公立大学法人首都大学東京 新技術説明会 <新技術概要【当日資料PDFあり】>
日時:2015年09月25日(金) 13:00~16:25
会場:JST東京本部別館1Fホール(東京・市ケ谷)
参加費:無料
発表内容一覧
発表内容詳細
- 電子
1)ノイズ耐性フリップフロップの開発と信頼性要求電子機器への応用可能性
首都大学東京 システムデザイン研究科 情報通信システム学域 教授 三浦 幸也
新技術の概要
電子・電気回路や集積回路において、データ信号線に発生する不正パルス(ノイズ)によるマスタースレーブフリップフロップの誤動作の防止および不正パルスを検出できる。また信号の誤り訂正に応用できる。
従来技術・競合技術との比較
通常のフリップフロップはデータ信号線上のノイズにより誤動作する。また類似のノイズ対策フリップフロップは、複数のフリップフロップを使用した多重化回路を構成して,ノイズによる誤動作を防止している。
新技術の特徴
・データ信号のノイズに対する耐性
・設計変更せずに従来型のフリップフロップと置き換えが可能
想定される用途
・高信頼性要求機器およびシステム
・医療用機器
- 分析
2)構成部品の幾何学的配置まで対象とした3次元モデル検索技術
首都大学東京 システムデザイン研究科 情報通信システム学域 准教授 片山 薫
新技術の概要
三次元形状モデルを、その内部構造を反映した投影データを利用することにより、全体の形状だけでなくその内部構造も考慮して検索する。
従来技術・競合技術との比較
複数の部品から構成された三次元形状モデルを検索する際、構成される部品の種類や数、全体の形状だけでなく、部品の幾何学的な配置の違いも区別することができる。
新技術の特徴
・構成部品の種類や数、形状だけでは区別できない三次元モデルの(類似)検索
・構成部品の幾何学的な配置を考慮した三次元モデルの(類似)検索
・内部構造を考慮した三次元モデルの(類似)検索
想定される用途
・アセンブリ構造を持つ三次元CADモデルの検索
- 情報
3)サービス利用情報の一元管理技術
首都大学東京 システムデザイン研究科 情報通信システム学域 教授 高間 康史
新技術の概要
本技術は、複数の事業者などが提供するサービスを利用した個人の行動情報を共有するシステムに関するものである。異なるサービスからのデータを紐付ける度合いを個人が管理可能とすることで、プライバシーに配慮しつつデータの共有・活用を実現する。
従来技術・競合技術との比較
従来は、特定事業者が自社サービスの利用履歴を収集・活用する事が一般的であり、中小企業や後発企業にとって不利な状況にある。PDS(Personal Data Storage)のように各個人が管理する枠組みもあるが、データ漏洩対策など、個人にかかる情報管理の負担が大きくなる。
新技術の特徴
・異なるサービスでの利用履歴を紐付ける程度は、利用者個人が選択できる点
・サービス提供者間で,自身の保有するデータの秘密は確保しつつデータ共有が可能である点
・個人が管理する情報は少ないため,個人にかかる情報管理の負担は小さい点
想定される用途
・各観光地における観光客行動情報を共有することによる、より大規模な範囲での観光客の行動パターン分析
・小規模ECサイトにおける、連携してのビッグデータ収集・活用
・地域コミュニティ(商店街・自治会など)での住民向けサービス(個人に適した情報提供、住民のニーズ把握)
- 通信
4)五感を活用した遠隔コミュニケーション技術
首都大学東京 システムデザイン研究科 情報通信システム学域 教授 山口 亨
新技術の概要
人と人をテレコミュニケーションでつなぐロボットを用いて、遠隔の人々の五感対話を安全に行うため、非接触で触覚をえるモードに変化する機能で、安全な臨場感を得るテレプレゼンスロボットの提案。
従来技術・競合技術との比較
