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金沢大学 新技術説明会 <新技術概要【当日資料PDFあり】>

日時:2015年08月18日(火) 12:25~16:00

会場:JST東京本部別館1Fホール(東京・市ケ谷)

参加費:無料

発表内容詳細

  • 材料

1)多孔質ポリイミドフィルムの迅速作製プロセスの開発

金沢大学 理工研究域 自然システム学系 准教授 瀧 健太郎

新技術の概要

高圧炭酸ガス雰囲気下で紫外線露光が可能な露光装置の詳細と、その装置で作製されたフレキシブル多孔質ポリイミド膜(孔径1μm,空隙率70%)上に試作した線路で高周波伝送特性を測定した結果を紹介する。

従来技術・競合技術との比較

従来技術が特殊な材料で数時間要していた多孔化処理を、容易に入手可能な材料でわずか数分の処理時間で多孔化できる点に特徴がある。競合技術と比較して、サイクルタイムが短いため半連続化プロセスを構築可能である。

新技術の特徴

・多孔化処理時間が短い。
・空隙率70%以上で折り曲げても孔がつぶれない。
・連通孔・独立孔の作り分けが可能。

想定される用途

・高周波用低損失カバー
・フレキシブルプリントサーキット
・フィルター

関連情報

・サンプルの提供可能
・展示品あり(多孔質ポリイミドフィルム)

  • 材料

2)孔径制御された中空分子チューブおよび多孔質炭素材料

金沢大学 理工研究域 物質化学系 教授 生越 友樹

新技術の概要

オングストロームレベルのオーダーで孔径が制御できるチューブ・シート状状高分子の合成に成功した。さらに得られたシート状高分子を焼成することで、元の孔径を保った分布の小さな多孔質炭素材料を得ることができた。

従来技術・競合技術との比較

空孔を有するような高分子はこれまでに合成されてきているが、オングストロームレベルでそのサイズを制御した例はない。また、多孔性炭素材料の合成は、無機鋳型を用いたテンプレート法が多く用いられているが、同様にオングストロームレベルで孔径を制御することは困難であった。本手法では無機鋳型を用いずにオングストロームレベルの均一な多孔性炭素材料の合成が可能である。

新技術の特徴

・整形加工後にポーラスカーボンが得られるため、基板表面を改質できる。
・空孔を有した軽いカーボンファイバーであるため、カーボンファイバーの軽量化が可能。

想定される用途

・ガス・有機分子分離材料
・電極材料
・分子フラスコ

関連情報

・サンプルの提供可能

  • 計測

3)導電性と磁性マーカーを同時に種別判定できる識別センサ

金沢大学 環日本海域環境研究センター 研究員 南谷 保

新技術の概要

巨大磁気抵抗素子(GMR)を用いたうず電流検査法をベースに、磁気回路を最適化、出力値と位相を信号処理することで、導電性と磁性マーカーの検出および判別が可能となる技術を紹介する。

従来技術・競合技術との比較

従来の磁気識別センサは磁性マーカーを検出しており、導電性マーカーの検出は困難であった。うず電流検査法を用いることで、磁性マーカーに加え導電性マーカーの検出が可能となる。さらに出力と位相の信号処理を行うことで、種別の判別も可能となる。

新技術の特徴

・磁性マーカーと導電性マーカーが検出できる。
・出力値と位相を検出することで、磁性マーカーと導電マーカーの判別も可能になる。
・磁気回路と励磁周波数を最適化することで、磁性マーカーと導電性マーカーを同レベルの信号として検出できる。

想定される用途

・有価証券の真贋判定装置
・回転センサ
・非破壊検査装置

  • 電子

4)アナログ-ディジタル変換回路の自動設計法

金沢大学 理工研究域 電子情報学系 教授 北川 章夫

新技術の概要

アナログ-ディジタル変換回路(ADC)を、市販の回路設計ソフトウエアを用いて自動設計する方法を提供する。自動設計のための特別なライブラリは必要ではなく、製造メーカが提供するディジタル回路のライブラリを流用することができる。

