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東京農工大学 新技術説明会 <新技術概要【当日資料PDFあり】>

日時:2015年06月23日(火) 10:00~16:50

会場:JST東京本部別館1Fホール(東京・市ケ谷)

参加費:無料

発表内容詳細

  • 製造技術

1)高度材料試験法の援用による金属板材成形シミュレーションの高精度化

東京農工大学 大学院工学研究院 先端機械システム部門 教授 桑原 利彦

新技術の概要

板材成形シミュレーションの高精度化に資する二軸応力試験方法と面内反転負荷試験方法について解説する。さらに、材料モデルの精度向上が成形シミュレーションの精度向上に寄与した事例も紹介する。

従来技術・競合技術との比較

当研究室で開発してきた高度材料試験方法は、慣用の単軸引張試験方法とは異なり、実際の材料加工で発生する多軸応力や反転負荷状態を再現できるので、材料モデルの高精度化や成形シミュレーションの高精度化に有効である。

新技術の特徴

・各種板材料や円管材料の多軸応力状態における変形特性の精密測定と材料モデリングの高精度化
・各種板材料や円管材料の反転負荷状態における変形特性の精密測定と材料モデリングの高精度化

想定される用途

・各種鋼板、アルミ合金板、チタン合金板などの成形限界解析の高精度化
・各種鋼板、アルミ合金板、チタン合金板などのスプリングバック解析の高精度化

  • デバイス・装置

2)先細形状の高粘度液体マイクロジェット・液滴射出装置

東京農工大学 大学院工学研究院 先端機械システム部門 准教授 田川 義之

新技術の概要

まず液体を一部充填した容器内に、濡れ性に優れた細管を挿入し、細管内部の液面位置と細管外部の液面位置に差をつける。次に容器底面に(金属片を衝突させるなどして)衝撃力を与えることにより、射出管内径よりも細いジェットおよび液滴を高速で射出する。

従来技術・競合技術との比較

従来のジェットおよび液滴生成技術では、使用する液体の粘度は水と同程度のものに限られており、作動流体への制約が大きかった。また大部分は射出管内径と同程度以上の径のジェットを射出する装置であったため、マイクロジェット・液滴生成には本来不向きであり、小さいノズルを使用せざるを得ない。そのため、目詰まりを起こしやすいという問題があった。

新技術の特徴

・粘度が水の1,000倍程度の高粘度液体の細長ジェットが射出できる。
・射出管内径の1/5程度の径のジェットを射出できる。
・最高速度20m/sの高速ジェット射出可能かつ速度制御性を有する。
・装置の基本的な仕組みが簡便。広範囲な分野で応用が期待できる。

想定される用途

・インクジェット印刷技術(従来に比べ高粘度インク剤の使用が可能となることによる発色の劇的な向上、にじみの大幅な低減効果)
・無針注射技術(従来に比べ高粘度の薬剤も注入できる注射器へ、局所的な薬剤投与が可能となり副作用の抑制効果へ)
・金属配線プリント(半導体基板プリント)
・三次元造形技術(従来のように熱を加えて粘度を下げる必要がないため、省エネかつ高精度な造形が可能に)

関連情報

・展示品あり(高粘度液体マイクロジェット生成システム試作機)

  • 材料

3)ダイオード特性を有する抵抗変化型不揮発性メモリ

東京農工大学 大学院工学研究院 先端電気電子部門 教授 須田 良幸

新技術の概要

本メモリ素子は、記憶保持に電力の不要な不揮発性の2端子駆動の抵抗変化型のメモリ素子で、本素子単体が優れたダイオード特性を有しているため、本素子の配列のみで、理論的に最密なクロスポイント型配列メモリが実現する。

従来技術・競合技術との比較

従来の抵抗変化型不揮発性メモリ素子では、通常、ダイオード特性を有していないため、理論的に最密なクロスポイント型配列を実現するために各素子にダイオードを組み合わせることが必要である。本メモリ素子は、ダイオードが不要となり、最密なメモリを得ることができる。

新技術の特徴

・移動体用制御用メモリ
・部品特性調整用メモリ
・機器制御用メモリ

想定される用途

・PCの内蔵メモリ
・携帯機器用メモリ
・メモリスティック

  • エネルギー

4)60℃の低温排熱から冷熱を得る2段型吸着冷凍機

東京農工大学 大学院工学研究院 先端機械システム部門 教授 秋澤 淳

新技術の概要

本技術は空調用の電力消費を代替し、工場や燃料電池などの60℃程度の低温排熱を用いて冷房用の冷水を製造する。従来の2段型吸着冷凍機は4つ必要だった吸着材熱交換器を3つに減らしてコンパクト化を実現するとともに、冷凍出力を向上させた。

従来技術・競合技術との比較

吸着冷凍機は外部からの温水と冷却水によって駆動され、本体での電力消費は非常に少ない。実用化されている吸着冷凍機では70℃程度の温水で動作するが、本技術は60℃でも冷熱を取り出すことができ、従来使えなかった排熱を有効利用できる。

新技術の特徴

・低温排熱により冷熱を供給できる。
・再生可能熱源を利用した冷房空調に応用可能。
・空調用の電力消費を低減できる。

想定される用途

・コージェネレーション排熱を利用した業務用の冷房空調やソーラークーリング
・工場排熱を利用した産業用の冷房空調やプロセスの冷却
・船舶や自動車におけるエンジン排熱を利用した冷熱供給

