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理化学研究所 新技術説明会(1)

日時:2014年06月12日(木)

会場:JST東京別館ホール(東京・市ヶ谷)

参加費:無料

発表内容詳細

  • アグリ・バイオ

1)マイクロチップを用いた簡便・迅速・高感度なマイクロRNA検出

独立行政法人理化学研究所 前田バイオ工学研究室 専任研究員 細川 和生

新技術の概要

マイクロ流体チップの材質PDMSが空気を取り込む性質を利用して、外部ポンプを使わずに試料などをマイクロ流路に送液する独自技術。この技術を活用して、次世代のバイオマーカーであるマイクロRNAを迅速・高感度に検出した。

従来技術・競合技術との比較

マイクロRNAの検出法としては定量逆転写PCRやDNAマイクロアレイがよく用いられている。前者は高価な装置を必要とし、後者は長時間の反応を必要とする。本新技術で必要なのは蛍光検出装置だけであり、反応は20分で完了する。

新技術の特徴

・マイクロ流路の使用による、固相反応の時間短縮
・ポンプが不要という特長による、装置全体の簡素化と作業の単純化
・独自の増幅反応による高感度な検出

想定される用途

・体液中マイクロRNAの測定によるがんの早期診断
・細胞中マイクロRNA、メッセンジャーRNAの測定による発現解析
・タンパク質の免疫学的測定

関連情報

・試作可能

  • アグリ・バイオ

2)単細胞分泌液網羅計測技術

独立行政法人理化学研究所 生命システム研究センター 細胞動態計測コア先端バイオイメージング研究チーム チームリーダー 渡邉 朋信

新技術の概要

オミックス技術の新しい分野として、マイクロウェルアレイ及びMSを利用して単細胞の分泌液を網羅的に計測する技術を提供する。1細胞レベルで分析できるため、例えば分泌液の情報により個々のiPS細胞の質を見極めることにも成功した。

従来技術・競合技術との比較

オミックス技術は、今後の生命科学・医療の発展を約束できる技術として期待されている。これらの開発標的は、『細胞内』に限られている。我々は、マイクロデバイスの開発等により、『細胞外』オミックス技術(単細胞分泌液網羅解析)を確立した。

新技術の特徴

・細胞ひとつひとつを水滴に閉じ込めて、細胞分泌液の拡散を抑制。
・ナノスプレー技術を併用することによる低容量高感度質量分析が可能。
・細胞外液の摂取のため、細胞に対して完全非侵襲。

想定される用途

・薬物代謝の測定⇒創薬スクリーニング
・非侵襲な細胞の選種⇒良質なiPS細胞の選別等
・細胞分泌液のヘテロジェナイティなど新規知見の開拓

関連情報

・サンプルの提供可能

  • アグリ・バイオ

3)生体高分子のPET分子プローブ化を可能とする[11C]アセチル活性エステル体の開発

独立行政法人理化学研究所 ライフサイエンス技術基盤研究センター 標識化学研究チーム チームリーダー 土居 久志

新技術の概要

Pd触媒の使用下に、[11C]ヨウ化メチルとカルボキシトリフェニルケイ素化合物を用いた[2-11C]酢酸の新規合成法を開発した。[2-11C]酢酸は、引き続き、速やかに[2-11C]酢酸フタルイミジルエステルへと変換することに成功した。本エステル体を用いれば、原理的には、タンパク質や抗体への[11C]アセチル化という、分子量がわずか42の最小分子量での11C-標識化が実現できる。

従来技術・競合技術との比較

11C-標識酢酸に関する従来技術としては、[11C]二酸化炭素に対するメチルグリニャール反応剤を用いた合成法等がある。一方、我々の合成法は、汎用性の高い[11C]ヨウ化メチルの使用を機軸とした有機金属触媒による中性条件下の反応であるため、反応生成物として11C-標識酢酸を直接得ることができる。そのため、引き続き速やかに[11C]アセチル活性エステル体へと変換することが可能。

新技術の特徴

・汎用性の高い[11C]ヨウ化メチルを用いた[2-11C]酢酸および[2-11C]酢酸フタルイミジルエステルの迅速合成法
・Pd触媒の使用下に、中性条件下で、わずか4分の反応時間で進行する陰イオン駆動式極性転換型クロスカップリング反応を初めて実証
・[11C]アセチル化法の標識ユニットの分子量はわずか42。母体の活性変化を最小限にできる(抗体などの標識に最適)

想定される用途

・抗体医薬(候補化合物)やタンパク質等の生体分子のPET分子プローブ化を化学的に理想な標識法で実現できる
・原理的には、細胞やウイルス本体の
・PETはマクロドーズ臨床試験に適合しており、動物のみならず、実際のヒト臨床試験の実施が可能である

