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電気通信大学 新技術説明会

日時:2016年05月17日(火) 11:55~16:00

会場:JST東京本部別館1Fホール(東京・市ケ谷)

参加費:無料

主催:科学技術振興機構、電気通信大学

後援:一般社団法人目黒会(電気通信大学同窓会)、株式会社キャンパスクリエイト(電気通信大学TLO)

発表内容詳細

  • 情報

1)任意のオノマトペで表される見た目、手触り、味・食感などを実現する材料・物理特徴量提案技術

電気通信大学 大学院情報理工学研究科 総合情報学専攻 教授 坂本 真樹

新技術の概要

「さらふわ」「ぷちぷち」といったオノマトペに代表される任意の音象徴語を入力すると、音韻と材料・物理特徴量を関連付けたデータテーブルを参照することで、任意のオノマトペで表される印象を実現する物理特徴を定量的に出力する技術。味、見た目、手触り、香り、音全ての五感・質感に適用可能である。

従来技術・競合技術との比較

発明者の先願特許である「オノマトペのイメージ評価システム, イメージ評価装置, およびイメージ評価用プログラム」(特許第5354425)により実装しているシステムは、任意のオノマトペ が表す言葉の印象を定量化するものであったのに対し、本新技術は、材料・物理特徴量を定量的に提示する技術である。

新技術の特徴

・新奇語も含む任意のオノマトペ
・音韻と材料、物理特徴量を関連付けたデータテーブル
・画像や見た目、手触り、音、味や食感、香り

想定される用途

・「ぎらぎらではなくきらきらがいい」などの見た目、「かさかさではなくさらさら感がほしい」など手触りが重要な製品開発支援
・「もっともふもふ感がほしい」など、新オノマトペで顧客が求める質感を実現する製品開発支援
・「ふわとろ感を出したい」など、食品開発やレシピ提案

関連情報

・デモあり

  • 情報

2)学習が“容易な”声質変換技術

電気通信大学 大学院情報理工学研究科 情報・ネットワーク工学専攻 助教 中鹿 亘

新技術の概要

本発表では、モデルの学習を“容易に”行える声質変換技術を紹介する。本技術では、音声信号から自動的に話者と音韻に関する情報に分離し、逆にそれらから音声信号を生成できるモデルを用いて声質変換を行う。本技術はこれまでの声質変換モデルの学習を困難としていた「パラレルデータ」を必要としないため、より学習が”容易に”行える。

従来技術・競合技術との比較

従来の声質変換技術ではパラレルデータ(入力話者と目標話者の時間整合のとれた音声データ対)と呼ばれる特殊なデータを用いて学習を行う必要があった。しかし、発話内容を一致させる必要がある、時間整合を取るための技術が別途必要であり余分な計算時間や推定誤差が生じるなどの問題があった。本技術ではそのようなデータを用いなくても学習が行える。

新技術の特徴

・モデルの学習時にパラレルデータが不要
・直感的な音声モデル
・様々な音声信号処理に応用可能

想定される用途

・声質変換(Voice Changer)
・音声認識
・話者認識

関連情報

・サンプルあり

  • 情報

3)光受容タンパク質を用いた人工受容野でヒトの視覚情報処理を実現する

電気通信大学 大学院情報理工学研究科 基盤理工学専攻 准教授 岡田 佳子

新技術の概要

視物質に似たタンパク質を透明電極にパターニングするだけというシンプルな方法で、視覚系ニューロンが光刺激に反応する視野の範囲「受容野」構造を模倣した空間フィルター素子を作製し、アナログ画像処理に適用する。

従来技術・競合技術との比較

現在のコンピュータビジョンは大部分がソフトウェアでの実現を前提にしている。生体材料の機能をそのまま利用し、受容野の構造だけを模倣した環境に優しい「視覚ハードウェア」の実現は新しい試みである。

新技術の特徴

・材料自身が微分・差分演算機能とたたみこみ機能をもつので外部演算回路が不要
・光合成タンパク質(太陽電池)なのでバイアス電源が不要
・シンプルな成膜方法と一組の電極しか用いない一画素アナログ素子

想定される用途

・リスク回避用モーションセンサー(微分応答=>速い動きに強い応答)
・欠陥検出用Gaborフィルター素子
・非接触ジェスチャー操作用センサー

関連情報

・サンプル提供可能
・デモあり

  • 医療・福祉

4)歩行動作の評価・学習システム - 健康長寿をアシストする -

電気通信大学 大学院情報理工学研究科 機械知能システム学専攻 教授 岡田 英孝

新技術の概要

身体諸機能の加齢変化にともない歩行動作も加齢にともなって変化する。本手法は歩行中の姿勢や力・パワー発揮の標準的な加齢変化に基づき、歩行動作の加齢度を評価するものである。また、歩行動作をリアルタイムにフィードバックすることで歩行動作の学習も可能とする。

従来技術・競合技術との比較

従来の歩行動作評価システムは、計測結果を知らせるのみで科学的エビデンスに基づいた動作の評価には至っていない。また、歩行動作が形態や歩行速度により変化することを考慮していない。本技術では、歩行者の歩行速度や形態を考慮し、科学的エビデンスに基づいて歩行者に固有の歩行動作加齢度を評価する。

