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立命館大学 新技術説明会

日時:2014年09月19日(金)

会場:JST東京別館ホール(東京・市ヶ谷)

参加費:無料

発表内容詳細

  • 通信

1)偽装指紋指による「なりすまし」に対抗する電磁波センサを用いた生体個人認証用生体検知システム

立命館大学 情報理工学部 情報コミュニケーション学科 教授 前田 忠彦

新技術の概要

他者の指紋や静脈などの生体情報を盗み取ることで模擬した偽装物を作製し、これを第三者が装着することで個人認証装置をすり抜ける「なりすまし」による攻撃法が指摘されている。電磁波センサを用い偽装物を検知し、認証装置への攻撃に対抗する生体検知技術を開発した。

従来技術・競合技術との比較

従来技術では生体の電気定数を模擬した偽装物による攻撃に脆弱性を有していた。新技術では、コンプリメンタリースプリットリングセンサを利用し、電磁波に対する深さ方向の応答を識別することで、人体の電気定数を模擬した人体等価皮膚による偽装に対しても検出を可能とする。

新技術の特徴

・人体の電気定数を模擬した人体等価皮膚を人体に装着する攻撃に対しても検出能力を持つ
・3次元コンフォーマルセンサと相対テンプレート判定法により検出精度の向上が図れる
・判定基準に絶対法と相対法を併用することで検出精度の向上が図れる

想定される用途

・生体認証装置
・警備・保安装置
・セキュリティ関連装置

関連情報

・サンプルの提供可能
・展示品あり(検出装置試作サンプル)

  • デバイス・装置

2)粉末冶金法を応用した調和組織・高靱性材料の創製

立命館大学 総合科学技術研究機構 研究員 太田 美絵

新技術の概要

調和組織制御は、延性能の高い粗大粒組織中に微細結晶粒のネットワークを構築することで延性と強度を両立できる革新的な組織制御技術である。鉄鋼材料をはじめ、銅やチタンなど様々な構造用金属材料全般に適用できる汎用性の高い技術である。

従来技術・競合技術との比較

従来技術の粉末冶金法を基盤に、粉末強化加工プロセスとの組み合わせで優れた機械的特性を持つ材料を創製することができる。特殊な処理を必要としないシンプルな手法であり、社会実装が容易である。

新技術の特徴

・従来技術をベースにしながら、全く新しい組織制御手法を提案
・合金化せずに強度向上が期待でき、レアメタル削減に有効

想定される用途

・人工股関節や人工歯根に活用
・内視鏡用手術器具への活用
・ステントへの活用

関連情報

・展示品あり(材料サンプル)

  • 通信

3)視認性確認対話ベースの地下街ナビゲーションシステム

立命館大学 総合科学技術研究機構 研究員 望月 祐洋

新技術の概要

屋内測位のインフラが十分でない地下街などで、その場に詳しい人が携帯電話越しに迷っている人を案内するように、システムとユーザがランドマークの視認性確認の対話を進めることで現在地を推測する対話型歩行者ナビゲーション技術

従来技術・競合技術との比較

屋内ではGPS測位が行えないため、従来技術による地図を用いたリアルタイムナビゲーションは使用できないが、本技術では屋内測位のインフラが十分でない地下街などの屋内で、ユーザが安心して進める実用性が高い歩行者ナビゲーションの実現をめざしている。

新技術の特徴

・測位インフラを必要としない対話型ナビゲーション
・地図だけのナビゲーションアプリに比べて本技術は利用者の安心感を向上させる
・部分的な屋内測位とPDR(Pedestrian Dead Reckoning)を加えることで安心感をさらに高め、道の間違える回数や目的地までの到着時間を短縮可能

想定される用途

・複雑に入り組んだ構造をした地下街などの屋内での歩行者ナビゲーション
・インフラ設置を必要としない屋内大規模展示会場などでの来場者ナビゲーション
・オリンピックや大規模博覧会などでの会場内ナビゲーション

関連情報

・Google Playからダウンロード可能

  • 情報

4)ARアプリケーションのための印刷型非可視化画像技術

立命館大学 理工学部 電子情報工学科 教授 道関 隆国

新技術の概要

対象画像の明度レイヤに市松模様状に各ピクセルの明度を増減させた高周波画像ブロックと明度を平滑化させた低周波ブロックを埋込みディジタルコードを作製することにより、画像の邪魔をすることなく配置できる非可視化コード。

従来技術・競合技術との比較

従来の非可視化コードとしてFPコードがある。FPコードはカメラに比べて人間の目に鈍感な黄色の色変化を利用したものであり、黄色レイヤをブロック分割し、隣接するブロック間の平均階調値の差をデータに埋込むものである。FPコードは画像の境界をコードの境界として認識するため、画像に複数個埋込まれたコードを識別することはできなかった。

新技術の特徴

・紙媒体に見えないコードを複数個、埋込める
・切り取り部を高周波画像で囲めば印刷物の必要箇所を自由に切り取れる
・高周波画像印刷シートを用いればお絵描きした絵や文字がタブレット上に取り込める

想定される用途

・ポスタ、カタログ等を用いたARアプリケーション
・料理のレシピや新聞記事等の切り抜き
・お絵描きアプリケーション

関連情報

・タブレット端末によるデモンストレーション

  • デバイス・装置

5)シースルーバックライトが拓く液晶ディスプレイの新展開

立命館大学 理工学部 電子情報工学科 教授 藤枝 一郎

新技術の概要

本技術では、湾曲部を有する光ファイバを導光板の内部に設け、光を湾曲部から漏らすことで面状光源とする。任意の形状のシースルー型のバックライトが実現され、ディスプレイの応用を広げる。

