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福岡大学 新技術説明会 <新技術概要【当日資料PDFあり】>

日時:2015年06月11日(木) 10:45~15:55

会場:JST東京本部別館1Fホール(東京・市ケ谷)

参加費:無料

発表内容詳細

  • 環境

1)竹の建設分野への活用法の提案

福岡大学 工学部 社会デザイン工学科 教授 佐藤 研一

新技術の概要

日本では放置竹林が問題となり、この伐採された竹材の有効利用が急務となっている。竹は高い吸水効果と繊維質で引張強度に非常に強い性質を持っている。そこでこれらの特性を地盤の改良材としての有効活用する方法を提案する。

従来技術・競合技術との比較

自然由来の竹の吸水性を有効活用し、超軟弱な浚渫土砂を瞬時に改良できる工法である.周辺土壌のpHが上昇する一般的なセメント改良工法に比べ、自然にやさしい工法で、竹チップの吸水によりその後の処理におけるセメント添加量が減少するエコな工法である。

新技術の特徴

・竹の吸水性
・竹繊維の強度
・自然由来の素材の有効利用

想定される用途

・ため池,高炉浚渫などの高含水比底泥の地盤改良
・竹繊維を活かした短繊維補強土工法への利用
・竹繊維を活かした新しい土系舗装

関連情報

・サンプルの提供可能
・展示品あり

  • 電子

2)MEMS稼働部分の動的変化を多点レーザ照射によって可視化

福岡大学 工学部 電子情報工学科 教授 友景 肇

新技術の概要

波長の異なる50本の赤外レーザを同時に照射して、ドップラー効果で変位を高速に測定できるシステムで、MEMSの加速度センサーの稼動部分をマイクロ秒単位での動的可視化が可能である。

従来技術・競合技術との比較

駆動部分を有するMEMSデバイスのモーションを高速で測定できる装置は、レーザドップラーを用いて1点での振動を見ることができるものが製品化されているが、複数点での変位を同時に測定して、MEMS稼動部分の動的変化を可視化できる装置はない。

新技術の特徴

・波長の異なる50本の赤外線レーザを同時照射。
・反射光から変位測定。
・高速で50点の変位を測定して、動的変化を可視化。

想定される用途

・MEMS加速度センサーの評価、不良解析
・マイクロフォン、スピーカの振動解析
・小型アクチュエータの評価、不良解析

  • 材料

3)側鎖結晶性ブロック共重合体を用いたポリテトラフルオロエチレンの化学的改質法

福岡大学 工学部 化学システム工学科 助教 中野 涼子

新技術の概要

ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)は化学的に安定性が高く、耐熱性や耐候性、電気的特性に優れていることから多くの個所で利用されている。しかしながら一方で濡れ性が非常に悪く、溶媒や樹脂などで表面特性の改質が難しい高分子としても知られている。今回我々は新たな構造のブロック共重合体を重合し、この共重合体がPTFEと超分子間力を示すこと、またPTFEフィルムや多孔膜を改質できることを見出した。

従来技術・競合技術との比較

ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を改質するためには、従来プラズマや強酸・アルカリなどで分子鎖を切断し、官能基を導入する手法しか存在しなかった。この手法は、装置や後処理が煩雑であり、環境にも悪影響を与える手法であり、またPTFE自体の力学特性も損なうために薄膜には使用できず、多孔膜の細孔内部までの改質は不可能であった。今回の我々の手法は化学的な吸着力を利用したものであり、素材を傷めず細孔内部まで簡単に改質することが可能な画期的な手法である。

新技術の特徴

・ブロック共重合体の希薄溶液に浸漬する、あるいは塗布するだけでPTFEを改質できる。
・必要な個所のみの改質が可能であり、多孔膜細孔内部の改質も可能である。
・親水性のみならず、接着性、金属原子吸着性など、様々な特性を付与できる。

想定される用途

・リチウム電池、燃料電池などのエネルギー用途
・高耐久性フィルター
・生体適合性膜、あるいは細胞培養基盤

関連情報

・サンプルの提供可能
・展示品あり(実際に改質した多孔膜など)

  • 材料

4)廃棄容器包装樹脂の高付加価値化再生プロセス

福岡大学 工学部 化学システム工学科 教授 八尾 滋

新技術の概要

廃棄容器包装プラスチックから作られた製品は、力学強度や耐久性に劣るとされており、用途制限がある。通常この原因は化学劣化であるとされている。しかしながら最近我々はこのような廃棄容器包装樹脂からリサイクルされたプラスチックの力学特性が、成形条件に大きく依存することを見出した。この結果は、物性低下原因が再生可能な物理劣化であり、環境に優しい材料サイクルを確立できる新たなリサイクルプロセスを構築できることを示唆する結果である。

従来技術・競合技術との比較

これまで廃棄された容器包装樹脂は、一応はリサイクルされていても、きちんとした物性を考慮されることがなかったために、樹脂としての特性が活かされない、単なる充填物としての取り扱いしかなされてこず、この結果として、マテリアルリサイクルが進展してこなかった経緯がある。今回の我々の研究成果は、最適な成形条件を選択することにより、このような樹脂でも高強度化・高耐久性化が出来ることを示しており、新たな産業を生み出す可能性がある技術である。

新技術の特徴

・高価な添加剤が不要。
・複数の高分子からなる混合物でも応用が可能。
・異物がある廃棄樹脂でも適用が可能。

想定される用途

・廃棄樹脂の利用範囲の拡充による新たな産業の創製
・プラスチックマテリアルリサイクルの進展
・地球環境に優しい高度循環社会の実現

関連情報

・展示品あり(通常成形品と、高強度化成形品)

