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信州産学官連携機構 新技術説明会

日時:2016年08月02日(火) 09:55~15:00

会場:JST東京本部別館1Fホール(東京・市ケ谷)

参加費:無料

主催:科学技術振興機構、信州産学官連携機構

後援:信州大学、諏訪東京理科大学、株式会社信州TLO

発表内容詳細

  • デバイス・装置

1)高い誘電性を持つゲル状ポリマーデバイス

信州大学 繊維学部 特任教授 平井 利博

新技術の概要

本技術に係るゲル状ポリマーデバイスは、コロッサル誘電性(巨大誘電性)を持つゲル状高分子材料と、低周波のバイアス電圧を印加する電極とから構成され、そのゲル状高分子材料が、印加された電圧に応答して自律的に駆動する。本技術に係るゲル状ポリマーデバイスは、エネルギー損失が小さく、様々な機能素子として利用できる。

従来技術・競合技術との比較

現在確認されている、電場に応答して自律的に駆動する駆動素子としては、イオン伝導性高分子や導電性高分子があるが、電流による発熱等のエネルギー損失が避けられず、耐久性面でも実用的な駆動素子にはなり得ていない。

新技術の特徴

・エネルギー損失が少ない。
・高い電場応答性

想定される用途

・微細アクチュエータ
・自律応答性変形材料
・変形センサ

関連情報

・サンプルあり

  • デバイス・装置

2)モータと磁気軸受を一体化したベアリングレスモータ

諏訪東京理科大学 工学部 電気電子工学科 教授 大島 政英

新技術の概要

ベアリングレスモータはモータと磁気軸受の機能を一体化した電磁機械であり、従来の磁気軸受付モータに比べ、インバータの数が少ないので小型で低コスト、また、軸長が短いので高速化も可能である。本技術では固定子巻線は1種類のみで短節集中巻である。巻線電流のd、q軸成分により、支持力とトルクをそれぞれ制御する。

従来技術・競合技術との比較

モータと磁気支持用に2種類の巻線を巻く従来のベアリングレスモータに比べ、トルク、支持力特性に優れ、それらの制御範囲も広い。巻線は短節集中巻であり、従来の永久磁石同期モータに広く用いられているベクトル制御を適用するのでシンプルである。インバータが1台故障しても回転磁気浮上可能であるため、信頼性が高い。

新技術の特徴

・巻線配置、制御方法がともにシンプル。
・従来のベアリングレスモータよりトルク、支持力特性が良。
・トルク、支持力の制御範囲が広い。

想定される用途

・大容量コンプレッサ
・フライホイール電力貯蔵装置
・ポンプ

関連情報

・デモあり

  • 創薬

3)唾液であなたの抵抗力(免疫力)が即座にわかります

信州大学 医学部 歯科口腔外科学教室 教授 栗田 浩

新技術の概要

免疫力の検査を簡便かつ即座に行うことのできる免疫力検査方法および免疫力検査キット。測定には唾液を用い、唾液中の微生物数を免疫学的手法で測定することにより、体の総合的な免疫力を測定する。妊娠検査キット、血糖測定用キットなどと同様の使い勝手を実現する。

従来技術・競合技術との比較

ゴールドスタンダードとなるような総合的な免疫力・抵抗力を測定する検査法は確立されていない。そのため一般的には、血液中の特定の免疫細胞の数を計測し、免疫細胞の数の計測結果に基づいて免疫力を検査する方法が行われているが、【1】総合的な免疫力を反映していない、【2】測定に時間がかかる、【3】大型の装置が必要、【4】採血(侵襲)が必要などの欠点がある。

新技術の特徴

・総合的な免疫力を測定
・簡便
・早い

想定される用途

・家庭での免疫力の測定
・介護施設などでの免疫力の測定
・癌化学療法現場での免疫力の評価

  • 材料

4)セルロース膨潤蛋白質と超音波処理を組み合わせたセルロース繊維の微細化

信州大学 工学部 物質化学科 助教 水野 正浩

新技術の概要

糸状菌が生産する蛋白質Swolleninを用いて、階層的な高次構造を有するセルロース材料表面の結晶性を緩やかにした後、超音波処理を行うことで、コットン繊維のような高い結晶性セルロース繊維をミクロフィブリル化することが可能である。

従来技術・競合技術との比較

酸やアルカリなどの薬品を用いることなく、水溶液中で蛋白質と超音波処理するだけという簡便的な手法である。また、一般的なセルラーゼとは異なりセルロース鎖長の低下が起こり難く、得られるセルロースファイバーの歩留まり向上も期待される。

新技術の特徴

・セルロース膨潤蛋白質による結晶性セルロースの階層構造緩和
・超音波処理によるセルロース階層構造中への水分子の挿入と崩壊

想定される用途

・セルロース系繊維の表面加工
・セルロースミクロフィブリル(ナノファイバーを含む)の調製

関連情報

・サンプルあり

  • アグリ・バイオ

5)農作物をドローンで守る!雑草の早期発見・予防技術

信州大学 農学部 生物資源科学分野 准教授 渡邉 修

新技術の概要

農業所得の向上のための農業資材の削減と省力化を図るため、ICTを活用したスマート農業システムの構築を目指す。ドローンの高解像度空撮画像から植生指数を判別し、機械学習で画像認識することで、収量や作業性を大きく左右する耕地雑草を早期に検出する技術を研究開発している。

