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大阪大学 新技術説明会

日時:2016年07月21日(木) 09:50~16:00

会場:JST東京本部別館1Fホール(東京・市ケ谷)

参加費:無料

主催:科学技術振興機構、大阪大学

後援:テックマネッジ株式会社

発表内容詳細

  • 医療・福祉

1)IoT端末の低消費電力化を実現するデータ圧縮技術

大阪大学 情報科学研究科 情報システム工学専攻 招聘教授 今井 正治

新技術の概要

IoT(Internet of Things)センサノードで情報をセンシングする場合に、データ圧縮を行うことによりデータセンターに送信されるデータ量を削減でき、データの送受信に必要なエネルギーを削減できる。また、無線通信を行う場合には、同一のバンド幅でより多くの情報を転送できる。

従来技術・競合技術との比較

従来から用いられているデータ圧縮アルゴリズムよりも40%程度高い圧縮比を達成できるアルゴリズムを採用している。符号化・復号に適した命令セットを持つプロセッサ(ASIP)を用いて実行することにより、ソフトウェア実装よりも10倍程度高速に、かつ、10分の1程度のエネルギー消費でデータの圧縮・伸長が行える。

新技術の特徴

・データの性質を利用した適応的圧縮アルゴリズム
・データ通信の低レート化(周波数帯の有効利用)
・高速かつ低消費エネルギー

想定される用途

・低消費電力IoTノードでのデータ圧縮エンジン
・体内インプラント可能な医療機器でのデータ通信の低レート化エンジン(低発熱化)
・ウェアラブル端末などに適したデータ通信低レート化エンジン

関連情報

・サンプルあり
・デモあり

  • デバイス・装置

2)PCB基板・アンテナ・電源の性能向上・低コスト化を実現する電磁シミュレータ

大阪大学 基礎工学研究科 附属極限科学センター 教授 阿部 真之

新技術の概要

他の類似する電磁界・回路シミュレータと異なり、伝送線に生じる電磁界や伝送線路内のノイズ、回路のシミュレーションをセルフコンシステントに解く方法を提供する。マクスウェル方程式から導いた電信・放射の方程式を解くため、仮定なしに回路の現象を解くことができる全く新しいアプローチを行っている。

従来技術・競合技術との比較

回路特性・ノイズ発生・電場磁場放射を10万倍正確にシミュレートし得るので、設計→製造→検査過程の不具合を発見でき、従来よりPCB基板・アンテナ・電源の性能向上・低コスト化・開発時間短縮が可能となる。

新技術の特徴

・回路特性・ノイズ発生・電場磁場放射を10万倍正確にシミュレートし得る。
・信号によって生じるノイズも記述できる。
・設計→製造→検査過程の不具合を発見できる。

想定される用途

・PCB基板の性能向上、低コスト化、開発時間短縮。
・アンテナの性能向上、低コスト化、開発時間短縮。
・電源の性能向上、低コスト化、開発時間短縮。

関連情報

・サンプルあり

  • 情報

3)感覚融合技術で達人の技を学ぶ!

大阪大学 情報科学研究科 マルチメディア工学専攻 准教授 安藤 英由樹

新技術の概要

ICT技術と感覚融合誘導手法を用いた、適切な教育者の介入を促す効果的な術式トレーニングシステム及び動きの支援システム。具体応用例(内視鏡外科手術現場における手術のための技術トレーニングシステム)では、記録された熟練者の作業映像に練習者の作業映像を合成させ、練習者が熟練者の作業を追従してトレーニングを行うことで、スキルが伝わり短時間で技術の習得ができるようになる。

従来技術・競合技術との比較

一人称視点による熟練者の動きを重ねあわせることで、従来困難であった複雑な動作であってもスキルを伝達することができる。 特に、合成比率や画像の切り替えタイミングを適切にコントロールすることで、引っ張られたかのような錯覚を生み、従来、独自の癖がついてしまうような作業でも熟練者の連続的ななめらかな動きを習得できるようになる。

