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ライフイノベーション 新技術説明会(2)

日時:2016年08月04日(木) 10:25~15:00

会場:JST東京本部別館1Fホール(東京・市ケ谷)

参加費:無料

主催:科学技術振興機構、タマティーエルオー株式会社

発表内容詳細

  • 情報

1)若年者のコミュニケーション能力向上に利する、コミュニケーション能力推定モデルの構築方法

成蹊大学 理工学部 情報科学科 教授 中野 有紀子

新技術の概要

グループディスカッションの発話内容に含まれる動作特徴量、言語特徴量を抽出し、人事採用経験者より判定される各参加者のコミュニケーション能力値を推定するモデルを機械学習により構築する。

従来技術・競合技術との比較

従来、コミュニケーション能力に関係する特徴量の分析方法、ソーシャルスキルを向上させるためのアドバイスを行うシステムが提案されているが、いずれも2者対話に関する分析・モデル化であり、本技術のようにグループディスカッションを対象としていない。またコミュニケーションスキルの推定を目的としていない。

新技術の特徴

・コミュニケーション能力を識別するための特徴量を決定
・グループ会話の発話内容に含まれる特徴量によりコミュニケーション能力値を推定
・意思疎通に関する能力をモデル化

想定される用途

・見守りロボット等のコミュニケーション能力検証と機能向上方法
・若年者のコミュニケーション能力向上のための教育・訓練システム
・ディスカッションの収束性や結果を分析し、その良し悪しを判定する方法

  • 情報

2)スマートフォンを撮像・表示装置に用いた拡張現実用片目型スコープとそのシステム

神奈川工科大学 スマートハウス研究センター 兼 創造工学部 ホームエレクトロニクス開発学科 講師 関家 一雄

新技術の概要

片眼は直接実物を直視し、他方の眼はスマートフォンの画面をレンズ越しに虚像視するHMDである。スマートフォンの背面カメラの映像を修飾して画面に表示し、その虚像距離と虚像サイズを直視対象に一致させれば、脳で統合されて修飾を含めた立体視が生じる。ARマーカと組み合わせて廉価な拡張現実システムが構成できる。

従来技術・競合技術との比較

ユーザのスマートフォンを用いれば、専用の電子機器を必要としないので廉価な拡張現実を構成できる。片目は注視対象を直視し、また視野周辺を妨げないので、臨場感を損なわず、かつ危険を感じずに歩くことができる。

新技術の特徴

・スマートフォンを用いた廉価な拡張現実
・脳内統合での立体視なので、意識の切替えだけで立体視、実物直視、AR情報注視の切替が可能
・既存のARマーカを用いて簡便なARシステムを作成可能

想定される用途

・住宅展示場や博物館の見学者向け
・ARを用いたコンサートや見世物
・多量のマニュアルを必要とする、組立・整備作業

関連情報

・サンプルあり
・デモあり

  • 情報

3)二酸化炭素濃度の時間変動により、在室の有無を判定する方法

成蹊大学 理工学部 情報科学科 教授 小口 喜美夫

新技術の概要

光学センサや監視カメラを用いることなく在室の有無を判定することを可能にする新規な方法を提供することを目的とする。室内の二酸化炭素濃度を経時的に測定し、その時間変動により、人/動物の在室、不在を判定する。

従来技術・競合技術との比較

従来、人の在室、不在を判定するために、赤外線センサなどの光学センサを用いる方法や監視カメラを用いる方法が専ら採用されていた。しかしながら、光学センサや監視カメラを用いる方法の場合、死角の存在が問題となる。また、監視カメラを用いる方法は、その導入に際して心理的な抵抗を感じる人が多いという問題があった。

新技術の特徴

・室内の二酸化炭素濃度を経時的に測定する。
・二酸化炭素濃度が測定される都度、最新の測定値と直前の測定値に基づいて時間変動を算出する。
・時間変動を所定の閾値と比較して在室の有無を判定する。

想定される用途

・人を含む動物(ペット)の部屋への入退室を監視できる。
・監視カメラに比べ、死角がなく、セキュリティーが高い。
・人を含む動物(ペット)の健康状態を監視できる。

  • 計測

4)光ファイバによるウェアラブル小型酸素センサ

創価大学 理工学部 情報システム工学科 助教 細木 藍

新技術の概要

本センサは、光ファイバーとしての石英ガラス製のガラスファイバーの先端に多孔質微粒を含む複合膜を交互積層により形成し、Ru錯体やPt錯体等といった酸素感受性蛍光物質を複合膜中に固定化することで、酸素による消光特性を得ることができる。

従来技術・競合技術との比較

従来の光学式酸素センサは、多孔質な層をキャスト法により形成するため、膜厚の制御が困難であり、さらに光ファイバーの端面等の小面積な領域に多孔質な層を形成することが困難である。この結果、多孔質な層に固定される酸素感受性蛍光物質の量を制御することが困難であり、酸素に対し所望の感度を得ることが難しいといった課題がある。

