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広島大学 新技術説明会 <新技術概要【当日資料PDFあり】>

日時:2015年09月08日(火) 09:45~14:55

会場:JST東京本部別館1Fホール(東京・市ケ谷)

参加費:無料

発表内容詳細

  • 環境

1)燃料生産と放射能汚染バイオマス処理を同時に行うバイオ技術

広島大学 大学院先端物質科学研究科 分子生命機能科学専攻 教授 加藤 純一

新技術の概要

小さなビーズを高速回転して植物バイオマス(木質および草本)を粉砕するとともに酵素処理を行う湿式ミリング前処理により迅速に糖化する。前処理したスラリーは従来の嫌気消化で容易にメタン発酵でき、放射汚染フリーのメタンを得ることができる。これら処理により植物バイオマスを90%減容化できる。

従来技術・競合技術との比較

「火」を用いず温和な条件(~60℃、大気圧)で処理できるため放射性セシウムの蒸発なしに放射能汚染した植物バイオマスを減容化・安定化することができる。またバイオエタノール生産による減容化では、放射性Csはエタノールに移行してしまうので燃料として使いづらいが、本法で得られるメタンは放射性Csフリーであることが検証されている。

新技術の特徴

・酵素促進湿式ミリング処理による草本系・木材バイオマスの糖化
・リグニン系新規ケミカル素材の生産

想定される用途

・植物・動物バイオマスからのバイオ燃料の生産・バイオマス発電
・放射能汚染したバイオマスの減容化・安定化

  • アグリ・バイオ

2)酸化ケイ素タグを用いた新たなタンパク質精製方法

広島大学 大学院先端物質科学研究科 分子生命機能科学専攻 教授 黒田 章夫

新技術の概要

天然タンパク質由来の最小7アミノ酸からなるペプチドが酸化ケイ素表面に強く結合することを発見した。このペプチドを付加した任意タンパク質がアルギニンの添加によって酸化ケイ素表面から解離することで、精製を行うことができる。

従来技術・競合技術との比較

従来Hisタグ等がタンパク質の精製に用いられているが、本技術は担体として安価なシリカと、溶出にタンパク質安定化剤であるアルギニンを用いることが異なる。

新技術の特徴

・簡易で、安価なタンパク質の精製技術
・既存のDNA精製用担体や装置に適応できる可能性

想定される用途

・タンパク質の精製
・タンパク質チップの作成
・半導体デバイスへのタンパク質の固定

関連情報

・タグをつけた蛍光タンパク質などの提供

  • 環境

3)機能性高分子を用いた重金属イオンの省エネルギー分離回収法

広島大学 大学院工学研究院 化学工学専攻 助教 後藤 健彦

新技術の概要

アミノ基を持つ高分子ゲルを金属イオンを含む水溶液中に浸漬すると、プロトン化によりゲル内に水酸化物イオンが生成する。生成した水酸化物イオンは、外部溶液よりゲル内に拡散した金属イオンと反応して金属水酸化物となり、ゲル内部に保持されるため容易に廃液から分離・回収することができる。

従来技術・競合技術との比較

従来の沈殿回収法では、金属イオン溶液に塩基性溶液を添加して金属水酸化物を析出沈殿させるのに対し、本技術では塩基性溶液を添加せずに水酸化物形成反応が可能。また、反応が高分子ゲル内部に限定されるので生成物の回収が容易で、生成物分離プロセスが簡略化される。

新技術の特徴

・反応が高分子固体内部に限定されるので反応生成物の回収が容易
・塩基性溶液を加えずに高pH反応場の形成が可能
・液相中で局所的にpHの異なる反応場の形成が可能

想定される用途

・廃水からの重金属除去
・廃液からの重金属の選択的分離回収
・金属酸化物ナノ粒子・高分子複合体の作製

  • アグリ・バイオ

4)食品の食感を振動と摩擦係数で評価する装置

広島大学 大学院生物圏科学研究科 植物環境評価論 教授 櫻井 直樹

新技術の概要

前歯に見立てたプローブを食品に挿入し、プローブが受ける振動を超音波帯域まで21に分け、その振動強度から食品の食感を音響的に評価する。また、プローブの挿入時の挙動から摩擦係数を算出し、歯触り・歯どおりを数値的に評価する技術と装置。

従来技術・競合技術との比較

従来の応力計による測定では得られない、食感に重要な200Hz以上の振動強度を正確に評価できる点、およびこれまで食感測定装置で測れなかった食品摩擦係数を得られる点。

新技術の特徴

・ヒトが食品を歯でかんだ振動をそのまま評価
・食品の歯触り、歯どおりを評価
・大人と子供の食感を比較できる。

想定される用途

・食品産業での開発・品質管理
・農業分野(果実の品質・熟度評価)
・調理技術(老人食など)

