千葉大学・芝浦工業大学・埼玉大学・山梨大学 新技術説明会 <新技術概要【当日資料PDFあり】>
日時:2015年12月10日(木) 13:00~15:55
会場:JST東京本部別館1Fホール(東京・市ケ谷)
参加費:無料
発表内容一覧
発表内容詳細
- アグリ・バイオ
1)接ぎ木時に発生するナス科植物でのintumescence抑制方法
千葉大学 大学院園芸学研究科 環境園芸学専攻 助教 淨閑 正史
新技術の概要
果菜類は土壌伝染性病虫害対策として接ぎ木苗を使用するが、接ぎ木直後の苗にintumescenceと呼ばれる生理障害の発生報告が増えている。本発明は、植物の気孔を閉じさせた状態で接ぎ木することでintumescenceの発生を抑制できることを示した。
従来技術・競合技術との比較
多くの植物種で発生するintumescenceは発生メカニズムが明らかになっておらず、明確な対処方法は明らかになっていない。接ぎ木苗を販売する苗業者では、ほとんどの商品でintumescenceが発生することもあり、甚大な被害が生じることもある。
新技術の特徴
・暗黒下に置くことで全ての苗を均一に処理することが可能
・特別な設備を必要としない簡易かつ低コストな処理方法
・多くの植物種に適用可能
想定される用途
・接ぎ木後の苗に発生するintumescenceの抑制
・閉鎖型苗生産システムで発生するintumescenceの抑制
・施設園芸で発生するintumescenceの抑制
- アグリ・バイオ
2)長期保存性が期待されるきのこ酵素由来チーズ
山梨大学 生命環境学域 生命農学系 准教授 中村 和夫
新技術の概要
ヤマブシタケ由来凝乳酵素によりカードを形成し、あるいはヤマブシタケの菌糸体を含有させて、食品としての安全性を担保し、抗菌性を備え、滑らかな食感を実現し、安全性、保存性、おいしさに優れたチーズと製造法を提供する。
従来技術・競合技術との比較
安全な凝乳酵素を食用きのこのヤマブシタケが生産することを発見した。本酵素は低温殺菌乳のみならず超高温殺菌乳も凝乳可能であった。レンネットとは異なる凝乳機構とカードの力学的性質を示した。チーズは雑菌繁殖が見られず、菌糸体の添加によって食味が向上した。
新技術の特徴
・抗菌物質の生産によって、品質が長期間維持され、流通可能な食品、化粧品、食品添加物および医薬品への利用
・少子高齢化社会に対応する滑らかな食感で栄養に富んだ健康食品の創製
・酵素と菌糸体の添加量の組み合わせによって風味、食感が多様化した食品の提供
想定される用途
・安価な超高温殺菌乳原料の利用性と乳酸菌添加に依存しない日本独自のチーズ製造技術の展開
・輸入フレッシュチーズの欠点を補う、雑菌繁殖がなく品質管理が容易で、食感に優れた賞味期限の長い国産チーズ
関連情報
・展示品あり(ヤマブシタケの凝乳酵素と菌糸体を用いて作製したチーズ)
- 医療・福祉
3)手術部位の健常性判定に使える組織酸素飽和度計測法
千葉大学 フロンティア医工学センター 教授 羽石 秀昭
新技術の概要
本特許は発光部と受光部を両端にもつプローブで小腸などの臓器を挟み、透過光スペクトルを測定することで組織の酸素飽和度を測定する技術であり、対象部位の健常性を非侵襲的かつ正確に判定できる。
従来技術・競合技術との比較
酸素飽和度を簡易的に推定するデバイスとしてパルスオキシメータがあるが、脈波が生じていることが前提である。本特許は異なる原理に基づいており、小腸等の脈波が現れない部位でも計測可能である。
新技術の特徴
・挟み込んで透過光を計測するため、反射型の計測法に比べて高精度
・LEDの使用により小型化が可能
・みみたぶにセットして計測することで健康チェックなどにも使えるかも
想定される用途
・開復手術中の小腸吻合部の健常性判定
・腹腔鏡手術中の小腸吻合部の健常性判定(ただしLED利用などにより小型化が実現した場合)
・みみたぶなど(脈波が弱い患者に対してパルスオキメータの代替として)
関連情報
・サンプルの提供可能
・展示品あり(プローブ本体部分のみを持ち込みます(デモは無し))
- 医療・福祉
4)タンパク質によるキラル金ナノロッド組織体の創製とバイオセンサへの応用
山梨大学 生命環境学域 生命農学系 准教授 新森 英之
新技術の概要
