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広島大学 新技術説明会

日時:2017年06月13日(火) 12:55~15:55

会場:JST東京本部別館1Fホール(東京・市ケ谷)

参加費:無料

主催:科学技術振興機構、広島大学

後援:特許庁

発表内容詳細

  • 医療・福祉

1)身体性を考慮して感性的価値を高めるアシスト力設計技術

広島大学 大学院工学研究科 システムサイバネティクス専攻 准教授 栗田 雄一

新技術の概要

体格や姿勢などの身体性は道具使用やアシスト力に対する人の主観的な感覚に大きく影響する。我々の技術は、手先の運動特性や筋負担の定量化を通じて、運動を楽にするだけでなく、運動がうまくなったり、操作しやすく感じたり、といった感性的価値を高めるプロダクトデザインに応用可能である。

従来技術・競合技術との比較

従来の運動アシスト強度は、運動を楽にすることを主眼として設計されている。しかし楽になることと、運動や操作がしやすくなることの間には、単純な相関関係は成立しない。楽にすることとうまくすることを同時に満たすアシスト強度設計論を導入することは、様々な製品の感性的価値を高めることに繋がる。

新技術の特徴

・体格や姿勢などの身体性を考慮した手先運動の得意・不得意(手先操作性)を可視化・定量化
・身体性に基づく筋負担感の定量化
・手先操作性や筋負担感に基づくアシスト強度設計技術

想定される用途

・適切な筋力補助により人の感覚運動機能を向上させる運動補助スーツ
・自分が操作している感覚を維持できる自動車や車いす等の電動アシスト強度設計
・モバイルデバイス等の操作性を高めるフィードバック強度設計

関連情報

・サンプルあり
・デモあり

  • 材料

2)新規機能性色素材料の創製:デバイスから医療用まで

広島大学 大学院工学研究科 応用化学専攻 教授 大山 陽介

新技術の概要

色素増感太陽電池用の光増感色素の発色母体、有機薄膜太陽電池用の有機半導体の母体骨格、有機電界効果トランジスタ用の有機半導体、有機エレクトロルミネッセンス用の蛍光性色素、光線力学的療法用の一重項酸素発生光増感色素、分子認識蛍光センサー、エレクトロクロミック用色素としての応用が可能

従来技術・競合技術との比較

全く報告例の無い、縮環型ビスベンゾ[c]チオフェン(HIRO-DYE1)の合成に成功した。HIRO-DYE1は、高い平面性、高いモル吸光係数、高い発光量子収率を有するだけでなく、安定な酸化還元特性を示すことから、従来型の縮環型ベンゾチオフェン類を凌駕する光電変換・電光変換特性、発光特性および導電性が期待できる。

新技術の特徴

・高い平面性の構造(有機半導体として有用)
・高い光捕集効率と発光特性(有機薄膜太陽電池・有機エレクトロルミネッセンス・光線力学的療法への応用)
・安定な酸化還元特性(各種の有機・無機ハイブリッドデバイスへの展開)

想定される用途

・有機電界効果トランジスタ(OFET)および色素増感太陽電池(DSSC)
・有機薄膜太陽電池(OPV)および有機エレクトロルミネッセンス(OLED)
・光線力学的療法(PDT)

  • アグリ・バイオ

3)亜リン酸を用いて遺伝子組換え体を封じ込める実用的手法

広島大学 大学院先端物質科学研究科 分子生命機能科学専攻 准教授 廣田 隆一

新技術の概要

生物の必須栄養素であるリンの代謝系を遺伝的に改変し、亜リン酸という天然には存在しない化合物がないと生存できなくなる性質を創り出す技術を開発した。これにより、遺伝子組換え微生物利用の安全性を大きく高め、培養プロセスの経済性向上、開放系利用など新たな可能性を切り拓く有用微生物株の実用化に貢献できる。

従来技術・競合技術との比較

従来の生物学的封じ込め手法は、効果が弱いか、あるいは高い効果を得るためには非常に複雑な手法や高価な化合物が必要であった。本手法はシンプルであり、大腸菌をはじめとするバクテリアに広く適用可能である。また、培養のコストもかからず、実用向きである。

