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千葉大学 新技術説明会

日時:2017年02月28日(火) 10:00~11:55

会場:JST東京本部別館1Fホール(東京・市ケ谷)

参加費:無料

主催:科学技術振興機構、千葉大学

後援:特許庁

発表内容詳細

  • 材料

1)チタン-銅-有機ハイブリッド細孔性結晶の発明と一酸化炭素選択酸化への応用

千葉大学 大学院理学研究科 基盤理学専攻 准教授 泉 康雄

新技術の概要

チタン-銅-有機ハイブリッド細孔性結晶ができることを見出した。結晶中、チタン原子-酸素原子-銅原子が結合することで、不均一系触媒の界面サイトを結晶構造の一部に取り込んだモデルになっている。これを一酸化炭素選択酸化へ応用したところ、従来最高活性の銅-酸化セリウム触媒を凌ぐ活性が示され、水素純化用に有望であることが示された。

従来技術・競合技術との比較

上記の銅-酸化セリウム触媒および金触媒が従来技術となるが、チタンおよび銅と安価な材料から構成されるのが第一の長所となる。また一般の複合形態ではなく、結晶状であるため、更なる活性向上制御も容易である。水素生成技術としては圧力スイング法やパラジウム膜分離も競合技術となるが、設備やコストの規模が大きく、本技術では広くパーソナルな用途展開が可能である。

新技術の特徴

・細孔性結晶を用いてCO選択酸化が可能であること。
・用途に応じて、適宜結晶構造をチューンして目的の作用を推進できること。
・安価な材料から構成されること。

想定される用途

・家庭用燃料電池システムでのCO除去
・水素供給ステーションでのCO除去
・防毒マスク用

関連情報

・サンプルあり

  • 材料

2)金属半導体複合構造によるフォノンを用いた室温動作可能な赤外受光・発光素子

千葉大学 大学院工学研究科 人工システム科学専攻 教授 石谷 善博

新技術の概要

半導体/高導電材料とのストライプや格子状などの複合構造により、赤外からTHz波を生成し、半導体における複数フォノン準位と電子系の連続状態間でおこる量子干渉効果を用いて光吸収スペクトルを制御して室温で光利得を得ることによりテラヘルツ域におよぶレーザ光を生成する。また損失が少ない狭帯域光検知器光が作られる。

従来技術・競合技術との比較

既存の量子カスケードレーザでは一般に発振周波数減少に伴って動作温度の低温化が必要であり、例えば1.8THzでは最高温度163Kでの動作が報告されている。トンネル共鳴ダイオードの室温レーザ発振の周波数は1.46THzの報告がある。これらの発振波長の長波長化、短波長化は高調波を用いる方法以外は困難である。

新技術の特徴

・金属、半導体複合構造による電気双極子生成による。
・2つ以上のフォノンまたはフォノン、プラズモン結合モードを用いた電磁誘起透明化による室温動作低閾値レーザ。
・フォノンまたはフォノン・プラズモン結合モードを用いた狭帯域赤外・THz波検知器。

想定される用途

・生体その他の有機物の分子構造同定。
・THz波を用いた光通信用:レーザおよび光検知器。
・広くTHz波から中赤外までの光学的物質評価。

  • 情報

3)ホログラフィック再生像をよりきれいに再生する技術

千葉大学 大学院工学研究科 人工システム科学専攻 准教授 下馬場 朋禄

新技術の概要

ホログラフィは3次元ディスプレイ、特殊な光学素子、大容量メモリ、セキュリティといった様々な分野で利用されるが、記録時に光を拡散させる必要がありランダム位相を付加する必要があった。この技術は1960年代から使用されていたが再生像のノイズ発生要因になっていた。本発明では、ランダム位相を使用しないホログラムの生成手法について考案した。ランダム位相を使用しないためノイズを大幅に軽減でき、ホログラムの計算時間も短縮できる。

従来技術・競合技術との比較

・ ランダム位相は1960年代から使用されていたが、再生像のノイズ発生要因になっていた。
・ このノイズを軽減するために、異なるノイズを持つ複数枚のホログラムを計算しておき、これらのホログラムを高速に表示切り替えすることでノイズの平滑化を行う手法がある。
・ 他のノイズ軽減手法に、既知情報を利用して反復最適化をホログラムに対して行う手法も知られている。

新技術の特徴

・本発明により、大幅なスペックルノイズの軽減が可能。
・従来手法ではランダム位相により発生していたノイズを平均化するために、多数のホログラムを計算する必要があったが、 本発明では1枚のホログラムを計算するのみで良いため、計算時間の短縮にも効果。
・ホログラムを高速に切り替え表示しなくてよく、一般的な表示素子を使うことができる。

想定される用途

・3次元ディスプレイ
・プロジェクタ
・光学素子

  • 医療・福祉

4)超音波による生体内の脂肪酸種判定で健康リスクを低減

千葉大学 フロンティア医工学センター 教授 山口 匡

新技術の概要

脂肪酸種は各種疾患の大きな特徴の一つであるが、従来の医用画像診断では、生体中の脂肪の種類を判定することはできず、生化学検査が必要となる。本技術では、生体組織の音響物性を指標として脂肪酸種を判定することが可能である。本技術を超音波診断に適用することで、例えば肝臓内に蓄積された脂肪種を正確に判定し、単純性脂肪肝と進行性の疾患との別などをリアルタイムで診断できることになる。

従来技術・競合技術との比較

簡易な生体インピーダンス計測や超音波、CTなどの画像診断モダリティで脂肪蓄積の総量を確認することはできるが、脂肪の特性を知ることができない。生化学検査では脂肪の種別を判定することが可能であるが、血液を採取するために侵襲性があり、かつ、検査結果を得るまでに時間を要する。また、血中脂肪を判定するため、臓器に蓄積されたものと異なる脂肪を検出することも想定される。

新技術の特徴

・非侵襲で脂肪種を判定可能
・生体内組織の診断に適用可能
・繰り返し検査可能

想定される用途

・診断支援
・治療支援
・食品の安全性検査

関連情報

・外国出願特許あり

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

千葉大学 学術研究推進機構 産業連携研究推進ステーション

TEL:043-290-3565 FAX:043-290-3519
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URL:http://www.ccr.chiba-u.jp/
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