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先端的低炭素化技術開発(ALCA)電池分野 新技術説明会 <新技術概要【当日資料PDFあり】>

日時:2016年02月09日(火) 12:45~16:25

会場:JST東京本部別館1Fホール(東京・市ケ谷)

参加費:無料

発表内容詳細

  • エネルギー

1)錯体水素化物を実装した新たな全固体蓄電デバイス

東北大学 原子分子材料科学高等研究機構 講師 宇根本 篤

新技術の概要

全固体電池は耐熱性やエネルギー密度の観点から、次世代電池の候補のひとつとして期待されている。従来、研究開発の対象となっていた酸化物や硫化物とは素性の異なる、新しい固体電解質群である「錯体水素化物」の電池への実装に成功した。

従来技術・競合技術との比較

錯体水素化物固体電解質を利用することで、室温での加圧成形のみという極めて単純かつ簡便な方法で全固体電池が作製できる。エネルギー密度に優れる電池のデバイスコンセプトが提案できた。

新技術の特徴

・錯体水素化物固体電解質は軽量材料(重量密度が小さい)。
・電池作製プロセスが極めて簡便
・幅広い電極材料と組み合わせることが可能であり用途に応じた柔軟な電池設計が可能

想定される用途

・従来の液系電池では適用しにくい高温環境での用途
・移動体や定置用などの大型用途

関連情報

・共同研究先の化学メーカーより、有償にて試料提供が可能
・外国出願特許あり

  • エネルギー

2)ナノ電気化学セル顕微鏡:微小セル構造を用いた局所電気化学測定とその応用

東北大学 原子分子材料科学高等研究機構 助教 熊谷 明哉

新技術の概要

ナノ電気化学セル顕微鏡は、電解液と参照極を充填したガラスナノピペットをプローブとする新規計測技術である。試料表面とピペット間にて微小電池構造(セル)を形成することで局所的で電気化学応答とピペット走査による電流・電圧の可視化を可能とする。

従来技術・競合技術との比較

従来の電気化学測定が電極全体からの応答のみを取得するのに対し、局所域(サブマイクロメートル以下)での応答や充放電特性の評価を行うことが出来る。また、他のコンダクティブAFMなどと比べ、イオン伝導に起因する電流を直接取得できる特徴を持つ。

新技術の特徴

・電極表面における電流応答の可視化
・局所領域(サブマイクロメートル以下)での電気化学特性評価
・充放電過程の電位の可視化

想定される用途

・実電極における電流応答の不均一性の検討(電池全般)
・電位・電流伝導経路の遮断領域の特定(電池全般)
・表面腐食や構造欠陥による電気化学特性の評価(電池や触媒反応全般)

  • エネルギー

3)シリコン系半導体新材料「IV族クラスレート」の薄膜合成

岐阜大学 工学部 電気電子情報工学科 准教授 久米 徹二

新技術の概要

太陽電池用半導体新材料として注目される、シリコンクラスレートおよびゲルマニウムクラスレートの薄膜の合成法を確立した。クラスレート薄膜は、シリコン基板、ゲルマニウム基板、透明サファイア基板上に作製できる。

従来技術・競合技術との比較

従来のシリコンやゲルマニウムクラスレートは、微粉末を原料として製造されるため、合成物は粉末状であった。そのために電子素子への応用が考えにくく、用途が非常に限定されていた。本技術は、クラスレートの薄膜化を容易にするものである。

新技術の特徴

・1~3ミクロン厚さの薄膜クラスレートを各種基板上に合成することができる。
・数オングストロームの大きさのカゴ構造を有するクラスレート物質を薄膜化できる。

想定される用途

・太陽電池用薄膜材料
・可視発光素子用材料
・受光素子用材料

関連情報

・試作可能
・Siクラスレート薄膜、Geクラスレート薄膜

  • エネルギー

4)印刷成膜法により単結晶作製可能な液晶性有機半導体材料

大阪大学 大学院工学研究科 電気電子情報工学専攻 教授 尾﨑 雅則

新技術の概要

液晶の性質を生かすことにより、溶液から塗布プロセスにより分子配列のそろった単結晶を作製することが可能となる有機半導体。

従来技術・競合技術との比較

真空プロセスや長時間の精緻な温度・濃度制御を必要とすることなく、半導体単結晶様の薄膜を作製することができる。

新技術の特徴

・溶液塗布プロセスでの成膜が可能
・高移動度

想定される用途

・薄膜トランジスタ
・太陽電池

  • エネルギー

5)塗って作れる太陽電池の半導体ポリマー開発

理化学研究所 創発物性科学研究センター 上級研究員 尾坂 格

新技術の概要

半導体ポリマーを塗って作る太陽電池として知られる有機薄膜太陽電池は、変換効率と耐久性の向上が課題です。今回、当グループでは、新しい半導体ポリマーを開発し、高い効率と耐久性を実現しました。

