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お茶の水女子大学 新技術説明会

日時:2016年06月09日(木) 13:30~15:55

会場:JST東京本部別館1Fホール(東京・市ケ谷)

参加費:無料

主催:科学技術振興機構、お茶の水女子大学

後援:東京医科歯科大学

発表内容詳細

  • 情報

1)StudI/O:ブロックの組み立てと記録を支援するプロジェクション装置

お茶の水女子大学 基幹研究院自然科学系/理学部情報科学科 教授 椎尾 一郎

新技術の概要

StudI/Oは、LEGOブロックの突起(Stud)へのマーカー映像投影を利用して、レゴ作品の組み立て作業と作品の記録作業の支援を行う。正しく組み立てた場合に歪み無く見える映像を投影することで、部品の取り付け位置や向きを指定する。これにより、ブロック作品の組み立て支援と記録を行う。

従来技術・競合技術との比較

StudI/Oは、ブロックの突起(Stud)への投影を利用した入出(I/O)力手法である。通常の立体物の組み立て支援や記録のシステムでは、人やトイブロックの位置検出のための、高価で調整の必要なカメラやセンサを用いる。本システムは、プロジェクタだけを使用するシンプルで実用性の高い手法である。

新技術の特徴

・プロジェクタのみを用いた位置指定と位置検出
・コンピュータ設計データの実体化と記録の支援
・投影マーカを利用したインタラクション

想定される用途

・レゴ作品の組み立てと記録の支援
・レゴ以外のトイブロックの組み立てと記録の支援
・組み立て家具などの組み立て支援(例:作業訓練システムへの応用)

関連情報

・デモあり

  • アグリ・バイオ

2)難培養性バクテリアの新規培養方法

お茶の水女子大学 基幹研究院自然科学系/理学部生物学科 教授 服田 昌之

新技術の概要

環境中のバクテリアには通常の培養方法では単離培養が困難な種類が多いが、新規の簡便な培養方法によって未報告の、つまり従来の培養方法では培養できなかったバクテリアを、効率的に培養し同定することに成功している。

従来技術・競合技術との比較

極めて簡便で迅速な培養方法で、特別な施設や機材を必要としない。バクテリアの機能を検定する方法さえ確立していれば適用範囲が広い。複数種の共生が必要なバクテリアにも適用ができる。

新技術の特徴

・難培養性バクテリアの新規単離
・簡便なバクテリア培養方法
・共生系にも適用可能

想定される用途

・環境中からの生理活性を有するバクテリアの単離

  • 創薬

3)新規構造を有する高活性ビタミンD誘導体の創製

お茶の水女子大学 基幹研究院自然科学系/理学部化学科 准教授 棚谷 綾

新技術の概要

ビタミンDの血中のカルシウム濃度維持や骨形成、免疫機能、細胞の分化・増殖制御などの作用を担うビタミンD受容体(VDR)の新規リガンドの創製を行った。VDRに弱い親和性を持つリトコール酸をリード化合物として構造展開した結果、天然の活性型ビタミンDよりも強力な活性を持つ化合物を見いだした。

従来技術・競合技術との比較

ビタミンDの医薬展開において、天然の活性型ビタミンDとは異なる骨格構造を持つ化合物の創製が期待されているが、いまだその種類は限られている。リトコール酸が第2のVDRの内因性リガンドとして見出だされたが、そのVDR親和性は非常に弱く、また、高活性なリトコール酸誘導体の報告例はこれまでにはない。

新技術の特徴

・新しい構造を持ち、安定で、化学合成も従来のビタミンD誘導体と比べて容易である。
・ヒト白血病細胞の分化誘導活性で、天然の活性型ビタミンDよりも強い活性を示した。
・骨格構造や官能基が従来のビタミンD誘導体と異なるため、体内動態等も異なると予想される。

想定される用途

・白血病等のがん治療薬への応用
・骨粗鬆症などの骨疾患への応用
・自己免疫疾患への応用

関連情報

・サンプルあり

  • 材料

4)キラル含フッ素アミノ酸類の簡便な合成法

お茶の水女子大学 基幹研究院自然科学系/理学部化学科 准教授 矢島 知子

新技術の概要

発表者はこれまでにラジカル反応を用いた含フッ素化合物の合成を行ってきた。今回、キラルなイミンへのアルキルラジカルの付加反応を用いて光学活性なアミノ酸の合成を達成した。この技術によれば、光学活性な含フッ素アミン類がより簡便に合成できる。

従来技術・競合技術との比較

含フッ素化合物、特にキラルなペルフルオロアルキル基を有する化合物の合成は危険な原料の使用や、複雑な操作・装置が必要であるなどの問題点を有していた。本手法では、簡便な合成法により効率的にキラルな含フッ素アミノ酸類の合成を可能とした。

新技術の特徴

・簡便な操作でキラルな含フッ素アミノ酸類の合成が可能である。
・様々な置換基を有する含フッ素化合物の合成が可能である。
・HFやF₂ガスなど取扱困難な材料を用いずに、キラルなペルフルオロアルキル基を有する化合物の合成が可能。

想定される用途

・代謝や効能の向上が期待される医農薬品原料
・高い撥水性、安定性を有する機能性材料原料
・アーティフィシャルなアミノ酸としてプロテインエンジニアリングへの展開

  • 製造技術

5)「切り紙」構造を利用したシート材料の弾性率デザイン

お茶の水女子大学 基幹研究院自然科学系/理学部物理学科 教授 奥村 剛

新技術の概要

シート状の物質に規則的な切込みを入れることで、物質の持つ弾性を劇的に変えることができる。特にシートの平面性を失わずに変形する範囲では、切り込みのパターンに対して実現される弾性がシンプルな数式で設計でき、効率よく所望の弾性率のシートデザインが可能になる。また、フォースセンサーとしての応用も可能である。

従来技術・競合技術との比較

切り紙構造が立体的に変形する性質を利用して、伸ばすことのできる電極や太陽電池が従来提唱されている。本発明では、切り紙構造が立体的に変形する「前の段階」での変形に着目した。その平面性を維持した状態での弾性は切込みパターンに応じて変わるもので、その弾性変化を数式で予測する方法を見出した。

新技術の特徴

・数式に基づいた弾性デザインが可能。(トライアルアンドエラーの必要がない)
・シートを適用する対象や環境に合わせてシートの弾性率を変化させてカスタマイズできる。
・シートの弾性率を調整することで、対象との親和性や適合性を上げることができる。

想定される用途

・再生医療用の細胞シート
・スポーツ、医療サポーター(シートの円筒状の利用)
・使い捨て或は携帯型重量チェッカー(設定した閾値を検知するフォースセンサー)

関連情報

・展示品あり

お問い合わせ

新技術説明会について

〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町

TEL:03-5214-7519

Mail:scettアットマークjst.go.jp

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