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広島県立総合技術研究所 新技術説明会

日時:2017年02月07日(火) 10:00~14:55

会場:JST東京本部別館1Fホール(東京・市ケ谷)

参加費:無料

主催:科学技術振興機構、広島県立総合技術研究所

後援:特許庁

発表内容詳細

  • 医療・福祉

1)遺伝子検査、蛍光目視で簡単判定

広島県立総合技術研究所 保健環境センター 総務企画部 研究員 中廣 賢太

新技術の概要

検査したい複数の標的遺伝子を同時に検査する方法。遺伝子増幅反応時にそれぞれの標的遺伝子を異なる蛍光色素で標識した後に検出試薬を添加し、紫外線照射により発光する色からどの標的遺伝子が検出されたかを判定することができる。

従来技術・競合技術との比較

従来法では、複数の標的遺伝子を同時検査するために標的遺伝子の長さによる区別や蛍光標識した短いDNA配列の結合の有無を利用しているが、前者は電気泳動による分別操作、後者は蛍光を検出するための装置等の高額機器を必要とした。新技術ではこれらの操作、機器が不要で目視で検出遺伝子を容易に判定できる。

新技術の特徴

・複数の標的遺伝子について同時検査が可能。
・反応液の色により、どの標的遺伝子が検出されたかを、目視で簡単に判定できる。
・すべての標的遺伝子増幅法に応用が可能。

想定される用途

・病原微生物の検査
・遺伝子検査による鑑別検査

  • アグリ・バイオ

2)圧力発芽誘導を利用した耐熱性芽胞の迅速測定方法

広島県立総合技術研究所 食品工業技術センター 食品加工研究部 主任研究員 重田 有仁

新技術の概要

芽胞菌は硬い殻を持つ芽胞を形成するため、耐熱性が高く、殺菌処理後も生残しやすい。圧力処理(約1,000気圧)により、芽胞が発芽(殻の一部が分解)して蛍光染色できる。本技術は、圧力および生菌を選択的に染色する色素を利用することで、耐熱性芽胞数を1時間以内に測定する技術である。

従来技術・競合技術との比較

培養法は、培養日数を要するため、食品や作業環境中の菌数を速やかに判定できなかった。一方、近年普及しつつある蛍光染色法は、短時間(数十分)での測定が可能だが、耐熱性芽胞は硬い殻を持つため、蛍光染色することができなかった。本技術では、圧力発芽誘導を利用することで耐熱性芽胞を1時間以内に染色・測定できる。

新技術の特徴

・圧力処理による耐熱性芽胞の発芽誘導
・短時間で様々な菌種の耐熱性芽胞を発芽
・生菌を選択的に染色できる

想定される用途

・液体食品などの菌数検査
・化粧品等の原料水の菌数検査
・工場などの環境中の菌数検査

  • アグリ・バイオ

3)柑橘類果実の腐敗予兆や鮮度を非破壊で選別可能な検査システム

広島県立総合技術研究所 農業技術センター 果樹研究部 主任研究員 竹岡 賢二

新技術の概要

柑橘類果実に紫外LED光と白色LED光を照射してカメラ撮影し、撮影画像の色相、彩度の値から、腐敗の予兆を検出した果実、鮮度の良い果実、鮮度の悪い果実を判別する技術。

従来技術・競合技術との比較

従来技術:レモンの果実腐敗は、貯蔵前後の検品作業を肉眼観察で実施。
競合技術:柑橘等の表面に紫外線を照射して蛍光強度(明度)や色の変化(色相)で判定し、表皮の生傷等を検出する農産物検査装置。
柑橘類果実の既に発生した腐敗や傷を検出する装置は以前からあったが、紫外光画像の色相値・彩度値を用いることで精度良く腐敗の予兆(腐敗する数日前には検出可能)、果実鮮度を判別できる点で競合技術と異なる。

