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中国地域さんさんコンソ 新技術説明会 <新技術概要【当日資料PDFあり】>

日時:2015年11月05日(木) 09:45~16:00

会場:JST東京本部別館1Fホール(東京・市ケ谷)

参加費:無料

発表内容詳細

  • デバイス・装置

1)ネットワークルータにおけるパケットキューメモリの管理方法

岡山県立大学 情報工学部 人間情報工学科 教授 佐藤 洋一郎

新技術の概要

インターネット等で使用される通信用装置において、受信データをメモリに書き込み、メモリからデータを読み出して送信する際に使用するメモリの使用効率を高める技術である。

従来技術・競合技術との比較

従来技術としてメモリのアドレスをデータの宛先毎に固定的に決めて使用する方法が用いられている。この場合、各アドレスの使用頻度が受信データの宛先により変わり、メモリ全体としての使用効率が低い。本技術(新技術)では、受信データを書き込む際のメモリのアドレスが宛先に依存せず、前記の従来技術を用いた場合よりも、各アドレスの使用頻度が高くなる。

新技術の特徴

・メモリアドレスの共用化(データを書き込むアドレスを宛先に依存せずに決定)
・一部の宛先へのデータ集中への対応(一部の宛先にデータが集中しても、他の宛先のデータに問題が発生しない)
・共用メモリ(管理用)を用いた宛先毎のアドレス管理(2個の管理用メモリで読み出しアドレスを宛先毎に管理)

想定される用途

・インターネット等で使用する通信装置(通信会社内装置、LANスイッチ、WiFiルータ、携帯電話基地局等)
・クラウドサーバ(ファイルサーバ、データ処理サーバ等)
・各種LAN(ホームネットワーク、車内LAN等)

  • 医療・福祉

2)安全・安心・快適を追求した新規クラッチの開発

広島国際大学 総合リハビリテーション学部 リハビリテーション支援学科 准教授 谷口 公友

新技術の概要

エルボークラッチのカフを上腕部分の前面側に設け、グリップではなくカフで体重を支える独自の機構を有する。手首への負荷が軽減、高い位置での支持により安定性が向上、体重をより多く杖に掛けることができる。

従来技術・競合技術との比較

検証実験の結果より従来品よりもグリップへの圧力が12%程度に抑えられる。従来品よりも約1.4倍の体重を掛けて歩行することが出来る。更に、患足への荷重は約5%減少することから機能的に優れたクラッチである。

新技術の特徴

・手の不自由な方でも使用できる歩行補助用具
・安定性や操作性が高い為、リハビリテーション以外のスポーツ用途などへの拡張性を持つ。
・一時的な利用でも長期的な利用でも幅広いユーザーに対応可能である。

想定される用途

・関節リウマチ患者専用の杖
・傷病者、高齢者向けの杖
・アンプティサッカー(障害者スポーツ)用の杖

関連情報

・展示品あり

  • 創薬

3)細胞を破砕せずに短時間でタンパク質を抽出する方法

山口大学 大学院医学系研究科(工) 応用分子生命科学系専攻 教授 赤田 倫治

新技術の概要

バイオ医薬品などのタンパク質を細胞内に発現させ、細胞から抽出し、利用する方法が広く行われている。通常抽出には細胞破壊が必要であるが、本発明は、細胞を破壊することなく短時間にタンパク質を純度良く抽出する方法を提供する。

従来技術・競合技術との比較

細胞壁を有する酵母等からタンパク質を抽出するには、超音波やフレンチプレスなどの物理的処理や、細胞壁溶解酵素処理も行われるが、時間がかかり、完全破砕も困難で、抽出後の不純物も多いが、本方法は短時間で細胞破砕せずに不純物の少ないタンパク質を抽出できる。

新技術の特徴

・大量の有用タンパク質の抽出精製
・必要なペプチド・タンパク質の調整
・特定のペプチド・タンパク質・生体物質の細胞内から抽出精製

想定される用途

・バイオ医薬品(インスリンなど)の開発、生産、精製
・酵素、ペプチド(ペプチドホルモンなど)の開発、生産、精製
・細胞内からの物質(例えば、ビタミンや栄養成分など)の抽出

