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電気通信大学 新技術説明会 <新技術概要【当日資料PDFあり】>

日時:2015年05月12日(火) 12:45~16:00

会場:JST東京本部別館1Fホール(東京・市ケ谷)

参加費:無料

発表内容詳細

  • 情報

1)スマートミキサー・音と音の新しい混合方法

電気通信大学 情報理工学研究科 情報・通信工学専攻 准教授 高橋 弘太

新技術の概要

音信号の混合は、通常は加算演算で行われ、混合された音を聞くと、マスキング現象により、ある音が他の音に妨害されて聴き取りにくくなるということが避けられない。スマートミキサーでは音と音を時間周波数平面に展開し、優先度を設けたキメ細かな非線形演算で音を混合することで、この問題を解決する。

従来技術・競合技術との比較

従来のカーオーディオでは、ナビ音声の発声時には音楽の音量が大きく下げられてしまい助手席で音楽を楽しんでいた人にとっては音楽が中断されたに近い不快感を得ることがあった。本技術を使うことで、音楽の音量感を保ったままナビ音声を聴き取らせることが可能となる。本技術は、カーオーディオに限らず、音と音を重ねる多くの場面で活用可能である。

新技術の特徴

・第一の音の音量を下げることなく第二の音を重ね、第二の音を明瞭に聴き取らせることが可能。
・「優先度」という概念で混ぜ具合を調整できる。従来は「音量」以外に混ぜ具合を調整できる指標は無かった。
・伴奏とボーカルの混合に際し、今まで存在しなかった混合が可能となるので作曲の可能性も広がる。
・ゲームやパソコン操作など、複数の音を当時に利用者に聴かせる場面に広く使うことができる。

想定される用途

・スマートフォン用アプリ。撮影した動画にBGMやナレーションを手軽に加えることができる。
・カーオーディオ。カーナビの音声の聴き取りを妨げずに音楽再生を続行可能。
・カラオケ装置。演奏の音量感を損ねることなくボーカルを際立たせることができる。
・DAW(ディジタル・オーディオ・ワークステーション)。楽器ごとの優先度付与で、斬新な音楽作品の制作が可能。

関連情報

・外国出願特許あり
・展示品あり(スマートフォン用アプリ(動画中の音声を妨害しないように適切にBGMを混合できる)、ハードウエア上に実装したスマートミキサー試作機(FPGAとタッチパネルを搭載)

  • 通信

2)ハードウェア支援にもとづくビッグデータ処理基盤

電気通信大学 情報システム学研究科 情報ネットワークシステム学専攻 助教 吉見 真聡

新技術の概要

ネットワークとストレージを密結合するFPGAボードを用いて、アプリケーションに応じてデータ経路中で演算を行う専用ハードウェアにより、高速かつ省エネルギーなビッグデータ処理基盤を構築した。

従来技術・競合技術との比較

近年のメニーコアプロセッサやSSDのような近年の高速な計算コンポーネントを直結する機構として専用ハードウェアを使用する方法を提案しており、従来の計算機システムに新たな高速化技術を導入可能としている。

新技術の特徴

・10Gbpsを超える高速に到着するデータパケットに対して,ワイヤスピードで集約演算が可能
・蓄積データの抽出、集約、結合演算を専用ハードウェアにオフロードして省エネルギーかつコンパクトな計算基盤の実現
・大規模データを用いた実際的な性能評価

想定される用途

・金融情報やセンサデータに対する即応処理
・金融情報やセンサデータに対する即応処理
・コンパクトかつ高性能なデータセンタの実現

  • 材料

3)ダイヤモンド集積デバイス用プラットフォームの作製

電気通信大学 情報理工学研究科 先進理工学専攻 教授 一色 秀夫

新技術の概要

Si基板上の高配向ダイヤモンド核形成および,Si基板上のダイヤモンド選択ヘテロエピタキシャル成長技術を融合・最適化し,パワーデバイス活性領域となる数十μm□の単結晶ダイヤモンドをSi基板上に選択形成する技術を提供する。

従来技術・競合技術との比較

ダイヤモンド・パワーデバイスの実現が期待され,その研究開発はホモエピタキシャル成長が主流となっている。本提案は高配向ダイヤモンド核形成によりSi基板上のヘテロエピタキシャル成長を実現することで,SiシステムLSIとダイヤモンド・パワーデバイスとの集積化を可能にし,開発期間を短縮する。

新技術の特徴

・Si基板に配向したダイヤモンド単結晶を形成できる。
・デバイスサイズの単結晶ダイヤモンドをSi基板上に任意に配列することができる。
・大面積ダイヤモンド・デバイス開発用プラットフォームを可能にする。