新技術の特徴

・センサの小型、軽量化(歩行計測に特化)
・科学的エビデンスに基づいた歩行動作評価
・運動学習(トレーニング)をアシスト

想定される用途

・スマートフォン用アプリケーション(歩行動作の計測、評価、学習)
・WEBを用いた歩行診断
・歩行動作データベース

  • 製造技術

5)迅速試作のための力覚援用による機械加工インタフェースの開発

電気通信大学 大学院情報理工学研究科 機械知能システム学専攻 准教授 森重 功一

新技術の概要

直感的な機械加工による切削RP(ラピッドプロトタイピング)技術の開発を目的としている。CAMソフトウェアによるNCデータ作製などの機械加工に関する作業におけるユーザビリティの改善に着目し、直感的かつ効率的な工程作業設計を実現するためのインタフェースを実現する。

従来技術・競合技術との比較

迅速試作となると、現在は積層造形法の利用が考えられる。積層造形法は、工具が入らないような複雑な形状でも成形することができるが、使用できる材料は一般的に高価なうえに、強度や耐久性が不十分なものが多く、実用に耐える部品を量産するという用途への適用は現実的ではない。

新技術の特徴

・VR技術を利用した力覚の援用により、直感的な作業設計が可能となる。
・危険な操作を力覚により防止できるため、初心者でも安心して作業ができる。
・旋削から5軸制御加工など、幅広いレベルの機械加工に適用が可能。

想定される用途

・迅速試作(ラピッド・プロトタイピング)
・航空・宇宙分野で必要とされるような複雑な形をした部品の加工
・工作機械操作インタフェースへの展開

関連情報

・サンプルあり
・デモあり

  • 製造技術

6)次世代型高性能熱交換器開発のための伝熱管内流れの可視化および熱伝達予測式の提案

電気通信大学 大学院情報理工学研究科 機械知能システム学専攻 助教 榎木 光治

新技術の概要

次世代型冷凍空調用熱交換器等は、内径1mm程度の微細流路を使用して開発が進められている。沸騰や凝縮といった相変化を伴う微細流路内流れを高速度カメラで可視化して、熱伝達メカニズムを明らかにする。

従来技術・競合技術との比較

他競合技術と大きな違いは「流れを可視化」できることにある。流れを可視化することで、精度の良い熱伝達予測式を提案することができる。

新技術の特徴

・微細流路を用いた熱交換器
・相変化熱伝達の可視化
・高精度の熱伝達予測式

想定される用途

・冷凍空調分野
・自動車
・電子部品等の冷却

関連情報

・サンプルあり

  • 製造技術

7)設計情報学 - 革新デザインを目指して

電気通信大学 大学院情報理工学研究科 機械知能システム学専攻 准教授 千葉 一永

新技術の概要

設計情報学は問題定義、最適化、データマイニングによって構成される効率的な設計方法論である。本方法論の最終目標は、設計者への発想支援である。そのため、最適化やデータマイニングはアルゴリズムや適用法がトピックだが、設計情報学というシステムのエッセンスは問題定義にある。多数の設計者の議論を経て問題を定義し、設計空間を構造化・可視化することで、設計情報を俯瞰する。

従来技術・競合技術との比較

問題定義の後にパラメトリックスタディなどが実施されるのが関の山だったが、網羅的に設計空間を俯瞰する点が差別化される点である。また、最適化とデータマイニングという異分野のハイブリッド化は新しい視点である。

新技術の特徴

・応用分野を問わない。

想定される用途

・応用分野を問わない。

  • 情報

8)公開鍵暗号方式を用いた制御システムのサイバーセキュリティ強化技術

電気通信大学 大学院情報理工学研究科 機械知能システム学専攻 准教授 小木曽 公尚

新技術の概要

制御演算部(コントローラ)は、フィードバック情報、運転指令、制御量やそれを演算するためのパラメータなど、制御システムにとって重要な情報が集まるところである。提案技術は、これらの信号およびパラメータを暗号化し、暗号化したまま制御量を直接計算するための暗号化制御システムを与える。これにより、制御システムを稼働させるために必要な制御器内部の情報がすべて暗号化され、演算部へのハッキング等による情報の盗窃・漏洩への予防的対策が可能となる。

従来技術・競合技術との比較

通信プロトコルにより通信路上を暗号化する従来技術では、制御演算部に取り込む直前に復号化(秘密鍵の保存)が必要である。これに対し、提案技術は、通信データのそのものの暗号化であり、暗号文同士の演算を可能とするため、制御演算部に取り込む直前に行う復号化(秘密鍵の保存)は、不要である。

新技術の特徴

・暗号文のままで制御量を計算できる。
・制御演算部(コントローラ)のPIDゲインパラメータなども暗号化する。
・通信路上の信号は従来と同様に暗号化しつつ、秘密鍵の保管箇所を減らすことができる。

想定される用途

・化学や重工業などの大型自動制御システム
・自動車のECUやパワートレインやエンジンの制御システム
・医療機器や製薬工場の制御システム

関連情報

・サンプルあり

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

電気通信大学 研究推進機構 産学官連携センター

TEL:042-443-5871 FAX:042-443-5726
Mail:onestopアットマークsangaku.uec.ac.jp
URL:http://www.sangaku.uec.ac.jp/
新技術説明会について

〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町

TEL:03-5214-7519

Mail:scettアットマークjst.go.jp

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