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スマートコミュニティ 新技術説明会

日時:2016年06月23日(木) 10:55~15:55

会場:JST東京本部別館1Fホール(東京・市ケ谷)

参加費:無料

主催:科学技術振興機構、名古屋工業大学、岐阜大学、三重大学

発表内容詳細

  • 通信

1)スマートコミュニティを支えるインプラント医療機器の高精度位置検出

名古屋工業大学 大学院工学研究科 電気・機械工学専攻 助教 安在 大祐

新技術の概要

本技術はインプラント医療機器の高度な制御や正確な診断で必要となる機器位置の高精度な推定を可能とする。インプラント医療機器が発信する無線信号の変動特性を利用した位置推定方式の開発により、個々人の体型などで決定されるシステムパラメータについても位置と同時に同定し、1cm以下の精度で機器位置の推定を実現する。

従来技術・競合技術との比較

従来のインプラント機器位置推定技術では、特定のデバイスを付加する必要性や人体や周辺環境に依存するシステムパラメータを事前測定により決定(あるいは補正)する必要があった。本技術の特徴として、インプラント機器位置を無線通信信号によって推定するだけでなく、システムパラメータ同定も同時に実現可能であるため、個々人に対して事前測定を必要とせず高精度な位置検出が可能である。

新技術の特徴

・埋込み型インプラント機器の高精度な位置推定
・マイクロ波による簡易かつ安全なシステム

想定される用途

・カプセル内視鏡の高度診断
・インプラント機器への無線電力伝送

  • 情報

2)サービス指向WSNによる汎用環境情報収集システム

名古屋工業大学 大学院工学研究科 情報工学専攻 教授 伊藤 孝行

新技術の概要

近年、センサでの情報収集による農業や災害時の被害把握などが多く行われている。しかし、農業や災害把握のためのセンサ類は高価な製品が多く、大規模化が困難である。我々は、多様なセンサを容易に接続可能にするシステムにより、通常時は農業・海洋センシング、災害時には災害状況の把握に活用できるセンサシステム開発を行っている。

従来技術・競合技術との比較

センサには電源の違いやインターフェースの違いがあり、多くのワイヤレスセンサシステムは、自由にセンサを接続することが困難である。そこで我々は、多様なセンサが簡単に接続可能なシステムを構築すると同時に、必要な時に必要なセンサを接続することで、高価なセンサ資源を有効活用できる。

新技術の特徴

・異種センサを容易に接続できるハードウェアおよびソフトウェア技術
・高価なセンサ資源を有効利用可能なシステム
・短時間で設置が可能であり、持ち運びが可能なセンサシステム

想定される用途

・大規模災害時に即座に現地に持って行き、状況把握に活用できる。
・農業において、高価なセンサを必要に応じて融通し合う用途で。
・平常時は農業用や海洋環境の情報収集を行い、災害時には災害状況の把握するためのセンサシステムとして。

関連情報

・展示品あり

  • 情報

3)運転支援・品質管理等に応用できる画像物質判別法

岐阜大学 工学部 電気電子・情報工学科 准教授 加藤 邦人

新技術の概要

特定の波長の光をどの程度反射するかは物質を構成する成分によって決まるため、物質毎に分光反射特性は異なる。特に近赤外光領域では、可視光に影響されることなく、特有の分光反射特性を持つものが多い。この物質により分光反射特性が異なる性質を利用した領域分割手法の開発により、従来では難しかった物質判別が可能となった。

従来技術・競合技術との比較

本手法は近赤外領域における物質毎の分光反射特性を用いるため、可視光領域である色の影響を受けない。これにより安定して物質の判定が可能となった。本手法は、自動運転に向けた走行環境中のアスファルト、コンクリート、歩行者、植物等の判別や、異物混入検査等への応用が可能である。

新技術の特徴

・色の影響を受けずいろいろな物質を判別することができる。
・少ない波長の近赤外画像から高精度に特定物質を検出可能。
・物質の分光反射特性を機械学習することで、判別するため応用範囲が非常に広い。

想定される用途

・安全走行支援、自動運転での走行環境理解
・異物混入の検出
・ユーザインターフェースへの応用

関連情報

・サンプルあり

  • 材料

4)種々の基板上へ成膜可能な熱電変換高分子膜の開発

名古屋工業大学 大学院工学研究科 電気・機械工学専攻 准教授 岸 直希

新技術の概要

高分子系熱電変換材料であるポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)-ポリ(スチレンスルホン酸)のウェットプロセスコーティングにおける成膜性を改善し、種々の基板上への均一な成膜を可能とすると同時に、熱電特性も向上させる技術を提供する。本技術は100℃以下の廃熱を効率よく電力に変換するフィルム型熱電変換素子への展開が可能である。

従来技術・競合技術との比較

ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)-ポリ(スチレンスルホン酸)のウェットプロセスコーティングにおいては、基板の種類によってはその濡れ性が低く、成膜の均一性に課題があった。本技術では適切な界面活性剤を添加することにより各種基板に対し高い濡れ性を実現し、膜の均一性の改善を実現したものである。

