首都大学東京 新技術説明会
日時:2014年07月11日(金)
会場:JST東京別館ホール(東京・市ヶ谷)
参加費:無料
発表内容一覧
発表内容詳細
- デバイス・装置
1)人の心理に基づく照明の設計方法
首都大学東京 大学院人文科学研究科 人間科学専攻 名誉教授 市原 茂
新技術の概要
SD法を用いてLED照明による色票の色見えを評価した結果の分析に基づき、従来製品よりも赤があざやかに見えるLED照明を開発した。
従来技術・競合技術との比較
従来のLEDの多くは、長波長成分が低く、赤の色見えがややくすんでしまう傾向があったが、われわれの開発した製品は、従来製品の欠点を補うものである。
新技術の特徴
・LED照明下の色見えの評価(心理評価)を製品開発に活かした点
・赤を鮮やかに見せることができる点
・CIECAM02という新しい色見えモデルに基づいた照明の設計
想定される用途
・デパートのショーウィンドウの照明
・美術館の照明
・繊維工場などの色見えが重視される工場の照明
関連情報
・試作したLEDを提示するためのブース(横2m×奥行き1m)を提供することが可能です。
・上述のブースを用いて開発したLEDを講演中に別の場所で提示し、講演後に解説することも可能です。
- 製造技術
2)表面平滑な薄膜樹脂の高速成型方法
首都大学東京 大学院理工学研究科 機械工学専攻 教授 水沼 博
新技術の概要
樹脂のシートやフィルム製造法としてTダイと呼ばれる金型から溶融樹脂を押し出す押出加工が利用されている。生産性を高めるために押出速度を高くすると押出物の表面が粗面となる溶融損傷が発生する。本技術は溶融損傷を抑制し、押出速度を10倍程度まで高速化することを可能とする。
従来技術・競合技術との比較
従来技術としてダイ壁面のコーティングやポリマーへの添加剤などが提案されている。コーティングはダイ内部の高温と高い壁面摩擦により耐久性に欠け、添加剤は成形物の色や材質を変える欠点がある。新技術はダイ出口に回転ローラーをつけるだけなので、これら欠点を回避できる。
新技術の特徴
・高分子の押出速度を10倍程度高速化できる。
・ローラーの回転によりダイ内圧が低下するので、押出動力を低減できる。
・ダイ内圧の低下による金型の変形を抑制できる。
想定される用途
・高分子押出加工
・高粘度食品の成形加工
- 材料
3)高純度半導体型のカーボンナノチューブの未来~赤外線受光素子への応用例~
首都大学東京 大学院理工学研究科 物理学専攻 准教授 柳 和宏
新技術の概要
高純度半導体型単層カーボンナノチューブを用いることで高感度・低コスト・フレキシブルな非冷却型赤外線受光素子の開発
従来技術・競合技術との比較
・MEMS構造や超高真空プロセスが不必要で低コストな塗布形式でのデバイス構築・従来技術の酸化バナジウムより良い熱抵抗変化率(-2.6%K-1)・非冷却で良好な受光性能。温度分解能50mK。体温も検出可能。
新技術の特徴
・大きな熱抵抗変化率
・塗布形式によるデバイス構造
・フレキシブル・伸縮性を有する
想定される用途
・赤外線受光素子
・医療
・防犯
- 製造技術
4)金属箔の多数枚接合を可能にする新しい電磁溶接法
東京都立産業技術高等専門学校 電気電子工学コース 准教授 石橋 正基
新技術の概要
パルス大電流によって発生する電磁力用いて2枚の金属薄板を瞬時にシーム状に接合する電磁圧接法では積層箔の同時溶接は困難であった。そこで、積層箔に細孔あるいは同種金属の細線を挿入して電磁圧接を行う新たな溶接法を開発し、これを可能にした。
従来技術・競合技術との比較
金属積層箔においてはレーザや超音波接合法などが用いられているが、電磁圧接法をベースとした接合法であることからシーム状の溶接、固相接合、低接合抵抗、省エネルギーで安定した接合強度が得られるなどの優れた特徴を有している。
新技術の特徴
・自動車部品関連
・電気電子部品関連
・新素材関連
想定される用途
・大容量リチウムイオン電池
・大容量パワーモジュール
・大電流電路の端子接合
- 計測
5)層状硫化ビスマス化合物の超伝導体への応用
首都大学東京 大学院理工学研究科 電気電子工学専攻 助教 水口 佳一
新技術の概要
2012年に発見された、ビスマスと硫黄を主成分とする層状超伝導体に関する物質特許です。Bi4O4S3やLaO1-xFxBiS2など、BiS2超伝導層を有する一連の超伝導体の合成法と結晶構造、超伝導特性を示しています。
従来技術・競合技術との比較
銅酸化物高温超伝導体や鉄系超伝導体と類似の層状超伝導体です。超伝導転移温度は11ケルビン程度とまだ低いですが、今後の新物質開発で上昇する可能性があります。高い超伝導異方性は超伝導素子応用に利用できます。
新技術の特徴
・超伝導センサー
・電力ケーブル
想定される用途
・固有ジョセフソン接合
・超伝導線材
- 創薬
6)含窒素基を有する界面活性剤化合物を用いたドラッグデリバリーシステム
首都大学東京 大学院都市環境科学研究科 分子応用化学域 准教授 朝山 章一郎
新技術の概要
ポリエチレングリコール(PEG)の分子末端をアルキルイミダゾリウム基修飾したPEG 界面活性剤様化合物を合成し、「モノイオンコンプレックス(MIC)」を形成した。得られたMICをマウスの皮内へ局所投与すると、核酸単独投与時を有意に上回る遺伝子発現が見られた。
従来技術・競合技術との比較
In vitroで高効率な遺伝子キャリアがin vivoでは発現が低下されるのは、従来技術のポリイオンコンプレックス形成に問題があると考え、遺伝子とキャリア間の架橋を抑制するため、モノイオンコンプレックスを調製した。
新技術の特徴
・30nm程度の微小粒径のプラスミドDNA複合体の調製
・一つの正電荷と一つの負電荷による静電相互作用による複合体の調製
・生体適合性高分子による非共有結合的な生体高分子の修飾
想定される用途
・核酸治療薬のドラッグデリバリー用途
・タンパク質医薬のドラッグデリバリー用途
・固相基板への生体適合性の付与
関連情報
・サンプルの提供可能
・外国出願特許あり
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