東北大学 新技術説明会 <新技術概要【当日資料PDFあり】>
日時:2015年05月29日(金) 09:55~14:55
会場:JST東京本部別館1Fホール(東京・市ケ谷)
参加費:無料
発表内容一覧
発表内容詳細
- デバイス・装置
1)流動キャビテーションを利用した洗浄技術
東北大学 大学院工学研究科 ナノメカニクス専攻 教授 祖山 均
新技術の概要
流れ場を使って発生させたキャビテーション(流動キャビテーション)を用いて、キャビテーション気泡の圧潰時に生じる衝撃波により、歯垢などのバイオフィルムを除去する技術です。
従来技術・競合技術との比較
従来の超音波キャビテーションを用いる超音波洗浄よりも、はるかに強力な洗浄能力があり、狙った場所を確実に洗浄でき、洗浄物の再付着を防いだ洗浄が可能です。
新技術の特徴
・キャビテーション圧潰時の衝撃力ならびに圧潰時に生じるラジカルを活用できます。
・キャビテーション発生による液相から気相への体積膨張を用いた細胞の破砕処理が可能です。
・キャビテーション衝撃力の制御や強力化が容易です。
想定される用途
・口腔洗浄装置
・医療機器・器具の洗浄装置
・医薬品の開発用装置
関連情報
・外国出願特許あり
- デバイス・装置
2)衝撃波アブレーションカテーテルシステム
東北大学 大学院医学系研究科 医科学専攻 循環器内科学分野 教授 下川 宏明
新技術の概要
カテーテル先端から水中衝撃波を治療部位に収束照射することで不要な損傷を防ぎ、熱を発生せずに心筋内部の病変組織を物理的に壊死させることができる衝撃波カテーテルアブレーションシステムを提供する。
従来技術・競合技術との比較
現行の高周波アブレーション治療における焼灼深達度の不足、副作用として血栓を生じる等の問題を克服するため、熱によらず任意の部位を治療できる。
新技術の特徴
・収束衝撃波発生装置の小型化が可能(衝撃波反射器の外径3.2㎜、焦点におけるピーク圧力60MPa)。
・衝撃波照射により細胞の遺伝子活性が可能。
・局所空間に瞬間的に高圧を発生することで殺菌処理に利用できる。
想定される用途
・カテーテルアブレーション治療
・結石破砕術
・癌治療
関連情報
・外国出願特許あり
・展示品あり(衝撃波アブレーションカテーテル)
- 材料
3)Zr基金属ガラス鋳造合金の生体材料としての応用
東北大学 大学院歯学研究科 歯科学専攻 顎口腔矯正学分野 教授 山本 照子
新技術の概要
Zr70Ni16Cu6Al8金属ガラスは、現在金属系生体材料として使用されている純チタン材と比較して、より高強度、低弾性率、高耐食性である。さらには、生体材料として有用であることを見い出し、歯科矯正用アンカースクリューを試作した。
従来技術・競合技術との比較
純チタンと比較して、Zr70Ni16Cu6Al8金属ガラスはより高強度、低弾性率、高耐食性、骨親和性、骨誘導性、埋入後の骨への生着の安定性に優れる。従って、従来のチタン製の歯科用部材よりも小型化することが可能である。
新技術の特徴
・従来品より高強度、低弾性率、高耐食性である。
・生体親和性、骨誘導性、埋入後の骨への生着の安定性に優れ、従来の歯科用部材より小型化できる。
・高延性金属ガラス合金であるため塑性加工性に優れ、生体埋入型医療機器として開発可能である。
想定される用途
・歯科矯正用アンカースクリュー
・歯科用インプラント
・人工関節
関連情報
・外国出願特許あり
- 材料
4)生体用コバルトクロム合金の熱処理による結晶粒微細化法
東北大学 金属材料研究所 材料プロセス・評価研究部 教授 千葉 晶彦
新技術の概要
特殊な熱処理技術を用いて、人工関節などに使用する生体用コバルトクロムモリブデン合金の結晶粒を10μm以下に微細化する技術。これにより、鋳造品や積層造形でニアネットシェイプで製造した製品の強度などの力学特性を改善する技術を提供する。
従来技術・競合技術との比較
鋳造品や積層造形品は、結晶粒径が粗大であったり、異方性の強い凝固組織を有しているため、強度や延性に劣っていた。本技術を適用することにより、精密鋳造や積層造形技術で作られたネットシェイプ製品の強度の改善を図ることができる。
新技術の特徴
・人工関節の力学特性改善。
・高価な熱処理技術を使用しないため、著しい製品の製造コストの低減が可能。
・鋳造製品以外にも金属3Dプリンタの製品に適用可能。
想定される用途
・人工関節などの整形外科用インプラント製品に適用可能
・金属積層造形製品の力学特性改善方法として使用可能
・積層造形で製作されたスパインロッドの力学特性改善方法
