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東京工業大学 新技術説明会

日時:2016年10月25日(火) 10:00~15:25

会場:JST東京本部別館1Fホール(東京・市ケ谷)

参加費:無料

主催:科学技術振興機構、東京工業大学

後援:特許庁

発表内容詳細

  • 材料

1)フッ素化合物の炭素-炭素結合生成技術の開発と工業化

東京工業大学 物質理工学院 応用化学系 教授 三上 幸一

新技術の概要

有機フッ素化合物は医農薬・機能性材料の鍵コンポーネントとして産・学を問わず必要不可欠となっている。本新技術では、工業化可能な高効率的合成法(触媒的炭素‐炭素結合形成反応)を駆使することで、医薬品候補として付加価値の高い多種多様な有機フッ素化合物を、簡単に、安価に、且つ安全に自在合成することができる。

従来技術・競合技術との比較

近年、有機フッ素化合物の触媒的合成が報告されているが、高価な(不斉)触媒及び根幹物質としての有機フッ素化合物(基質)を用いており、一般性・実用性に欠けている。従って、安価且つ取り扱いが容易な(不斉)触媒・有機フッ素化合物(基質)を用いる高効率的触媒反応を可能にする本新技術とは一線を画される。

新技術の特徴

・医農薬品候補化合物へのフッ素官能基導入による活性向上
・機能性材料へのフッ素官能基導入に伴う高品質化
・光学活性化合物の合成における工業化

想定される用途

・医農薬品における中間体の実用的合成
・機能性材料の鍵コンポーネントの実用的合成
・有機合成における安定な固体試薬としての用途

関連情報

・外国出願特許あり

  • 材料

2)新金属サブナノ粒子の創製と次世代機能材料への展開

東京工業大学 科学技術創成研究院 ハイブリットマテリアル研究ユニット 准教授 今岡 享稔

新技術の概要

ナノ粒子は工業的に幅広く利用されていが、さらに小さいサイズのサブナノ粒子はその性質が殆ど解明されておらず合成方法も確立されていない。発表者らは、独自に開発した樹状高分子(デンドリマー)を利用して金属元素を原子単位で精密にハイブリッドする方法を用いて新たな物質を創り出し、触媒など次世代の機能材料の実用化を目指している。

従来技術・競合技術との比較

サブナノ粒子合成は、ハイパーブランチポリマーを用いた方法もあるが、“自在に”“数を決めて”“安定して”扱うことができない。発表者らが持つデンドリマーは、様々な金属に対して原子数や配列を事前にプログラムすることで簡単に単一の集積構造を得ることが可能である。

新技術の特徴

・デンドリマーを用い、112種類ある元素の内90以上の金属物質を無数のバリエーションで組み合わせることで、新たな物質の創製が可能となる。
・新たな触媒機能、発光機能、磁気機能などを持つ次世代機能材料を生み出す。
・親水基の官能基を導入すれば、水溶性のデンドリマ-となりドラックデリバリ-材料としての利用も可能となる。

想定される用途

・発光機能、磁気機能を持つ有機EL
・有機太陽電池、有機トランジスタ、有機メモリなどの有機エレクトロニクスデバイス材料
・石油化学工業におけるメタンやアルカンガスをメタノ-ルなど有効な資源への転換する触媒

関連情報

・外国出願特許あり

  • 材料

3)温度応答性マイクロピラーアレイによる微粒子分離デバイス

東京工業大学 科学技術創成研究院 未来産業技術研究所 准教授 西迫 貴志

新技術の概要

マイクロ流路を用いた粒子分離技術の一つであるDeterministic Lateral Displacement(DLD)を応用した新たな粒子分離技術について紹介する。具体的には、DLD流路を温度応答性高分子ゲルを用いて作製することによって、分離される粒子径の調節を可能とした装置について紹介する。

従来技術・競合技術との比較

従来のマイクロ流路を用いた受動的粒子分離手法は、分離可能な粒子径が固定されているため汎用性の低下を招いている。本技術は、マイクロ流路デバイスの構成要素に温度応答性高分子を用いることによって、容易に分離可能な粒子径を調節することを可能とした。

新技術の特徴

・微粒子分離マイクロ流路デバイスの構成要素として温度応答性高分子を用いている点
・温度制御によって分離可能な粒子径を調節可能である点
・同一のデバイスにて様々な大きさの微粒子分離に対応可能である点

