説明会の
お申込み

ライフサイエンス分野 新技術説明会(1)

日時:2016年06月02日(木) 12:55~15:30

会場:JST東京本部別館1Fホール(東京・市ケ谷)

参加費:無料

主催:科学技術振興機構、茨城大学、宇都宮大学、群馬大学、埼玉大学

発表内容詳細

  • 医療・福祉

1)心の疾患“うつ病”の病状を判定する血液検査方法

群馬大学 大学院医学系研究科 遺伝発達行動学分野 助教 宮田 茂雄

新技術の概要

白血球に発現しているマーカー遺伝子の量を測定することで、中高年のうつ病患者の病状を客観的に判定する方法を開発した。精神科医が問診によって判断したうつ病患者の病状と、患者の白血球に発現しているマーカー遺伝子の量が相関しているため、本発明によってうつ病の病状を生化学的に判定することが可能である。

従来技術・競合技術との比較

うつ病は目に見えない心の疾患であり、精神科医の問診によってその診断が行われている。PET(陽電子放射断層撮影)やNIRS(近赤外線分光法:光トポグラフィー)などによる脳画像診断が補助的に使われ始めているが、それらを利用できる医療施設は限られており、汎用的な検査法とは言えない。本発明は血液検査のため簡便であり、うつ病の病状を診断する新たな補助的検査法になりうる。

新技術の特徴

・問診(すなわち、患者の主観的体験)からしか知り得なかったうつ病の病状を、客観的に判定できる。
・遺伝子発現量の解析は簡便であり、多検体を一度に解析できる。

想定される用途

・簡易測定キットおよび解析機器
・受託臨床検査

関連情報

・外国出願特許あり

  • アグリ・バイオ

2)植物細胞診断:植物工場における最適な光強度の設定

宇都宮大学 バイオサイエンス教育研究センター 准教授 児玉 豊

新技術の概要

人工栽培環境(植物工場など)において植物が望む光強度(栽培に最適な光強度)を細胞診断から知ることができる技術である。とくに、普及が進んでいるLED照明に関しては、植物細胞の診断から、白色光や青色光の光強度を最適に設定することが可能である。

従来技術・競合技術との比較

人工栽培環境で植物を育てる場合、従来は、個体の表現型から、植物が育ちやすい環境を作り出してきたため、大きく育つまで最適な光環境を知ることができなかった。一方、本技術を使えば、植物細胞の診断によって、生育初期から最適な光環境を作り出せるだけでなく、植物が望む光強度をリアルタイムで知ることができる。

新技術の特徴

・植物の生育初期から最適な光環境を作り出せる。
・植物が望んでいる光強度をリアルタイムに知ることができる。

想定される用途

・植物工場における光環境の整備

  • 医療・福祉

3)試験管内進化法による迅速な次世代抗体のスクリーニング技術

埼玉大学 大学院理工学研究科 教授 根本 直人

新技術の概要

次世代抗体として注目されているラクダ科一本鎖抗体(VHH;Nanobody)を人工DNA合成し進化分子工学の技術であるcDNAディスプレイ法により試験管内淘汰し、従来の抗体では作製できない抗原に結合する認識分子を創製することが可能となった。

従来技術・競合技術との比較

従来の抗体は動物を必ず利用して免疫することが必要であったが、本技術では動物や細胞を一切使用せずに試験管の中のみで次世代抗体をスクリーニングすることができる。

新技術の特徴

・迅速性
・安価
・従来の抗体では取得できない抗原に対しても可能

想定される用途

・診断薬
・創薬
・環境測定

関連情報

・サンプルあり

  • 医療・福祉

4)PRKACA遺伝子を使用した副腎性クッシング症候群の迅速簡易診断法の開発

群馬大学 医学部附属病院 患者支援センター 助教 中島 康代

新技術の概要

副腎皮質の腫瘍や過形成により引き起こされる副腎性クッシング症候群の原因として、これらの腫瘍の37%にPRKACA遺伝子の体細胞変異が認められることが報告された(NEJM 2014,Vol.370,No.11)。我々は変異PRKACA遺伝子の存在を安価で迅速かつ簡便に検出するRFLP法(制限酵素断片長多型解析法)による検出用キットを世界で初めて開発した。

従来技術・競合技術との比較

従来の腫瘍からの遺伝子変異の検出は、腫瘍より採取したgenome DNAなどを用いたサンガーシークエンスで行われている。我々の用いるRFLP法での変異検出法は、サンガーシークエンスと比較し安価で迅速かつ簡便であることが特徴である。

新技術の特徴

・迅速
・簡便
・安価

想定される用途

・副腎腫瘍の鑑別診断
・副腎性クッシング症候群の確定診断

関連情報

・サンプルあり

  • 医療・福祉

5)近赤外蛍光を発する金ナノ粒子の創製と腫瘍細胞の蛍光染色

宇都宮大学 大学院工学研究科 物質環境化学専攻 准教授 上原 伸夫

新技術の概要

310nmに吸収波長を持つ非発光性金ナノ粒子と可視部に蛍光を発する発光性金ナノ粒子とを用い、熱応答性高分子を媒介させることにより創製した金ナノ複合体を創製した。この金ナノ複合体は近赤外領域である830nmに極大蛍光波長を持つ強い蛍光を発する。

従来技術・競合技術との比較

この方法は、二種の金ナノ粒子を出発材料とする全く新しい創製方法である。また、使用する熱応答性高分子に共重合されているアミノ基を起点に細胞認識部位を導入することが容易である。近赤外光は細胞透過性に非常に優れている。

新技術の特徴

・近赤外光を発する。
・新規な創製方法である。
・化学修飾が容易である。

想定される用途

・がん細胞の診断薬
・CT用の造影剤
・がん細胞の光線力学的治療

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

茨城大学 社会連携センター 産学連携課

TEL:0294-38-5005 FAX:0294-38-5240
Mail:ccrd-iuアットマークml.ibaraki.ac.jp

宇都宮大学 地域共生研究開発センター

TEL:028-689-6318 FAX:028-689-6320
Mail:chizaiアットマークmiya.jm.utsunomiya-u.ac.jp

群馬大学 産学連携・知的財産活用センター

TEL:0277-30-1171~1175 FAX:0277-30-1178
Mail:tloアットマークml.gunma-u.ac.jp

埼玉大学 オープンイノベーションセンター

TEL:048-858-3849 FAX:048-858-9419
Mail:coic-jimuアットマークml.saitama-u.ac.jp
新技術説明会について

〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町

TEL:03-5214-7519

Mail:scettアットマークjst.go.jp

Go Top