関連情報
・外国出願特許あり
・サンプルの提供可能
・展示品あり(EBM積層造形品(人工股関節・人工膝関節))
- デバイス・装置
5)リンパ節内圧測定によるリンパ節転移の早期診断・治療評価法
東北大学 大学院医工学研究科 腫瘍医工学分野 医工学専攻 教授 小玉 哲也
新技術の概要
がん患者の生存率に大きく影響を与えるリンパ節転移の診断を超早期に行う技術を開発した。リンパ節内圧を測定することで、従来法では検査できない超早期の段階で、転移リスクを評価することが可能になる。
従来技術・競合技術との比較
従来の超音波・CT・MRI・PETによる検査では短径10mm以下の微小転移巣を同定することは困難であった。本技術はリンパ節腫脹転移モデルマウスを用いた研究から、がん細胞の転移の際にリンパ節内圧が上昇することを見出し、リンパ節内圧測定によるリンパ節移転のリスク評価方法を確立した。
新技術の特徴
・ヒトと同等の大きさのリンパ節を有するリンパ節転移モデルマウスを樹立した。
・リンパ節病変に関わる前臨床試験を低コスト・ 短期間でおこなうことができる。
・リンパ節内圧の測定がリンパ節転移の新規診断・治療の開発に極めて有用である。
想定される用途
・リンパ節病変の診断・治療法の開発(頭頸部がん、乳がん)
・リンパ節病変に関わる新規医療診断機器の開発
・リンパ節病変に関わる前臨床試験
関連情報
・サンプルの提供可能(リンパ節転移モデルマウス)
- デバイス・装置
6)極低温固体粒子噴霧を用いた各種細胞のガラス凍結
東北大学 流体科学研究所 未到エネルギー研究センター 教授 石本 淳
新技術の概要
一般的な液体窒素への浸漬のみを利用した細胞凍結法よりも,高い細胞生存率解凍が可能な各種細胞の高速ガラス凍結保存システムを新たに開発する。細胞低損傷型ガラス凍結の手法として、極低温微細固体粒子噴霧を用いた超高熱流束急冷法を採用する。
従来技術・競合技術との比較
従来の細胞生存率を高める手法としてガラス化凍結法があるが、ガラス化が十分でなく、有害な凍害保護液を大量に使用する。本技術はノズル方式一成分極低温微細固体粒子噴霧冷却法により、細胞の超高速急冷凍結を実現した。これにより保護液の使用量を減少させ、氷晶生成による細胞破壊を極力抑え、より低損傷なガラス凍結を実現した。
新技術の特徴
・細胞低損傷型ガラス凍結法により,液体窒素浸漬のみによる凍結法よりも解凍時における細胞生存率が20%以上向上。
・氷核生成・結晶成長・体積膨張による細胞膜破壊を極力抑えた細胞凍結が可能。
・微細固体窒素粒子噴霧方式により,-14.0(K/sec)の超高速細胞凍結速度を実現。
想定される用途
・ヒトiPS細胞のガラス凍結保存技術
・卵子・精子の低損傷型凍結保存技術
・生鮮食品の味・食感を失わない冷凍保存技術
関連情報
・外国出願特許あり
- 材料
7)生体金属材料表面より有毒元素を選択的に除去する技術
東北大学 金属材料研究所 物質創製研究部 教授 加藤 秀実
新技術の概要
合金表面から特定成分のみを、金属液体中に溶出する技術を見出した。毒性元素を含有する生体金属材料表面から毒性元素のみを取り除くこと、更に、多孔質構造を付与する等、表面の生体親和性を改善することが出来る。
従来技術・競合技術との比較
酸・アルカリを用いて表面改質を行う場合、酸化物等の改質層を得るが、これが劣化・損傷する環境では、毒性元素が溶出する。本技術では毒性元素を除去し、かつ、内部と改質層が強固に金属結合して損傷し難いため、毒性元素の溶出を効率的に抑制できる。
新技術の特徴
・貴金属、卑金属、半金属など金属全般に応用可能(applicable to noble, base, half metals)。
・短時間で処理可能な表面改質(surface improvement using fast dealloying reaction)。
・強固な表面改質層(Modified surface which bonds strongly with the inside matrix)。
想定される用途
・薬剤担持ステント(drug-eluting stent)
・インプラント(implant)
・手術器具(surgical instrument)
関連情報
・外国出願特許あり
・サンプルの提供可能
・展示品あり(Fe-Cr合金ポーラス体)
お問い合わせ
連携・ライセンスについて
東北大学 産学連携機構 総合連携推進部
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