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日本大学 新技術説明会

日時:2017年01月17日(火) 12:55~16:00

会場:JST東京本部別館1Fホール(東京・市ケ谷)

参加費:無料

主催:科学技術振興機構、日本大学

後援:特許庁

発表内容詳細

  • 創薬

1)病原微生物由来抗原特異的CD8陽性T細胞を活性化することができるワクチン

日本大学 医学部 病態病理学系微生物学分野 准教授 相澤 志保子

新技術の概要

BCG菌に病原微生物由来のタンパク質をコードするプラスミドを組み込み、BCG菌に病原微生物由来のタンパク質を発現させたワクチンである。このワクチンで初回免疫し、BCGに発現させたタンパク質の発現ベクターをDNAワクチンとして追加免疫することで、病原体特異的なCD8陽性細胞傷害性T細胞を誘導することができる。

従来技術・競合技術との比較

既存のBCGワクチンは病原体特異的CD4陽性ヘルパーT細胞を誘導可能であるが、CD8陽性細胞傷害性の誘導は不十分であった。また、これまで発表されている組換えBCGワクチンに比較し、本技術はより多くのタンパク質の発現が可能で効率よくCD8陽性T細胞を誘導できる。

新技術の特徴

・BCGを使用しているためアジュバントが不要。
・組み込むベクターにより、多様な感染症のワクチンへの応用が可能である。

想定される用途

・病原体に対するワクチン
・がんの免疫療法(腫瘍ワクチン)

関連情報

・外国出願特許あり

  • 医療・福祉

2)発声データ分析による舌癖の非侵襲判定装置

日本大学 松戸歯学部 歯科矯正学講座 教授 葛西一貴

新技術の概要

下/上顎前突症、滑舌、嚥下、睡眠時無呼吸症候群、歯周病等に関与している口腔内での舌の位置の癖をマイクロフォンで取得した発声データを零交差数及びMFCCの音響特徴量を用いて解析することで、簡易且つ簡便に判定するシステムの提供。手術後の経過観測やリハビリの有効性を何度でも確認可能で、舌位診断システムを導入した診断アプリなどの波及効果が期待できる。

従来技術・競合技術との比較

舌機能を解析する方法として、エックス線やパラトグラム圧力センサなどが一般的であるが、それらの解析法ではCTやMRIによる被曝や口腔内に設置する装置のため自然な舌の位置を把握できないなどの問題があった。

新技術の特徴

・被験者はマイクロフォンに簡単な発声をしてもらうのみで良く非侵襲。
・遠隔地での診断・判定にも利用可能。
・特別な装置を必要とせず、PCやスマートフォンで簡易判定が可能。

想定される用途

・歯科矯正、顎矯正後の術後の経過観察システム、アプリ
・舌癖改善トレーニング、リハビリの効果判定システム、アプリ
・滑舌に問題を抱えている人、嚥下障害、睡眠時無呼吸症候群患者のトレーニングシステム、アプリ

  • エネルギー

3)二酸化炭素とイオン液体を用いた発電サイクル

日本大学 理工学部 精密機械工学科 准教授 田中 勝之

新技術の概要

イオン液体が二酸化炭素を吸収・再生する特性を利用して、外部の熱源からの入熱・放熱に伴う吸収・再生のサイクルにおいて、二酸化炭素が移動する間に膨張器(タービン)を設けて動力を取り出す発電サイクルを提案する。

従来技術・競合技術との比較

タービンを用いた発電方式は、火力発電で水を作動流体としたランキンサイクルが代表的であり、水の代わりに沸点の低いフロンやアンモニア、ペンタン等の炭化水素を用いたオーガニックランキンサイクルにおいては、環境負荷や毒性、可燃性などの問題点を解決する代替フロンの開発が必要である。

新技術の特徴

・不揮発性を有した環境調和型溶媒として広く国内外で注目を集めているイオン液体を活用したもの。
・低環境負荷、無毒性、不燃性である二酸化炭素のイオン液体への吸着性と圧力による制御性を利用。
・低品位の熱源を利用した小型発電機に適している。

