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日本原子力研究開発機構 新技術説明会

日時:2017年02月23日(木) 09:55~11:55

会場:JST東京本部別館1Fホール(東京・市ケ谷)

参加費:無料

主催:科学技術振興機構、日本原子力研究開発機構

後援:特許庁

発表内容詳細

  • 環境

1)エマルション流の制御を利用した有価物の回収技術

日本原子力研究開発機構 先端基礎研究センター 界面反応場化学研究グループ 研究主席 長縄 弘親

新技術の概要

油のような水と混じり合わない溶媒を用いて、目的成分を分離・精製する溶媒抽出では、水相と油相を混合して目的成分の油相への抽出を促した後、排水のために水相と油相を分離する。この技術は、エマルション流(水と油の乳濁流)の制御により、送液のみで高効率な溶媒抽出を実現する新しい手法である。

従来技術・競合技術との比較

水と油が混合・乳濁した流れ(エマルション流)の発生と消滅を、ポンプ送液だけで簡便に制御できる点が特徴で、以前の発明をさらに発展させた技術である。以前のものと比較して、処理する水溶液の装置内での滞留時間を長くできる、水溶液中の固形成分を積極的に捕捉して回収できる、などの新しい工夫がなされている。

新技術の特徴

・廃液処理コストを従来法の5分の1以下、処理スピードは従来法の10倍以上。
・装置サイズを従来の10分の1以下にコンパクト化。
・排水に油分が混入しないので、環境にやさしい。

想定される用途

・レアメタル等の回収、リサイクルと工業排水の浄化
・油水の分離
・固液分離(固形成分の回収)

  • 環境

2)新規な金属イオン抽出剤及びその利用法

日本原子力研究開発機構 原子力基礎工学研究センター 群分離技術開発グループ 研究主幹 佐々木 祐二

新技術の概要

これまで開発した抽出剤の中で、TODGAは産業界で固体レーザーの結晶としてや超電導材料などに用いられるランタノイドと高い反応性を持ち、大変簡単に回収できる。それに加えて、NTAアミドは高い塩酸濃度の溶液中にあるIn, Ga, Te, Bi, Re, Pdを効率よく分離できる。試料の溶解液の調整を必要とせず、、酸溶液からそのまま回収することが可能である。

従来技術・競合技術との比較

従来からのランタノイドの回収方法は、溶解溶液のpHをコントロールして、回収効率を高めたりしている。ところが、TODGAは酸溶液そのままでかなり高い回収率を誇っている。例えば、従来技術が10%に対して100%である。白金族元素に対して、従来技術で利用される抽出剤はその希釈液に極性溶媒を利用しなければならないが、NTAアミドはあらゆる溶媒に溶解可能である。従って、環境にやさしい抽出溶媒にて利用可能である。

新技術の特徴

・ランタノイド、白金族分離回収
・環境にやさしい抽出溶媒にて利用可能
・溶液の調整なく、溶解溶液からそのままレアメタルを分離回収可能

想定される用途

・鉱物試料からのレアメタル分離回収
・産廃試料からのレアメタル回収
・クロマト用樹脂に含浸し、固液分離技術として応用可能

関連情報

・サンプルあり
・外国出願特許あり

  • 環境

3)2つの非破壊元素分析法のシナジー効果がもたらす恩恵

日本原子力研究開発機構 原子力基礎工学研究センター 原子力センシング研究グループ グループリーダー 藤 暢輔

新技術の概要

J-PARCで得られる大強度中性子ビームを用いる事によって、従来法に比べて飛躍的に峻別性能が向上した非破壊元素分析法を開発した。その結果、分析精度が向上した他、従来法では分析不可能であった試料でも分析可能となった。

従来技術・競合技術との比較

非破壊分析は試料がそのまま再利用でき、余計な手間がかからない等の利点があるものの、複雑な構成元素を持つ試料の場合には分析出来ない事も多かった。新しく開発した分析法では、2つの手法を同時に行うことによってそれらを融合し、融合による相乗効果によって、適用範囲が広がるとともに精度の高い元素情報が得られる。

新技術の特徴

・妨害元素の影響を殆ど受けないため、検出感度が高く、確度の高い分析結果が得られる。
・ppmから%までの幅広いダイナミックレンジで多元素同時分析が可能。
・ホウ素、水素などの軽元素から、水銀、カドミニウムなどの重金属まで幅広く対応。

想定される用途

・貴重な試料の高精度な非破壊・多元素同時分析
・プラスチックや合金などの新材料の非破壊・多元素同時分析
・放射性物質を含む試料の非破壊・多元素同時分析

  • 医療・福祉

4)低被ばく化、高情報化を可能とする簡便な医療X線可視化法と新概念検出器

日本原子力研究開発機構 高速炉技術開発部 ナトリウム応用・計測技術開発課 技術副主幹 大高 雅彦

新技術の概要

医療のX線検査装置に適用可能な技術で、考案した画像処理法と新概念検出器を組み合わせると数回の限られたX線透過撮影で被検体内部の3次元情報が得らる。これを可能とする新概念検出器は、従来では得られなかったエネルギー情報が計測可能であると共に、シンプル構造が功を奏し装置への高い実装可能性を有している。

従来技術・競合技術との比較

新技術(画像処理法、検出器)を医療のX線透過撮影装置やX線CT装置に適用した場合、少ないX線照射回数での検査が可能となるため被ばく量の低減が期待できる。また、従来以上に高い情報量の画像が得られるため検査精度が向上する。

新技術の特徴

・医療X線検査の被ばく低減に寄与。
・数回のX線透過撮影で簡便な断層像が得られる。(健康診断でより精度の良い検査が可能)
・X線検査装置への高い実装可能性

想定される用途

・医療用X線検査装置(透過撮影装置、CT装置)
・ペット、小動物用X線検査装置
・医療用の他、工業用X線CT、空港手荷物検査装置等

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

日本原子力研究開発機構 研究連携成果展開部

TEL:029-284-3420 FAX:029-284-3679
Mail:seika.riyouアットマークjaea.go.jp
URL:http://tenkai.jaea.go.jp/
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