新技術の特徴

・スキル伝達
・スキル学習

想定される用途

・内視鏡手術
・技術支援

関連情報

・デモあり
・展示品あり
・外国出願特許あり

  • 計測

4)正確な分光計測を可能にする比/位相変換法

大阪大学 理学研究科 宇宙地球科学専攻 助教 桂 誠

新技術の概要

入力に対する飽和特性を計測するタイプの非線形分光計測において、従来の方式(高調波や相互変調の検出)の問題点を解決する新方式「比/位相変換法」を紹介する。この方式を用いれば、計測システムのドリフトの影響を受けずに、試料の持つ数10ppm程度のわずかな非線形特性を簡単な装置で検出できる。

従来技術・競合技術との比較

高調波検出法は試料以外の非線形性を併せて検出してしまうが、本方式では試料の持つ特性だけを抽出できる。相互変調法は得られた値から試料の特性を定量的に評価するのが難しいが、本方式では試料の特性曲線を算出する計算方法が定式化されている。

新技術の特徴

・励起信号源や検出器の非線形性に依存しない、高感度な非線形特性システムが実現する。
・簡単なスイッチング機構とDSPを必要とするだけなので、安価かつ小型なシステムが構築できる。
・各種の分光計測、通信における非線形誤差の低減手段としても利用できる。

想定される用途

・既存の非線形画像計測(SAX顕微鏡、磁気粒子イメージング、CAN)の高精度化、小型化、低価格化
・オーディオシステム、ファイバー通信システムなどの歪の低減
・研究、開発現場で使用できるロックインアンプに代わる、汎用の非線形検出アンプ

関連情報

・デモあり
・外国出願特許あり

  • 計測

5)継手効率100%を実現する低温摩擦接合技術

大阪大学 接合科学研究所 特任講師 森貞 好昭

新技術の概要

従来から広く利用されている摩擦接合(摩擦圧接及び線形摩擦接合等)を基本とし、鉄系材の組成によらず、接合部の硬度上昇(脆化)及び熱影響部における硬度(強度)低下を抑制することができる簡便かつ効果的な接合方法及びそれにより得られる接合構造物を提供することができる。

従来技術・競合技術との比較

中高炭素鋼に関しても接合部の脆化や熱影響部における軟化が見られない良好な継手が得られており、当該結果は、基本的に炭素のみで強化された安価かつ高い強度を有する鋼を各種構造体の製造に用いることができることを意味している。被接合材同士の摩擦熱を利用してこのような接合体を得る手法は他に類を見ない。

新技術の特徴

・被接合材の機械的特性を100%維持した継手を得ることができる。
・熱源を必要としない省エネ接合法である。
・接合環境がクリーンである。(ヒューム、スパッタ等を発生しない)

想定される用途

・自動車用金属部品の製造
・鉄道車両用金属部品の製造
・船舶用金属部品の製造

関連情報

・サンプルあり

  • 製造技術

6)接着剤無しでもフッ素樹脂が強力にくっつく!

大阪大学 工学研究科 附属超精密科学研究センター 助教 大久保 雄司

新技術の概要

加熱しながら大気圧プラズマ処理する(熱アシストプラズマ処理する)ことで、フッ素樹脂の密着性を大幅向上できることを見出しました。本技術を利用すれば、接着剤無しでフッ素樹脂と異種材料(ゴム・金属膜)とを強力に接合できます。また、改質寿命が非常に長い(一年以上)であることも、本技術の大きな利点です。

従来技術・競合技術との比較

従来のプラズマ処理は、様々な樹脂の濡れ性や密着性を改善できますが、フッ素樹脂に対してはほとんど効果がありません。また、危険な薬剤を使用した従来技術がありますが、変色・悪臭・廃液が大きな問題になっています。本技術は、フッ素樹脂であっても接着剤を使用することなく密着性を大幅に向上できるエコフレンドリーな技術です。