想定される用途

・太陽熱を利用した分散型電源
・温泉熱を利用した分散型電源
・生活排熱を利用した分散型電源

関連情報

・サンプルあり

  • 分析

4)確率的モデルによる歩行者の障害物回避経路予測

日本大学 工学部 電気電子工学科 准教授 高梨 宏之

新技術の概要

自動車の予防安全技術をさらに向上させるために、歩行者行動を確率的に予測可能なモデル化手法を提案する。実データに基づき、歩行速度と歩行方向を確率分布に従ってモデル化することで、確率的に歩行者の移動経路を予測する。

従来技術・競合技術との比較

予防安全分野では、歩行者の動きを積極的に予測することは少なかった。また、衝突の危険が迫った限られた空間であることから、確定的に扱われることが多かった。移動経路を確率的に予測することで、歩行者の将来的な存在位置を、余裕を持ってドライバに提示することが可能となる。

新技術の特徴

・歩行者の動きを確率的に表現。
・障害物からの距離に応じた行動を表現することが可能。

想定される用途

・自動車の予防安全技術開発
・人混みを移動するロボットの経路生成

  • 製造技術

5)振動と超音波照射による固液混合材料の材料物性の制御

日本大学 理工学部 一般教育教室 教授 中原 明生

新技術の概要

粉と水を混ぜた固液混合材料は振動や流れの方向を記憶し、その記憶に応じて亀裂が伝播しやすい方向が決まるなど、材料物性が異方的なものへと変化する。今回超音波照射により記憶を消去して内部構造を均一化することにより、亀裂が伝播しやすい方向を消去することができた。この手法は壊れにくい固液混合材料を作成することに応用できる。

従来技術・競合技術との比較

従来の技術では希薄なコロイド・サスペンションに対し超音波を照射して均一化するまででしたが、本技術により塑性を持つほどの高濃度固液混合ペーストに対してもある条件を満たせば超音波照射が均一化に有効となることを明らかにした。

新技術の特徴

・高濃度固液混合材料に振動をかけることによって生じる異方的な内部構造を超音波照射で均一化。
・振動や超音波などにより固液混合材料の内部構造を操作し、破壊時の亀裂の伝播しやすい方向や材料物性の異方性を制御。
・固液混合材料の振動や流れの記憶の刷り込みや超音波照射を利用して、亀裂パターンの形状を制御。

想定される用途

・セメントなどの建築資材の内部構造の均一化と破壊強度の増加。
・石膏型3Dプリンターの造形物の積層構造の均一化。
・らせん状亀裂や放射状亀裂など、様々な幾何学的亀裂パターンを自在に作成。(亀裂のアート)

関連情報

・サンプルあり

  • 医療・福祉

6)特発性肺間質性肺炎の新規バイオマーカー

日本大学 医学部 医学科 准教授 権 寧博

新技術の概要

【課題】
特発性間質性肺炎の検出方法、特発性間質性肺炎の検出に用いるためのマーカー、及び特発性間質性肺炎を検出するためのキットの提供。
【解決手段】
被験者のサンプル中における、配列番号1~10で示されるアミノ酸配列のタンパク質から選択される少なくとも1種に対する抗体を指標とすることを特徴とする、特発性間質性肺炎の検出方法。

従来技術・競合技術との比較

KL-6やSP-Dに比べて、IPFに対する疾患特異性が高い。

新技術の特徴

・新規疾患特的自己抗体
・間質性肺炎の新規バイオマーカー
・間質性肺炎の新規診断技術

想定される用途

・間質性肺炎の診断ツール
・薬物反応性予想マーカー
・創薬ターゲット

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

日本大学 研究推進部 知財課

TEL:03-5275-8139 FAX:03-5275-8328
Mail:nubicアットマークnihon-u.ac.jp
URL:http://www.nubic.jp/
新技術説明会について

〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町

TEL:03-5214-7519

Mail:scettアットマークjst.go.jp

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