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信州産学官連携機構 新技術説明会

日時:2014年08月05日(火)

会場:JST東京別館ホール(東京・市ヶ谷)

参加費:無料

発表内容詳細

  • 材料

1)陽イオン交換可能な新規シリカマイクロ粒子の開発

信州大学 工学部 物質工学科 助教 岡田 友彦

新技術の概要

磁性ナノ粒子と複合化したシリカマイクロカプセル、および単分散球状シリカ微粒子の表面に陽イオン交換性の化学種を強固に固定する技術を開発した。金属陽イオンなどの汚染物質を素早く吸着させ、磁気分離などで容易に回収できるという特徴がある。

従来技術・競合技術との比較

本方式では緻密なシリカカプセルに磁性体を内包しているので、磁性ナノ粒子と複合化した従来の吸着剤と比較して、水溶液中での磁性体の安定性に優位性がある。また、単分散球状シリカ表面で育成した層状ケイ酸塩(イオン交換体)は微細な結晶であるため、吸着が素早く起こるが、全体の粒子が大きいため素早く沈降する。

新技術の特徴

・汚染物質を吸着後,素早く簡単に分離できる
・化学的に安定な磁性微粒子としても応用可能
・様々な形状のシリカ表面に吸着点を固定できる

想定される用途

・磁気分離による金属陽イオンの除去
・各種吸着剤
・医薬品の徐放剤

関連情報

・サンプルの提供可能

  • エネルギー

2)熱を貯める液体~未利用熱エネルギーの革新的活用技術の開発~

信州大学 工学部 物質工学科 准教授 酒井 俊郎

新技術の概要

太陽エネルギー(熱)や工場、家庭から排出される熱を有効利用するため、液体状の熱エネルギー貯蔵材料が開発された。開発された熱エネルギー貯蔵液体は、温度調節が可能で繰り返し使用可能である。

従来技術・競合技術との比較

製造に化学反応(重合)を必要とせず、混合のみで製造可能である。また、再生処理などにより繰り返し使用が可能である。

新技術の特徴

・液体であることから、形状が多様
・流動性があるため、熱エネルギーの輸送が可能
・材料の種類や量により、温度や熱容量を調節可能

想定される用途

・環境分野(ヒートアイランド対策)
・農業分野(ビニールハウス内の保温)
・建築分野(空調用蓄冷装置、建材:断熱ボード、床暖房)

関連情報

・サンプルの提供可能
・熱エネルギー貯蔵液体

  • 材料

3)超分子ポリロタキサンを軸とする新規液晶材料の調製

信州大学 繊維学部 機能高分子学課程 准教授 荒木 潤

新技術の概要

ポリロタキサンは、回転・スライドが可能な環状分子を有する新規なネックレス状超分子である。ポリロタキサンの基本的な特性、種々の誘導体の調製と、それを利用した新規な物性を有する機能性材料の調製について発表する。

従来技術・競合技術との比較

分子内の環状分子部位が回転/スライド等の運動の自由度を有するため、共有結合性高分子に見られない新規物性を発現する。一例として、ポリロタキサン同士あるいはポリロタキサンを高分子と架橋した材料は架橋点が自由に動き、高膨潤率(1000倍以上)、高延伸率(24倍)を示す。

新技術の特徴

・ポリロタキサンを架橋した材料は、架橋点が自由に動く、いわゆる滑車効果を示すため、高膨潤率・高延伸率・高強度を示す。
・分子内の一部のみを分解することにより環状分子部位が迅速に多量に放出される。外部刺激応答性材料への応用が期待可能である。
・素材であるシクロデキストリン(オリゴ糖)とポリエチレングリコールは安価で安全性が高い。

想定される用途

・純水に対し、1000倍以上の膨潤率を示す高吸水性材料
・側鎖の高い運動性を活かした分子包接材料
・生体内など特定の場所で末端を切断することによる環状分子の放出、および機能の発生(DDS材料)

  • 材料

4)絹タンパク質の新規ナノファイバーの製造と応用

信州大学 繊維学部 特任教授 塚田 益裕

新技術の概要

エレクトロスピニング技術を利用して平均繊維径と繊維径分布の制御が可能となる絹タンパク質ナノファイバーを製造する方法に関する発明である。家蚕幼虫由来の絹タンパク質を蟻酸に溶解して調整できる絹タンパク質ドープを用いて、絹タンパク質ドープがゲル化しない温度でエレクトロスピニングすることで所望される絹タンパク質ナノファイバーを製造する。

従来技術・競合技術との比較

本発明によれば、原料としてカイコ由来の天然の生体高分子である絹フィブロイン、絹セリシンを用いており、このような素材から製造できる絹タンパク質ナノファイバーは極細であることに加え、生体適合性素材であり、かつ生解性であるため、体内に移植しても体内酵素で分解するという生化学特性を有するという効果を奏する。

新技術の特徴

・生体親和性
・細胞足場材
・生分解性

想定される用途

・再生医療分野
・機能性衣料
・化粧品

  • 情報

5)濃淡画像に含まれる雑音除去のためのフィルタ

長野工業高等専門学校 電気電子工学科 教授 宮崎 敬

新技術の概要

画像伝送時やCMOSイメージセンサの受光セルの感度差により生じた画像に含まれる雑音を除去するフィルタである。本手法は、2×2 画素サイズの雑音検出器と多方向走査平均処理と呼ぶ復元器からなるスイッチングメディアンフィルタ(SMF)の一つである。特長としては、雑音検出器が小さく、復元器の処理も画像に対する処理方向が異なるだけであるためアルゴリズムが容易である。

従来技術・競合技術との比較

画像に混入した雑音を除去する方法としてメディアンフィルタが有効であるが、このフィルタは雑音画素だけでなく 非雑音画素も含めた画像全体に処理を適用するため、画像を劣化させてしまう。この改善法としていくつかのスイッチングメディアンフィルタが提案されているが、雑音検出器が大きくなりアルゴリズムが複雑化する傾向があるが、本手法の処理は簡便である。

新技術の特徴

・簡便なアルゴリズムで効果的なノイズ除去が可能。
・原画像の劣化が他の方法に比べて少ない。
・放射線が原因のノイズ検知に応用できる可能性がある。

想定される用途

・CCDやCMOSセンサの雑音除去
・低照度下における撮影画像からの雑音除去
・無線等による画像伝送時の雑音除去

関連情報

・ノートPC

  • 機械

6)光スキャナ用デュアル可動子をもつ高速電磁振動アクチュエータ

信州大学 工学部 電気電子工学科 助教 卜 穎剛

新技術の概要

高速光スキャナ用可動磁石形電磁アクチュエータの磁気減衰を低減したデュアル共振系をもつ高速電磁振動アクチュエータを提案した。数kHzの光ビーム走査ができ、かつ低コストな構造であった。

従来技術・競合技術との比較

従来の光スキャナ用可動磁石形電磁アクチュエータは、高速での駆動が困難である課題に対して、光反射ミラー部と駆動部を分離したデュアル可動子構造では、磁気減衰の影響を低減し、数kHzの高速駆動ができた。

新技術の特徴

・デュアル可動子をもつアクチュエータ
・光反射ミラー部と駆動部を分離
・構造が簡素

想定される用途

・レーザー式バーコードリーダーの走査部
・小形レーザープロジェクトの走査部
・出力部と駆動部が分離する振動アクチュエータ

関連情報

・アクチュエータ

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

株式会社信州TLO

TEL:0268-25-5181FAX:0268-25-5188
Mail:infoアットマークshinshu-tlo.co.jp
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