新技術の特徴

・フッ素樹脂の中でも最も密着性が乏しいポリテトラフルオロエチレン(PTFE;テフロン®)の表面改質が可能
・接着剤レスでPTFEとゴムとの強力接合(界面剥離せず、ゴムが材料破壊するレベルの接合)が可能
・PTFEの表面を凸凹にすることなく高密着性を有する金属化(PTFE上に銅めっき膜・銀インク膜の製膜)が可能
・プラズマ処理後の活性状態を一年以上持続することが可能(改質寿命が長いため、実用化において極めて有用)

想定される用途

・自動車の衝突防止用ミリ波レーダー等の高周波用プリント配線板作製(PTFE上での高密着性金属配線の作製)
・プレフィルドシリンジの摺動性向上(ゴムをPTFEシートで高密着被覆)
・粘着性の高い食品(餅類等)を輸送するベルトコンベアへ非粘着性付与(ゴムとPTFEの接着剤レス強力接合)
・金属ナトリウムを含むテトラエッチ処理と呼ばれる危険な薬剤を使用した従来技術の代替

関連情報

・サンプルあり
・展示品あり
・外国出願特許あり

  • 製造技術

7)光を曲げたり・拡げられる、薄くて平らなコレステリック液晶素子

大阪大学 工学研究科 電気電子情報工学専攻 助教 吉田 浩之

新技術の概要

本技術は、10ミクロン程度と薄くて平らでありながら、入射円偏光に応じて光を透過または反射し、更に、設計に応じて反射光を曲げたり拡げたりできるフィルム型素子を提供する。これは、コレステリック液晶と呼ばれる、光をブラッグ反射する性質をもつ材料において、その反射光位相を任意に制御する原理を利用している。

従来技術・競合技術との比較

従来、コレステリック液晶からのブラッグ反射は反射角と入射角が等しい鏡面反射であり、反射光の制御には基板上に微細な構造を形成などの処理が必要であった。本技術は液晶分子の配向制御のみで波面制御を行うため、微細構造の形成が不要であり、欠陥の少ない素子の作製が期待できる。

新技術の特徴

・一つの円偏光を反射し、反対の円偏光は透過する半透過型の素子ができる。
・設計により反射光に様々な光学機能を付与できる。
・ブラッグ反射が生じる数10nmの帯域で動作するが、積層により広帯域化が可能。

想定される用途

・機能性光学フィルム
・熱線カットフィルム

関連情報

・サンプルあり
・デモあり

  • 製造技術

8)三次元規則性細孔高分子フィルム~マイクロ空孔の形成技術~

大阪大学 基礎工学研究科 物質創成専攻 准教授 内田 幸明

新技術の概要

ディスポーザブルな自作のマイクロ流体デバイスを用いて粒径を制御した、適切な組成の液滴の分散液を、二次元もしくは、三次元の規則性を有する状態に自己組織化し、液滴外相をUV硬化し、液滴を除去することで規則性細孔構造(数10マイクロメート~数ミリメートル)を有するフィルムを作成する技術。

従来技術・競合技術との比較

結露水滴を鋳型とした手法と比較して、空孔のサイズの均一性が高く、細孔径を従来の数10μmから、今回、100〜1000μmの範囲まで拡大することができることが特徴である。また、独自の配列制御法によりモールドでは難しい三次元多孔体の作製及び格子制御が可能である。

新技術の特徴

・マイクロ流体デバイスを用いた液滴粒径の高い制御性
・自己組織化による三次元構造の形成
・液滴の内側が空隙となり外皮部分だけがむすびついた立体細孔構造

想定される用途

・細胞培養の足場
・マイクロレンズアレイ
・マイクロリアクター

関連情報

・サンプルあり

  • 医療・福祉

9)ウイルスゲノム複合体を迅速目視診断する新規ウイルス感染検査法

大阪大学 産業科学研究所 特任准教授 開發 邦宏

新技術の概要

特定のウイルス感染症を診断するには、そのゲノム情報を核酸塩基配列選択的に検出する手法が有効である。今回我々は、RNAウイルスのゲノムデータベースに基づいて、ウイルスに特徴的なゲノム保存配列を同定し、これを検出する核酸プローブを開発するとともに、ウイルスを迅速化、可視化する手法を開発した。