想定される用途

・生体粒子の分離による病気の診断、分析用途への応用
・ポリマー微粒子等の単分散性の向上

関連情報

・サンプルあり

  • デバイス・装置

4)原子レベルセンサによる高感度磁気・温度・電界モニタリング技術

東京工業大学 工学院 電気電子系 助教 岩崎 孝之

新技術の概要

SiCやダイヤモンドなどのワイドギャップ半導体に内包した原子レベルセンサを用いた磁気(電流)、温度、電界の高精度・高空間分解能モニタリングを可能とするセンシング技術。デバイスの物理パラメータの直接計測や回路の発熱、各種細線の電流計測などに応用が期待できる。

従来技術・競合技術との比較

従来の技術では、半導体デバイスや回路応用とって重要な磁気(電流)・温度・電界の全てを計測することは困難であった。本技術のセンサでは、これら物理パラメータ全ての高精度かつ高分解能計測を可能とする。

新技術の特徴

・ワイドギャップ半導体に内包された安定原子レベルセンサによる磁気(電流)、温度、電界計測技術
・高精度・高空間分解能での物理パラメータイメージング
・磁気・電界のベクトルイメージング

想定される用途

・半導体デバイス・回路の磁気(電流)・温度・電界モニタリング技術
・パワー回路のスイッチングなど高発熱回路の高時間分解能での温度計測
・各種電池の充放電モニタリング

  • デバイス・装置

5)有機薄膜光集積回路

東京工業大学 科学技術創成研究院 未来産業技術研究所 助教 雨宮 智宏

新技術の概要

本技術は、「有機薄膜光集積回路」の提案と作製手法に関するものである。本技術を用いることにより、チップ形状であった従来型の光集積回路をフレキシブル化することで、センシングや医療応用などを目的としたウェアラブルで高速な光信号処理が可能となる。

従来技術・競合技術との比較

有機材料を用いた光伝送路については、有機材料の低損失性および柔軟性を活かして、既に多くの研究が行われている。しかし、有機材料はInP、Siと同等の機能性を持たせることは極めて難しく、その全てがパッシブな光伝送路としての研究に留まっている。本研究は、厚さ数マイクロメートルの有機薄膜フィルム内に、光源以外の光機能全てを一括集積する概念およびその手法を提案する。

新技術の特徴

・極薄膜(数マイクロメートル膜厚)によるフレキシブルな光集積回路
・一括機能集積(1回のプロセス工程で光回路における必要な機能のすべてを作り出す)
・従来の光集積回路と遜色のない性能が既に概算されている。

想定される用途

・医療機器応用
・センシング応用
・光通信モジュールのフレキシブル環境下応用

関連情報

・サンプルあり

  • デバイス・装置

6)新型熱電発電モジュールとそのウェアラブルデバイスへの応用

東京工業大学 科学技術創成研究院 未来産業技術研究所 准教授 菅原 聡

新技術の概要

薄膜熱電材料を用いたリソグラフィに基づくマイクロデバイスプロセスによる集積化が容易な新構造熱電発電モジュール、体温によるウエアラブルデバイスやセンサへの電力供給やマイクロプロセッサやSoCの排熱を利用したエネルギー再利用に応用可能。

従来技術・競合技術との比較

熱電発電モジュールの高出力化にはゼーベック素子の高集積化が有効であるが、マイクロデバイスプロセスを用いてゼーベック素子の集積化を行うために、薄膜の熱電材料を用いると、熱電変換効率や出力が低下するといった問題があった。

新技術の特徴

・薄膜の熱電材料を用いても、高い出力の得られるゼーベック素子の構造
・さらに、マイクロデバイスプロセスによる高密度集積化が容易なモジュール構造
・ミクロンサイズの微細加工を導入した場合、従来型に比べて、10倍以上の出力が得られる可能性有

想定される用途

・ウェアラブルデバイス、 IoTセンサ
・マイクロプロセッサ、SoCの排熱発電
・自動車排熱発電

  • 情報

7)懐中電灯を用いた楽しい多層映像プロジェクションマッピング

東京工業大学 情報理工学院 情報工学系 助教 佐藤 俊樹

新技術の概要

懐中電灯型のデバイスを「かざす」だけで実世界への多層化映像の重畳表示を可能にするプロジェクタ・カメラシステムと、それを用いたプロジェクションマッピングシステムを提案する。

従来技術・競合技術との比較

従来は実世界への映像重畳表示に小型モバイルプロジェクタが用いられてきたが、本システムはプロカムシステムと識別可能なライト型デバイスを用い、ライトによる自然な映像重畳と映像の多層化を実現した。

新技術の特徴

・誰でも使える簡単な操作でインタラクティブなプロジェクションマッピングを可能にする。
・懐中電灯型デバイスの発する光の個体識別・光の重なり領域のリアルタイム検出が可能。
・従来のスクリーンに加え、実世界の3次元物体(非平面スクリーン)に対する映像重畳にも対応。

