ライフサイエンス 新技術説明会
日時:2016年11月01日(火) 10:25~12:55
会場:JST東京本部別館1Fホール(東京・市ケ谷)
参加費:無料
主催:科学技術振興機構、中国地域産学官連携コンソーシアム(さんさんコンソ)
後援:岡山大学、岡山県立大学、県立広島大学、近畿大学工学部、福山大学、特許庁
発表内容一覧
発表内容詳細
- アグリ・バイオ
1)生体応答を制御するバイオマテリアル及び新規レーザー蛍光顕微鏡装置による細胞診断/回収/融合と血液凝固診断
近畿大学 工学部 化学生命工学科 教授 白石 浩平
新技術の概要
先端医療・バイオの研究開発に必要な細胞の診断や非侵襲的な細胞の回収・融合(遺伝子導入)を、マイクロアレイスポット上に細胞を配列した後、パルス/CWレーザー照射によって実施する。
従来技術・競合技術との比較
・細胞の診断/回収に必要な10³~10⁶個程度の細胞数をマイクロアレイ配列細胞によって低減。
・ナノパルスレーザー照射による細胞膜穿孔と基板表面の機能性高分子固定化による細胞融合効率の向上。
・個細胞化による精密診断と目的細胞の効率的な獲得。
新技術の特徴
・個細胞レベルの細胞診断(創薬スクリーニング)
・細胞機能の改変(各種遺伝子導入)と目的細胞の回収
・ユーザーカスタマイズ化可能な細胞培養等の部分的自動化
想定される用途
・細胞操作
・細胞融合
・細胞、血液診断
関連情報
・サンプルあり
・展示品あり
- アグリ・バイオ
2)抗酸化性アミノ酸エルゴチオネインの発酵生産
岡山大学 資源植物科学研究所 准教授 谷 明生
新技術の概要
植物共生細菌であるMethylobacterium属細菌にエルゴチオネイン生産性の高いものを見いだし、生産条件を最適化した。また他の酵母、カビにおいても同様に生産性の高いものを見いだした。
従来技術・競合技術との比較
熱水抽出により菌体から簡便に抽出でき、おそらく精製も容易。生産性はキノコに対して劣るが、培養条件のさらなる最適化・大規模化が出来ればカバー可能。
新技術の特徴
・エルゴチオネインの安価な発酵生産法
・容易な抽出
想定される用途
・化粧品
・サプリメント
- アグリ・バイオ
3)食品素材に含まれる機能性ポリフェノール成分の同定と分析
岡山県立大学 保健福祉学部 栄養学科 教授 伊東 秀之
新技術の概要
多くの薬用植物や食品中に含まれるポリフェノール成分の単離、化学構造の解明を行い、市販では入手不可能な100種以上の化合物ライブラリーやスペクトルデータを保有しているので、食品ポリフェノールの同定を容易に進めることができる。さらに、機能性ポリフェノールの生体内挙動研究も進めることができる。
従来技術・競合技術との比較
研究室に保有している化合物ライブラリーやスペクトルデータから、比較的容易に機能性食品に含まれるポリフェノールの探索、成分の同定を行うことができ、さらに素材中のポリフェノールの定量、サンプル量が多くないと実施できない生体内での活性本体に関する研究も可能である。
新技術の特徴
・食品ポリフェノール成分の同定
・食品に含まれる各ポリフェノール成分の定量
・ポリフェノール成分の生体内動態研究
想定される用途
・ポリフェノールを機能性成分として含む機能性食品の開発
・食品の製造、加工過程における機能性成分の変動評価
・生体内における機能性成分の活性本体の解明
関連情報
・外国出願特許あり
- 医療・福祉
4)音響システムにより、看護師、介護士を支援するナースコールシステム
福山大学 工学部 スマートシステム学科 教授 仲嶋 一
新技術の概要
超音波を用いた音響システムと2次元的音情報分析システムを用いて患者周囲に限定された音空間を形成して安静で快適な療養、介護環境を創造すると共に、音情報を人工知能により解析することで患者の状態、徘徊動作等を検出し、看護・介護者を支援するシステム。
従来技術・競合技術との比較
従来は、患者との対話はベッドに設置された子機からの空間音波で行われるため、音遮蔽の不十分な環境の他患者の安静を妨げる場合があり、また音量閾値でナースコールを受付けるため、重篤な場合に閾値に到達しない可能性があった。また、患者の状態の把握に種々のセンサの設置が必要であった。
新技術の特徴
・超音波を利用したスピーカシステムによる制限された音空間の形成
・複数のマイクからの音情報の解析による対象患者に特定した音声ピックアップ
・発生音解析による患者状態の推定
想定される用途
・比較的重篤または高齢の患者用のベッド
・特別養護老人ホーム等の療養ベッド
・小児病棟のベッド
- アグリ・バイオ
5)リポソームを用いるタンパクの迅速高感度検出法
県立広島大学 生命環境学部 環境科学科 教授 三苫 好治
新技術の概要
抗体修飾リポソームとの抗原抗体反応とリポソームに内包した物質による電気化学信号の検出を組み合わせたタンパクの定量方法である。時間を要する2次反応と発色過程を省き、30分程度で10-5~10-8g/mL程度の高感度なタンパク検出を可能にした。
従来技術・競合技術との比較
従前のELISA法は、多段の反応工程が必要なため迅速性に欠け、検出感度も10-6g/mLと低い。また、イムノクロマト法は、20分程度の短時間の検出が可能だが感度が低い。当該法は、反応工程を簡略化したことで検出時間の短縮、さらに約100倍の感度向上を実現した。
新技術の特徴
・2次反応及び発色過程を省き、迅速性が向上。
・電気化学物質を用いた定量分析により、検出感度が高い。
・特殊な設備や装置が不要のため分析コストを抑制でき、定量分析が簡便で高精度。
想定される用途
・インフルエンザ等の迅速検出法の開発及び検出装置やキットの開発。
・ジカ熱等の新たな疾病用迅速分析キットの開発。
・食物アレルゲン等の迅速検出法の開発及び検出装置やキットの開発。
関連情報
・サンプルあり
お問い合わせ
連携・ライセンスについて
中国地域産学官連携コンソーシアム(さんさんコンソ)事務局
TEL:086-251-7151 FAX:086-251-8442Mail:infosangaku-cons.net
URL:http://sangaku-cons.net
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