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福島大学 新技術説明会

日時:2017年09月21日(木) 09:55~11:55

会場:JST東京本部別館1Fホール(東京・市ケ谷)

参加費:無料

主催:科学技術振興機構、福島大学

後援:特許庁

発表内容詳細

  • 材料

1)バイオマスセルロースナノファイバー由来機能性炭素材料の作製

福島大学 共生システム理工学類 産業システム工学専攻 准教授 中村 和正

新技術の概要

炭素繊維の産業製造プロセスにて行われている不融化処理の応用であるヨウ素処理を利用して、バイオマスセルロースナノファイバーから高炭素化収率そして組織制御されたカーボンナノファイバーを作製した。このカーボンナノファイバーを使用して、摺動部材に適用が可能なC/Cコンポジットや浄化材料に適用が想定される磁性多孔質ナノファイバーを作製した。

従来技術・競合技術との比較

バイオマスセルロースナノファイバーを炭素化したカーボンナノファイバーが高分散したマイクロポアフリーなC/Cコンポジットが作製できた。不融化処理を応用することで、従来のバイオマス由来カーボンナノファイバーから作製したC/Cコンポジットよりも耐摩耗性が優れていた。また、多孔性と磁性が両立した磁性多孔質ナノファイバーが作製でき、細孔制御の可能性も認められた。

新技術の特徴

・バイオマスセルロースナノファイバーから高収率なカーボンナノファイバーが作製できること
・バイオマス由来カーボンナノファイバーの利活用と多分野への展開が可能であること
・既存産業の製造プロセスを応用展開できること

想定される用途

・微細組織を生かした軸受けなどの摺動部材として使用できる
・金属材料よりも過酷な環境下での使用の可能性が見込める
・多孔性と磁性が両立した高機能性吸着材料の作製が想定できる

  • 材料

2)金クラスターを非常に簡単に活性炭へ担持させる方法

福島大学 共生システム理工学類 環境システムマネジメント専攻 准教授 大橋 弘範

新技術の概要

簡単な処理を施した活性炭へ、一般的な金化合物と一般的な試薬を組み合わせることで、今まで達成し得なかった「平均原子数20原子程度の金クラスターの担持」と「その金クラスターの活性炭上への分散」を実現した。操作も簡単で、これまでの技術と比較しても安価である。

従来技術・競合技術との比較

活性炭への金微粒子の担持は比較的困難で、通常の担持金ナノ粒子の調製法である析出沈殿法では金ナノ粒子は凝集してしまうという問題があった。これまでは、非常に高価な金(III)化合物を利用することでこの問題を突破してきた。本技術では、安価な化合物のみで活性炭へ金ナノ粒子を分散して担持させることができる。

新技術の特徴

・通常は凝集してしまう金原子を高分散で活性炭に担持
・平均20原子程度からなる金クラスターを非常に簡単に調製
・安価な金化合物を利用することで、従来技術より安価に調整

想定される用途

・有機官能基の選択的酸化反応触媒
・有機官能基の選択的還元反応触媒
・活性炭として脱臭効率推進

関連情報

・サンプルあり

  • 材料

3)吸着能と有機物分解能を有するリン酸銀担持多孔性炭素材料

福島大学 共生システム理工学類 産業システム工学専攻 准教授 浅田 隆志

新技術の概要

可視光照射下で光触媒性能を有することが知られているリン酸銀を多孔性炭素材料に簡単に担持する技術を開発した。本技術により、化学物質の吸着能だけでなく様々な有機物質の酸化分解能が多孔性炭素材料に付与されるため、高機能な脱臭材や浄化材として利用が期待される。

従来技術・競合技術との比較

代表的な光触媒である紫外線応答型の酸化チタンを活性炭等の高比表面積を有する多孔性炭素材料に担持する技術は数多く報告されているが、特に可視光応答型光触媒の多孔性炭素材料への担持は煩雑な操作を必要とする。本技術は簡単な浸漬法により可視光応答型光触媒のリン酸銀を多孔性炭素材料に担持する技術である。

新技術の特徴

・可視光照射で機能するリン酸銀光触媒が銀換算で20wt.%程度担持した多孔性炭素材料
・比表面積500㎡/g程度のリン酸銀担持多孔性炭素材料
・吸着能と有機物の酸化分解性能を有するリン酸銀担持多孔性炭素材料

想定される用途

・空気清浄機用活性炭
・浄水器用活性炭
・脱臭材

関連情報

・展示品あり

  • エネルギー

4)簡便かつ高精度な太陽光発電システムの出力性能モニター

福島大学 共生システム理工学類 特任教授 齊藤 公彦

新技術の概要

故障予見や損失回避のため、太陽光発電の長期運用においては数%程度の比較的小さな出力低下の検知も重要である。本技術では、発電に対する日射と温度の両方の影響を同時に反映できる太陽電池ミニモジュールの最大出力から見積る期待発電量と実発電量とを比較することにより3%程度の出力低下の検出を可能としている。

従来技術・競合技術との比較

本技術は故障個所を特定する技術ではないが、発電出力低下をモニター検出する方法としては、従来の日射計や気象データのみから検出する方法に比べて高精度であり、また、日射計と気温やモジュール温度計測を併用する場合に比べてシステムが極めて簡便である。

新技術の特徴

・太陽電池ミニモジュールのみで傾斜面日射量とモジュール温度を反映した期待発電量の算出が可能
・日射量だけでないモジュール温度の反映や、データ処理の工夫により高精度で出力低下検出が可能
・ミニモジュールのため、取り外しが容易で校正や交換が簡単

想定される用途

・太陽光発電システムの故障および劣化のモニタリング
・太陽光発電システム設置等に向けた発電量予測を行うための計測装置

関連情報

・デモあり
・展示品あり

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

福島大学 研究振興課

TEL:024-548-5248 FAX:024-548-5209
Mail:chizaiアットマークadb.fukushima-u.ac.jp
URL:http://gakujyutu.net.fukushima-u.ac.jp/007_research/index.html
新技術説明会について

〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町

TEL:03-5214-7519

Mail:scettアットマークjst.go.jp

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