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医薬・診断 新技術説明会

日時:2016年12月08日(木) 10:00~13:25

会場:JST東京本部別館1Fホール(東京・市ケ谷)

参加費:無料

主催:科学技術振興機構、東京医科歯科大学、聖マリアンナ医科大学、旭川医科大学、産業医科大学、浜松医科大学、関西医科大学、横浜市立大学

後援:特許庁

発表内容詳細

  • 創薬

1)老化した卵子、胚の質の改善剤:CXCL5-CXCR2シグナル制御薬

聖マリアンナ医科大学 医学部 産婦人科学 准教授 河村 和弘

新技術の概要

初婚年齢の上昇により、高齢不妊患者が激増している。加齢による卵子の老化は、着床不全による妊娠率の低下や流産率の増加をもたらし、高齢不妊の最大の原因となっている。発表者は、加齢した胚におけるCXCL5-CXCR2シグナルを制御することで、卵子、胚の質が改善され、体外受精胚移植において妊娠率・出生率を高めることを明らかにした。

従来技術・競合技術との比較

これまで加齢による着床前期胚の質の低下を改善する試みがなされてきたが、有効性の高い方法は開発されていない。その結果、若年女性から卵子提供を受け、体外受精・胚移植により妊娠することが行われているが、倫理的および安全性の問題点が指摘されている。

新技術の特徴

・加齢により低下した卵子、胚の質を改善するための胚培養液
・血清中および卵巣CXCL5値を用いた卵子、胚老化診断法

想定される用途

・胚培養液
・胚老化マーカー
・生殖医療

  • 医療・福祉

2)「紐つき箱つき」でない新規陰茎硬度連続観測計測装置の開発

旭川医科大学 病院臨床研究支援センター 副センター長 松本 成史

新技術の概要

新規装置の技術は可変インダクタンス(L)方式を採用し、陰茎に嵌める柔軟な環状構造物にその伸縮に応じて変位/変形し、Lが変化するコイルとこれを発振要素とする可変周波数発振器を埋込装備し、発振出力を磁界結合で非接触的に外界から観測する。観測された信号周波数の変化から陰茎の太さないし硬さのデータを得る。

従来技術・競合技術との比較

勃起障害診断の従来技術・装置の代表はリジスキャン®で、細いワイヤーの入った2つのループを陰茎先端部と根部に装着、センサ入り本体を大腿や腹部に固定し3夜連続で夜間陰茎勃起現象を測定する。患者にとっては「紐つき箱つき」の状態となる。この装置は既に製造中止になっている。その他の競合技術・装置は存在しない。

新技術の特徴

・ウェアラブル生体情報計測装置
・連続観測

想定される用途

・勃起障害の診断
・労災や自賠責保険の後遺障害診断書の「勃起障害」の認定
・睡眠状態や脈波ベース心拍数の観測

関連情報

・サンプルあり

  • 創薬

3)世界初、手術が不要の注射による簡便な顎骨造成をマウスで成功

東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科 硬組織薬理学分野 青木 和広

新技術の概要

本研究では粒子状のゼラチンハイドロゲルを用いてBMP-2(Bone morphogenetic protein-2)とペプチドOP3-4とを組み合わせた薬剤をマウスの上あごに注射しました。4週間後、注射した部位には明らかな骨造成が認められました。注射1週間後からすでに、骨形成関連遺伝子の発現が亢進していました。

従来技術・競合技術との比較

BMP-2 単独で骨が十分作られる用量を使用すると、ヒト口腔内では歯肉が腫脹するなどの副作用を引き起こすことが指摘されています。このため、BMP-2の使用量を抑えて、骨を効率的に誘導できる骨形成促進薬が求められています。ペプチドOP3-4の作用により、骨形成因子BMP-2単独では不可能であった垂直的な造骨作用が発揮されました。