従来技術・競合技術との比較

従来の半導体ポリマーを用いた有機薄膜太陽電池では、耐熱性試験において、500時間後の変換効率はせいぜい初期値の50%程度でしかありません。当グループの新半導体ポリマーでは、同様の試験において、500時間後の変換効率は初期値の95%以上を保持します。

新技術の特徴

・塗って作製できる太陽電池
・フレキシブル・軽量な太陽電池
・半透明な太陽電池

想定される用途

・外壁(垂直面)、曲面
・軽量建造物
・窓

関連情報

・サンプルの提供可能

  • エネルギー

6)高性能リチウム-硫黄二次電池を実現させる新材料とそれらの設計

関西大学 化学生命工学部 化学・物質工学科 准教授 山縣 雅紀

新技術の概要

資源的にも豊富であり、安価、さらには1672 mAh g−1もの圧倒的に高い理論容量を発現する硫黄を正極活物質として適用したリチウム硫黄電池 (LIS) は次世代電池の候補として期待されている。しかし、充放電時に生成するポリスルフィドのシャトル効果は、急激な容量低下や自己放電を引き起こすため、依然として、LISにおける大きな懸念である。本技術は、これらの問題を解決し、さらに電池性能を向上させる新材料とそれらのマッチングについて紹介する。

従来技術・競合技術との比較

充放電中での正極からの硫黄の溶出を抑制する目的として、硫黄のホスト材料、新たな有機溶媒系、ポリマー、固体電解質やシャトルを抑制するための添加剤などの提案がなされているが、電池性能の犠牲、電解液の取り扱いにくさなど課題も多い。本技術は硫黄溶出を防ぐためのミクロ多孔性材料の利用、電極化におけるバインダー、電極特性を向上させることができる電解液の設計によって、高容量・高出力の硫黄電池の実現可能性を示すものである。

新技術の特徴

・ミクロ多孔性炭素材料の利用による正極での硫黄担持力の向上と高容量化
・新規バインダーとミクロ多孔性炭素材料とのマッチングによる硫黄正極の高性能化
・開発した硫黄正極と新規電解液との組み合わせによる硫黄電池の高出力化

想定される用途

・移動用電源
・定置用電源
・大型電源

関連情報

・サンプルの提供可能

  • エネルギー

7)三次元規則配列多孔性セパレータ(3DOMセパレータ)を用いたリチウム金属系二次電池の開発

首都大学東京 都市環境科学研究科 分子応用化学域 教授 金村 聖志

新技術の概要

3DOMセパレータを用いることにより、リチウム金属を負極とする種々の二次電池の作製が可能となる。特に、リチウム空気電池やリチウム硫黄電池の負極としてリチウム金属が考えられており、リチウム金属負極の可逆性を向上させる一つの有力は手法である。本説明において、3DOMセパレータの有用性やリチウム金属負極の改良点について説明する。

従来技術・競合技術との比較

これまでにリチウム金属負極をサイクルできるようにした例はあまりなく、実際の電池で使用できる技術は現存しない。3DOMがリチウム金属を実際に使用できるようにできる唯一の方法と言っても過言ではない。しかし、セパレータ技術に加えて、電池系での使用方法が重要であり、リチウム空気、リチウム硫黄電池においては重要な部材となる。

新技術の特徴

・電池
・分離
・電子材料

想定される用途

・セパレータ
・フィルター膜
・Low k材料

関連情報

・サンプルの提供可能
・開催当日の展示品あり
・外国出願特許あり

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

科学技術振興機構 環境エネルギー研究開発推進部

TEL:03-3512-1543FAX:03-3512-3533
Mail:alcaアットマークjst.go.jp
URL:http://www.jst.go.jp/alca/
新技術説明会について

〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町

TEL:03-5214-7519

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