新技術の特徴

・柑橘類の発生済みの腐敗果のみならず、腐敗の予兆のある果実を腐敗する数日前に検出できる。
・可視光下では判別できない柑橘類果実の鮮度の良し悪しを判別できる。
・簡素な部品で成り立っており、ハンディタイプ用の小型化、後付けでのシステム構築の可能性がある。

想定される用途

・柑橘類の選果機へ搭載し、長期貯蔵に適した果実を選別し、貯蔵ロスを軽減する。
・貯蔵倉庫からの出荷時にハンディタイプの装置で判別・除去し、流通・店頭・消費者段階での腐敗発生を予防する。
・直売する農家がハンディタイプの装置を利用し、販売前の果実選別に利用。

関連情報

・外国出願特許あり

  • 製造技術

4)高精度加工を支援するエンドミル加工シミュレーション技術

広島県立総合技術研究所 西部工業技術センター 生産技術アカデミー 生産システム研究部 主任研究員 西川 隆敏

新技術の概要

エンドミル加工における工具のたわみに起因する加工誤差を予測するシミュレーション技術を開発した。振動や摩耗を考慮することにより高精度な誤差予測が可能である。また、グラフィックスハードウェアを用いた高速計算が可能です。予測に基づいた工具経路修正により、高精度加工を実現できる。

従来技術・競合技術との比較

NCデータから工具に作用する切削力を計算するソフトウェアは存在する。本技術では、NCデータから切削力のみならず、工具の振動や摩耗を考慮した加工誤差の予測が可能である。また、実用的な計算時間で計算可能である。

新技術の特徴

・グラフィックスハードウェアの描画機能を用いた高速な加工誤差予測技術
・工具の振動を考慮した高精度な加工誤差予測技術
・工具の摩耗による切削力の増大を考慮した高精度な加工誤差予測技術

想定される用途

・切削シミュレーションソフトの製品化、または、既存CAMソフトへのシミュレーション機能の追加。
・金型などのエンドミル加工における切削条件やNCデータの検証。
・金型などのエンドミル加工における工具経路修正による高精度加工。

  • 製造技術

5)高速かつ均等に加熱冷却可能なヒートアンドクール樹脂成形金型

広島県立総合技術研究所 東部工業技術センター 加工技術研究部 主任研究員 松葉 朗

新技術の概要

複雑形状のヒートアンドクール成形金型を急速に加熱・冷却すると、熱源に近い部分と遠い部分との間で顕著な温度ムラが発生し、成形不良を生じやすい。そこで、通常の鋼と熱伝導性のよい銅を積層した金型構造とし、成形面の形状に合わせて熱伝導性の異なる鋼と銅の各厚さを適切に変えることで、高速かつ均一な金型温度制御を実現する。

従来技術・競合技術との比較

単一材料からなる従来の鋼製金型と比較して、ヒートアンドクール成形過程における成形面の温度ムラを大幅に低減し、同時に加熱冷却時間を短縮することにより、高品質な成形を短時間で実施できる。(試作金型による評価の結果、従来鋼製金型に対して、成形面上の最大温度差を80%以上低減、成形時間を約40%短縮可能)

新技術の特徴

・凹凸状成形面に対しても、温度ムラのない均等な加熱冷却が可能
・高速な加熱冷却によるサイクルタイムの短縮化
・正確に温度制御したヒートアンドクール成形によるウエルドの防止や成形不良の低減

想定される用途

・射出成形や熱可塑性CFRTP圧縮成形などの樹脂成形
・均熱冷却により均等なスキン層形成が必要となる発泡成形
・ダイカスト等の金属成形金型への応用

関連情報

・サンプルあり
・展示品あり

  • 製造技術

6)球面ツールを用いた鋼板とアルミニウム合金板の異種金属接合技術

広島県立総合技術研究所 東部工業技術センター 加工技術研究部 副部長 坂村 勝

新技術の概要

先端がセラミックス球のツールを回転させながら、アルミニウム/鋼を重ねた材料に押し付けるとアルミニウム側に鋼の突起が形成され、このアンカー効果によって接合強度を大幅に上昇させることができる。

