スマートテクノロジー 新技術説明会
日時:2017年03月02日(木) 09:55~15:30
会場:JST東京本部別館1Fホール(東京・市ケ谷)
参加費:無料
主催:科学技術振興機構、近畿大学、京都産業大学、関西学院大学、甲南大学、龍谷大学、大阪産業大学、関西大学、大阪工業大学、摂南大学、同志社大学
後援:特許庁
発表内容一覧
発表内容詳細
- デバイス・装置
1)複屈折プロファイラーによる結晶性薄膜の画像化
同志社大学 理工学部 電気工学科 准教授 江本 顕雄
新技術の概要
偏光回折素子と結像光学系を組み合わせて、複屈折(位相差)分布を光強度分布に変換する独自の原理に基づき、回転操作不要の高解像2次元複屈折プロファイラーを実現しました。これにより、光路に被測定物を挿入するだけで、リアルタイムの複屈折イメージングが可能となります。
従来技術・競合技術との比較
従来技術では、偏光子・検光子対を回転させる操作が必要であったり、回転操作が不要でも解像性能が犠牲になるなどの問題がありました。本技術では、これらの問題を解消し、回転操作不要の高解像測定を実現しました。
新技術の特徴
・回転操作が不要
・2次元の高解像イメージング
・実時間測定が可能
想定される用途
・フィルム生産現場での品質管理
・微結晶分布の観察
・有機半導体薄膜の評価
関連情報
・展示品あり
・外国出願特許あり
- 情報
2)記憶に残るナビゲーションのためのジオタグ付SNSデータと3次元ビッグデータ分析技術
京都産業大学 コンピュータ理工学部 准教授 河合 由起子
新技術の概要
ツイートデータと構築した3次元の街並から京都駅や、鴨川、料亭といった、遠くからでも近くからでも目立ち、人気の高い目印になる地物(ランド マーク)を判定・抽出する技術で、直感的で道に迷いにくい道案内の自動提示を実現。
従来技術・競合技術との比較
自己位置確認のための店舗や方向確認のための京都タワーといったランドマークは個別技術として存在していたが、河川や道路といった連続性のあるランドマークを抽出する技術。
新技術の特徴
・SNSデータのメタデータと内容の相関分析によるランドマーク自動抽出。
・点と面と線のランドマークを定義し全てのランドマークを同時にナビに利用可能。
・記憶に残るランドマーク推薦によるルックアップ回数の削減(安全なナビ)。
想定される用途
・歩行者や自転車への安全なナビおよび店舗推薦。
・自動運転時の安全安心性を高めるためのランドマーク提示。
・企業の看板や災害時等でランドマークを生成することによるナビゲーションへの組み込み。
関連情報
・デモあり
- 情報
3)音楽を聴き分けるロボットの実現に向けて
大阪産業大学 デザイン工学部 情報システム学科 准教授 高橋 徹
新技術の概要
音を聞き分けるロボットは、音源方向を推定し、マイクロホンの指向性を制御し、音源を選択的に集音して認識しています。選択的集音は、他音源からの干渉を完全に抑制することが困難です。そこで干渉状態の音を認識する方法を研究しました。干渉した音のための音響特徴量を開発し、音楽の聞き分け用途に適用しました。
従来技術・競合技術との比較
Multiple Input Multiple Output(MIMO)に基づく音源分離手法を利用できる条件では、オフラインで高精度に音源を分離可能です。課題は、オンライン処理が困難なこと、音源数に比べマイクロホン数が少ない劣決定条件での音源分離が困難なことです。新技術は、これらの課題を解決し、オンラインかつ劣決定条件で動作する手法です。
新技術の特徴
・音の特徴が複数混合した状態のまま目的の信号が含まれているか検出可能。
・オンライン、オンザフライ処理可能。
・音源分離手法と組み合わせて使用可能。
想定される用途
・放送音に含まれる特定の楽曲が現れた時刻や回数を自動カウント。
・放送音に含まれる自社CMが放送された時刻や回数を自動カウント。
・TVに組み込み受信中の放送音のBGMを検出し、検出楽曲情報の画面表示(関連ECサイトへ誘導など)。
関連情報
・デモあり
- 電子
4)自己の回り込みノイズによるジッタ増大を抑制するPLL回路
大阪工業大学 工学部 電気電子システム工学科 准教授 吉村 勉
新技術の概要
外部ノイズや自己の回り込みノイズによる位相ノイズ増大に対して、今まで確立した対処法が無かった。本発明では自己注入同期の手法を用いて発振回路の安定動作をはかる。近年の集積回路における低電圧化・高速化・高集積化で必須となってきたノイズ耐性強化の一手法となる。
従来技術・競合技術との比較
従来のPLL回路は、参照クロックの周波数の制限により、ノイズ削減に有効なループ帯域を大きくできない欠点があった。本発明によりノイズ抑制の帯域を従来より大きくすることが出来、従来にくらべてより大きな回り込みノイズ抑制が実現できる。
新技術の特徴
・自己の生成信号に適切な負帰還を局所的にかけることで、外部のより大きな乱れに対して安定に動作する位相同期回路。
・発振回路の信号応答特性を考慮して、適切な負帰還を自動的に制御して印加する。
・本発明の制御でPLL回路のピーク特性を抑制することにより、フィルター回路のコンパクト化(簡素化、小面積化)を実現。