従来技術・競合技術との比較

従来のバックライトは不透明である。これをシースルーにすることで、携帯機器や車載ディスプレイの分野で新たな応用が広がる。また、本技術はバックライトの大型化や形状の自由度の点でも有利である。

新技術の特徴

・シースルーになる
・形状の自由度が高い
・簡単に大型化できる

想定される用途

・レーザーディスプレイ
・スマートフォン
・サイネージ

  • 情報

6)フレキシブル超音波スピーカを用いたオーディオスポットの構築

立命館大学 情報理工学部 メディア情報学科 教授 西浦 敬信

新技術の概要

放射範囲の広狭を自由に制御可能なフレキシブル超音波スピーカを開発した。また、極小領域オーディオスポット形成に向けた超音波スピーカの実践例も紹介する。

従来技術・競合技術との比較

従来の超音波スピーカは平面状に超音波素子を配置して狭放射特性を実現していたが、提案手法では凹凸形状に超音波素子を配置して、放射面を動的に制御することで広狭放射特性を自由に実現可能なフレキシブル超音波スピーカを実現した。

新技術の特徴

・特定の範囲にのみ音を伝達
・環境に合わせて放射特性を自由に制御
・スピーカによる騒音問題を緩和

想定される用途

・公共施設におけるアナウンス用スピーカ
・デジタルサイネージ用スピーカ
・集合住宅等におけるテレビ用スピーカ

  • デバイス・装置

7)低侵襲性を重視し細く長く大出力密度で伸縮する圧力駆動マイクロマシン

立命館大学 理工学部 機械工学科 教授 小西 聡

新技術の概要

低侵襲性が重要な内視鏡等のワイヤー駆動系に有効な伸縮動作用マイクロマシン技術。複数の薄膜構造を多関節化して柔軟で細長い構造を実現し、駆動には二種類の形態の圧力駆動技術:小型ピストンと伸縮バルーンを採用し高出力密度を実現している。

従来技術・競合技術との比較

・小さく圧力駆動であることからローカルな配置が可能であり、ワイヤー駆動の課題に対応・従来のラバーアクチュエータに対して小さく高い出力密度を有する・半導体製造技術ベースのマイクロマシン技術による製造により高い生産性

新技術の特徴

・圧力駆動伸縮動作
・低侵襲構造
・高出力密度

想定される用途

・内視鏡用駆動機構
・ロボット用人工筋肉
・電気系統利用が困難な環境でのアクチュエータ応用

関連情報

・試作応相談
・展示品あり(動画(PCまたはミニプロジェクターで投影))

  • アグリ・バイオ

8)微生物による金属化合物の可溶化

立命館大学 生命科学部 生物工学科 教授 三原 久明

新技術の概要

有機酸生産能に優れた微生物として、Corynebacterium属、Bacillus属およびOchrobactrum属の細菌を見出した。アルカリ土類金属の炭酸塩、特に炭酸ストロンチウムや炭酸バリウムを含む電子機器廃棄物等からのバクテリアリーチングに応用可能である。

従来技術・競合技術との比較

鉄酸化細菌等によるバイオリーチングが知られているが、一般にそれら微生物の増殖は遅い。また、塩酸やシュウ酸などの化学薬品での処理は環境負荷が高い。本技術では、増殖が速く環境負荷の低い有機酸細菌を用いる。

新技術の特徴

・有機酸を高生産する微生物
・培養が容易
・アルカリ土類金属炭酸塩を可溶化

想定される用途

・廃液晶パネルからのストロンチウム溶出
・廃棄複合素材からの金属溶出
・複合素材の前処理

  • 情報

9)可視光を利用した盗撮防止システムの開発 ~スマホ等による被害を防ぐために~

立命館大学 理工学部 電子情報工学科 講師 熊木 武志

新技術の概要

モバイル機器のカメラを用いた、盗撮、デジタル万引きやバイトテロ等の犯罪行為が増加している。これに対してLED可視光通信を用いて犯罪防止空間を限定し、画像処理によってカメラの機能を制限することで犯罪を未然に防止する技術を提案する。

従来技術・競合技術との比較

既存の盗撮防止技術として知られているのは、携帯機器にシャッター音が鳴る仕組みを取り入れる、撮影防止シールを使用する、もしくは防犯カメラを設置するといった方法が主であり、機器に対して直接的に対策が取られていない。また、赤外線を用いた撮影防止技術があるが、特別に機器を設置する必要があり、普及のためにはコスト的に困難である。

新技術の特徴

・ノイズに強いLEDを用いた信号の送信技術
・物体を検知するためのカメラの画像処理技術
・手振れに強い信号送受信技術

想定される用途

・携帯カメラを用いた盗撮・デジタル万引きの防止
・撮影画像をインターネットに流出させる業務妨害の防止
・ウェアラブル端末を用いた犯罪の防止

関連情報

・サンプルの提供可能
・展示品あり

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

立命館大学 研究部 リサーチオフィス(BKC)

TEL:077-561-2802FAX:077-561-2811
Mail:liaisonbアットマークst.ritsumei.ac.jp
URL:http://www.ritsumei.ac.jp/research/
新技術説明会について

〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町

TEL:03-5214-7519

Mail:scettアットマークjst.go.jp

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