レーザーエネルギー学研究センター 講師 藤本 靖

新技術の概要

新開発のプレーナ型コア光ファイバは、コア形状を平板とする事で、効率的な励起と、コア断面積の拡大、ファイバ長の短尺化により、高出力、小型高性能、低コストのファイバレーザーの実現を促進します。

従来技術・競合技術との比較

・希土類元素をシリカガラスに最大50,000ppmドーピング可能。(従来技術の50倍)・プレーナ型コア光ファイバ構造では必要ファイバ長が0.2m以下で済む。(1/50)・コアの大面積化が可能。

新技術の特徴

・高濃度ドーピングによる小型化が可能。
・コア断面積の拡大による非線形効果の抑制が可能であり、小型であっても高出力が期待できる。

想定される用途

・レーザー加工
・医療応用(医療機器用レーザー)

関連情報

・ファイバのみ

  • 材料

5)レーザーアブレーション技術とイオン液体を利用したナノ粒子合成プロセス

大阪大学 大学院工学研究科 准教授 津田 哲哉

新技術の概要

レーザーアブレーション技術とナノ粒子の回収媒体および安定化剤として利用可能なイオン液体を組み合わせることで、従来法とは一線を画する真空・液相ハイブリッドプロセスによるナノ粒子調製法を確立した。

従来技術・競合技術との比較

数多くのナノ粒子調製法が存在するが、1つの手法で多種のナノ粒子が調製できる方法は殆どない。本技術はターゲット材料を交換するだけで、様々な種類のナノ粒子が簡便に作製できるだけでなく、イオン液体をその回収媒体および安定化剤とすることで、得られたナノ粒子を単分散状態のまま効率的に回収できる。

新技術の特徴

・この方法によって、殆どの材料を不純物無くナノ粒子化できる。また、粒径の小さなナノ粒子が得られる。
・反応性気体を装置の中へ導入しながらレーザーアブレーションすることで、新規な化合物ナノ粒子の合成が可能。
・次世代技術を支える要素材料として期待されるシリコンや磁性体、透明導電膜材料などのナノ粒子が調製できる。

想定される用途

・リチウムイオン二次電池用高容量負極、固体高分子形燃料電池用アノード触媒などのエネルギー材料
・エレクトロニクス材料として利用可能な透明アモルファス酸化物半導体薄膜作製用インク
・MRI造影剤、ドラッグデリバリー、磁気記録媒体、高性能永久磁石の原料

関連情報

・サンプルの提供可能

  • エネルギー

6)チタニアナノ粒子のサイズ・結晶面を制御する技術

大阪大学 接合科学研究所 特任准教授 大原 智

新技術の概要

チタニアナノ粒子の新規結晶面制御キャッピング剤を見出し、水熱合成法により世界最小(001)面チタニア(アナターゼ型)ナノ粒子の合成に成功しました。また、合成したチタニアナノ粒子は世界最高の光触媒性能を示しました。

従来技術・競合技術との比較

チタニアナノ粒子の結晶面制御は非常に難しく、これまでは主に結晶面制御キャッピング剤として危険性の高いフッ酸が使用されていました。本技術はフッ酸を使用せずにチタニア(アナターゼ型)ナノ粒子の結晶面制御((001)面制御)を実現するものです。

新技術の特徴

・医療応用
・生体応用

想定される用途

・光触媒
・太陽電池
・二次電池

関連情報

・サンプルの提供可能
・開催当日の展示品(成果物・サンプル等)の持ち込みあり

  • 製造技術

7)表面拡散による形態変化を利用したシリコン基板中への空洞形成技術

大阪大学 産業科学研究所 准教授 須藤 孝一

新技術の概要

シリコン基板上に形成した高アスペクト比微細ホールパターンを非酸化雰囲気中で高温アニールすることによって、シリコン基板中に空洞構造を形成する技術。初期の微細ホールパターンの設計によって、様々な空洞構造の形成が可能となる。