新技術の特徴

・ ペプチドと骨形成因子を組み合わせた薬剤の注射により、手術を行わずに顎の骨を増やす方法をマウスで開発しました。
・注射した部位において骨形成に関与する遺伝子の発現誘導と骨造成を確認しました。
・ このような患者に負担の少ない骨造成法は、将来、歯科臨床への応用が期待されます。

想定される用途

・顎の骨が少なく入れ歯が安定しない場合
・顎の骨が少なくインプラントが植えられない場合
・顎の骨が少なく移植しなければならない場合

  • 医療・福祉

4)生活習慣病予防を目的とした簡易血液粘度測定装置

産業医科大学 医科物理学 名誉教授 大野 宏毅

新技術の概要

本研究は、極微量(1μL程度)の血液の粘度を電気抵抗測定および流体力学的測定から簡便に評価し、生活習慣病の発症予防や重症化の軽減に寄与するセルフメディケーション支援ツールの開発を目的とする。

従来技術・競合技術との比較

従来の血液粘度測定技術では、測定に数mL程度の血液試料を必要とし、かつ測定操作も煩雑であるため多数の検体を短時間で測定することができない。一方本技術では、極微量(1μL程度)の血液試料を用いて短時間で測定できるため、家庭やかかりつけ薬局の窓口などで簡便に血液粘度の測定が可能である。

新技術の特徴

・血液粘度の測定が極微量(1μL程度)で可能(従来法では数mL)
・簡便に数分程度で血液粘度の測定が可能
・使い捨て測定チップを大量生産することにより安価に測定可能(1枚100円程度)

想定される用途

・可搬据え置き型血液粘度測定器・家庭用携帯型血液粘度測定器の開発
・血液検査事業
・血液粘度測定によるセルフメディケーション、健康管理事業

関連情報

・サンプルあり

  • 創薬

5)NanoSuit法による迅速なナノ粒子同定・定量法の開発

浜松医科大学 再生・感染病理学講座 助教 河崎 秀陽

新技術の概要

NanoSuit法は従来の検体処理を行うことなく迅速に走査電子顕微鏡でウイルスなどのナノ粒子を観察する方法である。ナノ粒子の表面をNanoSuit薄膜で覆うため、帯電効果を抑えかつ安全にSEM観察ができる利点がある。また表面抗原を中和抗体で標識し、直接かつ迅速に標識ナノ粒子を同定判別する技術も独創的である。

従来技術・競合技術との比較

従来のウイルス定量・同定法では直接的な定量が難しく、同定にも時間がかかった。また他のナノ粒子の定量にはナノトラッキング法があるが同定は難しい。NanoSuit法はナノ粒子を直接観察し、定量・同定法を同時に迅速に行う技術である。現在のところNanoSuit法に競合する技術はなく、定量・同定法の新たな技術である。

新技術の特徴

・ガラスサンドイッチ法とNanoSuit法をあわせることによりウイルスを含めたナノ粒子の定量迅速簡便診断法が可能となる
・ウイルス特異的中和抗体とNanoSuit法をあわせることによりウイルス粒子同定方法の迅速簡便診断法が可能となる
・その他ナノ粒子の新たな定量・同定法の開発

想定される用途

・NanoSuit法によるナノ粒子SEM観察用簡易キットの開発
・ウイルス治療における抗体医薬製造への応用
・ワクチン開発におけるスクリーニングへの応用

関連情報

・サンプルあり

  • 創薬

6)新規遺伝子改変マウスと気道過敏性評価法を用いたアレルギー性疾患に対する創薬への挑戦

関西医科大学 耳鼻咽喉科学・頭頸部外科学 講師 神田 晃

新技術の概要

アレルギー性疾患において中心的な役割を果たしている好酸球に注目し、好酸球に特異的に発現する組織傷害性タンパク質の一つであるEDNの一部にCreEGFPを導入することで、好酸球のみを特異的に蛍光発色させたり、EDNの機能的役割を検討したり、好酸球のみを欠損させたマウスを作製することが出来る新規マウスを樹立し、その応用を目指す。

