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第6回 農研機構 新技術説明会 ~食と農の新たなビジネス創出を目指して~ <新技術概要【当日資料PDFあり】>

日時:2016年02月23日(火) 12:45~15:25

会場:JST東京本部別館1Fホール(東京・市ケ谷)

参加費:無料

発表内容詳細

  • 環境

1)可視光で殺菌できる「新・光触媒」

農研機構 野菜茶業研究所 野菜病害虫・品質研究領域 主任研究員 森川 クラウジオ 健治

新技術の概要

自然界に豊富な鉄化合物と還元性有機物を原料とする低コストな新しい光触媒を開発した。可視光を照射するだけで酸化力の強いヒドロキシラジカルを瞬時に大量発生させ、病原菌や汚染物質を殺菌・分解する。化学合成農薬の使用量を節減できる環境に優しい技術である。

従来技術・競合技術との比較

従来の酸化チタンによる光触媒は紫外線でしか殺菌効果が認められなかったが、本技術の新たな光触媒では可視光で殺菌効果が認められ、農業現場等に広く利用することができる。

新技術の特徴

・低コストで製造が出来る。
・紫外から可視光、赤外までの幅広い波長領域で活性化する。
・自然界に豊富な鉄化合物と有機物を利用するため、低コストな環境に優しい技術である。

想定される用途

・培養液や潅漑水の殺菌
・抗菌材料
・食品の殺菌

関連情報

・外国出願特許あり

  • アグリ・バイオ

2)γ-アミノ酪酸(GABA)の効率的製造方法と、それを利用した野菜類の高付加価値化

農研機構 北海道農業研究センター 畑作基盤研究領域 主任研究員 瀧川 重信

新技術の概要

小麦胚芽の酵素を利用してGABAを効率的に製造し、これを野菜類に施用して、吸収条件を制御することで、スプラウト類・土耕栽培野菜・キノコにGABA等の機能性物質を高濃度に蓄積させる技術を開発した。

従来技術・競合技術との比較

機能性強化野菜関連での競合技術は、ビタミンB12強化カイワレとGABA強化コマツナカールスプラウトの2種類で、前者はGABAをほとんど含まず、後者はコマツナ1品目に限る技術である。

新技術の特徴

・小麦胚芽を利用した環境にやさしい製造法である。
・植物等に機能性物質、特に水溶性物質を施用し、これを高濃度に蓄積させることができる。
・植物には含有されないようなタウリンなども蓄積可能

想定される用途

・簡易GABA合成(液状)
・機能性強化もやし(スプラウト)生産
・機能性強化食用菌類生産

  • 機械

3)施用位置の変更が可能な、肥料等を局所的に施用できる装置

農研機構 九州沖縄農業研究センター 水田作研究領域 主任研究員 土屋 史紀

新技術の概要

ロータリ側に特殊な改造を加えずに、肥料等を局所的に施用出来る装置である。しかも施用位置はある程度自由に変更できるので、色々な栽培体系での肥効の向上等が期待できる。

従来技術・競合技術との比較

肥料は全面全層か筋状の施用が一般的で、作目によっては肥効率が落ちることがある。一方、適切な位置へ局所的に施用することで肥効率等は向上するが、特殊な専用ロータリなどを必要とし、しかも施用位置の変更は困難であった。

新技術の特徴

・専用ロータリ等を用いないで局所施用が可能、必要なら深さ毎に違う肥料の施用も可能
・肥料等の散布口(散粒板やパイプ等)の位置等を変えることで、簡易に施用位置・分布が変更可能
・アップカットロータリを用いているので前起が不要で耐天候性が高く、耕耘・施肥・播種なら一工程で作業が可能

想定される用途

・野菜等の栽培において、作目に合わせた肥料の局所施用が行え、肥料の削減などが期待される。
・深さ毎に違う肥料を施用することにより、肥効タイミングの制御もある程度可能で、収量等の制御などが期待される。

  • 創薬

4)紫外線照射による皮膚の炎症・障害を防ぐアミノ酸代謝産物

農研機構 畜産草地研究所 畜産物研究領域 主任研究員 高山 喜晴

新技術の概要

芳香族アミノ酸の代謝産物である芳香族ピルビン酸および芳香族乳酸が、紫外線照射による皮膚の炎症やバリア構造の破壊を予防・軽減する機能を持つことを明らかにした。

従来技術・競合技術との比較

ある種の乳酸菌の菌体や培養液は、皮膚炎症を防ぐ効果を持つことが知られていた。しかしながら、活性成分が特定されていないため、皮膚外用剤としての製剤化が困難であった。

新技術の特徴

・芳香族ピルビン酸・芳香族乳酸は、芳香族アミノ酸を基質として特定の乳酸菌や酵母・カビによる発酵や酵素反応により生産できる。
・常温で長期間保存可能であることから、皮膚外用剤としての利用に適している。

想定される用途

・皮膚の炎症や障害を抑える外用剤(医薬品・医薬部外品)
・紫外線による皮膚の炎症を抑える化粧品

  • アグリ・バイオ

5)肝クッパー細胞を簡便・大量に回収できる新規培養方法

農研機構 動物衛生研究所 病態研究領域 上席研究員 山中 典子

新技術の概要

ラット、マウス、ブタおよびウシ等の哺乳動物の肝臓から得られた初代培養細胞から、肝臓の組織マクロファージであるクッパー細胞を増殖させ、簡易に繰り返しクッパー細胞を回収できる。クッパー細胞の付着性を利用して他の細胞を取り除くことができ、クッパー細胞の純度をさらに高めることも可能である。

従来技術・競合技術との比較

従来、クッパー細胞の単離には特殊な大型機器や複雑な工程を必要とし、細胞の単離のたびに動物を犠牲にして単離しなければならないため、簡便に大量のクッパー細胞を得ることは困難であった。

新技術の特徴

・得られたクッパー細胞は病原体や化学物質に対する応答性を維持している。
・クッパー細胞と肝実質細胞等の他種細胞間の相互作用がある。
・哺乳類であればヒトを含めた多くの動物種に適用可能

想定される用途

・家畜の生産病、ヒトの肝炎や肝硬変などの病態解明とそれによる診断法および治療薬の開発
・肝臓に対する薬物送達システムの開発
・クッパー細胞を介した薬物の生体影響評価手法の開発

関連情報

・外国出願特許あり(外国出願したのは、生物研のみ(農研機構はしていない))

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

農研機構 本部 連携普及部 連携広報センター

TEL:029-838-8641FAX:029-838-8982
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