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創薬 新技術説明会

日時:2016年12月06日(火) 10:00~12:25

会場:JST東京本部別館1Fホール(東京・市ケ谷)

参加費:無料

主催:科学技術振興機構、東京医科歯科大、福島県立医科大学、福岡大学、富山大学、岐阜薬科大学、滋賀医科大学

後援:特許庁

発表内容詳細

  • 創薬

1)新たなメカニズムでC型肝炎ウイルス(HCV)の感染を阻害する抗体開発

福島県立医科大学 医学部 基礎病理学講座 講師 冨川 直樹

新技術の概要

本技術は、C型肝炎ウイルス(HCV)の宿主側(ヒト)受容体オクルディンをターゲットとした感染阻害抗体(マウスモノクローナル抗体とヒト化抗体)である。本抗体はオクルディンの細胞内取り込みを促進することで、HCV感染を阻害する。また、本抗体のエピトープや細胞傷害性を示さないことを確認済みである。

従来技術・競合技術との比較

他の阻害薬とは異なり、本抗体は生体環境を模倣した培養系でのみHCV感染阻害効果を示す。
また、本抗体は細胞傷害性を示さないことから、副作用は少ない事が予想される。更に、宿主側をターゲットにしたHCV感染阻害薬は未だ臨床応用されていない。

新技術の特徴

・HCV感染阻害効果を示すヒト化抗体を作製済みである。
・作用メカニズムを明らかにしている。
・宿主側を標的としている。

想定される用途

・針刺し事故などにおけるHCV感染直後への投与
・HCV感染者への生体肝移植におけるワクチン的投与
・DAA治療抵抗性を示す患者への投与

  • 創薬

2)粘菌由来化合物の免疫抑制作用と創薬応用

福島県立医科大学 医学部附属生体情報伝達研究所 生体物質研究部門 助教 小椋 正人

新技術の概要

細胞性粘菌の二次代謝産物であるPpc-1を基に合成したプレニルオキシキノリンカルボン酸誘導体(PQA-18)が、サイトカイン産生に重要な役割を果たすp21-activated kinase 2((PAK2)リン酸化酵素の阻害を通して、免疫応答を抑制することを発見した。

従来技術・競合技術との比較

マウス実験の結果、免疫抑制剤FK506(1.0 mg/kg)と比較して、PQA-18の投与量(0.5 mg/kg)を減らしても同等の免疫抑制作用を示した。さらに、6週間の反復投与を行ったところ腎や肝障害等の副作用は認められなかった。PQA-18軟膏は、マウスアトピーモデルの皮膚炎を著しく改善した。

新技術の特徴

・副作用の少ない新しい作用メカニズムに基づく免疫抑制化合物
・血中安定性が高く、投与回数を減らすことが可能(3回/週)
・アトピー性皮膚炎のための軟膏剤への応用が可能

想定される用途

・臓器移植や自己免疫疾患の治療薬や補助薬
・アトピー性皮膚炎のための軟膏剤
・シグナル研究のためのPAK2キナーゼ阻害薬

  • 創薬

3)RNA編集機構を利用した部位特異的RNA変異導入を可能にする新規ガイドRNA

福岡大学 理学部 化学科 助教 福田 将虎

新技術の概要

RNA変異導入技術は、DNA情報を改変しない遺伝子改変技術として注目されている。本技術は、細胞内でA-to-I RNA編集を担うRNA編集酵素を目的部位に誘導し、部位特異的なRNA変異導入を可能にする機能性RNA(編集ガイドRNA)に関するものである。本ガイドRNAは、汎用性の高いRNA変異導入技術開発における基盤的分子に成り得る。

従来技術・競合技術との比較

これまでに例のない新規なRNA変異導入技術であり、簡便な標的設定(標的と相補的な配列で設計できる)が可能である。また、ガイドRNA導入のみで変異導入が可能(タンパク質の導入を必要としない)である。

新技術の特徴

・これまでに例のない新規なRNA変異導入技術
・簡便な標的設定(標的と相補的な配列で設計できる)
・ガイドRNA導入のみで変異導入が可能(タンパク質の導入を必要としない)

