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物質・材料研究機構 新技術説明会 <新技術概要【当日資料PDFあり】>

日時:2015年09月03日(木) 12:45~15:55

会場:JST東京本部別館1Fホール(東京・市ケ谷)

参加費:無料

発表内容詳細

  • 製造技術

1)低温大気圧接合による材料ハイブリッド化手法および装置

物質・材料研究機構 環境・エネルギー材料部門 ハイブリッド材料ユニット 主任研究員 重藤 暁津

新技術の概要

真空紫外光などの大気圧雰囲気で実行可能なビームプロセスを、水蒸気などの架橋性物質が含まれる環境で行うことで,材料表面の清浄化と架橋性皮膜の形成を同時に達成し、その後の接触・低温加熱による脱水縮合反応を通し,異種材料間で安定な界面を得られる。

従来技術・競合技術との比較

溶融や拡散に基づく手法と異なり,プロセスを低温かつ大気圧雰囲気で実行できる。そのため、環境対応性や、従来の生産工程への適応性が高いと考えられる。また、固相接合のため、界面において明確な物性変化を要する組合せに応用性が高い。

新技術の特徴

・クラッド材などの既存の複合材料の製造ラインへの投入:平坦面どうしの接合が可能なため特性向上が期待できる。

想定される用途

・構造材料とエレクトロニクス材料の混載
・医療用デバイスや光学デバイスなど,界面に何らかの透過性を要する材料の複合化
・超伝導材料の接続など,界面での特性劣化に敏感な材料の複合化

関連情報

・接合試行可能

  • エネルギー

2)希土類フリーで耐酸化性のある高性能熱電材料

物質・材料研究機構 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点(MANA) 無機ナノ構造ユニット グループリーダー 森 孝雄

新技術の概要

原子籠状内の希土類原子などの揺らぎに頼ることなく、スクッテルダイト材料の原子籠自体への複ドーピングなどにより、多彩なフォノン散乱を達成し、高性能熱電材料を創製した。

従来技術・競合技術との比較

スクッテルダイト材料は中高温域の最も適した高性能熱電材料として世界中で研究されている。従来の高性能材料が必ず希土類元素やバリウムなど酸化に弱い金属元素を含んでいたのに対し、我々は、希土類や金属元素無しで、空気中の調整でもこれまでにない高性能(ZT=1.6~1.8)を達成した。

新技術の特徴

・フォノンの多彩な散乱を達成
・耐酸化性があり、空気中での混合・調整が可能
・希土類いらず。

想定される用途

・工場・合成炉・溶鉱炉廃熱発電
・太陽集光発電
・船舶・トラック・自家用車車載発電

関連情報

・展示品あり(素子)

  • 環境

3)セラミックスや金属によるナノ構造を用いた赤外線素子

物質・材料研究機構 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点(MANA) ナノシステム構築ユニット グループリーダー 長尾 忠昭

新技術の概要

セラミックス材料や耐熱金属を用いたナノ構造材料の光吸収特性や耐熱特性を利用した光熱変換現象について紹介します。また、それを活用した高効率な光検出材料や光熱変換材料の安価・簡便な製法について紹介します。

従来技術・競合技術との比較

貴金属を用いた光吸収や熱線吸収反射材料は多く用いられていますが、高価かつ低融点であり、熱線の吸収輻射に対しては必ずしも適した材料ではありません。セラミックスや高融点金属の持つ高い光吸収特性や高温輻射現象を利用することで、熱をより高効率に光に変換する、あるいは光を熱に高効率に変換する材料が可能となります。

新技術の特徴

・近赤外線を少ない消費電力で発生できます。
・所望の波長の赤外線を発生、あるいは検出できます。
・太陽光を熱エネルギーとして変換利用することもできます。

想定される用途

・近赤外線光源を利用した食品加工、医療応用
・赤外線を利用した環境センサー
・高効率な暖房・加熱器具や設備

関連情報

・外国出願特許あり

  • 環境

4)断熱性や安定性が高く、真空断熱パネルに比肩する高性能エアロジェル断熱材料の開発

物質・材料研究機構 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点(MANA) 無機ナノ構造ユニット 研究員 Rudder WU

新技術の概要

本研究では、材料全体の断熱性をさらに高めるために、内部に中空構造を持つシリカ中空粒子をシリカエアロゲルに添加し、材料の内部に空気のナノ空間を作ることを試みた。熱伝導率は、空気(0.024W/mK)よりも格段に小さく、真空断熱パネル(0.008W/mK)に比肩する0.011W/mK前後の性能を達成することが出来た。

従来技術・競合技術との比較

エアロゲルは1931年にスティーブン・キストラーにより発明された低密度の固体で、高い断熱性などの特性を持ち、半透明な外見と低密度から「固体の煙」と呼ばれる、固体ながら空気に一番近い物質である。シリカエアロゲルは熱伝導率が低い(およそ0.017 W/mK)ため、断熱性を有する。

新技術の特徴

・対流による伝熱は、細孔径が空気の平均自由工程より小さく、対流できないことにより抑制される。
・赤外線を良く吸収するため、建築物に使えば、太陽熱の入射を抑えたまま採光することができる。
・従来の断熱材よりも薄い厚さでも、断熱性能が発揮できる。

想定される用途

・断熱材料、吸音材料
・省エネルギー全般
・産業設備の小型化

関連情報

・展示品あり

  • 材料

5)磁場を用いたセラミックスでの結晶配向微構造制御技術

物質・材料研究機構 先端的共通技術部門 先端材料プロセスユニット 主席研究員 鈴木 達

新技術の概要

従来ならば非磁性として扱われてきた常磁性や反磁性の材料であっても、スラリー状にした粉末に強磁場を印可しながら成形を行い、その成形体を磁場外で焼結することで結晶方位を制御することを可能にした。

従来技術・競合技術との比較

鋳込み成形や電気泳動堆積を使用出来るので、従来のTGG法や焼結鍛造での配向制御では難しかった形状付与が可能。また、層状構造を制御すれば、内部と表面での配向方位を換えることも可能。

新技術の特徴

・立方晶以外の様々な物質への適用、および複相などの複合組成への適用も可能
・従来の焼結技術(電気炉、ホットプレス、SPS、マイクロ波焼結など)での緻密化が可能
・従来のセラミック湿式成形の延長技術での配向付与が可能s

想定される用途

・機能性およびエンジニアリングセラミックス材料での結晶配向制御による特性改善
・高分子を含めた種々のマトリックスへのセラミックスフィラー、短繊維などの一方向分散
・配向積層構造の構築による内部応力制御や多軸配向による単結晶を模した材料の構築

関連情報

・外国出願特許あり
・試作可能

  • 環境

6)防錆・殺菌能を有するコーティング剤の開発

物質・材料研究機構 元素戦略材料センター 構造材料ユニット 主幹研究員 内藤 昌信

新技術の概要

天然由来の抗菌材料の改質により、高い防錆能や殺菌能を示すコーティング材料の開発に成功した。

従来技術・競合技術との比較

従来の抗菌材料では、銀イオンなどが抗菌成分として用いられてきた。本技術では、安価な天然物を出発原料として、従来に匹敵する高い殺菌性を持つ材料の開発に成功した。本材料は、金属に対する高い接着性も有することから、医療や衛生、看護等の現場における殺菌牲コーティング剤として、用途が期待できる。

新技術の特徴

・抗菌性
・防錆性
・除菌・殺菌・滅菌

想定される用途

・医療
・衛生
・看護・介護

関連情報

・試作可能

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

物質・材料研究機構 外部連携部門 研究連携室 技術移転チーム

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