想定される用途

・ダイヤモンド・デバイス開発用プラットフォームとしての一般的用途
・ダイヤモンドパワーデバイスとSi‐LSIの集積システム開発
・ダイヤモンドパワーデバイスとSi‐LSIの集積システム開発

  • 情報

4)(2+1)次元映像アノテーションシステム

電気通信大学 情報理工学研究科 総合情報学専攻 教授 兼子 正勝

新技術の概要

Web上で配信する動画に対して、時間軸上の任意の箇所で、画面フレーム内の2点間を結んだ線分に対してアノテーションを行う。また、アノテーションを持つ線分を、動画の視聴時に動画に重ねて表示し、線分を選択することで付与されたアノテーションを閲覧することができる。

従来技術・競合技術との比較

従来技術では画面フレーム内の1点や矩形範囲を対象としたアノテーションは可能であったが、「2点を結ぶ線分」に対するアノテーションは新奇である。これにより、画面内の複数オブジェクト間の「関係」や、オブジェクトの「運動」に対するアノテーションが可能になる。

新技術の特徴

・動画フレーム内の任意の2点を指定してそれを結んだ線分に対してアノテーションを付与する。
・動画の視聴時に、コメントが付与された線分が、似た線分同士はまとめられた状態で動画上に表示される。
・動画の時間範囲を指定することで、範囲内に付与された線分が累積表示され、ユーザの興味の推移を可視化できる。

想定される用途

・2点を結ぶということで関係や運動を対象としたコメントができる ex.ドラマの人間関係、スポーツの選手の動き。
・関係や運動に注目できるので、映像に対して、趣味的あるいは学術的に高度なアノテーションができる。
・動画中の関係や運動などより詳細な内容を話題としたコミュニケーションを活性化できる。

関連情報

・展示品あり
・サンプルの提供可能

  • 情報

5)モバイルデバイスでのコンパクトな物体認識エンジン実現のための学習パラメータ圧縮技術

電気通信大学 情報理工学研究科 総合情報学専攻 教授 柳井 啓司

新技術の概要

本技術は、物体認識において一般的に用いられる線形識別器の重みパラメータを圧縮するための技術である。認識対象種類が増えると、種類数に比例して認識システムが保持しておくべき重みパラメータの量が増大する。近年、1000種類を超えるような大規模物体認識が一般的になっているが、本技術を用いることによって、それがスマートフォンやタブレット端末などのモバイル端末上で実現可能となる。

従来技術・競合技術との比較

従来は利用可能なメモリ容量がPCやサーバに比べて限られているモバイル端末上で、大規模物体認識を行うことは困難であったが、本技術を用いることでそれが可能となる。

新技術の特徴

・物体認識アプリにおいて必要メモリが1/16~32まで圧縮できる。
・復元が不要なため、認識時のオーバヘッドがない。そのため、認識時間は非圧縮時と同じか、より短い。

想定される用途

・モバイル食事画像認識
・自動分類機能付きモバイル写真アルバムアプリ
・デジタルカメラへの画像認識機能の実装

関連情報

・展示品あり
・サンプルの提供可能(Androidスマートフォン用のサンプルアプリを http://foodcam.jp/ で公開中。)

  • 情報

6)動く物体へ映像投影を可能にする動的プロジェクションマッピング技術

電気通信大学 情報理工学研究科 総合情報学専攻 准教授 橋本 直己

新技術の概要

一般的には、静止している物体を対象として行われるプロジェクションマッピングを、動的な物体に対して拡張する技術。実時間での物体追跡技術と投影における遅延補償技術で構成される。

従来技術・競合技術との比較

3次元物体追跡処理では、予測フィルタと点群データの最適化により、従来手法よりも高速な追跡(45~60fps)を実現する。また、遅延補償はGPUによる実時間動き解析により、120fps以上で補償映像を生成する。

新技術の特徴

・距離画像(3次元点群)ベースの3次元物体追跡技術
・対象の3次元点群の点群数削減技術
・対象物体に依存しない、動きを含んだ画像ベースでの遅延補償

想定される用途

・インタラクティブなデザイン検討ツールや教材
・ショールーム等でのインタラクティブな展示
・人物への投影による空間演出(ファッションショー、テーマパークアトラクション等の娯楽、バーチャルリアリティ)

関連情報

・展示品なし(ただし、別途研究室にてデモ公開可能)

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

電気通信大学 研究推進機構 産学官連携センター

TEL:042-443-5871FAX:042-443-5726
Mail:onestopアットマークsangaku.uec.ac.jp
ホームページURL:http://www.sangaku.uec.ac.jp/
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