想定される用途
・大規模集積回路(LSI)のPLL回路の安定化。
・携帯機器など省電力デバイスの低電圧化に伴うノイズの影響を低減。
・RF回路やセンサー回路搭載機器のノイズの影響を低減。
関連情報
・サンプルあり
- 情報
5)人間行動センシング技術を用いた高齢ドライバー教育の試み
近畿大学 理工学部 情報学科 講師 多田 昌裕
新技術の概要
ウェアラブルデバイスとAndroid端末を用いた人間行動センシング技術に基づき、運転中のドライバーの行動を実時間計測してリアルタイムに安全アドバイスを提供する安全運転支援システムや、高齢者安全運転講習への応用について紹介します。
従来技術・競合技術との比較
わが国の交通事故の大半はヒューマンエラーが原因で起きています。従来の運転評価システムはドライブレコーダをはじめとして車両情報に着目したものが大半を占めます。一方、提案手法は安全不確認など事故原因の大半を占める「人」の行動を計測し、ドライバーの特性に合わせてリアルタイムに安全アドバイスを提供することができます。
新技術の特徴
・ドライバーの運転行動を直接計測
・ドライバーの特性に合わせた安全運転アドバイスをAndroid端末からリアルタイムで提供
・高齢ドライバー教育への応用
想定される用途
・高齢ドライバー教育
・職業ドライバーの運転管理、教育
・「人」の行動に着目したドライブレコーダへの応用
- デバイス・装置
6)レアメタルフリー酸化物半導体薄膜トランジスタ
龍谷大学 理工学部 電子情報学科 教授 木村 睦
新技術の概要
レアメタルを含まない新たな酸化物半導体を研究し、薄膜トランジスタを開発した。初期特性も経時安定性も、従来の材料を凌駕するほどのものが得られた。資源の枯渇やコストの課題を解決できる可能性がある。薄膜デバイスとしてエレクトロニクスやエナジーハーべスティングなどそのほかの可能性についても言及する。
従来技術・競合技術との比較
現在、アモルファス酸化物半導体は、In-Ga-Zn-O(IGZO)に代表されるレアメタルを含むものが主流であるが、資源の枯渇やコストの課題が存在する。本研究では、レアメタルを含まず、地殻埋蔵量の多い金属を用いた酸化物半導体を提案し、これらの課題の解決を図る。
新技術の特徴
・レアメタルを含まない新たな酸化物半導体の研究
・優れた初期特性と経時安定性の薄膜トランジスタを開発
・エレクトロニクスやエナジーハーべスティングにも応用
想定される用途
・電子ディスプレイ
・エレクトロニクス
・エナジーハーべスティング
- 材料
7)取り扱い容易な高活性触媒の開発とその応用
関西大学 化学生命工学部 化学・物質工学科 助教 近藤 亮太
新技術の概要
活性金属-触媒元素の組合せで作製した合金触媒は、自発的酸化によって触媒元素が還元されて析出する。触媒活性の向上には、比表面積の増大、触媒活性点の高分散、微粒子化が必要となる。本発表では、大気中で長期間保管可能、還元処理不要、その場で触媒調製可能といった、簡便に利用可能な合金触媒の説明とその実施例を紹介する。
従来技術・競合技術との比較
含浸法や共沈法、蒸着法などの従来法では、担体へ触媒を高分散かつ微粒子として強く固定化することに主眼が置かれていたため、専用の設備が必要とされていた。本合金触媒は自己酸化により調製可能であり、実験室レベルの設備で十分調製可能な点に特徴がある。また、触媒元素は地金ベースで添加するため、触媒単価の低価格化が実現できる。
新技術の特徴
・簡便利用可能な合金触媒
・選択的有機反応の実現
・電気伝導性を有した触媒
想定される用途
・燃料電池
・有機材料の合成
・水素貯蔵材料
関連情報
・サンプルあり
- エネルギー
8)アニオン交換膜型燃料電池 ~ポリタンクで運べる液体燃料から直接発電~
関西学院大学 理工学部 先進エネルギーナノ工学科 教授 田中 裕久
新技術の概要
いつでも、どこでも、発電の可能性を拡げる新しい発想の燃料電池です。水加ヒドラジン(N2H4・H2O)という、炭素を含まない液体燃料から触媒の力により直接電気を取り出します。しかも電気を取り出す触媒はニッケルや鉄などの身近な金属でOK。高価で希少な貴金属を全く使わないお財布にも優しい燃料電池です。
従来技術・競合技術との比較
ガソリンスタンドもない自然に囲まれた地域、都市ガスの配管がない山奥や無人島、ポリタンクで燃料を運べばいつでも必要な電気を生み出すことができます。エンジン式の発電機と違って音や振動も全くなく、しかも地球温暖化の原因である炭酸ガスも全く排出しません。カートリッジ式燃料なら、充電器の要らないポータブル機器など新しい製品開発が可能となります。
新技術の特徴
・ポリタンクで運べる液体燃料から直接発電するので、手軽にいつでもどこでも電気が作れる。
・貴金属を全く使わないので資源問題とは無縁。
・自動車だけでなく、住宅用の発電機やポータブルな非常用電源など幅広い応用が期待できる。
想定される用途
・自立型の家庭用燃料電池(系統電源を必要としないことを特徴とする)
・災害時の非常用電源