新技術の特徴

・コア径62.5μm、クラッド径125μmのマルチモード光ファイバー端面に固定化されたRu錯体による酸素検知の実現。
・通信用マルチモード光ファイバーを利用しているため、長距離伝送が可能。
・多孔質な微粒子を含む複合膜を交互積層法により形成しているため、複合膜中へのRu錯体の保持・固定が容易。

想定される用途

・人工呼吸器、保育器などの酸素濃度管理
・ウェアラブル型酸素センサ
・バイオ系の酸素インキュベータ、培養器の濃度管理

関連情報

・サンプルあり

  • 計測

5)身体動作センシングのための光ファイバテープ

創価大学 理工学部 情報システム工学科 助教 小山 勇也

新技術の概要

光ファイバセンサを薄く柔軟なテープに組み込み、皮膚表面の僅かな伸縮を光強度変化により検出するテープ型センサを実現した。このテープが接触している測定対象面の凹凸変形、伸縮などの変形を適切に検知することにより、関節の動き、筋の動き、嚥下、心拍脈動などの生体情報を、人に違和感なく皮膚の変位から直接検出できる。

従来技術・競合技術との比較

皮膚上の変位や伸縮を検知する従来の技術では、圧電素子は高湿度などの耐環境性に課題がある。また、光電センサーを皮膚上に設置する場合、使用者に皮膚上の設置に対して負担がかかる問題がある。光ファイバにおいては、安定した計測を図るための偏波検出方法が考えられるが、偏波計測のための特別な測定装置を必要とする。

新技術の特徴

・違和感無く装着でき、人に拘束感を与えることなく皮膚の伸縮を検出できる。
・皮膚表面に生じる動きを検出することにより、手指や手首といった末端部の動作を間接的に検知可能である。
・電気的接点を持たず、光による検出が可能であるため、漏電の恐れが無い。

想定される用途

・医療現場における脈・心拍・呼吸の非侵襲モニタリング
・リハビリテーションやスポーツにおける身体動作の検出
・人間の活動状況のモニタリング

関連情報

・サンプルあり

  • 医療・福祉

6)1回の採血でヒトの薬物代謝酵素CYP3A活性を知る

東京薬科大学 薬学部 医療薬学科 准教授 柴崎 浩美

新技術の概要

本技術では、1点の少量採血(100~200μL)で、内因性ステロイドホルモンとその代謝物の血中濃度比(6β-ヒドロキシコルチゾール/コルチゾール)を指標に、薬物代謝酵素CYP3A活性を評価する。CYP3A活性には大きな個人差があるが、本法は安全かつ簡便にCYP3A活性を評価でき、一人ひとりに適した薬物の投与量の決定に有用な手段となる。

従来技術・競合技術との比較

従来法は、検査薬物を投与し5〜10回ほどの経時的採血が必要で、患者と医療担当者は1日中拘束される。本法は1点の少量採血で済む。また、採尿の必要がないため、腎障害患者や新生児・乳幼児にも適用できる。さらに、検査薬物を投与しないため、誘導薬や阻害薬による酵素活性の変化を経時的に把握できる。

新技術の特徴

・1点の採血から得られた少量の血液(200μL)で薬物代謝酵素CYP3A活性を評価できる。
・検査薬物の投与が不要であることから、新生児、乳児、妊婦、授乳婦に応用できる。
・CYP3A活性の変動を経時的に追跡できるため、併用薬や食物による誘導・阻害効果を把握できる。(医薬品開発にも応用可能)

想定される用途

・医療機関:CYP3A活性に基づく安全で有効な薬物投与設計への活用
・医療機関:臨床検査において、患者のCYP3A活性評価への活用
・製薬企業:医薬品開発において、CYP3A活性誘導・阻害作用の評価への活用

関連情報

・外国出願特許あり

  • 創薬

7)シャペロニン複合体を用いた薬物送達システム用ナノカプセル

神奈川工科大学 応用バイオ科学部 応用バイオ科学科 教授 小池 あゆみ

新技術の概要

ATP加水分解活性低下型GroEL変異体と核移行シグナルペプチドが付加されたGroES活性を有するサブユニットから成るシャペロニン複合体を合成し、この複合体がこれまで困難だとされていた細胞内の細胞核に局所的に送達可能であることを見出した。

従来技術・競合技術との比較

シャペロニン複合体(GroEL/GroES複合体)はリポソームに代わるDDS(薬物送達システム)キャリア候補として注目されているナノカプセル分子であるが、この複合体が細胞膜を透過して特定の細胞内小器官に局所的に薬物送達されることは原理的に困難であると考えられていた。

新技術の特徴

・ATP加水分解活性低下型GroEL変異体
・核移行シグナルペプチドを付加してGroESを活性化。
・上記から成る変異型シャペロニン複合体は細胞内の細胞核に局所的に送達されることを見出した。

想定される用途

・薬物担体
・生物応答デバイス
・ナノ材料

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

タマティーエルオー株式会社 研究成果移転事業部

TEL:042-649-8461 FAX:042-649-8462
Mail:matsunagaアットマークtama-tlo.com
URL:http://www.tama-tlo.com
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〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町

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