想定される用途

・創薬基盤技術
・基礎研究用ツール
・核酸医薬品

関連情報

・外国出願特許あり

  • 創薬

4)アルドケト還元酵素1B10を標的とする低分子肺癌治療薬およびアジュバンド薬

岐阜薬科大学 薬学科 助教 遠藤 智史

新技術の概要

アルドケト還元酵素((AKR)1B10は、がん細胞の生存と増殖の両方に関与することでがん細胞の生存戦略に貢献している。このAKR1B10を阻害する化合物は、抗細胞増殖性の抗がん剤として機能する。また、がん細胞が抗がん剤に対する抵抗性を獲得することを抑制する、抗がん剤アジュバンド薬になりえる。

従来技術・競合技術との比較

本技術は、単剤でも抗がん剤として機能すると考えているが、既存の抗がん剤の作用増強効果や抵抗性克服効果を示す点が特徴的である。このような薬剤はこれまでに上市されておらず、様々な抗がん剤に対して併用による効果が期待されるため、その適応範囲は広いと思われる。

新技術の特徴

・既存の抗がん剤に対する生体防御反応を制御することによる抗がん活性増強効果
・抗がん剤耐性化抑制および抗がん剤に対して抵抗性を獲得した細胞に対する抵抗性克服効果
・最も高活性かつ高選択的にAKR1B10を阻害する点

想定される用途

・抗がん剤(特に肺癌)
・抗がん剤のアジュバンド薬
・AKR1B10の特異的阻害剤

関連情報

・サンプルあり

  • 創薬

5)神経難病(ALSやFTLD)の先制治療に道?

滋賀医科大学 内科学講座(神経内科) 教授 漆谷 真

新技術の概要

認知症において2番目の有病率を有する前頭側頭葉変性症(FTLD)や最難治性神経難病である筋萎縮性側索硬化症(ALS)の原因は、核タンパク質TDP-43が細胞内の核から脱出し、細胞質内でミスフォールドして形成された病的凝集体であるが、本技術はその病的凝集体を特異的に認識する抗体、抗原エピトープおよびその応用に関する。

従来技術・競合技術との比較

従来から、リン酸化したTDP-43と結合する抗体は知られていたが、TDP-43のリン酸化はALSやFTLDの発症において後期の現象であり、早期診断(発症リスク予測を含む)や治療法開発には適していない。本技術は、細胞内の核から脱出し、細胞質内でミスフォールドして形成された病的凝集体を捉え、早期診断や治療を可能とするものである。

新技術の特徴

・神経難病(ALSやFTLD)の原因タンパク質(TDP-43凝集体)と特異的に結合する抗体
・神経難病(ALSやFTLD)の発症リスクを予測する方法
・全く治療方法のない神経難病(ALSやFTLD)の治療薬

想定される用途

・神経難病(ALSやFTLD)の診断薬
・神経難病(ALSやFTLD)の治療薬
・神経難病(ALSやFTLD)の診断や治療に有効なスクリーニング

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

東京医科歯科大学 産学連携研究センター

TEL:03-5803-5346 FAX:03-5803-0286
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福島県立医科大学 医療研究推進課 

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福岡大学 研究推進部 産学官連携センター

TEL:092-871-6631 FAX:092-866-2308
Mail:sanchiアットマークadm.fukuoka-u.ac.jp
URL:http://www.adm.fukuoka-u.ac.jp/fu853/home1/

富山大学 産学連携推進センター

TEL:076-445-6392 FAX:076-445-6939
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URL:http:www3u-toyama.ac.jp/totlo/

岐阜薬科大学 事務局庶務会計課

TEL:058-230-8100 FAX:058-230-8200
Mail:syomuk@gifu-pu.ac.jpアットマーク
URL:http://www.gifu-pu.ac.jp/

滋賀医科大学 研究協力課

TEL:077-548-2082 FAX:077-548-2086
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URL:http://www.shiga-med.ac.jp/sangaku/sangaku.html
新技術説明会について

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Mail:scettアットマークjst.go.jp

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