関連情報

・外国出願特許あり
・展示品あり(2段型吸着冷凍機実験装置の写真)

  • 情報

5)香り付き電子書籍・テレビゲームを実現する香り提示装置

東京農工大学 大学院工学研究院 先端機械システム部門 准教授 石田 寛

新技術の概要

デスクトップパソコンやタブレット型コンピュータの画面上に、局所的な香り分布を作り出せる装置を開発した。ユーザが画面に顔を近づけて香りを嗅ぐと、画面上の特定の場所から香りが漂ってくるかのように感じさせることができる。

従来技術・競合技術との比較

画面に映し出された画像から香りが出ているかのように香りの分布を作り出す装置は、本例以外にない。以前に開発した装置では香りの分布を左右にしか移動できなかったが、上下も含め画像に合わせて二次元的に移動できるように改良した。

新技術の特徴

・モニタ画面上の特定の位置で最も強い香りを感じるように、香りの空間分布を作り出すことができる。
・ファンの動翼および香り切替用の弁以外に可動部品がないため、耐久性に優れている。
・既存の液晶モニタやタブレット型コンピュータに取り付けて使用可能。

想定される用途

・電子書籍
・テレビゲーム
・デジタルサイネージ

関連情報

・展示品あり(24インチ液晶モニタを用いた、模擬電子広告展示:モモの香りを放出)

  • 創薬

6)創薬など不斉化合物合成のための新規触媒

東京農工大学 大学院工学研究院 応用化学部門 教授 平野 雅文

新技術の概要

共役カルボニル化合物または共役ジエンと置換アルケンを基質、位置および立体選択的に効率的に鎖状二量化する触媒を開発。これにより医薬品や生理活性物質等の不斉鎖状炭素骨格の一段階による構築も実現。

従来技術・競合技術との比較

本技術は、従来法である不斉クロスカップリング法と異なり、非ハロゲンで廃棄物が排出されないクリーンな方法であり, 抗生物質や抗腫瘍物質などの医薬品の基本構造が安価な置換アルケンのカップリング反応により効率的に構築可能である。

新技術の特徴

・ハロゲンフリー
・原子利用効率100%
・キラル鎖状分子の合成

想定される用途

・医薬品の合成(ヘテロ5員環の3位へのアルキル基直接導入)
・生理活性物質の合成(鎖状炭素骨格中の中心不斉の導入)
・電子材料(液晶材料など)

  • アグリ・バイオ

7)新奇遺伝子を用いた有用微生物の生育促進と生産性向上をもたらす新しい方法

東京農工大学 大学院工学研究院 生命機能科学部門 准教授 山田 晃世

新技術の概要

極めて増殖能の高い海洋ラン藻から見出した新奇遺伝子の発現は、大腸菌、ラン藻等の多様な微生物の生育を促進する。各種微生物を用いた物質生産やバイオマス生産への応用が期待できる。

従来技術・競合技術との比較

植物やバクテリアに対し、適合溶質の蓄積で様々な生物のストレス耐性を向上させた例が報告されてが、今回出願した新奇遺伝子は大腸菌等に対し、ストレス耐性の強化をもたらすだけでなく、非ストレス下では生育を促進する点に特徴がある。

新技術の特徴

・大腸菌を用いた物質生産の向上。
・バイオ燃料等を生産するラン藻を用いたバイオマス生産性の強化。

想定される用途

・有用微生物の生育促進とストレス耐性の強化
・バイオ燃料等を生産するラン藻を用いたバイオマス生産性の強化
・タンパク質の変性抑制

  • アグリ・バイオ

8)植物の重力屈性に影響を及ぼす生理活性物質の開発

東京農工大学 大学院農学研究院 国際環境農学部門 教授 藤井 義晴

新技術の概要

植物のアレロケミカルとその誘導体から、植物の重力屈性に影響を及ぼす物質を見出した。活性物質は、植物の生長は阻害せず、地上部と根部の重力屈性のみを特異的に阻害し、オーキシンとしての作用ではないことが判明している。これらの物質を用いて、つる性雑草のつるのまきつきを防止したり、匍匐性植物を作出できる可能性がある。

従来技術・競合技術との比較

重力屈性は、地上部ではつるの巻きつきや匍匐性に関与しているが、これまで重力屈性阻害物質を用いて、つるの巻きつきを防止したり、植物の匍匐性を高める技術はなかった。とくに、つるの巻きつき防止技術に関しては、くず返しのような物理的方法による技術しかなかったが、本技術と併用することで電柱の支線やフェンス等へのつる性雑草のまきつきを防止することができる可能性がある。

新技術の特徴

・無重力における植物の生育を制御することによって、宇宙船内や月などの低重力下での農業に役立つ。
・根の重力屈性を阻害することにより、水分吸収を抑制し、果実の糖分を上昇させることができる。
・根を短くすることによって、メスキートなど砂漠で問題となっている外来雑草を防除できる。

想定される用途

・つる性雑草のまきつき防止剤
・匍匐性植物の作成と、これを用いた雑草抑制技術
・湿害防止剤の開発(特にムギ類を対象とした)

関連情報

・サンプルの提供可能

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

東京農工大学 先端産学連携研究推進センター

TEL:042-388-7550FAX:042-388-7553
Mail:suishinアットマークml.tuat.ac.jp
URL:http://www.rd.tuat.ac.jp/sankangaku/index.html
新技術説明会について

〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町

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