新技術の特徴

・簡易なウェットプロセス成膜にて種々の基板上へ作製可能。
・軽量・フレキシブルなフィルム型素子への展開が可能。

想定される用途

・フィルム型フレキシブル熱電変換素子

  • 材料

5)気体放電を利用した簡便な繊維状カーボンナノチューブ作製プロセス

三重大学 大学院工学研究科 電気電子工学専攻 准教授 佐藤 英樹

新技術の概要

カーボンナノチューブ(CNT)を電極表面に薄膜状に塗布し、気体中で電圧印加し、絶縁破壊による放電を発生させると、繊維状のCNTが電極間を架橋する。この現象を利用することで、直列に配列した繊維状CNTを容易に形成することが可能である。

従来技術・競合技術との比較

CNTの紡績では、従来は化学気相成長法で垂直配向CNTを成長させ、ここからCNTを引き出す方法が用いられている。この方法では、CNTの長さがおよそ100µm以上の長尺である必要があった。本発明では、長さ10µm程度の短いCNTでも配向繊維形成が可能である。

新技術の特徴

・配向繊維形成が簡易なプロセスで可能。
・長さの短いCNTでも配向繊維形成が可能。
・ドライプロセス

想定される用途

・CNT紡績
・各種センサー
・SPMなどのCNTプローブ作製法

  • エネルギー

6)次世代電池のための機能性分子内包カーボンナノチューブ

名古屋工業大学 大学院工学研究科 生命・応用化学専攻 助教 石井 陽祐

新技術の概要

カーボンナノチューブの内部空間に機能性分子を内包することで、高容量・長寿命な電池電極を実現できることを確認した。内包分子の種類・構造を工夫することで、多価イオン電池などの次世代高容量電池への応用も可能である。

従来技術・競合技術との比較

リンや硫黄などの元素は、リチウムイオン電池やナトリウムイオン電池のための高容量活物質として注目されている。しかし、これらの元素は充放電時に電解液へ溶出しやすいため、サイクル特性に問題があった。本技術を利用することで、活物質の溶出を大幅に抑制可能である。

新技術の特徴

・カーボンナノチューブのチューブ内に電極活物質分子を内包。
・電極活物質の電解液への溶出を抑制。
・導電性のある自立膜を作成可能であり、集電体フリーの電極として利用可能。

想定される用途

・リチウムイオン電池電極
・キャパシタ電極
・多価イオン電池電極

  • エネルギー

7)斜めの太陽光発電パネルでも日射量や発電量を信頼度付きで予測

岐阜大学 大学院工学研究科 環境エネルギーシステム専攻 教授 小林 智尚

新技術の概要

太陽光発電が普及し続けている。しかし太陽光発電は晴れ・くもりなど天気の変化によって大きく変わる。天気の変化によって太陽光発電の発電量が変化して電力網の供給電力が不安定になってしまう。天気の変化予測とその信頼度を推定し、電力網全体の戦略的統合マネージメントを可能にする情報を提供する。傾く太陽光パネルで予測できるのが特徴である。

従来技術・競合技術との比較

特徴は2点ある。ひとつは物理気象予報モデルを用いて天候を正確に予測する。さらに予測条件を変化させて複数予測することにより、可能性のある気象予測を計算し予測信頼度を含めた気象予測を提供する。もうひとつは物理モデルに基づき直達日射・散乱日射を分離して計算することにより任意の方位角・傾斜角の太陽光パネルに入射する日射強度を信頼性を合わせて予測する。

新技術の特徴

・物理気象予報モデルによる精度の高い予測技術
・予測値の信頼性を含めた日射強度予測技術
・傾いた太陽光パネルでも日射強度を信頼度をつけて予測が行える技術

想定される用途

・商業電力網での電力需給計画の最適化
・スマートシティでの電力需給計画の最適化

関連情報

・サンプルあり

  • エネルギー

8)SiC光陰極による人工光合成

名古屋工業大学 大学院工学研究科 電気・機械工学専攻 准教授 加藤 正史

新技術の概要

我々はシリコンカーバイド(SiC)を人工光合成技術用の材料として応用することを提案しており、これまでに耐久性に優れるSiCを光陰極とすることで、SiCの腐食を防ぐことが可能であることを見出している。今回の新技術では、更にSiC光陰極による人工光合成におけるエネルギー変換効率の向上法を提案する。

従来技術・競合技術との比較

従来の人工光合成用材料は粉末状のものがほとんどであり、その場合、還元反応と酸化反応が同じ場所で起こり、生成物の分離が困難であった。また、耐久性とエネルギー変換効率を両立させるのも困難であった。SiC光陰極は電極構造のため、表面で還元反応のみを起こすことが可能であり、さらに耐久性と変換効率に優れている。

新技術の特徴

・耐久性が高く、長期間のエネルギー変換が可能
・高いエネルギー変換効率
・分解後の生成物の分離が容易

想定される用途

・水素生産
・燃料生産

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

名古屋工業大学 産学官連携センター

TEL:052-735-5627 FAX:052-735-5542
Mail:c-soccアットマークadm.nitech.ac.jp
URL:http://www.nitech.ac.jp/

岐阜大学 研究推進・社会連携機構

TEL:058-293-2025 FAX:058-293-3346
Mail:orchidアットマークgifu-u.ac.jp
URL:http://www.gifu-u.ac.jp/

三重大学 知的財産統括室

TEL:059-231-5495 FAX:059-231-9743
Mail:chizai-mipアットマークcrc.mie-u.ac.jp
URL:http://www.mie-u.ac.jp/
新技術説明会について

〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町

TEL:03-5214-7519

Mail:scettアットマークjst.go.jp

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