蛋白質を不斉源として金ナノロッドのキラル組織体の効率的な形成と制御を証明した。この組織体は棒状の異方性金ナノロッドの規則的凝集により生じており、ナノ材料の基盤技術で重要な凝集状態の人工制御が可能となる。又、一定アミノ酸に選択的な光学特性変化を示した事から、センサ材料として期待できる。
従来技術・競合技術との比較
金ナノロッドは、生体安定性や異方性の観点から、ごく最近注目されているナノ材料である。この配列制御は数例報告があるが、1つの添加物で複数凝集状態を制御できる例はまだ無い。本技術は1つの蛋白質が条件変更で2つの凝集状態を可能とした。又生体に重要なキラリティーの組織体への反映は殆ど例が無く、それを可能にする本技術は意義深い。
新技術の特徴
・近赤外領域に特徴的な吸収を示す金ナノロッドの配列制御
・生体分子で重要視されるキラリティーを反映した不斉な金ナノロッド組織体構築
・低エネルギー光を利用できる選択的バイオセンサ
想定される用途
・バイオセンサチップ
・キラル識別材料
・活性制御型の薬剤
関連情報
・展示品あり(金ナノロッドコロイド分散液)
- 材料
5)ゲルマニウム結晶薄膜の低温形成(<200℃)
芝浦工業大学 工学部 材料工学科 教授 弓野 健太郎
新技術の概要
ゲルマニウムはシリコンよりも電気特性に優れ、次世代の半導体材料として期待されている。結晶化を促す金をゲルマニウムと一緒に加熱基板上に供給することで大幅な結晶化温度の低下、低温での高濃度ドーピングを実現した。
従来技術・競合技術との比較
金薄膜とアモルファスゲルマニウム薄膜の層交換を利用した従来のMIC法に比べて、成膜温度、プロセス時間をそれぞれ250℃→170℃、数十時間→数分と大幅に改善することに成功した。
新技術の特徴
・体内埋め込み型医療デバイス、ウェアラブルデバイス向けの高性能半導体回路
・フレキシブル太陽電池(Ⅲ-Ⅴ族化合物半導体太陽電池のボトム層)
・成膜条件によっては多孔質膜の作製ができるため、リチウムイオン電池のアノード電極への応用が可能
想定される用途
・フレキシブル基板上の高性能半導体回路、CMOS回路
・nチャネルGe-MOSFETのソース、ドレイン電極部への高濃度Pドーピング
・フレキシブルディスプレイ用の薄膜トランジスタ
- 製造技術
6)パッシブ支持方向の制振機能を備えた磁気浮上機構
埼玉大学 理工学研究科 人間支援・生産科学部門 教授 水野 毅
新技術の概要
電磁石の吸引力を利用した磁気浮上では、横ずれ方向の運動に関しては、端効果によって受動的な安定性が得られるが、減衰が小さいという問題がある。本技術では、横ずれ方向の運動に合わせて、制御軸方向の電磁石のバイアス電流を切り替えることによって、この振動を抑制する。
従来技術・競合技術との比較
従来の技術では、振動を効果的に止めるのにアクティブ制御を導入していたが、電磁石を新たに設置しなければならず、そのためのスペースが必要となり、コストもかかってしまう。これに対し、本技術では新たに制御用電磁石を設置する必要がなく、実用性が損なわれない。
新技術の特徴
・アクチュエータを新たに設置することなく制振
・可変剛性制御の利用
・非制御軸方向のセンサをなくすことも可能
想定される用途
・磁気軸受
・ターボ分子ポンプ
・磁気浮上式人工心臓
関連情報
・外国出願特許あり
お問い合わせ
連携・ライセンスについて
千葉大学 産業連携研究推進ステーション
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芝浦工業大学 研究推進室 研究企画課
TEL:03-5859-7180FAX:03-5859-7181Mail:sangakuow.shibaura-it.ac.jp
URL:http://www.shibaura-it.ac.jp/research/index.html
埼玉大学 研究機構 オープンイノベーションセンター
TEL:048-714-2038FAX:048-858-9419Mail:satoshimail.saitama-u.ac.jp
URL:http://www.saitama-u.ac.jp
山梨大学 社会連携・研究支援機構
TEL:055-220-8758FAX:055-220-8757Mail:renkei-asyamanashi.ac.jp
URL:http://www.yamanashi.ac.jp/
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