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東京理科大学 新技術説明会

日時:2014年11月11日(火)

会場:JST東京本部別館ホール(東京・市ヶ谷)

参加費:無料

発表内容詳細

  • 機械

1) 超精密流体潤滑軸受および小型非接触支持装置

東京理科大学 工学部第一部 機械工学科 講師 宮武 正明

新技術の概要

軸受と支持物体の間に存在する流体膜により物体を非接触で支持する機械要素に関連したものである。流体軸受に関する新技術としては、流体膜へ供給する流体の流量を精密に制御する機構を提案し、物体の浮上量の超精密制御を実現した。非接触支持装置に関しては、超音波スクイーズ効果により、小型の装置にて、浮上物体を非接触で支持しつつ把持を行うことを可能とした。

従来技術・競合技術との比較

提案する超精密の流体潤滑軸受は、小型・高速の流量制御軸受すきまを精密に制御することが可能である。工作機械の案内面に使用した際には、一般的な流体潤滑軸受と比較して、加工時の荷重変動に対する案内の変動を極めて小さくすることが可能である。また、非接触の支持装置については、超音波スクイーズ効果を利用することで、ベルヌーイチャックのようにコンプレッサなど外部の給気源を用いずに、小型の装置にて浮上物体を非接触で把持することが可能である。

新技術の特徴

・軸や案内を流体膜で支持する軸受である。摩擦が小さく、荷重変動に対して流体膜厚の変動が少ない精密軸受である。
・軸受流体膜への流体供給量を精密に制御可能な機構を提案し、支持体の浮上量の精密制御を可能とした。
・非接触支持装置については、超音波スクイーズ効果を利用し、小型の非接触浮上・把持装置を開発した

想定される用途

・超精密加工機
・超精密測定器
・非接触搬送装置

  • 材料

2) 固/液界面に対する界面活性剤の吸着評価法

東京理科大学 理工学部 工業化学科 講師 酒井 健一

新技術の概要

界面活性剤が固体と液体の界面に吸着すると、界面の性質を大きく変化させることができます。この発表では主に、固/液界面での吸着現象を解明するための評価手法(原子間力顕微鏡、水晶振動子マイクロバランス等)を実際の測定例も含めてご説明し、トライボロジー分野への貢献を展望してみたいと思います。

従来技術・競合技術との比較

界面活性剤はナノメートルオーダーのソフトな吸着膜を固/液界面に形成するため、その構造解析は容易とはいえません。そのため、いくつかの手法を組み合わせることで、多角的な解析が可能となります。界面活性剤の吸着挙動を明らかにすることは、トライボロジー分野をはじめとする各種産業の発展につながります。

新技術の特徴

・界面活性剤の性質を理解することで、製品開発時の適切な処方につながります。
・界面現象の評価法を知ることで、製品開発時におこる問題解決の一助になることが期待されます。

想定される用途

・トライボロジー分野への貢献:潤滑剤の開発・潤滑現象の界面化学的な理解
・界面活性剤(洗浄剤・乳化剤・分散剤・増粘剤・殺菌剤等)の開発

  • デバイス・装置

3) 太陽電池を自律的に故障予知・診断するパワーコンディショナ

東京理科大学 理工学部 電気電子情報工学科 准教授 杉山 睦

新技術の概要

本技術は既存のパワーコンディショナの電力変換回路を利用して太陽電池に微小交流を能動的に印加し、インピーダンスを自動測定する。モニタリングシステムと組み合わせ、インピーダンス変化を検出することで故障前兆の察知や故障原因の診断を実現する。

従来技術・競合技術との比較

Ⅳカーブトレーサやサーモカメラのような従来技術は故障の有無、故障パネルの判定までしかできなかった。本技術では測定器を新たに導入することなく、より詳細な太陽電池の状態を得ることができる。

新技術の特徴

・主にファームウェア変更で対応でき、開発・導入コストが最小限で済む。
・夜間など日射量が全くない時にも診断できる。
・数秒で診断が完了する。

想定される用途

・メガソーラの無人監視・無人診断
・接続箱取り付けタイプの診断モジュール
・同技術が適用可能な各種二次電池や燃料電池の診断

関連情報

・展示品あり(実機を用いた診断のデモンストレーション)

  • デバイス・装置

4)ワイヤレス電力伝送

東京理科大学 基礎工学部 電子応用工学科 准教授 柴 建次

新技術の概要

本ワイヤレス電力伝送システムは、電力伝送効率が高い(コイル間98%)、負荷が変化しても出力電圧(=電力)が変化しない、一次コイルと二次コイルの相対的な位置が変化しても出力電圧が一定、電磁ノイズが小さい等の優れた特徴がある。

従来技術・競合技術との比較

二次コイルのリングを、一次コイルを巻いたフェライトコアでクランプする構造のため、一次コイルと二次コイルの物理的距離に制限があるが、高い伝送効率と確実な電気絶縁が可能であり、着脱も簡単にできる。

新技術の特徴

・伝送効率で98%近い効率を持ち、電磁ノイズ規制値以下に抑えられているのは、この方式のみ。
・伝送電力は、フェライト断面積に比例するため、設計によって数100Wオーダも可能と思われる。
・一次側と二次側のフィードバック制御を行わずに、出力電圧をほぼ一定に保てるのはこの方式のみ。

想定される用途

・モバイル機器の充電
・体内埋込型医療機器(補助人工心臓など)へのワイヤレス電力供給
・電気自動車等の充電コネクタ

関連情報

・展示品あり(ワイヤレス電力伝送システムのサンプル)

