佐賀・大分合同 新技術説明会
日時:2014年07月29日(火)
会場:JST東京別館ホール(東京・市ヶ谷)
参加費:無料
発表内容一覧
発表内容詳細
- アグリ・バイオ
1)リグノセルロース分解物耐性微生物とそれによるエタノール製造
国立大学法人佐賀大学 農学部 生物環境科学科 准教授 北垣 浩志
新技術の概要
SUMO化に関わるタンパク質を高生産させることでリグノセルロース分解物に対する耐性を微生物に獲得させ、その微生物を使ってエタノールを生産させる。
従来技術・競合技術との比較
今までSUMO化タンパク質を高生産することでリグノセルロース分解物に耐性をもたらす酵母は育種されていなかった。今までの他の技術と相乗作用があることも確認できている。
新技術の特徴
・SUMO化に着目して発酵阻害物質耐性を達成したこと
・今までの発酵阻害物質耐性の手法と相乗効果があること
想定される用途
・バイオエタノール製造
・バイオケミカル製造
- 医療・福祉
2)ベルト式歩行訓練装置のための歩行分析・安全装置
国立大学法人大分大学 工学部 福祉環境工学科 准教授 菊池 武士
新技術の概要
本発明は、ベルト式歩行訓練装置とともに使用するためのセンサ付きの体重支持フレームであり、使用者は手や肘をついて体重を預けた状態で歩行訓練することができる。
従来技術・競合技術との比較
吊り下げ式や空気圧式の免荷装置はほとんど自立不可能な使用者でも歩行訓練を実施することができるが、装着に多くの手間がかかる。提案手法はある程度の歩行能力のある高齢者・障害者等において手軽で安全に歩行訓練を実施する機会を提供する。
新技術の特徴
・ベルト式歩行訓練装置(いわゆるトレッドミル)に後付け可能な体重支持用フレーム
・力センサによる支持力と支持中心位置の動的な計測
・データ解析による転倒予防と歩行分析
想定される用途
・高齢者・障害者の歩行訓練のための安全装置
・高齢者・障害者の歩行機能評価における評価装置
・アミューズメント等を目的とした入力インタフェース
- 材料
3)二酸化チタンを用いたリチウムイオン二次電池とハイブリッドキャパシタ
国立大学法人佐賀大学 大学院工学系研究科 先端融合工学専攻 教授 野口 英行
新技術の概要
リチウムイオン二次電池やハイブリッドキャパシタ等蓄電デバイスの電極活性物質としてブロンズ相のチタン酸化物が注目されているが、従来は針状粒子の前駆体が使用され電極の高密度化が困難であった。本技術では、等方的な粒子形態をもち、低温合成も可能な前駆体を用い電池特性に優れた二酸化チタンとそれを用いた蓄電デバイスを提案する。
従来技術・競合技術との比較
競合技術には、針状の形態をもつK2Ti4O9を前駆体とするブロンズ型酸化チタン(TiO2(B))がある。これに対して本技術は、合成が低温で可能なこと、粒子が等方的でタップ比重が高いこと、合成時に容易に炭素複合化プロセスを組み入れることができるなどの点において優位性がある。
新技術の特徴
・粒子径1μm以下・球状粒子の微結晶集合体である二酸化チタン
・配向性を有しない微結晶集合体である二酸化チタン
・焼成工程(炭素複合化工程)・チタン酸生成工程・二酸化チタン生成工程を含む容易な二酸化チタン製造方法
想定される用途
・リチウムイオン二次電池の電極材料
・ハイブリッドキャパシタの負極材料
・光触媒材料
関連情報
・サンプルの提供可能
- 情報
4)集積回路の組込み自己テストにおけるテスト品質向上
国立大学法人大分大学 工学部 知能情報システム工学科 准教授 大竹 哲史
新技術の概要
集積回路の組込み自己テストでは、線形フィードバックシフトレジスタにシードを設定し、そこから生成される疑似ランダムパターンをテストとして用いる。本技術では、故障検出率を向上するとともにテスト時間を削減することのできるシードを提供する。
従来技術・競合技術との比較
従来技術では、検出可能な故障であってもそれを検出するためのシードを生成できない場合があり、冗長故障の判別もできない。本技術は故障が検出可能か否かを判別できるとともに、検出可能な場合にはシードの生成を保証する。
新技術の特徴
・テスト生成ツールによる直接シード生成
・既存のテスト生成ツールの利用が可能
・テスト生成モデルの拡張により種々のテスト制約やテスト品質へ対応可能
想定される用途
・生産テストにおける組込み自己テストのテスト品質向上
・フィールドテストにおける組込み自己テストのテスト時間短縮
・組込み自己テスト機構の性能評価
関連情報
・サンプルの提供可能
- 材料
5)海水からマグネシウムの電解回収技術
国立大学法人佐賀大学 総合分析実験センター 機器分析部門 技術員 池田 進
新技術の概要
商業用海水淡水化施設から排出する高濃度塩水の有効利用は身近な資源確保に繋がる。特に、金属溶存量が最も多いマグネシウム(Mg)の電解回収について研究を行なっている。電解消耗が激しい従来のグラファイト電極に替えてダイヤモンド被覆電極を用いた電解回収を実施した。電解要素となる電気化学特性や電解回収したMgの物性を調べ、従来の電極材料との比較検討を行った。
従来技術・競合技術との比較
従来の溶融塩電解ではアノード効果によるグラファイト電極の電解消耗および金属霧発生による鉄電極からの鉄の不純物混入などに課題があり、Mg生産効率や品質低下を招いている。そこで、電解に高温安定性、耐薬品性、導電性などに優れるダイヤモンド被覆電極を用いた場合、電極消耗や不純物混入が抑制できることを明らかにした。
新技術の特徴
・難燃性マグネシウム合金の製造素材
・再生医療用スキャホールド
・安定した電磁シールド効果が必要な精密機器の外枠素材
想定される用途
・不燃性Mg合金、構造用軽量Mg、Mg燃料電池など
・骨芽細胞増殖の足場材、医療用ステント材など
・通信機器、電子機器、光学機器など
関連情報
・サンプルの提供可能
・ダイヤモンド被覆電極、マグネシウム塊、マグネシウム燃料電池車(ミニチュア車)
- 情報
6)新聞記事のブラウジングを提供するアーカイブシステム
国立大学法人大分大学 工学部 知能情報システム工学科 教授 中島 誠
新技術の概要
マイクロフィルムから抽出した古い新聞紙面の画像を、発行年月日に従ってディスプレイ上に線形配置し、人間が有する時間と空間に関する知識を基に、読みたい新聞記事を効率よく探し回れるシステムを構築できる。
従来技術・競合技術との比較
従来の新聞アーカイブシステムは望む記事をキーワードで検索する方式が主で、索引の用意に莫大なコストがかかる。本技術は、紙面画像の配置に工夫して、ブラウジングで望む記事を探す方式で,安価に実現可能である。
新技術の特徴
・低コストの新聞アーカイブシステムの構築
・時系列を軸とした画像のブラウジングの提供
・ソーシャルタギングにおけるノイズの推定
想定される用途
・文書画像アーカイブシステム
・タグの視覚化システム
・アーカイブシステムのウェブサービス
お問い合わせ
連携・ライセンスについて
佐賀大学 産学・地域連携機構 知財戦略・技術移転部門(TLO)
TEL:0952-28-8151FAX:0952-28-8186Mail:tlomail.admin.saga-u.ac.jp
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大分大学 研究・社会連携部 社会連携推進課 知的財産担当
TEL:097-554-8517FAX:097-554-7740Mail:chizaioita-u.ac.jp
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