  • 材料

4)単一分子でカラフル表示が可能な有機色素材料の開発と応用

独立行政法人理化学研究所 ライフサイエンス技術基盤研究センター 次世代イメージング研究チーム 客員研究員 神野 伸一郎

新技術の概要

私達が独自に開発したアミノベンゾピラノキサンテン系色素(ABPX)は、種々の外部刺激の強さに応じて、単一の分子で、3つの化学平衡種を形成することで、蛍光色や発色がカラフルに変化する有機色素材料です。本性質を利用したイオンセンサーの開発や、さらに、1分子フルカラー化へ向けた物質創成や分子技術の構築に積極的に取り組んでいます。

従来技術・競合技術との比較

単一分子で、発色や蛍光色が、外部刺激の強さに応じて、複数色に変化し、表示可能な有機色素材料は、従来、報告例がなく,新しい分子技術となります。また本色素は、製造が容易で,安価に大量生産できることから,環境負荷の少ない技術となり、コストや簡便性の面からも優位です。

新技術の特徴

・ライフサイエンス分野: 標的物質の濃度変動を蛍光マルチカラー解析可能な蛍光性薬剤
・環境科学分野: 標的物質の濃度変動を測色または目視分析可能なモニタリング剤

想定される用途

・分子エレクトロニクス・フォトニクス材料
・センサー
・染料、塗料、顔料

関連情報

・サンプルの提供可能
・ABPXサンプル試薬瓶あり
・外国出願特許あり

  • 材料

5)g-C3N4 薄膜化技術 -高機能メタルフリー光触媒の開発-

独立行政法人理化学研究所 創発物性科学研究センター 創発ソフトマター機能研究グループ 基礎科学特別研究員 宮島 大吾

新技術の概要

グアニジン炭酸塩を用いた蒸着重合という手法を用いて、g-C3N4 シートが基材に対して平行に配向した薄膜の開発に成功しました。 ガラス、透明電極、シリコンウェハー、炭素材料に直接薄膜を作成することが可能であり、光触媒として機能します。さらに g-C3N4は半導体特性を有するので、薄膜にすることで粉末状では困難であったデバイス材料への展開も期待できます。

従来技術・競合技術との比較

g-C3N4は溶媒に溶けない粉末であり、g-C3N4シートの配向が制御された薄膜は一切報告がありませんでした。グアニジン炭酸塩を用いた蒸着重合という手法を用いて、g-C3N4シートが基材に対して平行に配向した薄膜の開発に成功しました。

新技術の特徴

・毒性が低く、豊富に存在し、破格に安い原料
・真空装置、特別な技術を必要とせず、誰でもできる簡便さ
・大面積に作成可能

想定される用途

・水素製造用光触媒
・光触媒コーティング
・デバイス材料

関連情報

・応相談
・基板の上に作成したサンプルを持参します
・外国出願特許あり

  • アグリ・バイオ

6)トランスクリプトーム・トモグラフィーを用いた遺伝子発現に基づく全脳地図作成

独立行政法人理化学研究所 光量子工学研究領域 画像情報処理研究チーム 客員研究員 於保 祐子

新技術の概要

トランスクリプトーム・トモグラフィー(TT法)は、独自の生体情報画像化システムと網羅解析技術を組み合わせ、3次元の異なる方向で切り出した連続切片群(分画)を生体試料とし、分画ごとに高分子の発現量を測定し、多数検体を使った多方向からの測定結果(1次元データ)をトモグラフィーを用いて画像情報と共に仮想空間に3次元再構成する手法。

従来技術・競合技術との比較

網羅的な36,000遺伝子発現地図を、従来法に比べ検体数を1000分の1、測定時間を10分の1、費用を100分の1程度で3次元化できる。従来法では不可能な遺伝子間の相互比較が可能である。更に凍結切片から抽出して定量測定できる物質であれば、なんでも3次元分布(解剖学的位置と量)を示す事ができる応用範囲の広いシステムである。

新技術の特徴

・遺伝子発現量を網羅的に測定したマウス脳立体地図をウェブで公開
・従来法より検体数1,000分の1、測定時間10分の1、費用100分の1で達成
・ハンチントン病遺伝子の発現量とその疾患による脳障害部位に相関があることを確認

想定される用途

・疾患モデル動物の脳全体を丸ごと隈なく迅速に解析
・薬剤投与効果を網羅的に解析
・MRI等で確認された脳の構造変化の背景にある分子レベルでの変化を解析

関連情報

・TT法について説明するビデオ(講演に使用予定、5分程度、音声あり)
・外国出願特許あり

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

理化学研究所 連携推進部 技術移転企画課

TEL:048-462-5475FAX:048-462-4718
Mail:cs-office[at]riken.jp ※[at]はアットマークに置き換えてください。
URL:http://www.riken.jp/outreach/
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