関連情報

・サンプルの提供可能
・展示品あり(抽出したタンパク質)

  • 医療・福祉

4)3次元形状計測装置を用いた心拍計測

広島市立大学 大学院情報科学研究科 知能工学専攻 准教授 古川 亮

新技術の概要

本発明は、パターンを胸部に投影し、それをカメラで計測することで、胸部形状の変化を計測し、心臓の拍動の計測を行う。簡易なセンサーで、非接触かつ高精度に拍動計測を行うことが出来る。

従来技術・競合技術との比較

カメラとパターン投光器のみを利用して、拍動を計測できる。心電計などと異なり、物理的な「拍動運動」を計測できる。胸部の、位置による拍動タイミングの違いなども計測できる。

新技術の特徴

・心電計などを取り付けることなく、拍動のモニタリングが可能
・人がある程度動いても、拍動成分を検出可能
・胸部全体の動きを計測するので、胸部の位置による拍動タイミングの違いを計測可能

想定される用途

・サイクルマシンなどで、最適な強度での運動を、非接触センサで行う。
・心理状態の計測
・健康診断などでの、診断フィルタリング

  • アグリ・バイオ

5)低塩分処理技術による魚類の新たな養殖・蓄養方法

県立広島大学 生命環境学部 環境科学科 助教 松本 拓也
広島県立総合技術研究所 水産海洋技術センター 次長(兼)技術支援部長 相田 聡

新技術の概要

本技術は、キジハタ、オニオコゼのような高級ブランド魚を対象とし、低塩分で蓄養、飼育を行うことで、漁獲時に負いやすい外傷のある海水魚を、著しく回復・延命させる新たな養殖・蓄養方法を提供する。

従来技術・競合技術との比較

従来、漁獲や輸送によって外傷を負った活魚は、蓄養が難しく、締めて鮮魚として流通するしか方法がなかった。本技術は外傷のある海水魚の回復・延命を可能とし、海外等への遠距離輸送や活魚としての販売期間を延ばすことができる。

新技術の特徴

・低塩分処理により、外傷魚の速やかな回復を促して商品価値の高いものに仕立て、外傷回復による延命によって販売期間を延ばすなど活魚としての販売戦略をとることができる。
・水族館等で展示する希少・高級海水魚等の外傷回復等で生残率を高めることができる。
・本技術を実現するための養殖・蓄養システム・装置等を提供することができる。

想定される用途

・活魚輸送と活魚販売での蓄養:延命効果によるへい死リスクの低減と身痩せ抑制
・漁獲魚を活用した高品質魚への仕立て:短期養殖による身太りや脂の乗りを改善
・水族館等への天然海水魚の導入時のコンディショニング:低塩分処理を導入することで、生残率の向上が可能

関連情報

・展示品あり(パソコンを用いた動画展示、パネル展示)

  • 電子

6)高分子材料を用いた振動低減・電磁波吸収による電子機器の雑音対策法

近畿大学 工学部 機械工学科 教授 西村 公伸

新技術の概要

ある種の高分子材料は、水溶液中で双極モーメントを形成し、変動電磁界や、磁気環境下では機械的振動による回転運動を生じ、電磁界や振動のエネルギー吸収が可能となる。この特性を用い、電子回路での雑音低減を試みる。

従来技術・競合技術との比較

従来、高分子材料による回路基板の固定などの振動対策がなされるが、材料による特徴を対象周波数からずらせる必要がある。本技術では、高分子材料の分子量を幅広く混ぜることにより対応可能な周波数範囲を調整できる利点をもつ。

新技術の特徴

・コンピュータのハードディスクアクセスの精度向上
・計測機器の精度向上(雑音低減)
・楽器の音質改善

想定される用途

・電子楽器・エレキギター・ギターアンプの雑音低減、音質改善
・スマートフォン等携帯ディジタル機器の雑音低減、音質改善
・音響機器オーディオ機器の音質改善

関連情報

・サンプルの提供可能
・展示品あり(携帯音響機器での使用例)

