北東北3大学連携 新技術説明会 <新技術概要【当日資料PDFあり】>
日時:2016年03月11日(金) 12:15~16:00
会場:JST東京本部別館1Fホール(東京・市ケ谷)
参加費:無料
発表内容一覧
発表内容詳細
- アグリ・バイオ
1)発酵食品由来抗がん・抗ウィルス及び抗菌剤
秋田大学 大学院工学資源学研究科 生命科学専攻 生命科学講座 教授 伊藤 英晃
新技術の概要
健康食品として有名な納豆から、がん細胞の増殖を阻止する成分を見いだし、抗菌ペプチドの1種であることを明らかにした。納豆由来抗菌ペプチドは、がん細胞以外に、単純ヘルペスⅠ型、肺炎双球菌、及び緑膿菌を死滅させる効果が確認できた。
従来技術・競合技術との比較
抗ウィルス剤のアシクロビルは、ヘルペスウィルスの増殖を抑えるのに対し、納豆由来抗菌ペプチドは死滅させる。緑膿菌は多剤耐性菌が出現しているが、納豆由来抗菌ペプチドは膜を破壊し、死滅させる。
新技術の特徴
・細菌膜破壊
・ウィルス殻破壊
・がん細胞膜破壊
想定される用途
・抗菌スプレー
・抗菌マスク
関連情報
・サンプルの提供可能
・展示品あり
- 情報
2)障がい者サポート、生産現場等のサポート用案内システム
弘前大学 大学院理工学研究科 教授 岡本 浩
新技術の概要
空間光通信を応用することにより、視覚障がい者や聴覚障がい者をサポートする歩行案内システムや情報提供システムを提案。後者は生産現場やエンターティメント施設においても活用可能である。
従来技術・競合技術との比較
従来のスピーカーを用いた聴覚障がい者用音声案内システムは、密度の高い設置が不可能である等の問題があり、一部で実用化されている空間光通信による歩行案内システムは方向を探すために手間がかかるという問題があった。
新技術の特徴
・視覚障がい者用歩行案内システムにおいては、被案内者が従来の音声案内によるシステムと同様の感覚で目的地に到達できる。
・同、視覚障がい者用歩行案内システムにおいては、ドアノブや操作ボタンの位置等、ピンポイントの位置案内や操作案内も可能。
・聴覚障がい者用、作業サポート用、エンターティメント用等の情報提供システムにおいては、バーチャルリアリティー感覚を導入した情報伝達が可能。
想定される用途
・視覚障がい者用歩行案内システム、機器操作案内システム
・聴覚障がい者用情報提供システム
・生産現場や物流拠点、エンターティメント施設等における情報提供システム
関連情報
・展示品あり(原理確認に用いたバラックモデル)
- 材料
3)充放電レート特性改善を目的としたリチウムイオン二次電池正極材料表面への金属ナノ粒子付着方法の開発
秋田大学 大学院工学資源学研究科 環境応用化学専攻 化学工学講座 講師 大川 浩一
新技術の概要
リチウムイオン二次電池用正極材料であるLiFePO4の充放電レート特性を改善するために、材料表面のカーボン層に金属ナノ粒子を付着させた。付着方法は超音波の化学反応を用いた。この方法は、界面活性剤や分散剤などを必要とせず、簡易なプロセスで材料表面に分散付着した金属ナノ粒子が得られる。
従来技術・競合技術との比較
分散剤や界面活性剤を使用することなく、分散した金属ナノ粒子を得ることができる。また、従来の報告では、金属ナノ粒子を正極材料表面に付着させると、Liイオンの拡散を阻害するという欠点があったが、カーボン層を導入することで、この欠点を克服した。
新技術の特徴
・従来のリチウムイオン電池正極材料の特性改善
・アモルファスカーボンに金属ナノ粒子が分散したシートの作成
・分散剤・界面活性剤を使用しない
想定される用途
・リチウムイオン電池
・空気電池
・金ナノ粒子の回収
- 材料
4)新規含フッ素有機酸化剤による遷移金属フリーな触媒的ホモカップリング反応
岩手大学 工学部 応用化学・生命工学科 准教授 是永 敏伸
新技術の概要
従来、遷移金属触媒+共酸化剤の組み合わせ、もしくは、化学量論量の有機酸化剤により行われてきたグリニャール試薬のホモカップリング反応を触媒量で進行させることのできる新規含フッ素有機酸化剤を開発した。
従来技術・競合技術との比較
従来本反応を行うための遷移金属触媒には触媒を再生するための共酸化剤を添加する必要があったが、本発明では、共酸化剤として空気中の酸素を利用でき、しかも遷移金属ではない有機分子触媒で反応を達成している。
新技術の特徴
・グリニャール試薬のホモカップリング反応を有機分子触媒で行う事が可能
・共酸化剤に空気酸素を利用