想定される用途

・デジタルサイネージ
・エンタテインメント
・協調作業支援

関連情報

・サンプルあり
・デモあり

  • 機械

8)コミュニケーションロボットのための小型静粛減速機

東京工業大学 科学技術創成研究院 未来産業技術研究所 准教授 長谷川 晶一

新技術の概要

コミュニケーションロボットには静粛性が求められるが、歯車減速機の低騒音化はコスト高になる。そこで、ゴムローラによる静粛性、内接式遊星歯車による小型大減速、予圧機構を廃した少部品点数という特徴を併せ持つ機構を発明し、実用性を確認した。

従来技術・競合技術との比較

歯車減速機では高速回転する初段が騒音を発生する。ゴムローラやベルトにより静粛化できるが、圧力調整機構が必要で機構が複雑になる。2段目の内接式遊星歯車が圧力調整も担うため提案機構は単純・小型な機構で静粛な大減速を実現した。

新技術の特徴

・高速回転時でも静か。
・小型、大減速。
・部品点数が少ない。

想定される用途

・コミュニケーションロボットの駆動、ロボット用サーボモータ
・家庭用機器の駆動
・超小型サーボモータ

関連情報

・サンプルあり
・デモあり
・外国出願特許あり

  • 情報

9)カメラ内蔵ボールによるボール視点映像合成

東京工業大学 情報理工学院 情報工学系 教授 小池 英樹

新技術の概要

スポーツ中継においてボール視点映像を得るために、小型カメラを内蔵したボールとその画像処理技術を開発した。ボールの振動・回転情報からボールの状況を深層学習で自動判別し、書く状況に応じて異なる動画安定化手法を適用することで安定したボール視点映像を合成する。

従来技術・競合技術との比較

これまでに小型カメラを球体に装着したものは幾つか存在するが、実際のスポーツに使用した場合生じる振動・回転の安定化を行ったものはない。

新技術の特徴

・ボールの振動、回転による不安定な動画像の安定化
・ボールの振動、回転情報から深層学習による状況推定

想定される用途

・スポーツ中継、トレーニング支援
・極限作業監視カメラ

関連情報

・サンプルあり

  • 機械

10)多様な物体を把持する流体圧ロボットハンド

東京工業大学 工学院 システム制御系 准教授 塚越 秀行

新技術の概要

センサ情報を使わず、オープンループで多様な物体を把持できる軽量なロボットハンドを紹介する。開発したハンドは、人間の親指と人差し指に相当する2本のフィンガーから成る。簡素な構成で人間と同レベルのトルクを生成可能なため、ドローンへの搭載や、生産現場での脆弱な物体の詰め替え作業などへの応用が期待される。

従来技術・競合技術との比較

2本の指だけで、多様な物体を把持できる技術は、これまでほとんどなかった。

新技術の特徴

・対象な位置の関節を同一のタイミングで同一のトルクで駆動
・V-open Driveと名付けた軽量、高出力な流体圧駆動方法
・物体の接触圧を均一化するトルク配分の設計

想定される用途

・ドローンなど、ペイロードの制約を大きく受ける移動ロボットに搭載するためのロボットハンド
・生産現場における脆弱な食品などの箱詰め作業の自動化
・農作物収穫ロボットのハンド

  • 機械

11)チューブをより合わせるだけでできる管内推進装置

東京工業大学 工学院 機械系 准教授 高山 俊男

新技術の概要

空気圧を加えるだけで伸縮可能なゴムチューブを複数本より合わせ、それらを周期的に加減圧するだけで動作する管内推進装置を提案する。電気を用いず密閉構造であることから、可燃性のガス管内でも利用でき、廉価であることから使い捨ても可能である。またそのための駆動装置や、安価な大量生産方法等についても紹介する。

従来技術・競合技術との比較

従来の管内推進装置は、タイヤのような回転体によって推進力を得ているが、こうした機構的な装置は小型化が難しく、電気を使用することから水や可燃物の周囲で使うには気密性の担保のためにさらに大型化してしまうという問題があった。またこうしたことから値段も高価なものとなってしまう。

新技術の特徴

・簡単な構造で管内を推進。
・大量生産が可能。
・電気を使わず気密性が高く安全。

想定される用途

・管内移動装置
・管内清掃装置
・医療用内視鏡推進補助装置

関連情報

・サンプルあり

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

東京工業大学 産学連携推進本部

TEL:03-5734-2445 FAX:03-5734-2482
Mail:sangakuアットマークsangaku.titech.ac.jp
URL:http://www.sangaku.titech.ac.jp
新技術説明会について

〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町

TEL:03-5214-7519

Mail:scettアットマークjst.go.jp

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