  • 材料

7)金属線材代替ドライスピニング・カーボンナノチューブ超軽量繊維の開発

岡山大学 大学院自然科学研究科 産業創成工学専攻 教授 林 靖彦

新技術の概要

短時間で大量合成可能な長尺・高密度カーボンナノチューブ(CNT)アレー基板から、バインダーや溶液を用いることなくドライプロセスによりCNT長距離繊維を製造し、金属線材代替となる超軽量線材を開発する。

従来技術・競合技術との比較

従来のCNT分散液を凝固液と混合し吐出・固化しながら繊維化するウエットプロセスは、CNT分散の安定性や長さの制御が課題で、新技術ではこれらの課題を解決し、作製プロセスを劇的に簡略化することができる。

新技術の特徴

・ナノカーボン繊維(不純物無し)
・超軽量、高強度、導電性
・化学的に安定

想定される用途

・超軽量ワイヤーハーネス、配線材、構造材
・ウェアラブル・エレクトロニクス、センサー
・生体材料やバイオメディカル素材

関連情報

・サンプルの提供可能
・展示品あり(カーボンナノチューブ超軽量繊維)

  • エネルギー

8)超伝導無誘導モーター及び発電機

岡山理科大学 工学部 電気電子システム学科 教授 河村 実生

新技術の概要

超伝導の特性を最大限利用するため無誘導構造を導入することにより、回転速度によらない特性を持っており、最大効率、最大トルク、最大力率制御が同時可能で、これまでのモーターでは実現できなかった分野などへの電気モーターの応用を可能としている。

従来技術・競合技術との比較

常伝導モーターに比べ一桁以上の軽量小型化が可能であり、また、これまでの超伝導モーターに比べ断熱性能が高く、回転速度に依存しない特性を持っており、最大効率、最大トルク、最大力率制御が同時に可能。

新技術の特徴

・大幅な軽量小型が可能
・回転速度に依存しない特性
・最大効率、最大トルク、最大力率制御が常に同時可能

想定される用途

・自動車、船舶、電車、航空などの運輸産業
・昇降機、ベルトコンベヤーなどの運搬機
・風力発電を含む発電機一般

  • エネルギー

9)商用電源周波数で共鳴させた非接触給電装置(60Hz-WPT)

岡山理科大学 理学部 応用物理学科 准教授 石田 弘樹

新技術の概要

これまで電磁共鳴方式による非接触給電には、高周波数の電源が用いられて来ました。本発明は、商用電源周波数(60Hz)をそのまま使う非接触給電です。最大の利点は安く作れることです。現在の性能は、伝送距離15cmのとき伝送効率70%、伝送電力480Wです。

従来技術・競合技術との比較

高周波の電源を用いると高効率で電力伝送が行えます。しかし、インバーターなどの周辺設備が必要になります。また、使用自体に法律上の規制があります。電磁共鳴方式による非接触給電技術を一般家庭に普及させるには、これらの課題を解決する必要があります。

新技術の特徴

・安価システム
・使用に法律上の規制がない
・高性能

想定される用途

・電動シニアカーや電動車椅子への非接触充電
・移動型ロボットへの非接触充電
・コンクリート壁越しの電力供給

  • エネルギー

10)レドックスフロー電池におけるイオン液体の可能性

鳥取大学 大学院工学研究科 化学・生物応用工学専攻 准教授 野上 敏材

新技術の概要

有機活物質をイオン液体化することで、レドックスフロー電池の溶液、支持電解質、活物質を兼ねることを目指した。現在は有機溶媒あるいはイオン液体で希釈して用いる必要があるが、低粘度下により、本活物質だけで電池を構成出来る。

従来技術・競合技術との比較

レドックスフロー電池は無機の活物質がほとんであり、バナジウムイオンの水溶液を用いた系が実現されているが、水を溶媒に用いているため電圧の制約が大きい。イオン液体を単に電解液として用いた例は報告されている。

新技術の特徴

・高い酸化力あるいは還元力を有する有機活物質である。
・可逆にレドックス反応を行うことが出来る。
・各種溶媒への溶解性が高く、取扱い易い。

想定される用途

・レドックスフロー電池の活物質
・合成反応における有機酸化剤
・電極反応におけるメディエータ

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

中国地域産学官連携コンソーシアム(さんさんコンソ)事務局

TEL:086-251-7151FAX:086-251-8442
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