  • デバイス・装置

5)画像復元技術による動体の追従と裏写り除去

諏訪東京理科大学 工学部 コンピュータメディア工学科 准教授 田邉 造

新技術の概要

カルマンフィルタを改良した新たな劣化画像復元技術を紹介するとともに、この技術を用いた動体の計測や動き解析、さらには応用技術である裏写りや地色の除去への活用法を説明する。また有効性を示すためにアプリ化したデモも実演する。

従来技術・競合技術との比較

“ぼけ”や“雑音”によって劣化した動画像を、制御の予測的アイディアで復元する新技術は、(1)少ないデータで復元可能でかつ(2)復元性能を犠牲せずに高速復元可能より、実用性が高い技術である。

新技術の特徴

・複雑な移動体の計測・動き解析・次の動き予測
・高速かつ正確なOCRのためのディジタル化
・汎用防犯カメラの劣化映像復元

想定される用途

・医療分野における腸や心臓の動き解析
・スキャナーなどの裏写り除去や地色除去
・移動する人や動物などの見守りや監視の技術

関連情報

・サンプルの提供可能
・展示品あり(モバイルスキャナーとモバイルプリンタを用いた裏写りと地色の除去に関するデモ)

  • デバイス・装置

6)圧電体を用いたイベント駆動型インテリジェントシステム

東京理科大学 理学部第一部 応用物理学科 教授 岡村 総一郎

新技術の概要

人間や車両の通過時に加わる力を用いて発電するマットを開発した。さらに発電によって得られた電力を用いて、歩行や交通に関連した様々な情報を"電池レス、配線レス"で、無線送信できる技術である。

従来技術・競合技術との比較

従来技術では、ワイヤレスでセンサー情報を発信する場合には主として電池が用いられている。本技術により、電池の充電や交換をすることなく、無線通信素子に半永久的に電力を供給することが可能である。

新技術の特徴

・電池の充電・交換が困難な場所で、センサー情報を半永久的に発信
・災害や緊急時にも独立して稼働可能な無線通信システム
・電池の使用が困難な極低温、高温、真空環境下で利用できる可能性(圧電体は、極低温~数百度の高温域で発電可能)

想定される用途

・自宅要介護者、病院患者の見守りを目的とした歩行センサーマット(焦電性人感センサーが搭載できない箇所にも利用可)
・自動ドア
・路上、駅ホーム、工場内などにおける警報・警備システム

関連情報

・展示品あり(床発電マット試作品)

  • 材料

7)ダイヤモンドナノ粒子の機能化とその応用

東京理科大学 理工学部 工業化学科 講師 近藤 剛史

新技術の概要

ダイヤモンドナノ粒子の機能材料応用へ向けた基礎技術として、導電性の付与および表面修飾法の開発について紹介する。また、ダイヤモンドナノ粒子を原料とする多孔質ダイヤモンド球状粒子の作製と触媒担体への応用についても紹介する。

従来技術・競合技術との比較

導電性ダイヤモンドナノ粒子は耐腐食性に優れた導電材料、表面修飾ダイヤモンドナノ粒子は有機溶媒への優れた分散、多孔質ダイヤモンド球状粒子は安定で高活性を維持可能な触媒担体として期待される。

新技術の特徴

・ナノサイズの導電性ダイヤモンド:電気化学エネルギーデバイス用電極材料へ応用が期待される
・共有結合に基づくダイヤモンドナノ粒子の表面修飾法を開発:大量製造が可能
・粒子サイズ、細孔サイズ、他材料との組成比を任意に制御できる多孔質ダイヤモンド球状粒子:化学的に安定な多孔質体

想定される用途

・耐腐食性導電性材料
・ポリマーとのナノコンポジット材料
・有機合成・環境浄化用触媒

関連情報

・サンプルの提供について(少量ならば、応相談)

  • エネルギー

8)高性能ナトリウムイオン蓄電池の新技術

東京理科大学 理学部第一部 応用化学科 教授 駒場 慎一

新技術の概要

蓄電技術は自然エネルギーによる安定した電力供給や電動車両普及の鍵を握る中核技術である。我々は、希少元素、毒性元素を使わない高性能「ナトリウムイオン電池」を開発した。従来型蓄電池との違いから、エネルギー密度単価を下げうる次世代の材料技術について紹介する。

従来技術・競合技術との比較

既存の蓄電池は、希少元素によるコスト高、環境毒性を伴うなど問題がある。標記の電池はこれらの問題を一挙に解決できる。リチウムイオン電池と基本構造が同じで、既存技術、生産設備の転用も容易。最近3年間で世界中で研究が活発化し、将来最も有望な蓄電池の一つ。

新技術の特徴

・希少元素、有毒元素を使わないバッテリー
・低コストながら高い蓄電性能
・短時間で充放電が可能

想定される用途

・電動車用バッテリー
・小規模蓄電設備(一般家庭用、ビル用)
・風力・太陽光発電等の付設蓄電装置

関連情報

・サンプルの提供について(電極材料の提供は一部可能)
・展示品あり(リチウムイオン電池、ナトリウムイオン電池のレプリカ試作品の比較)

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

東京理科大学 研究戦略・産学連携センター

TEL:03-5876-1530FAX:03-5876-1676
Mail:uraアットマークadmin.tus.ac.jp
URL:http://www.tus.ac.jp/ura/
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〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町

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Mail:scettアットマークjst.go.jp

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