従来技術・競合技術との比較

従来のADCは、製造プロセス毎に、熟練したアナログ回路設計者が手動設計する必要があったが、本提案のADCは、市販のソフトウエアによる回路合成が可能であるため、一度設計を行えば、どの製造プロセスでも製造することが可能になる。

新技術の特徴

・ADCの設計データの資産化および流通が可能。
・トランジスタの製造ばらつきデータに基づく処理精度の見積りおよび精度保証が可能。
・設計後に製造プロセスの選定や変更が可能。

想定される用途

・超高ビット数、超広ダイナミックレンジ計測用ADC
・微細製造プロセスを用いた組み込み用ADC
・高速、高精度無線通信用ADC

関連情報

・合成可能ソースコードを開発中

  • 電子

5)超低損失パワーデバイスを指向したダイヤモンド電界効果トランジスタ

金沢大学 理工研究域 電子情報学系 准教授 川江 健

新技術の概要

電力損失が極めて少ないダイヤモンド半導体パワーデバイスを指向し、デバイスを低コストに形成する手法としてゲート絶縁膜に有機強誘電体を用いた新しいデバイス構造を形成する。

従来技術・競合技術との比較

ダイヤモンド半導体パワーデバイスのゲート絶縁膜として従来使用されてきた材料に比べ、極めて低コストにデバイス形成ができる。さらに従来デバイス構造では原理的に不可能なゼロ電圧スイッチング動作も可能となる。

新技術の特徴

・移動体通信デバイス
・小型レーダーデバイス
・放送基地局用出力デバイス

想定される用途

・家電用インバータ素子
・電気自動車用超高耐圧素子
・再生可能電源用インバータ素子

関連情報

・サンプルの提供可能

  • 情報

6)画面上で大きさが分かる実寸写真と実寸動画

金沢大学 理工研究域 電子情報学系 教授 佐藤 賢二

新技術の概要

矩形基準物や深度センサを用いて、以下のような写真または動画を実現する。(1)撮影対象物を任意のデバイス上で実寸表示する。(2)大きさの「実感」をネット上で共有する。(3)動画中の座標等を選択し連続的に実寸表示する。

従来技術・競合技術との比較

MicrosoftやGoogleをはじめとして、タブレットやスマートフォンによる3D情報の取り込みと利用が盛んに研究されているが、「物体を画面上に実寸で表示する」という方向での技術開発は殆ど行われていない。

新技術の特徴

・物体の実寸を手軽に記録し、再生し、共有できる。
・指定座標や指定オブジェクトを動画で連続的に実寸表示できる。

想定される用途

・物の大きさが実感できるネットショップやグルメサイト、電子博物館、電子百科事典
・人物やボール等を実寸表示したり、同じ大きさで表示し続ける業務用TVカメラや個人用ビデオカメラ

関連情報

・展示品あり(プロトタイプシステムの展示とデモンストレーション)

  • デバイス・装置

7)機能性エラストマーを用いた、遠隔操作システムのための力覚フィードバックデバイス

金沢大学 理工研究域 機械工学系 准教授 小松崎 俊彦

新技術の概要

ロボットや、モータなど各種のアクチュエータを遠隔操作する際の負荷情報、あるいはゲーム等の仮想現実空間における力覚情報を、操作抵抗として操作者にフィードバックするシステムの提案。

従来技術・競合技術との比較

従来のハプティック装置としては、モータ・空気圧アクチュエータ等を具備し直接的に発生力を調節するもの、振動覚など人間の皮膚感覚を電気等の手段で刺激して仮想的な感覚を与えるものなどがある。

新技術の特徴

・既存のばね要素部品を置き換えるのみで簡易に機能性向上を図ることが可能。
・パッシブなばね要素の機能がベースなので故障時でも基本機能は保たれる。
・大がかりな周辺装置を要せず低コストで製作可能。

想定される用途

・遠隔操作システム全般における操作器としての利用
・マルチメディア・ゲーム関連でのヒューマンインタフェースデバイス
・バーチャルリアリティ分野

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

有限会社 金沢大学ティ・エル・オー

TEL:076-264-6115FAX:076-234-4018
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