従来技術・競合技術との比較

一般に半導体基板中に空洞を形成するには複雑な製造工程を必要とするが、本手法は微細パターニングとアニール処理を組み合わせた単純な工程で空洞構造を形成することが可能である。

新技術の特徴

・シリコン・ナノワイヤなど、ナノ構造形成プロセスに応用
・バイオセンサで用いる流路の形成

想定される用途

・シリコン・メンブレンの作製
・微小電気機械システム(MEMS)の製造プロセス
・シリコンフォトニクス用の導波路

関連情報

・希望があれば個別にサンプルをお見せします。

  • デバイス・装置

8)大気圧プラズマを用いたナノメータ精度の形状創成、表面仕上げ、表面機能化

大阪大学 大学院工学研究科 准教授 山村 和也

新技術の概要

大気圧プラズマプロセスは高価な真空設備を用いない高効率かつ簡易なプロセスです。本技術では、ナノ精度の形状創成と原子レベルで平滑な表面仕上げをダメージフリーに行うことができます。また、テフロン等の不活性な高分子の表面を荒らすことなく金属やゴム等に対する接着性を向上できます。

従来技術・競合技術との比較

非接触かつ化学的なプロセスのため、振動や熱膨張の影響を受けにくく、局所的なエッチング領域を滞在時間制御により走査することでナノメータレベルの精度で無歪みに形状を創成できます。また、表面改質と砥粒研磨を複合することにより原子レベルで平滑な表面を高能率に得ることができます。

新技術の特徴

・大気圧プラズマプロセスのため既存の装置に組み込むことができ、エッチング、酸化、表面改質機能の付加が可能
・低温プロセスなので耐熱温度の低い生体材料や高分子材料の表面処理や機能性付与が可能
・表面エネルギーが小さく不活性な高分子基板表面の高密着性金属化、接着性の向上が可能

想定される用途

・高精度光学素子(非球面、平面)のナノ精度創成
・パワーデバイス用ワイドギャップ半導体基板、金型用高硬度材料の平滑化
・PTFE材表面の金属化、ならびに異種材料との高強度接着

関連情報

・デモ加工、評価用サンプルの作製可能(有償、無償に関しては要相談)
・PTFE(テフロン)上に作製した剥離しないCu薄膜
・接着剤を使用することなく接着されたゴム/PTFE(テフロン)複合体

  • デバイス・装置

9)高密度・粘性流プラズマによる機能ガス生成技術と成膜・エッチングへの応用

大阪大学 大学院工学研究科 助教 大参 宏昌

新技術の概要

本技術は、高密度なプラズマを用いて、安定で取り扱い易い無毒性の原料から、機能材料ガスをオンデマンドに生成することを可能にします。本技術を利用し、シリコンや金属などの機能膜の形成やエッチングが可能になります。

従来技術・競合技術との比較

成膜やエッチングなど、デバイス作製工程で用いられる毒性、自燃性もしくは環境負荷の大きな原料ガスの保管・使用が不要になります。シリコンを例にすれば、シランボンベを持つことなくSiのCVD成膜ができ、低純度Siの高純度化も可能となります。また一部の金属膜の高速成膜も確認されています。

新技術の特徴

・超高速な機能材料の成膜・エッチング
・種々の機能ガスの生成および固体原料のガス化
・機能ガスを保管・使用するための付帯設備が不要

想定される用途

・機能ガス生成装置(滅菌、成膜、エッチング)
・各種成膜、エッチング技術が必要な分野
・高純度Si材料製造など

関連情報

・サンプルの提供は応相談

  • 計測

10)低次元ナノ構造体の熱電特性測定法

大阪大学 産業科学研究所 准教授 筒井 真楠

新技術の概要

ナノ加工機械的破断接合を応用して、原子・分子サイズワイヤーの電気伝導度、ゼーベック係数および熱伝導度を計測するための技術を開発した。

従来技術・競合技術との比較

従来技術では、走査プローブ顕微鏡が用いられていたが、原子・分子ワイヤーが電極間に配線された状態を、その熱電特性測定に要する時間に比して、十分に長い時間保持することができていなかった。本手法では、ナノ加工機械的破断接合を用いてより長い時間安定に原子・分子構造を保持することができ、熱電特性に現れる原子・分子ワイヤーの配向や、電極との接点構造の違いの影響を評価することができる。