従来技術・競合技術との比較

気道炎症において好酸球を追跡したり、機能的役割を評価したりする事が出来なかったが、該遺伝子改変マウスを用いることで、機序の解明と新しい分子の発見につながる。さらに、上気道抵抗測定装置(特願2015-061415)や開発中のCT画像解析による気道過敏性の評価法を用いることで、総合的に評価することが出来る。

新技術の特徴

・好酸球のみを特異的に蛍光発色する事が出来るため、その生物学的動態を観察することが出来る。
・組織傷害性の顆粒タンパクの一つであるEDNの役割を検討する事が出来る。
・他の遺伝子改変マウスを掛け合わせることで、好酸球欠損マウスを作製することが出来る。

想定される用途

・アレルギー性疾患(喘息、アレルギー性鼻炎、食物アレルギー、アトピー性皮膚炎)のメカニズム解明
・アレルギー性疾患に対する新しい治療戦略となる分子の開発
・アレルギー性疾患に対する① 新薬、② 既存薬再開発、③代替医療(健康食品)の評価

  • 創薬

7)抗動脈硬化剤及び動脈硬化の病態判定方法

横浜市立大学 医学部 循環器腎臓内科学 准教授 石上 友章

新技術の概要

生活習慣病の終末像である、動脈硬化症は、国民の健康長寿の実現に対する、重大な脅威である。本症の成因は明らかでないため、リスク管理と急性期医療に頼るしかなかった。本研究により、脾臓由来の特定のB細胞が活性化することが本症の成因であることが明らかになった。

従来技術・競合技術との比較

動脈硬化症に対する医療は、高血圧、糖尿病、脂質異常症といった生活習慣病対策か、急性期の救急医療に頼るしかなかったが、本発明により新規細胞標的の制御ならびに、新規バイオマーカーを使った根本的な診療が実現する。

新技術の特徴

・血清IgG3/血清IgG測定が、動脈硬化症の病態診断になる。
・脾臓由来B細胞の遺伝子発現を検討することで、動脈硬化症の新規の病態診断になる。
・脾臓由来B細胞の表面マーカーを対象にした抗体医薬が、動脈硬化症の新規の治療剤になる。

想定される用途

・動脈硬化症の病態診断法の開発。
・動脈硬化症の病態診断に基づいた、B細胞を標的にした抗動脈硬化剤の開発。

関連情報

・サンプルあり

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

東京医科歯科大学 産学連携研究センター

TEL:03-5803-5346 FAX:03-5803-0286
Mail:medu-net.tloアットマークtmd.ac.jp
URL:http://www.tmd.ac.jp/tlo/

聖マリアンナ医科大学 MPO株式会社

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URL:URL:http://www.mpoinc.co.jp/

旭川医科大学 知的財産センター

TEL:0166-68-2182 FAX:0166-66-0025
Mail:rs-sr.qアットマークasahikawa-med.ac.jp

産業医科大学 研究支援課

TEL:093-280-0532 FAX:093-691-7518
Mail:chizaiアットマークmbox.pub.uoeh-u.ac.jp
URL:http://www.uoeh-u.ac.jp/IndustryCooperation.html

浜松医科大学 知財活用推進本部

TEL:053-435-2681 FAX:053-435-2179
Mail:chizaiアットマークhama-med.ac.jp

関西医科大学 産学連携知財財産統括室

TEL:072-804-2328 FAX:072-804-2686
Mail:sangakuアットマークhirakata.kmu.ac.jp

横浜市立大学 研究推進部 研究企画・産学連携推進課

TEL:045-787-8936 FAX:045-787-2025
Mail:sangaku@yokohama-cu.ac.jpアットマーク
URL:http://www.yokohama-cu.ac.jp/
新技術説明会について

〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町

TEL:03-5214-7519

Mail:scettアットマークjst.go.jp

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