説明会の
お申込み

九州大学 新技術説明会

日時:2016年10月13日(木) 10:30~15:00

会場:JST東京本部別館1Fホール(東京・市ケ谷)

参加費:無料

主催:科学技術振興機構、九州大学

後援:特許庁

発表内容詳細

  • 材料

1)大容量多電子反応が可能な水系Mgイオン電池用負極活物質

九州大学 先導物質化学研究所 先端素子材料部門エネルギー材料分野 教授 岡田 重人

新技術の概要

水系ナトリウムイオン電池、さらには水系マグネシウムイオン電池用負極材料として、オキソカーボン類とアザアセン類のハイブリッドである含窒素芳香族、ポリアザアセンジオン系有機物が水溶液中にてナトリウムやマグネシウムゲストに対し、可逆かつ平坦で大容量の充放電特性を示すことを見出した。

従来技術・競合技術との比較

ポストLiイオン電池として、安価安全で大容量多電子反応が可能な水系Mgイオン電池への期待が高かったが、水の電位窓の範囲内にレドックス電位を有し、水系電解液中でMgイオンに対し可逆動作が可能な負極は未だ見つかっておらず、このポリアザアセンジオン系は初めての水系Mgイオン電池用負極活物質となる。

新技術の特徴

・オキソカーボン類とアザアセン類のハイブリッドによる水系負極として最適なレドックス電位の実現。
・C=O、C=N二重結合によるメタルフリー多段レドックス系の実現。
・低密度有機骨格によるNaやMgの複数挿入サイトの確保。

想定される用途

・水系ナトリウムイオン電池用負極活物質
・水系マグネシウムイオン電池用負極活物質

関連情報

・サンプルあり

  • 材料

2)高硬度・ワイドバンドギャップ材料のコーティング法

九州大学 大学院総合理工学研究院 融合創造理工学部門 電気理工学 准教授 堤井 君元

新技術の概要

高品質な立方晶窒化ホウ素(cBN)およびナノダイヤモンドコーティングの気相蒸着法を開発した。本技術は、超硬合金基材上への耐摩耗性コーティングとして利用できる。また高性能な電子源、半導体、誘電体としても利用できる。

従来技術・競合技術との比較

従来技術によるコーティングは、低品質で基材から剥離し易かったが、本技術によるコーティングは、高品質で基材との密着性に優れるため、機械、電気電子、医療応用等に際し有望である。

新技術の特徴

・高硬度、ワイドバンドギャップ
・半導体、金属基材上で高い密着性
・室温~高温での耐酸化性、鉄に対する低反応性

想定される用途

・超硬合金工具、プレス成形用金型等の耐摩耗性コーティング
・耐酸化性電子源
・高温半導体、誘電体

  • 計測

3)分子の自己組織化を利用する簡便・高感度な蛍光センシング

九州大学 大学院工学研究院 応用化学部門 機能組織化学 特任助教 野口 誉夫

新技術の概要

これまで積極的に活用されてこなかった分子の自己組織化を利用した蛍光センシング技術。自己組織化過程を経ることで、従来法では低選択性あるいは検出が困難であった、疾患の指標となるバイオマーカーの蛍光センシングを実現。

従来技術・競合技術との比較

自己組織化現象を利用することで、分子構造の微視的な差異から全く異なる巨視的アウトプットが得られる。これにより、従来技術では困難であった類似構造体の精密識別や標的物質の高S/N比検出が可能となった。

新技術の特徴

・標的物質との自己組織化による精密識別、高S/N比検出
・生理的条件下における高選択的センシング
・洗浄操作が不要な迅速・簡便・高感度センシング

想定される用途

・多検体一斉スクリーニング検査
・臨床化学検査
・環境分析

  • 情報

4)配管経路の自動設計方法およびシステム

九州大学 大学院工学研究院 海洋システム工学部門 船舶海洋性能工学 准教授 木村 元

新技術の概要

設計対象空間中でパイプを通す候補となりうる箇所全てに座標とパイプを通す方向を指示する経由点候補を予め配置し、それら同士が曲がり2個の製作可能なパイプで接続可能かどうかを判定しながら障害物や他の管と干渉しない最小コストの配管経路を探索することを特徴とする配管経路の自動設計方法とそのシステム。

従来技術・競合技術との比較

従来法のほとんどは設計対象空間をパイプ径以上の等間隔格子に分割して経路探索を行うものであり、曲面を有する構造物に沿った配管やS字にカーブするベンドを用いた実用的な自動配管設計は不可能だった。

新技術の特徴

・パイプの材料や加工コストを設定することで最小コストの配管経路を自動的に生成する。
・パイプの取付に都合の良い位置や方向を予め設定できる。
・配管に用いる部材(ベンドやエルボ)の様々な形状制約(曲げ半径や角度制約)を考慮できる。

