説明会の
お申込み

京都工芸繊維大学 新技術説明会

日時:2016年08月09日(火) 12:55~16:00

会場:JST東京本部別館1Fホール(東京・市ケ谷)

参加費:無料

主催:科学技術振興機構、京都工芸繊維大学

発表内容詳細

  • 材料

1)シリカ微粒子が高濃度・均一分散でヒステリシスロスの小さいゴム材料を開発

京都工芸繊維大学 分子化学系 教授 池田 裕子

新技術の概要

粒径の均一なナノシリカをその場(in situ)合成でゴムマトリックスに充てん。シリカ微粒子分散がよく、ヒステリシスロスの少ないゴム材料を実現。

従来技術・競合技術との比較

ゴムにシリカを機械的混合によって充てんするという従来の方法では得られないユニークな天然ゴム系ナノコンポジットの創製に関する研究であり、化学的手法に基づくin situナノシリカ充てんのゴム工業への魅力あるシーズ創生を目的とした試験研究と位置づける。

新技術の特徴

・nmオーダーのin situシリカを分散性良く約70重量部まで高充てんしたゴム系ソフトナノコンポジットに関する特許
・ナノフィラーを均一充てん後に汎用の加工機を用いて種々の形に成形して製品化できるシーズ技術
・これまでの反応時間より短時間でテトラエトキシシランのシリカへのゾル-ゲル高反応率を達成できる大学発のオリジナル技術

想定される用途

・製造コストの観点から、少量で付加価値の高い用途が望まれる。
・特に、高強度および低ヒステレシスロス、柔軟性が要求される非黒色系ゴム材料の用途に適している。

  • 計測

2)やわらかさの数値化・計測テクノロジーの実用化と展開

京都工芸繊維大学 繊維学系 教授 佐久間 淳

新技術の概要

「やわらかいモノの『やわらかさ』」は数値で表すことが技術的に難しかったものの、その弾性(柔さ)については発表者らが開発した計測システムで定量評価できるようになった。さらに、ここで課題とするヒト触感に則して「やわらかさ」を数値化する新たな基盤技術を新開発した。

従来技術・競合技術との比較

メカトロ駆動など複雑で高価な従来技術と比べて、簡素で廉価な計測システムを実用化できる。さらに、簡素な構造なので、小型化と高機能化が容易となっている。

新技術の特徴

・とても短い時間で測定、および定量評価できる。
・小型で廉価に実用化できる。
・機能の拡張が容易。

想定される用途

・低侵襲性を活かした柔らかい樹脂やゴム製の工業品の検査
・客観的な定量評価が困難とされていた食品の品質管理、製品開発
・布や紙、樹脂シートなど、定量評価が難しい柔らかい試料の検査

関連情報

・デモあり
・展示品あり

  • 材料

3)親水性分子の光学分割能を実現するクロマトグラフィー分離媒体の発明

京都工芸繊維大学 分子化学系 准教授 池上 亨

新技術の概要

自然界の糖はほとんどがD体、アミノ酸はほとんどがL体として存在する。このホモキラリティが発生した原因は、依然として謎のままである。親水性分子の保持と識別に加え、光学分離能を有する分離媒体を開発することで、この問題の解決に切り込む手段を提供できる。

従来技術・競合技術との比較

光学分割用のHPLC分離媒体は多数市販されているが、親水性分子の保持に特化したものはない。親水性分子の分離分析用のHPLC分離媒体の中で、光学分割が可能なものも知られていない。本発明は、この二つの分離モードの折衷を実現するものである。

新技術の特徴

・アミノ酸含有型のモノマーを重合修飾したHPLC分離媒体であり、糖や核酸、アミノ酸などの分離分析に使用できる。
・原始の地球の形成と、生命の誕生、動植物の進化の過程に迫る情報を提供できる可能性がある。
・L型の糖を用いた機能性食品、化粧品などの研究開発に有用な情報を提供する。

