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静岡大学 新技術説明会

日時:2016年11月10日(木) 13:30~15:55

会場:JST東京本部別館1Fホール(東京・市ケ谷)

参加費:無料

主催:科学技術振興機構、静岡大学

後援:特許庁

協力:静岡技術移転合同会社(静岡TTO)

発表内容詳細

  • 材料

1)プラスチックを液体に漬けるだけで導電性ポリマーと共結晶化

静岡大学 学術院教育学領域 理科教育系列 教授 板垣 秀幸

新技術の概要

耐熱性エンジニアリングプラスチックであるシンジオタクチックポリスチレン(SPS)の、チューブ形状の長い空隙をもつε型結晶の、新たで簡便な高純度製造法と、この空隙に詰めたゲスト分子を重合させてナノワイヤとして導電性高分子を配列した素子を作製する方法。

従来技術・競合技術との比較

SPSε型結晶の長い筒状の穴に、液体低分子を浸漬で導入し、さらに浸漬だけで重合させた報告例は皆無であり、自由に形状加工した耐熱性・絶縁性のSPS素材に浸漬だけでこうした処理ができるので、コンポジットを熱処理で作製するよりも均一性・加工性に優れている。また、ε型作製方法も従来法より高純度で高収率である。

新技術の特徴

・使用用途に応じて自由な形状加工ができ、通常の生活温度領域で形状を保持できること。
・浸漬するという簡単な工程で製品化できること。
・絶縁体内部に導電線を配したナノ構造を利用して分子レベルでの導電・絶縁制御に応用できること。

想定される用途

・フィルム厚み方向に電導性のある、耐熱性の素子素材
・硫黄酸化物、窒素酸化物センサーおよび吸着のための耐熱性素材
・帯電防止装置の筺体

  • 製造技術

2)超音波を用いた革新的な粒子分離・分級・操作技術

静岡大学 グリーン科学技術研究所 グリーンエネルギー研究部門 教授 齋藤 隆之

新技術の概要

超音波照射により、水中で沈殿・懸濁する粒子が任意の位置で球状に凝集する。超音波駆動中、長時間にわたり凝集体は保持できる。また、外部から棒を挿入し操作すると、凝集体は棒に追従する特徴がある。そのため、本凝集技術を用いることで、短時間かつ容易に水中の粒子を任意の位置に分級させることが可能である。

従来技術・競合技術との比較

従来技術のMHz帯超音波を用いた粒子分離は、粒子に直接音響力を作用させるためµmオーダー以下の粒子のみ分離可能であった。本技術はkHz帯超音波を用い水中に発生させた音響キャビテーション気泡を制御し粒子を分離する。そのため、分離対象はmmオーダーかつ、水との密度差が小さいものでも可能とした。

新技術の特徴

・mmオーダーの粒子を任意の位置に捕捉可能
・従来報告の無い球状粒子凝集体の形成
・非接触、非侵襲処理での微粒子操作技術

想定される用途

・液体中に混入した固体不純物の除去
・非接触での粒子分級
・特に、密度が同じで径の異なる粒子を精密に分級

  • 計測

3)培地・溶液中のカリウムイオン濃度リアルタイム検出装置開発

静岡大学 学術院工学領域 電気電子工学系列 准教授 二川 雅登

新技術の概要

外乱ノイズの大きな農業栽培現場において直接培地内に挿入しカリウムイオンの連続計測ができる計測手法・装置を開発しました。パルス信号の印可に対する酸化還元の差電流を検出することにより、実現できることを見出しました。

従来技術・競合技術との比較

農業栽培現場で使用されるカリウムイオンセンサは電位検出型で水を採取して計測を行うものでした。また、酸化還元電流を計測するものも、従来のCV法では外乱ノイズの影響を低減することが困難でした。

新技術の特徴

・カリウムイオン濃度のオンサイトモニタリング
・培地内の直接計測
・外乱ノイズの低減

想定される用途

・精密農業分野
・水質調査
・医療分野

  • 製造技術

4)レーザー照射による直接的な超微細金属パターニング技術

静岡大学 学術院工学領域 電子物質科学系列 准教授 小野 篤史

新技術の概要

本技術は、線幅わずか100nmほどの超微細な金属パターンをレーザー照射により実現する方法である。ポリイミドを母材とし、ポリイミド表面だけでなく、ポリイミド内部にも金属を形成することが可能である。光・電子デバイスの多品種生産に適した技術である。

従来技術・競合技術との比較

従来、金属のパターニングのためには、金属蒸着などの真空プロセスや、めっきプロセス、リフトオフプロセスやエッチングプロセスが不可欠であったが、本技術はこれら工程を一切必要としない簡便かつ精密なパターニングを実現する新技術である。

新技術の特徴

・レーザーリソグラフィに基づくマスクレスな任意金属パターニング
・ポリイミド表面、ポリイミド内部に超微細金属パターンを形成
・真空プロセスやめっきプロセス不要な簡便パターニング技術

想定される用途

・透明電極
・フレキシブルデバイス、スマートデバイスの金属配線
・プラズモニックデバイス、メタマテリアルなどの次世代光学デバイス

  • 計測

5)レーダによる非接触バイタルサイン計測技術

静岡大学 学術院工学領域 電気電子工学系列 教授 桑原 義彦

新技術の概要

遠方から心拍数と呼吸数を分離して計測することができるレーダシステムを開発した。レーダセンサーは唯1台で、受信信号を仮想的に複数化して独立成分分析することにより、検知しにくい心拍数も検出可能となった。

従来技術・競合技術との比較

類似技術として複数のレーダを使ったシステムが提案されている。本技術は仮想的に複数のレーダ信号を生成して唯一台のレーダで目的を達成している。

新技術の特徴

・非接触バイタルモニタリング
・独立成分分析
・仮想レーダ信号生成

想定される用途

・病院での患者のモニタリング
・寝たきり老人のモニタリング
・ドライバーのモニタリング(突然死の検出)

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

静岡大学 イノベーション社会連携推進機構

TEL:053-478-1702 FAX:053-478-1711
Mail:sangakucdアットマークadb.shizuoka.ac.jp
URL:http://www.oisc.shizuoka.ac.jp
新技術説明会について

〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町

TEL:03-5214-7519

Mail:scettアットマークjst.go.jp

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