・ポータブル機器の電源(充電器を持ち歩く必要がなくなる)
関連情報
・展示品あり
- 建築・土木
9)地球共生型バンブーストラクチャー
摂南大学 理工学部 住環境デザイン学科 准教授 白鳥 武
新技術の概要
本技術は、身近に溢れ、特にアジア圏内で大量に自生する自然素材としての竹材に着目し、小さい竹からでも採れる割竹の優れた撓み特性及び高い引張強度を利用し、接着材などを用いない地球環境にやさしく、災害対応が容易な「地球共生型バンブーストラクチャー」を実現します。
従来技術・競合技術との比較
従来技術は、接合部に環境負荷の大きい接着剤や高価な特殊金物を利用しており、発展途上国等で入手が容易な竹の引張強度を十分に活用できなかった。本技術では、一般に普及している道具や部品を用い、竹が入手さえ出来れば応用ができる構造となっている。
新技術の特徴
・接着剤や竹材への複雑な加工が不要で高強度を実現できる。
・部材損傷にも容易に交換対応できる。
・成長の早い再生可能材料で循環型の建築プロセスを実現できる。
想定される用途
・木造住宅等の耐力壁構造や補強構造部材
・構築・解体・移設が容易な防災避難向け簡易組み立てハウス
・組立式家具
- アグリ・バイオ
10)スマートな水産食材へのラビリンチュラ類微生物の活用技術
甲南大学 理工学部 生物学科 教授 本多 大輔
新技術の概要
ラビリンチュラ類微生物を珪藻とともに増殖させる新しい培養方法。経済性や効率性に優れており、ラビリンチュラ類が産生するドコサヘキサエン酸(DHA)などの高度不飽和脂肪酸やカロテノイド色素といった有用物質を安価に製造できる。
従来技術・競合技術との比較
海洋の原生生物ラビリンチュラ類は、高度不飽和脂肪酸などの抗酸化色素、セルラーゼなどの分解酵素など、有用物質の生産能力のあることが知られていたが、糖や酵母エキスなどが用いられており、無菌的な環境での培養が必要なことからコストがかかるという問題があった。本技術は開放系での効率的培養が可能となり、低コスト製造できる。
新技術の特徴
・安価に培養できる珪藻を餌としてラビリンチュラ類を増殖させる。
・細菌類が培養中に混入しても増殖しにくい環境であり、開放系での培養が可能である。
・増殖速度の高い属を用いている。
想定される用途
・DHA強化した飼料の生産(高栄養価な水産物の養殖)
・燃料生産
お問い合わせ
連携・ライセンスについて
近畿大学 リエゾンセンター
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京都産業大学 社会連携センター
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関西学院大学 研究推進社会連携機構
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URL:http://www.kwansei.ac.jp/kenkyu/
甲南大学 フロンティア研究推進機構
TEL:078-435-2754 FAX:078-435-2324Mail:officefrontcenter.konan-u.ac.jp
URL:http://www.konan-u.ac.jp/front/
龍谷大学 知的財産センター
TEL:077-544-7270 FAX:077-544-7263Mail:chizaiad.ryukoku.ac.jp
URL:http://chizai.seta.ryukoku.ac.jp/
大阪産業大学 教育研究推進センター 地域社会連携課
TEL:072-875-3001 FAX:072-875-6551Mail:sangakucnt.osaka-sandai.ac.jp
URL:http://www.osaka-sandai.ac.jp/rs/
関西大学 社会連携部 産学官連携センター
TEL:06-6368-1245 FAX:06-6368-1247Mail:sangakukan-mmml.kandai.jp
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大阪工業大学 研究支援推進センター
TEL:06-6954-4140 FAX:06-6954-4066Mail:OIT.Kenkyujosho.ac.jp
URL:http://www.oit.ac.jp/japanese/sangaku/index.html
摂南大学 研究支援センター
TEL:072-800-1160 FAX:072-800-1161Mail:SETSUNAN.Kenkyujosho.ac.jp
URL:http://www.setsunan.ac.jp/kenkyu/shien/
同志社大学 リエゾンオフィス
TEL:0774-65-6223 FAX:0774-65-6773Mail:jt-liaismail.doshisha.ac.jp
URL:http://liaison.doshisha.ac.jp/
新技術説明会について
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