握手などのノンバーバルコミュニケーションは重要であるが、遠隔をつなぐロボットを通じてのコミュニケーションでは、時間遅れなどの危険要素を含む。この改善のために、非接触で触覚をえるデバイスを装備し、接触のモーダルを非接触に変換し、五感の対話臨場感を実現する。
新技術の特徴
・五感の臨場感のある対話可能なテレプレゼンスロボットを物理的駆動系なしに実現可能
・五感の臨場感のある対話可能なロボット機能を、顔のタブレットPCと無線接続センサーIOの手で実現可能
・五感の臨場感のある対話可能なロボット機能を、顔のスマートフォンと無線接続スマートウォッチ等による手で実現可能
想定される用途
・遠隔にいる人の代理をおこなう、安全なテレプレゼンスロボット
・遠隔で見守りをおこなう、見守りロボット(見守りコールセンター代理)
・遠隔から案内をおこなう、案内ロボット(案内ボランティア推薦ロボット)
- 製造技術
5)製造装置のロボット化技術~ホース製造装置を例に~
首都大学東京 システムデザイン研究科 知能機械システム学域 准教授 武居 直行
新技術の概要
本技術は、ロボットアームにより自動化を前提に、加硫前の柔らかいゴムホースに、屈曲した金属棒を容易に挿入するための装置およびその方法を提供する。
従来技術・競合技術との比較
従来技術では、事前にワイヤーを通す手間がかかったり、金属棒を縮径することが困難であったりし、自動化を容易にするものがなかった。本技術では、金属棒の形状にはあまり依存することなく素早く容易に挿入作業を実現することができる。
新技術の特徴
・ホースの端面に密着するように板上部を押し付ける。
・ホース内部に圧縮空気を通す。
・金属棒と干渉しない構造になっている。
想定される用途
・ゴムホースの成型・製造工程
・管状物体のハンドリング工程
・柔軟物のハンドリング工程
- 製造技術
6)表面形状を利用したマイクロバブルの簡易的生成技術
首都大学東京 理工学研究科 機械工学専攻 准教授 小方 聡
新技術の概要
加熱法または気体含有水(炭酸水等)を用いた気泡生成法において、壁面形状を鋸歯状などにする(または鋸歯状板を壁面に設置する)だけで、非常に簡単にマイクロバブルを生成させることが出来る技術である。
従来技術・競合技術との比較
従来と異なり特別な装置の必要なく、既存装置の壁面形状を変えるだけでマイクロバブルを生成可能である。気泡が壁面から離脱する時間を短縮でき、任意直径のマイクロバブルを任意割合で生成することもできる。
新技術の特徴
・既存の装置を大きく改良せず単に設置するだけでマイクロバブル生成が可能
・気泡の離脱に必要な時間が短縮されるため、の熱伝達の効率向上
・壁面形状の設計で、任意のサイズのマイクロバブル生成が可能
想定される用途
・加熱法または気体含有水による簡単なマイクロバブル生成装置
・巨大な泡が生成せず早くお湯が沸く利点を生かした調理器具
・殺菌・洗浄などのマイクロバブルが利用されている分野一般
- 医療・福祉
7)線量計材料に依存しない新しい吸収線量の解析技術
首都大学東京 人間健康科学研究科 放射線科学域 准教授 眞正 浄光
新技術の概要
精密な温度制御下での熱蛍光測定(グロー曲線)と、その形状を利用した新しい線量測定法である。従来技術と比較して測定可能な線量域が広く、精度も高い。さらに、熱蛍光素子の材料に依存せず、本手法を使用することができる。
従来技術・競合技術との比較
精密な温度制御下での熱蛍光測定を実施しているため従来技術より精度が高い。また、グロー曲線の形状を利用した線量測定法であるため、線量と熱蛍光量が比例関係である必要がなく、測定可能な線量域が極めて広い。
新技術の特徴
・高線量率下、高線量下での環境放射線測定(福島原発等)
想定される用途
・X線診断・放射線治療における吸収線量測定
・環境放射線測定
・個人被曝線量計
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連携・ライセンスについて
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