新技術の特徴

・亜リン酸が無いと生存できない性質を宿主微生物に与える技術
・従来の封じ込め手法に比べて、少ない遺伝子改変で非常に高い封じ込め効果が得られる
・亜リン酸は安価であるため、大規模培養での封じ込めも可能

想定される用途

・微生物発酵産業
・バイオ医薬品
・バイオレメディエーション

関連情報

・外国出願特許あり

  • 材料

4)単分子誘電体の開発 ~究極の微小不揮発性メモリ素子を目指して~

広島大学 大学院理学研究科 化学専攻 准教授 西原 禎文

新技術の概要

我々は、単一分子で分極履歴を示す究極の微小誘電材料の開発に世界で始めて成功した。この現象は室温以上で発現することから、早い段階での実用化が期待できる。本系をメモリ材料として用いた場合、既存の記録密度を100~1000倍向上させることが可能となる。

従来技術・競合技術との比較

今回提案する材料はこれまでの不揮発性記憶材料の小型化限界を超越する可能性を有しており、記憶密度のさらなる向上が期待される。本材料は、これまで提案された記憶材料とメカニズムが異なるため、従来の技術とは全く異なったものである。

新技術の特徴

・単分子で誘電履歴を示す
・室温以上で誘電履歴を示す
・究極の微小不揮発性メモリ素子

想定される用途

・不揮発性メモリ
・半導体素子
・分子アクチュエータ

  • 計測

5)目視できない条件下の物体の挙動(位置・速度)の評価法

広島大学 大学院工学研究科 機械物理工学専攻 准教授 田中 憲一

新技術の概要

エンジンやエネルギー生産などの効率化では流体の挙動を正確に把握する必要があるが、高温・高圧のため金属など不透明な材質で配管を構成する必要があり、既存の手法では不可能である。これを実現する方法として、放射性マーカーと検出器を用い、試料の位置・動きを測定する新原理を開発した。

従来技術・競合技術との比較

目視できないため光学カメラは使えない。ピトー管測定は配管全体の流量を測定できるが、各場所の流れは測れない。熱線流速計は流速を測定できるが、流れの向きがわからない。超音波流速計は、管への超音波の出入りが難しく使えない。放射線透過撮影と単一光子断層撮影(SPECT)では、線源の位置と速さ両方の詳細解析ができない。

新技術の特徴

・目に見えない物体(粒子・液体・気体)の運動状態(位置、速度)を明らかにできる。
・任意の配管寸法、流体速度に応じた設計が可能である。
・光学系が不要である。

想定される用途

・化学プラントの挙動解析、効率化
・エンジンの挙動解析、効率化
・壁を隔てた場所(宇宙空間や船内外)や閉所、暗闇など目視できない場所での物体の挙動認識

  • 計測

6)赤外分光法をもちいた少量サンプルのナノ細孔評価法:IRポロシメトリー法

広島大学 大学院工学研究科 化学工学専攻 教授 都留 稔了

新技術の概要

非凝縮性ガスと凝縮性ガスとの混合ガスを凝縮性ガスの相対圧を変化させながら多孔性試料に供給し、薄膜などの微量の多孔性試料に凝縮性ガスが吸着した量をFT-IR測定することで,吸着量を測定を可能にするとともに、多孔性試料の細孔径分布を測定する技術を提供する。

従来技術・競合技術との比較

N2吸着法では、0.5nm未満の細孔評価が困難であるとともに、多量の粉体試料が必要になる。エリプソメトリー法では、装置が非常に高価であるとともに、多孔性試料が平滑な膜でなければ測定できないという難点がある。本技術では、安価で、少量のサンプルでの細孔径分布の測定を可能とする。

新技術の特徴

・ナノ細孔径分布を測定
・薄膜など少量サンプルでの測定が可能
・比較的安価な装置構成

想定される用途

・多孔フィルムの細孔径および分布の測定
・多孔性粉末の細孔径および分布の測定
・吸着性の評価が可能

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

広島大学 産学・地域連携センター 産学連携部門

TEL:082-424-4302 FAX:082-424-6189
Mail:techrdアットマークhiroshima-u.ac.jp
URL:https://www.hiroshima-u.ac.jp/iagcc
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Mail:scettアットマークjst.go.jp

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