想定される用途

・糖や核酸、アミノ酸などの分離分析
・親水性分子の光学分割

  • 分析

4)超音波を用いた懸濁微粒子の新しい構造・物性解析

京都工芸繊維大学 材料化学系 准教授 則末 智久

新技術の概要

液体中に分散する固体、液体、気体微粒子の構造、サイズ(及び分布)、硬さ、及び分散安定性を、懸濁液の希釈及び乾燥することなく解析可能な「動的超音波散乱法」を開発した。

従来技術・競合技術との比較

走査型電子顕微鏡を用いると多くの場合、試料の乾燥が必要である。また動的光散乱法は液体中の粒子をそのままの状態で見ることが可能であるが、乳濁した試料の測定は困難である。超音波を用いることでこの問題を克服している。

新技術の特徴

・超音波を使って光の透過しない材料をそのままの状態で分析可能。
・粒子の動きを試料中の位置の関数として解析可能。イメージング可能。
・ナノ粒子とミクロン凝集体をサイズだけでなく運動様式で識別定量化可能。

想定される用途

・カーボン、金属、セラミック、半導体粒子の液中その場解析。サイズ、分散安定性評価
・エマルションの安定性解析
・粒子合成プロセスのリアルタイム測定、モニタリング

関連情報

・外国出願特許あり

  • 材料

5)多彩な発光性を示す凝集誘起発光性マレイミド色素の高効率合成

京都工芸繊維大学 分子化学系 教授 中 建介

新技術の概要

通常の有機蛍光体とは異なり、溶液状態で発光を示さず固体・凝集状態で発光を示す凝集誘起発光色素が注目を集めている。本発明では、凝集誘起発光性マレイミド色素を開発し、その高効率合成法を確立することに成功している。さらに、得られた色素は外部刺激に応答した発光色変化やON/OFFが可能であるなど、多彩な発光特性を示す。

従来技術・競合技術との比較

これまでの凝集誘起発光色素は、多数の芳香環を有した複雑な構造で多段階に渡る合成ルートを必要とし、複数の副生成物が含まれることも多い。それに対して、本技術での合成法は市販試薬をワンポットで混ぜ合わせるだけで無触媒条件で進行し、副生成物は水のみという極めてクリーンなものある。

新技術の特徴

・凝集させることで発光性を示す
・合成はワンポット、無触媒で、副生成物は水のみ
・様々な色や刺激応答性を付与できる

想定される用途

・ディスプレイ材料
・センサー材料
・バイオプローブ

  • デバイス・装置

6)3次元ホログラフィックディスプレイと高速応答性フォトリフラクティブポリマーデバイス

京都工芸繊維大学 材料化学系 教授 堤 直人

新技術の概要

【1】デジタルサイネージなどへの書き換え型3Dホログラフィックディスプレイデバイス。
【2】ビデオ速度で書き換えられ、アップデートでき、大面積の動的な3Dホログラフィクディスプレイ。
【3】MHzのオーダー以上に応答する光増幅デバイス。

従来技術・競合技術との比較

従来のホログラム用材料は、化学反応を用いた現像処理後に静止画として鑑賞するもので、書き換えは不可能。書き換え可能なフォトリフラクティブ結晶は、大面積化や薄膜化は不可能。フォトリフラクティブ結晶を用いたデバイスは高価。

新技術の特徴

・光のみで書き換え可能。明るい所でも書き込み、同時再生、さらに消去も可能。
・ポリマー材料を用いるので、薄膜化、大面積化は得意分野。
・安価で信頼性が高い。

想定される用途

・3Dホログラフィックデジタルサイネージ
・リアルタイムホログラフィックディスプレイ
・高速の光増幅デバイス、光変調デバイス

関連情報

・外国出願特許あり

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

京都工芸繊維大学 研究推進課 産学連携推進室

TEL:075-724-7039 FAX:075-724-7030
Mail:chizaiアットマークkit.ac.jp
URL:http://www.kit.ac.jp/
新技術説明会について

〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町

TEL:03-5214-7519

Mail:scettアットマークjst.go.jp

Go Top