従来技術・競合技術との比較

異種金属の接合技術として注目されている摩擦攪拌点接合法では3枚重ね以上の重ね材の接合は不可能であるが、本接合法では3枚重ね以上の接合が可能。また、点接合法として最も多く用いられている抵抗スポット溶接法による接合材に比べて、はく離強度を大幅に向上させることができる。

新技術の特徴

・3枚以上重ねた場合や間に樹脂を挟んだ場合でも接合が可能。
・特に、剥離強度が高く、せん断強度の約8割を達成。
・ツールコストは約1,000円/本と非常に安価。

想定される用途

・輸送機器の軽量化
・各種機械の軽量化
・その他、異種材料の接合が必要とされる部位

関連情報

・サンプルあり

  • 製造技術

7)炭素量の増加を抑制、溶接可能な鋳鋼消失模型鋳造技術

広島県立総合技術研究所 西部工業技術センター 技術支援部 担当部長 藤井 敏男

新技術の概要

木型に変わり、3D-CADで作成したポリスチレン発泡樹脂を用いた消失模型を用いて、鋳鋼の中の炭素量の増加なく、鋳造できる技術である。これまで難しいとされていた炭素量の増加を抑制できたため、溶接ができる鋳鋼品が成形できる技術である。模型は砂型から抜きとる必要がなく、勾配が不用で製品の軽量化と鋳造作業の簡素化が図れる。

従来技術・競合技術との比較

主として炭素量が多い鋳鉄を対象とした従来技術では、炭素量が少ない鋳鋼を鋳造すると、消失模型から発生したガスにより鋳鋼中の炭素量が増加するため、溶接ができない問題が発生する。さらに、残渣により鋳肌表面品質が劣化する。しかし、本技術は炭素量の増加がなく、表面の仕上がりも良く、溶接可能な製品が製造できる。

新技術の特徴

・1600℃という高温の鋳鋼溶湯の吹き替えしがなく、鋳造作業の安全性が高い。
・消失模型から発生する分解ガスを素早く排出できる方案のため、ガス欠陥、炭素偏析による不良低減。
・炭素量が制御されているので、溶接によって割れを生じない品質が確保できる。

想定される用途

・溶接が必要で、多品種少量生産の船舶用鋳鋼部品
・耐食性が必要なステンレス鋳鋼部品

  • 建築・土木

8)汎用機械で簡単に!木材の簡易圧密技術

広島県立総合技術研究所 林業技術センター 林業研究部 総括研究員 藤田 和彦

新技術の概要

木材をオープンタイプのホットプレスで圧縮して硬くする簡易な圧密処理技術である。独自の穴あきステンレス板を用いることで、ホットプレス時に木材から発生する水蒸気による材の損傷を抑え、節部もきれいに圧密することが可能である。また、形状の安定性も良好である。

従来技術・競合技術との比較

競合技術では加熱水蒸気を用いて高温高圧下で木材をプレスして圧密処理を行っており、短時間での加工が可能である反面、専用設備が必要である。本技術では水蒸気を圧力で抑えるのではなく、穴あきステンレス板を用いて逃がすことにより、汎用のオープンタイプホットプレス機での加工が可能である。

新技術の特徴

・オープンタイプのホットプレス機で製造可能。
・伐採直後の乾燥していない高含水率の木材の利用が可能。

想定される用途

・スギなど材が比較的柔らかい木材を利用したフローリングの作成。
・マウスパッドなど事務用品への利用。

関連情報

・展示品あり

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

広島県立総合技術研究所企画部

TEL:082-223-1200 FAX:082-223-1421
Mail:sgkkikakuアットマークpref.hiroshima.lg.jp
URL:http://www.pref.hiroshima.lg.jp/site/hiroshima-soken/
新技術説明会について

〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町

TEL:03-5214-7519

Mail:scettアットマークjst.go.jp

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