関連情報

・展示品あり(試作装置の展示)

  • 材料

5)500℃までの高温触媒に適用可能な金属ナノ粒子複合体

広島大学 サステナブル・ディベロップメント実践研究センター テニュアトラック講師(特任講師) 宮岡 裕樹

新技術の概要

ナノ粒子前駆体をゼオライトの細孔付近に選択的に吸着させ、それを部分分解及び還元処理することで、熱安定性に優れたナノ粒子を作製した。

従来技術・競合技術との比較

一般的に、ナノ粒子は高温で凝集し粗大化するものが多いとされ、これにより触媒能劣化等の特性変化が起こることが知られているが、本技術で作製したナノ粒子は500℃でも粗大化しない。

新技術の特徴

・目的とする物質をゼオライト等の多孔体の細孔付近に選択的に生成することが可能

想定される用途

・500℃以下の温度領域で実施される化学反応に対する触媒

関連情報

・外国出願特許あり
・少量(ミリグラム程度)であれば相談に応じて提供可能

  • エネルギー

6)500℃以下の熱を利用した水分解による水素製造

広島大学 先進機能物質研究センター センター長・教授 小島 由継

新技術の概要

低温水分解による水素製造技術として、低融点金属であるナトリウムを用いた熱・電気化学水素製造プロセスの研究を行った。その結果、熱化学と電気化学を組み合わせることにより500℃以下で制御でき、容器材料の耐腐食性が課題とならない新たな水素製造方法を見出した。

従来技術・競合技術との比較

従来のISプロセスや2-stepサイクル等の熱化学水素製造法は900℃以上の高温を要する。また、ナトリウムを用いた熱化学水素製造プロセスでは500℃以下で水素製造が可能であるが、ナトリウム酸化物を還元するために大きなエネルギーが必要であり、耐腐食性容器材料の開発が課題である。

新技術の特徴

・500℃以下の熱を用い、水を分解して水素を製造
・熱を電気に変換
・熱を電力貯蔵

想定される用途

・500℃以下の太陽熱や未利用熱を用いた水素製造システム
・熱電変換システム
・熱の電力貯蔵システム

  • 材料

7)固体イオン伝導材料の応用:イオン交換材料・半導体材料

広島大学 大学院理学研究科 化学専攻 准教授 西原 禎文

新技術の概要

今回、リチウムイオン伝導可能なチャネル構造を有する系について発表する。本系の固相イオン交換特性を利用することで、超選択的なイオン交換材料や半導体材料のキャリア制御などが可能になる。

従来技術・競合技術との比較

本系は、多様な目的・用途に合わせて分子レベルで最適化することが可能な新しい系であり、汎用性が極めて高い。この様な系は、これまでに報告されていない。

新技術の特徴

・結晶状態で特定のイオン回収・交換
・イオン交換機構を利用した電子制御
・安価な原料から容易に大量合成

想定される用途

・イオン交換固体(セシウム回収剤など)
・薬剤利用(イオン濃度調整剤など)
・半導体材料(キャリア濃度制御など)

関連情報

・サンプルの提供可能

  • 材料

8)高選択性、高活性な触媒による直鎖状エステルの新製造技術

広島大学 大学院工学研究院 物質化学工学部門 准教授 中山 祐正

新技術の概要

R3P (R = cyclohexyl (Cy), Ph, mesityl (Mes))のような嵩高いルイス塩基とB(C6F5)3のような嵩高いルイス酸を触媒として用いることにより、L-ラクチド(L-Lac)と第一級アルコールの開環付加が進行し、1:1付加体が高選択的に生成することを見出した。

従来技術・競合技術との比較

従来の触媒系では、L-Lacとアルコールの1:1反応ではオリゴマーが副生するため、1:1付加体を選択的に得るためにはL-Lacに対してアルコールを過剰に用いる必要があった。本触媒ではL-Lacとアルコールの1:1反応でも高選択的に1:1付加体を得ることができる。

新技術の特徴

・L-Lacとアルコールの1:1付加反応に対する高い選択性
・容易な触媒調製
・良好な活性

想定される用途

・アルキルラクチル乳酸の製造
・置換環状エステルと第一級アルコールとの1:1付加反応
・生成物のグリーン溶媒や可塑剤等としての利用

関連情報

・サンプルの提供可能
・展示品あり

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

広島大学 産学・地域連携センター 国際・産学連携部門

TEL:082-424-4302FAX:082-424-6189
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URL:http://www.hiroshima-u.ac.jp/sangaku/
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