説明会の
お申込み

日本原子力研究開発機構 新技術説明会

日時:2018年01月18日(木) 13:25~15:25

会場:JST東京本部別館1Fホール(東京・市ケ谷)

参加費:無料

主催:科学技術振興機構、日本原子力研究開発機構

後援:特許庁

発表内容詳細

  • 材料

1)高濃度沸騰硫酸環境で使用可能な高耐食靭性構造材料

日本原子力研究開発機構 高温ガス炉水素・熱利用研究センター 研究副主幹 岩月 仁

新技術の概要

開発材は、構造材料として高い機械的強度、延性等を具備する金属基材に、耐硫酸を向上させるため高シリコン(20wt%以上)表面層、熱応力等を緩和する中間層(シリコン5-20wt%)を有するハイブリッド材です。ハイブリッド化には、密着性と緻密性を確保するため、プラズマ溶射、レーザー溶融処理を施しています。

従来技術・競合技術との比較

耐硫酸性を示す高シリコン添加材は、加工性が低く、凝固収縮が大きいために、複雑な形状をした部品や大型の部品等には適しませんでした。また、延靱性が低いためにクラックが発生し やすく、構造材料としては不適となる場合が多かったです。 構造材料としての好ましい特性(高い機械的強度、延靱性等)を具備する金属材料を開発しました。

新技術の特徴

・広範囲な濃度の沸騰硫酸に対する耐食性
・曲面や面取り部等の不連続面への適用可能
・溶接部への適応可能

想定される用途

・熱化学水素製造プロセスの硫酸分解工程
・硫酸製造プラント
・厳しい腐食環境下での化学プラント装置材料

関連情報

・サンプルあり

  • 計測

2)短パルスレーザー加工技術を用いた耐熱歪センサ

日本原子力研究開発機構 レーザー共同研究所 研究主幹 西村 昭彦

新技術の概要

短パルスレーザー加工を用いて製作した光ファイバ回折格子を活用し、配管や圧力容器に現場で実装できるセンサーを複数使用することで、数百度以上の高温で運転することが必要な原子炉や化学プラントの配管、容器の地震時や経年劣化における変形が監視できます。

従来技術・競合技術との比較

従来の紫外線露光による光ファイバ回折格子は200度以上では劣化してしまいました。短パルスレーザー加工による光ファイバ回折格子の製作により1000度の耐熱性を持たせ、金属プレートに予め固定することで現場での取り扱いを容易にしています。

新技術の特徴

・耐熱歪センサ本体は600度まで使用できます。
・繰り返し加熱や外力が加えられる配管溶接部分の監視に最適です。
・特に複数のセンサを同時に監視することでプラントの異常発見に役立ちます。

想定される用途

・長尺配管がタンクに溶接されている個所など、高温プラントの歪の集中する個所の微小変形の監視に最適です。
・建築部材の一部に組み込んでおくことにより、プラントやビルの火災や地震時の変形監視に役立ちます。
・特に複数のセンサを同時に監視することで高温プラントの異常発見に役立ちます。

関連情報

・デモあり
・展示品あり

  • 環境

3)新規抽出剤を用いた溶媒抽出法による希土類元素の分離

日本原子力研究開発機構 原子力基礎工学研究センター グループリーダー 松村 達郎

新技術の概要

ランタノイドやアクチノイドから、目的の元素を選択的に分離・回収できる新規抽出剤を開発しました。さらに、水溶性錯化剤を組み合わせて用いることで、分離が困難な元素(ネオジムとプラセオジムなど)を効率的に分離することが可能です。

従来技術・競合技術との比較

従来技術では、抽出剤が徐々に排水中に溶け出し、その分の抽出剤を追加する必要があります。一方、本法で開発した抽出剤は、水相中への損失がありません。また、構成元素にリンを含まないため、使用済みの有機溶媒を完全焼却でき、たいへん環境にやさしい分離技術です。

新技術の特徴

・化学的に安定で安価な抽出剤
・抽出・分離が容易で迅速。
・使用済みとなった抽出剤は、焼却処理が可能。

想定される用途

・回収・リサイクル
・分離・精製

  • デバイス・装置

4)スピン流を利用した不揮発メモリ

日本原子力研究開発機構 先端基礎研究センター 研究副主幹 家田 淳一

新技術の概要

スピン流に基づく磁気メモリに関し、2箇所の磁壁保持部を備える強磁性構造体において、情報記憶時と読出し時の電流経路を同じにして電流制御用スイッチ素子を1個にすることにより、磁気メモリサイズの縮小を図りました。これにより高集積化かつ高速動作する不揮発性メモリを提供できます。また、情報読出しを非破壊的に行うことで、読出し後に磁壁位置復帰用の通電が不要になります。

従来技術・競合技術との比較

従来の磁気メモリは、情報記憶時と読出し時の電流経路が異なり、電流制御用スイッチ素子が2個必要なため、素子サイズが大きくなりす。また、磁壁を用いた磁気メモリでは情報読出し・磁壁移動により情報が破壊され読出し後に磁壁位置復元用の通電が必要でした。本発明は、これらの問題を解決したものです。

新技術の特徴

・DRAM相当(8F^2程度)の高集積化メモリセルの実現
・書き込み及び読み出し時間が10nsec程度の高速動作
・センス電流不要

想定される用途

・SRAM
・磁気読み取りヘッド

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

日本原子力研究開発機構 研究連携成果展開部

TEL:029-284-3420 FAX:029-284-3679
Mail:seika.riyouアットマークjaea.go.jp
URL:http://tenkai.jaea.go.jp/
新技術説明会について

〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町

TEL:03-5214-7519

Mail:scettアットマークjst.go.jp

Go Top