従来技術・競合技術との比較

ウイルス感染を核酸情報に基づいて診断するには、臨床検体から熟練の技術者がウイルス由来ゲノムを選択的に精製して、これを所定の装置を利用して逆転写反応やポリメーラーゼ転写反応により遺伝子増幅した後、遺伝子増幅の選択性を確認する必要がある。新規の本核酸クロマトでは、標的ウイルスのゲノムを効果的に捕獲して、迅速に目視診断する手法を開発することに成功した。

新技術の特徴

・ウイルスゲノムの効果的捕獲技術
・ウイルスゲノムと随伴蛋白質の複合体検出法
・ウイルスの薬剤耐性、および血清型識別

想定される用途

・ウイルス感染診断
・薬剤投薬指針用ツール
・未知感染症の同定法

関連情報

・サンプルあり

  • 創薬

10)組織線維化を治療可能なウイルス製剤

大阪大学 薬学研究科 分子薬科学専攻 准教授 櫻井 文教

新技術の概要

レオウイルスは非病原性のRNAウイルスで、これまで抗癌剤(腫瘍溶解性ウイルス)として臨床開発が国内外にて活発に進められている。今回、我々はレオウイルスが組織線維化治療薬としても機能することを見出した。レオウイルスを肝線維化モデルマウスに静脈内投与することで、線維化を大きく改善することに成功した。

従来技術・競合技術との比較

組織線維化を改善・治療する治療薬が切望されているが未だ効果的治療薬が無い。レオウイルスは、効率よく組織線維化を改善することに加え、既にヒトでの安全性が確保されていること、遺伝子組換えウイルスでないため環境に対するリスクが小さいなどの長所を有する。

新技術の特徴

・レオウイルスは既に抗癌剤として臨床開発が進んでおり、ヒトでの安全性が確保されている。
・組織線維化を効率よく改善する。
・遺伝子組換えウイルスではないので、環境に対するリスクが小さい。

想定される用途

・肝硬変、肺線維症、腎線維化など組織線維化に対する疾患治療薬

関連情報

・サンプルあり

  • 創薬

11)革新的局所滞留型抗炎症性骨保護ペプチド

大阪大学 免疫学フロンティア研究センター 助教 丸山 健太

新技術の概要

細胞外マトリクス高親和性配列、プラスミン/MMP感受性配列、細胞内トランスロケーション促進配列、ならびにMyD88阻害配列を結合した新規ペプチドを開発した。当該ペプチドは骨欠損治癒を促進し、とくに間葉系幹細胞を用いた骨欠損治癒の速度を劇的に高めた。

従来技術・競合技術との比較

抗炎症効果を併せ持つ骨保護医薬は存在しない。また、間葉系幹細胞を用いた骨欠損治療の効果を劇的にブーストしうる医薬品は現時点で存在しない。

新技術の特徴

・投与部位に高濃度で集積する。
・集積部位のプロテアーゼにより、機能ペプチドが除放される。
・機能ペプチドが細胞内に侵入し、MyD88を抑制することで、劇的な骨欠損治癒と炎症抑制が実現する。

想定される用途

・骨を扱う整形外科的手術の治癒促進に幅広く応用可能
・間葉系幹細胞を用いた再生医療の効果促進に幅広く応用可能
・ステロイドにかわる局所炎症抑制ペプチドとして、軟膏剤などへの添加が可能

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

大阪大学 産学連携本部 知的財産部

TEL:06-6879-4207 FAX:06-6879-4208
Mail:ipmアットマークuic.osaka-u.ac.jp
URL:http://www.uic.osaka-u.ac.jp/
新技術説明会について

〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町

TEL:03-5214-7519

Mail:scettアットマークjst.go.jp

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