想定される用途

・船舶、建築設備、プラントの配管設計の自動化
・船舶、建築設備、プラントのエアダクト設計の自動化

関連情報

・サンプルあり

  • 情報

5)予習・復習のためのダイジェスト資料生成技術

九州大学 基幹教育院 自然科学理論系部門 准教授 島田 敬士

新技術の概要

PPTなどで作成されたデジタル教材を画像処理ならびにテキスト処理により分析して、重要度の高いページを中心に選択することで、短時間で内容を把握できる予習用の要約資料を生成できる。また、学習支援システム(LMS)に記録されている学習者の理解度状況や予習状況等に応じて、復習用の要約資料も生成できる。

従来技術・競合技術との比較

従来、要約技術は文章やビデオなどのメディア要約に応用されてきた。本技術は、デジタル教材を対象とした要約技術を開発しており、教育的効果の観点から重要なページを自動的に発見するものである。また、個人適応型の要約資料を生成できる点は、新たな着眼点である。

新技術の特徴

・予習用のダイジェスト資料を生成
・復習用のダイジェスト資料を生成
・個人に適したダイジェスト資料を生成

想定される用途

・授業資料の要約
・研修資料の要約
・教育分野全般

関連情報

・デモあり

  • エネルギー

6)高温超伝導コイルによる高均一磁場の生成法

九州大学 超伝導システム科学研究センター 准教授 柁川 一弘

新技術の概要

高温超伝導テープ線を巻いたコイルの周囲に別途配置した消磁用コイルを用いて交流磁場を短時間印加することにより、磁場均一度を著しく低下させる遮蔽電流磁場を取り除くことができ、設計通りの均一度をもつ磁場環境を生成することが可能となる。

従来技術・競合技術との比較

高温超伝導コイルを単純に励磁すると数%の遮蔽電流磁場が重畳して磁場均一度が著しく低下するため、応用上問題となっていた。そこで、異常横磁場効果に基づいて交流磁場を印加することにより、遮蔽電流磁場を取り除くことが可能となる。本技術の適用により、高温超伝導線を用いたMRI/NMR装置の実現が期待される。

新技術の特徴

・超伝導テープ線に誘起された幅広面内の遮蔽電流を取り除くことができる。
・テープ線の磁化の低減を目的として、有効線幅を小さくする必要がなく、そのまま使用できる。
・遮蔽電流を取り除くために、交流磁場を常時印加する必要はなく、短時間で効果がある。

想定される用途

・磁気共鳴イメージング(MRI)装置
・核磁気共鳴(NMR)装置
・粒子加速器

関連情報

・外国出願特許あり

  • デバイス・装置

7)ナノ材料表面を利用した微量揮発性有機化合物の超高感度検出

九州大学 先導物質化学研究所 融合材料部門 ナノ融合材料分野 教授 柳田 剛

新技術の概要

本技術では、従来は嫌われ者であったナノ材料表面の不完全さを利用することによって、従来技術では不可能であったppbレベルの有機化合物の超高感度検出を可能とした。

従来技術・競合技術との比較

従来技術では、ターゲットとする分子化合物濃度が薄くなるにつれて、検出される感度は悪くなっていたが、本技術ではこの従来技術の最も本質的な問題を解決することに成功した。

新技術の特徴

・ナノ材料の表面の悪さを逆利用
・ナノワイヤセンサデバイス
・揮発性有機化合物のセンシング

想定される用途

・センサ
・健康モニタリング
・IoTデバイス

  • 材料

8)高窒素化による高強度・高耐酸化性BCC系鉄鋼材料の開発

九州大学 大学院総合理工学研究院 融合創造理工学部門 固体材料物性工学 准教授 光原 昌寿

新技術の概要

高強度かつ高耐酸化性のBCC系鉄鋼材料の開発を行った。従来の炭素添加ベースの強化メカニズムからのゲームチェンジングテクノロジーとして、これまで着目されることの少なかった窒素を有効利用し、既存実用材料よりも強くて錆びない新規耐熱鋼の合金・組織設計法を確立した。

従来技術・競合技術との比較

従来の耐熱鋼と比較して、耐酸化性を向上させる窒素とCr、耐熱性を向上させるWを多く含みつつ、主たる組織をラスマルテンサイトとすることで靭性と溶接性を確保した。汎用鋼であるASME Gr91鋼の10倍以上の強度でかつ著しく小さい酸化速度を示すことが実証されており、650℃以上での発電ボイラ用蒸気管としての使用が可能である。

新技術の特徴

・高窒素を添加したBCC系鉄鋼材料が製造可能
・高温下で高強度・高耐酸化性を持つBCC系鉄鋼材料が製造可能
・加圧溶解法によりBCC系鉄鋼材料に1wt.%程度までの窒素を導入可能

想定される用途

・発電用プラントで使用されるボイラ用耐熱部材
・高硬度、高耐熱性ボルト
・腐食環境下でも用いることのできる高強度BCC系鉄鋼材料

関連情報

・外国出願特許あり

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

九州大学 学術研究・産学官連携本部 総括企画調整グループ

TEL:092-832-2127 FAX:092-832-2147
Mail:coordinateアットマークairimaq.kyushu-u.ac.jp
URL:http://airimaq.kyushu-u.ac.jp/
新技術説明会について

〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町

TEL:03-5214-7519

Mail:scettアットマークjst.go.jp

Go Top