新技術の特徴

・単一生体分子センサー

想定される用途

・1次元ナノ構造熱電材料開発用ツール
・単一有機分子熱電素子開発用ツール

  • デバイス・装置

11)世界初の粒子分析法 ―濡れ、分散、表面被覆率、細孔体積などを1粒子毎に―

大阪大学 産学連携本部 特任研究員 河野 誠

新技術の概要

磁化率による粒子評価法は、酸化鉄などの磁性体ではなく、ポリマーや樹脂など反磁性粒子を主な対象としている。磁化率の特徴は加成性が成り立つ点にあり、反磁性という僅かな磁性を1粒子毎に測定することで、表面被覆率、濡れ性、細孔内への溶媒侵入体積(細孔体積)、表面積などを測定できる。

従来技術・競合技術との比較

従来、ゼータ電位やラマン顕微分光、x線を用いた手法などが粒子分析に用いられてきたが、溶液中で単一粒子の分析を行うことは困難であった。磁化率を使った粒子分析法は、水溶液だけでなく有機溶媒中でも単一粒子毎に粒子の成分均一性、濡れ性、分散性をはじめ、細孔体積、表面積といった粒子構造に関する情報も得ることができる点で優位である。

新技術の特徴

・電極材料の磁化率による機能評価
・細胞の酸化ストレス評価(ラジカル生成による磁化率変化)
・磁化率による粒子分離(磁気クロマトグラフィ)

想定される用途

・粒子製造企業での出荷検査、原料受け入れ検査
・インク・トナーの研究開発、品質管理(主に濡れ性、分散性、成分均一性、表面被覆率)
・化粧品、特にファンデーションの評価

関連情報

・カタログ
・外国出願特許あり

  • デバイス・装置

12)抄紙技術と光還元技術でつくる蓄電紙

大阪大学 産業科学研究所 特任助教 古賀 大尚

新技術の概要

伝統的な抄紙技術と最先端の光還元技術を用いる異分野融合戦略により、還元型酸化グラフェンをパルプ繊維表面にナノ分散担持したペーパー電極を開発した。従来の活性炭電極の約10倍に達する電気容量(350 F/g)を達成しており、フレキシブル・大容量蓄電デバイスの実現に貢献できる。

従来技術・競合技術との比較

本開発品をスーパーキャパシタ電極に用いると、電気容量350 F/gを達成した。この値は、従来の活性炭電極より約10倍高く、既報グラフェン系電極(100-250 F/g)と比べても優れているため、蓄電デバイス全般の大容量化に貢献できる。また、紙と同様の量産性とフレキシブル性も持っており、次世代ウエアラブルデバイスへの適用も期待される。

新技術の特徴

・原料は鉛筆(木(パルプ)と芯(グラファイト))
・抄紙プロセスで酸化グラフェンを紙にナノ分散担持
・酸化グラフェンをパルス光照射によりミリ秒で還元

想定される用途

・蓄電デバイス全般
・熱伝導・導電性材料
・その他、新機能紙

関連情報

・共同研究契約・NDAなど各種契約締結後、提供可能
・蓄電紙(開発品)

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

大阪大学 産学連携本部・総合企画推進部

TEL:06-6879-4206FAX:06-6879-4208
Mail:contactアットマークuic.osaka-u.ac.jp
URL:http://www.uic.osaka-u.ac.jp/
新技術説明会について

〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町

TEL:03-5214-7519

Mail:scettアットマークjst.go.jp

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