従来技術・競合技術との比較

農業生産に被害を出す雑草対策は、圃場全体の目視調査なので人手も時間もかかり、被害が顕在化してから画一的に除草剤等を散布するため管理コストが高い。また雑草の種や根が残ると、翌年以降の被害発生にもつながる。調査・判別手法が簡易で、かつデータ化による高汎用な技術が求められている。

新技術の特徴

・機械学習による画像認識で耕地環境の雑草分布状況を効率的に可視化。
・問題となる雑草の早期発見と予防対策による生産コストの削減と省力化。
・市販の機体やデジカメの活用による高汎用化。

想定される用途

・主要農作物(ダイズ、イネ等)の生産量向上と高品質化。
・高山等に自生する希少植物の安全な保護。
・有害な外来植物の効果的な駆除。

  • 材料

6)人工骨、人工関節および人工歯用の新しいセラミックス材料の開発

信州大学 工学部 物質化学科 教授 樽田 誠一

新技術の概要

特許の内容は、アルミナセラミックスが生体活性を示すようにしたものである。現在、緻密なアルミナを研磨及びリン酸処理し、擬似体液に浸漬すると、アパタイトが生成したことまでを確認した。これはCNT/アルミナ複合体でも観察された。その他に、機械加工が可能なジルコニアセラミックスについても開発している。

従来技術・競合技術との比較

従来のアルミナセラミックスは、生体に埋入しても生体骨と結合しないが、本研究のアルミナセラミックスは生体骨と結合する可能性がある。また、アパタイトのような生体骨と結合するセラミックスよりも機械的強度が高い。さらに、CNT/アルミナ複合体は破壊靭性が高いうえに、生体骨と結合する可能性がある。

新技術の特徴

・生体に埋入すると生体骨と結合する可能性がある。
・CNTを複合化した破壊靭性の高いアルミナセラミックスでも、生体骨と結合する可能性がある。
・機械加工が可能なセラミックスも開発している。

想定される用途

・生体骨と結合し、しかも機械的性質が高いセラミック人工骨、人工歯
・ナノカーボンで機械的性質を強化したセラミック人工関節
・CAD/CAMシステムで複雑形状に精密機械加工した高寸法精度のセラミック人工歯、人工骨

関連情報

・サンプルあり

  • アグリ・バイオ

7)タンパク質ナノブロック等に利用可能な超安定化柱状二量体人工タンパク質

信州大学 繊維学部 応用生物科学科 准教授 新井 亮一

新技術の概要

一般にタンパク質は熱等に弱く変性しやすいという問題があり、ナノ材料としての応用を考える場合には、ナノブロックを構成する柱状タンパク質の安定性向上が不可欠である。本発明は従来のドメインスワップ二量体人工タンパク質の構造安定性を大幅に向上させ、ナノ構造を構築するタンパク質ナノブロックとして好適に利用することが可能となる。

従来技術・競合技術との比較

人工タンパク質でナノ構造複合体を構築する「タンパク質ナノブロック」の技術自体も新規な技術であり、さらに、水の沸点をもはるかに超える熱安定性をもつ柱状の二量体人工タンパク質は新規性が高く、競合技術は見当たらない。

新技術の特徴

・水の沸点をもはるかに超える熱安定性を持つ二量体人工タンパク質
・タンパク質ナノブロックとして利用し、安定性の高いナノ構造複合体の構築が可能
・タンパク質ナノ構造複合体の基本ブロックとして、今後の発展が期待

想定される用途

・ナノテクノロジーのためのナノスケール精密自己組織化技術
・人工コンポーネントワクチンやドラッグデリバリーシステム等の設計開発への応用
・バイオミネラリゼーション技術等と組み合わせて、有機無機ハイブリッドナノ材料開発

  • デバイス・装置

8)“球乗り”型のパーソナルモビリティ『オムニライド』

諏訪東京理科大学 工学部 機械工学科 教授 星野 祐

新技術の概要

パーソナルモビリティの駆動輪を単一の球体とすることにより、全方向への移動が可能となり、かつ路面の傾斜に関係なく車体の水平が維持できる。搭載されている原動機の動力が推進の動力として効果的に伝達されるように球体の駆動機構を構成した。

従来技術・競合技術との比較

全方向に移動できる移動支援機器であり、かつ動力学的安定性によって車体が路面と無関係に水平を維持するものは他に例がない。また、実用性を考慮した効果的な動力伝達機構が採用されている。静力学的に安定な車両よりも軽量化が可能で、車輪を用いるものよりも小型化が可能である。

新技術の特徴

・真横、旋回を含む全方向に移動する移動支援機器を構築できる。
・路面の傾斜に関係なく車体が水平を維持する。
・搭乗者の重心移動、または外部からの力により、車両が容易に移動する。

想定される用途

・パーソナルモビリティとしての屋外での移動支援
・福祉、介護などでの電動車椅子としての用途
・全方向に移動可能な自動搬送装置

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

株式会社信州TLO

TEL:0268-25-5181 FAX:0268-25-5188
Mail:infoアットマークshinshu-tlo.co.jp
URL:http://www.shinshu-tlo.co.jp/
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