・基質適合性も高い
想定される用途
・試薬会社からの新規酸化剤そのものの販売
・医薬品や有機材料の原料となる対称ビアリール化合物の合成
・有機化合物の空気酸化の可能性
関連情報
・サンプルの提供可能
- 材料
5)イルメナイト鉱を原料とした金属チタン製造用酸化チタン製造法
岩手大学 工学部 マテリアル工学科 助教 関本 英弘
新技術の概要
簡便かつ低コストで、99mass%以上の高純度の金属チタン製造用の酸化チタンをイルメナイト鉱から効率的に回収可能とする新規な方法を提供する。
従来技術・競合技術との比較
本技術では、還元処理や酸処理の条件を見直すことで、高効率なチタン浸出を可能にするとともに、最大で99%以上の高純度の酸化チタンTiO2が得られる点で技術的優位性がある。
新技術の特徴
・既存プロセスの装置を応用し、還元剤の添加量や操業温度などのプロセス条件を変更することで利用可能
・金属製錬分野
想定される用途
・金属チタン製造用原料酸化チタンの製造
・顔料用酸化チタンの製造
・光触媒用酸化チタンの製造
関連情報
・サンプルの提供可能
- 医療・福祉
6)前立腺癌シード治療における全自動ニードル刺入システム
弘前大学 医学部附属病院 放射線部 准教授 青木 昌彦
新技術の概要
本発明は前立腺癌シード線源永久挿入療法における穿刺針による生体組織の損傷を最小限にとどめ、確実に定位置に挿入する医療機器および器具に関する発明である。手動で行っていた医療用穿刺針の挿入をマイクロモーターを用いて自動化するものである。
従来技術・競合技術との比較
従来の手動で行っていたニードル刺入では、ニードルと前立腺との摩擦により前立腺の回転や歪みが生じることにより、シードを正確に留置できないことが問題となっている。ニードル刺入を手動で行うことが世界的に定着しているため、自動化は実用化されていない。
新技術の特徴
・マイクロモーターを使ってニードルを回転させながら刺すことにより、摩擦抵抗を低減する。
・隣り合う複数本のニードルを逆方向に回転させることにより、対象物の回転や歪みを低減させる。
・複数本同時刺入により治療時間を従来よりも短縮する。
想定される用途
・前立腺癌に対するシード線源永久挿入療法
・高精度放射線治療のための金マーカー留置
・癌の組織診断のための3次元的高精度針生検
関連情報
・展示品あり(複数本同時ニードル刺入の試作機)
- 医療・福祉
7)唾液腺内視鏡手術を容易にするシースダイレーター
弘前大学 医学部附属病院 耳鼻咽喉科 講師 阿部 尚央
新技術の概要
内視鏡を腺管内に挿入することは、唾液腺内視鏡手術において最も困難な手技である。腺管開口部にシースを留置することを解決案とし、その留置の際に必要なダイレーターおよび留置用シースを一つの組立体として開発するに至った。
従来技術・競合技術との比較
管腔を体内や体表面に留置する器具は既に多数開発されている(PTCD、中心静脈カテーテルなど)。今回はそれらの規制品を元に口腔内の腺管開口部留置用として試作を重ねたものである。
新技術の特徴
・シース、ダイレーター、ガイドワイヤーの組立体である。
・3つの先端が段差なくスムーズに挿入可能である。
・開口部を切開するなどの侵襲を必要とせず腺管内に内視鏡を誘導することが可能である。
想定される用途
・唾液腺内視鏡手術
・狭小部位への内視鏡の誘導
関連情報
・サンプルの提供可能
・展示品あり(シースダイレーターの組立体を持参)
お問い合わせ
連携・ライセンスについて
弘前大学 研究・イノベーション推進機構 知的資産部門
TEL:0172-39-3178FAX:0172-36-2105Mail:chizaihirosaki-u.ac.jp
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岩手大学 研究推進機構プロジェクト推進部門
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URL:http://www.iwate-u.ac.jp/kenkyu/
秋田大学 産学連携推進機構 知的財産部門
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URL:http://www.crc.akita-u.ac.jp
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