  • 材料

5)生体に優しい機能性溶媒を用いた生体組織再生用移植材料およびその製造方法

福岡大学 工学部 化学システム工学科 准教授 三島 健司

新技術の概要

この発明では、再生医療に利用できる細胞外マトリックスなどの新規なバイオマテリアルを提供します。我々は、人工臓器を作るために動物臓器からの脱細胞により、バイオマテリアルを作ります。この脱細胞過程で、我々が開発した超音波照射を併用した超臨界または液体二酸化炭素技術を利用します。

従来技術・競合技術との比較

従来、再生医療用の細胞外マトリックスは、有害な有機溶媒などを用いて行われており、得られたバイオマテリアルに有害化学物質が含まれる場合があった。本方法では、これを回避できる。

新技術の特徴

・人および動物を用いない臨床実験データの蓄積
・各臓器の機能性検査
・再生医療

想定される用途

・医療用材料の開発・製造
・化粧品の開発・製造
・機能性食料品の製造・開発

関連情報

・サンプルの提供可能(試作可能)

  • 創薬

6)糖尿病治療薬メトホルミンによる血液脳関門病の治療

福岡大学 薬学部 薬学科 助教 高田 芙友子

新技術の概要

血液脳関門機能障害は、アルツハイマー病や脳梗塞などの脳疾患の発症および病態進展に関与する。既存医薬品であるメトホルミンの血液脳関門機能亢進作用を活用し、血液脳関門機能障害の予防・治療に用いる。

従来技術・競合技術との比較

従来の脳疾患治療薬の多くは、神経細胞を治療標的としていた。本発明は、脳疾患発症時に先行発症もしくは併発する血液脳関門障害を脳疾患の基盤疾患(血液脳関門病)と捉え、血液脳関門を治療標的とした初めての脳疾患治療候補薬である。

新技術の特徴

・血液脳関門の機能低下を改善する治療薬がない中、本技術では血液脳関門の強化が可能となる。
・血液脳関門の機能低下により、本来脳に到達しない物質が脳内に侵入し、様々な障害を引き起こすが、ピアグナイト系の薬物を用いることで、血液脳関門の機能改善がはかられる。
・脳移行が期待されない医薬品の脳内侵入の阻止および同医薬品による中枢性副作用が回避できる。

想定される用途

・血液脳関門機能低下による脳疾患(血液脳関門病)の予防および治療
・血液脳関門機能低下に伴う生体内物質の脳内侵入の阻止および脳浮腫の改善
・血液脳関門機能低下に伴う糖尿病、肥満、高血圧、脳梗塞、敗血症、多発性硬化症、アルツハイマー病などの予防および治療

関連情報

・外国出願特許あり

  • 医療・福祉

7)生細胞の微弱電流印加による細胞死抑制効果の誘導

福岡大学 医学部 医学科 再生・移植医学講座 主任教授 小玉 正太

新技術の概要

細胞そのものに特殊な電気エネルギーを与える事で細胞の活性度(cell viability )を高め、細胞の自己崩壊となる細胞死のアポトーシス(プログラム細胞死)を抑え、酸化による細胞死のネクローシス(壊死)を抑える事を、分子生物学的手法によるDNA評価を用いて検証を繰り返し、その再現性を含めて確認した。

従来技術・競合技術との比較

磁場等が関与すると宣伝する類似製品(細胞凍結保存液など)はあるが、英文学術誌で論文発表された、科学検証を経た技術ではない。

新技術の特徴

・新たな臓器保存方法となり、新たな移植臓器運搬方法と成る。
・輸血で保存される血液、特に保存期間が短い血小板の保存などにもその有効性が期待出来る。
・近年注目されている再生移植医療においても、再生培養効率の改善が期待出来る。

想定される用途

・食品(生肉等)の生鮮保持など(共同出願者担当分野)。

関連情報

・外国出願特許あり
・展示品あり(英文学術論文別冊持参)

  • 医療・福祉

8)革新的な診断治療用バブル薬剤の新しい製造方法の研究開発

福岡大学 医学部 医学科 解剖学講座 主任教授 立花 克郎

新技術の概要

我々は革新的な技術を用い、医療用途のナノバブルやマイクロバブルを製造することに成功した。この技術を利用すれば、様々な薬物を“バブル化”でき、新しいイメージング法や治療法へ応用できる。

従来技術・競合技術との比較

従来のバブル製造法では大量の液体が必要であった。そのために、高価な薬物を“バブル化”するには不向きであった。我々の新しい方法では少量の液量(薬物)でも効率良く、清潔な環境でバブルを製造することができる。

新技術の特徴

・少量の液体を”ナノバブル化”、”マイクロバブル化”できる。
・医療用として診断ばかりでなく治療にも応用できる。
・医療用ばかりでなく食品、材料などにも応用可能である。

想定される用途

・新しい超音波造影剤、医療用イメージング、診断治療装置の開発
・従来の薬物の効果増強及び新規用法並びに体内動態の”視覚化”
・少量の食品、材料など”バブル化”が必要な分野

関連情報

・サンプルの提供可能

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

福岡大学 研究推進部 産学官連携センター

TEL:092-871-6631(代表)FAX:092-866-2308
Mail:sanchiアットマークadm.fukuoka-u.ac.jp
URL:http://www.adm.fukuoka-u.ac.jp/fu853/home1/index.html
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