計測・センシング技術 新技術説明会
日時:2017年03月09日(木) 13:00~15:55
会場:JST東京本部別館1Fホール(東京・市ケ谷)
参加費:無料
主催:科学技術振興機構、弘前大学、秋田大学、岩手大学
後援:特許庁、ひろさき産学官連携フォーラム、岩手ネットワークシステム、秋田科学技術協議会
発表内容一覧
発表内容詳細
- 計測
1)3次元軌道計測用慣性センサを利用した歩行能力評価装置
弘前大学 大学院理工学研究科 知能機械工学コース 教授 佐川 貢一
新技術の概要
加速度センサ、ジャイロセンサ、地磁気センサなどによって構成される小型の慣性センサユニットを靴に装着することで、場所に依存せずに人の様々な歩き方の特徴を一歩毎に3次元計測することが可能になった。また、考え事をしながら歩いたときの特徴から、過去の転倒経験を判別することが可能になった。
従来技術・競合技術との比較
従来は、巻き尺やストップウオッチを使用して人の歩幅や歩行周期を実測していたが、一歩毎の歩行特性の詳細な測定は困難であった。本発明では、歩幅、歩行速度、爪先高さなどの3次元歩行特性を一歩毎に測定し、歩行能力の診断に必要な情報を提示することが可能になった。横歩きや後ろ歩き時の歩行特性も計測可能である。
新技術の特徴
・足の3次元動作(歩幅、速度、床から爪先までの高さ、軌跡など)を一歩毎に測定し、動作解析ができる。
・横歩きや後ろ歩き時の歩行特性計測にも対応可能である。
・考え事をしながら歩くことの危険性を啓蒙することができる。
想定される用途
・健常高齢者などの歩行能力評価
・歩行機能に関するリハビリ評価
・スポーツ選手の動作解析
関連情報
・展示品あり
- 計測
2)煙の充満した火災現場でも動作する火災位置特定センサ
弘前大学 大学院理工学研究科 知能機械工学コース 准教授 岩谷 靖
新技術の概要
煙の充満する火災現場において、要救助者と火源の探索は、危険と困難を伴うものである。そこで、本発明では、室内で音波を発信し、音波の炎非透過性と煙透過性を利用することにより、煙中でも火炎の有無や火源位置を特定することが可能なセンサを提供する。
従来技術・競合技術との比較
従来の火災報知器では、火炎が煙に包まれると十分に検知できず、電磁波やカメラ等を使った火炎検出器では煙が充満すると火炎が観測できくなり、温度を利用したものだと、壁などが熱せられると火炎との区別がつかなくなる、といった課題があった。
新技術の特徴
・カラーカメラやサーモグラフィで使用される電磁波よりも波長の長い音波を使用するため、煙中でも使用可能。
・音を使うことにより、従来視認できない火炎も検知可能。
想定される用途
・火炎検出センサ
・消防ロボット
関連情報
・サンプルあり
- 計測
3)高性能・大開口径液晶レンズとその応用
秋田大学 大学院理工学研究科 数理・電気電子情報学専攻 准教授 河村 希典
新技術の概要
機械的駆動部を必要とせず、電子的に焦点距離を連続的に制御可能な大開口径のフレネル屈折率分布型液晶レンズのコア技術である。本技術の液晶レンズは、少数の輪帯電極でも滑らかな放物面状の光学位相差分布を実現でき、これまでの液晶レンズに比べ液晶層の利用効率が高く、駆動周波数の帯域が広い特徴をもつ。
従来技術・競合技術との比較
競合技術として、伝導性の水溶液と非伝導性の油の境界面を電気的に膨張することで曲率を変化させ、レンズ特性を発現する「液体レンズ」がある。レンズ直径が2~3mm程度と比較的小さく、印加電圧が~60Vと高電圧である。振動や重力等の影響により縦置きでの大開口径のレンズ特性を得ることができない。
新技術の特徴
・比較的少数の輪帯電極により滑らかな放物面状の光学位相差分布(レンズ特性)を実現。
・良好なレンズ特性を保ち、実効的に有効レンズ径を拡大可能。
・液晶レンズにおける液晶層の利用効率が高く、駆動周波数帯域が広い。
想定される用途
・視力矯正のための超薄型焦点可変眼鏡レンズ
・光学計測装置用の焦点可変レンズ
・光学センサの収差補正制御素子
関連情報
・サンプルあり
- 計測
4)痙縮の重症度評価支援システム
秋田大学 大学院理工学研究科 数理・電気電子情報学系 技術職員 齋藤 正親
新技術の概要
従来痙縮の重症度評価は、MAS評価項目に基づいて医師が主観で評価しており、医師の経験に依存しない客観的な評価が困難であり、また、MASは分解能が低く、リハビリ過程においてその回復具合を評価しにくいという課題があった。本技術はモーションセンサのみの簡易な構成で、定量的かつ高分解能な評価を支援可能なシステムを提供できる。
従来技術・競合技術との比較
力覚センサとジャイロセンサを用いてパーキンソン病患者の筋強剛を評価する技術が公開されているが、モーションセンサのみを用いる本技術に比べて構成が複雑である。また、筋強剛と痙縮は症状が異なるため。従来技術をそのまま痙縮の重症度評価に適用可能か不明である。
新技術の特徴
・モーションセンサのみを用いるため構成が簡易である。
・医師の経験に依らず定量的かつ高分解能な評価が可能である。
・筋緊張を動態のみから評価する技術である。
想定される用途
・痙縮の重症度評価支援システム
・経験の浅い医師の痙縮診断に関する教育システム
- 計測
5)高齢者・嚥下障害者のための「食事見守りシステム」の開発
岩手大学 理工学部 システム創成工学科 助教 佐々木 誠
新技術の概要
人工知能の一つである機械学習を用いて、食事ペース、危険な食べ方、咳、むせ、異常時のボディーサインなど 様々な食事状態を検出する技術。
従来技術・競合技術との比較
本技術を用いることで、個人に適したより良い食事指導の実現や、嚥下リハビリテーションへのフィードバック、異常状態の通知等が可能となる。
新技術の特徴
・機械学習による食事見守りアルゴリズム
・状態検知には、経験的知識や医学的知見を利用可能
・計測装置は、ウェアラブルデバイス、室内設置型デバイスなどを自由に選択可能
想定される用途
・リストバンド型のウェアラブル食事見守りデバイス
・室内設置型の食事見守りデバイス
- 計測
6)高齢者・嚥下障害者のための「舌機能評価・訓練システム」の開発
岩手大学 理工学部 システム創成工学科 助教 佐々木 誠
新技術の概要
嚥下機能と密接に関わる舌機能を、①時間的、空間的な力発揮特性として定量化する評価技術と、②その評価結果に基づいた訓練を可能にする訓練技術。
従来技術・競合技術との比較
舌全体で発揮した最大舌圧のみに着目する従来技術に対して、瞬発力、持久力、巧緻性などの詳細な機能評価が可能になり、個人に適した訓練の実施や訓練効果の可視化が可能となる。
新技術の特徴
・舌の時間的、空間的な力発揮特性を可視化する技術。
・舌の力発揮特性を、最大筋力、瞬発力、持久力、巧緻性などの視点で定量的に評価できる。
・個々人の力発揮特性に基づいた舌機能訓練を実施できる。
想定される用途
・力発揮特性に着目した舌機能評価、訓練装置
・舌機能に着目した嚥下能力の簡易検査機器
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